予算委員会

2003-07-11 参議院 全258発言

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会議録情報#0
平成十五年七月十一日(金曜日)
   午前十時一分開会
    ─────────────
   委員の異動
 五月二十九日
    辞任         補欠選任
     小泉 顕雄君     中川 義雄君
     小林  温君     国井 正幸君
     舛添 要一君     阿部 正俊君
     浅尾慶一郎君     高橋 千秋君
     大塚 耕平君     若林 秀樹君
     浜田卓二郎君     福本 潤一君
     大脇 雅子君     福島 瑞穂君
 六月五日
    辞任         補欠選任
     段本 幸男君     鴻池 祥肇君
 六月六日
    辞任         補欠選任
     鴻池 祥肇君     段本 幸男君
     高橋 千秋君     小川 勝也君
 六月九日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     高橋 千秋君
 六月十三日
    辞任         補欠選任
     世耕 弘成君     山本 一太君
     中川 義雄君     常田 享詳君
 六月十六日
    辞任         補欠選任
     常田 享詳君     中川 義雄君
     山本 一太君     世耕 弘成君
 六月二十七日
    辞任         補欠選任
     若林 秀樹君     小川 勝也君
 六月三十日
    辞任         補欠選任
     小川 勝也君     若林 秀樹君
 七月七日
    辞任         補欠選任
     山本  保君     遠山 清彦君
 七月八日
    辞任         補欠選任
     遠山 清彦君     山本  保君
 七月十日
    辞任         補欠選任
     紙  智子君     池田 幹幸君
 七月十一日
    辞任         補欠選任
     仲道 俊哉君     後藤 博子君
     森本 晃司君     山下 栄一君
     井上 哲士君     小林美恵子君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         陣内 孝雄君
    理 事
                木村  仁君
                谷川 秀善君
                保坂 三蔵君
                山下 英利君
                郡司  彰君
                齋藤  勁君
                山本  保君
                大門実紀史君
                平野 貞夫君
    委 員
                阿部 正俊君
                愛知 治郎君
                有馬 朗人君
                泉  信也君
                市川 一朗君
                後藤 博子君
                山東 昭子君
                清水嘉与子君
                世耕 弘成君
                田中 直紀君
                伊達 忠一君
                武見 敬三君
                段本 幸男君
                中川 義雄君
                仲道 俊哉君
                山下 善彦君
                朝日 俊弘君
                佐藤 道夫君
                櫻井  充君
                高橋 千秋君
                辻  泰弘君
                藤原 正司君
                円 より子君
                峰崎 直樹君
                若林 秀樹君
                福本 潤一君
                松 あきら君
                森本 晃司君
                山下 栄一君
                井上 哲士君
                池田 幹幸君
                小林美恵子君
                林  紀子君
                高橋紀世子君
                平野 達男君
                福島 瑞穂君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       総務大臣     片山虎之助君
       法務大臣     森山 眞弓君
       外務大臣     川口 順子君
       財務大臣     塩川正十郎君
       文部科学大臣   遠山 敦子君
       厚生労働大臣   坂口  力君
       経済産業大臣   平沼 赳夫君
       国務大臣
       (金融担当大臣)
       (経済財政政策
       担当大臣)    竹中 平蔵君
       国務大臣
       (規制改革担当
       大臣)      石原 伸晃君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  上野 公成君
   副大臣
       内閣府副大臣   伊藤 達也君
       財務副大臣    小林 興起君
       国土交通副大臣  中馬 弘毅君
   大臣政務官
       総務大臣政務官  岩永 峯一君
       総務大臣政務官 吉田六左エ門君
       農林水産大臣政
       務官       渡辺 孝男君
   政府特別補佐人
       内閣法制局長官  秋山  收君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田 成宣君
   政府参考人
       警察庁生活安全
       局長       瀬川 勝久君
       証券取引等監視
       委員会事務局長  新原 芳明君
       総務省人事・恩
       給局長      久山 慎一君
       総務省行政管理
       局長       松田 隆利君
       法務省刑事局長  樋渡 利秋君
   参考人
       日本銀行総裁   福井 俊彦君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○政府参考人の出席要求に関する件
○参考人の出席要求に関する件
○予算の執行状況に関する調査
 (経済・金融問題に関する件)

    ─────────────
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陣内孝雄#1
○委員長(陣内孝雄君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についてお諮りいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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陣内孝雄#2
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に山本保君を指名いたします。
    ─────────────
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陣内孝雄#3
○委員長(陣内孝雄君) 政府参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、必要に応じ政府参考人の出席を求めることとし、その手続につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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陣内孝雄#4
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
    ─────────────
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陣内孝雄#5
○委員長(陣内孝雄君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。
 予算の執行状況に関する調査のため、本日の委員会に日本銀行総裁福井俊彦君を参考人として出席を求めたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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陣内孝雄#6
○委員長(陣内孝雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ─────────────
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陣内孝雄#7
○委員長(陣内孝雄君) 予算の執行状況に関する調査を議題とし、経済・金融問題に関する集中審議を行います。
 質疑者はお手元の質疑通告表のとおりでございます。
 それでは、質疑を行います。木村仁君。
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木村仁#8
○木村仁君 自由民主党・保守新の木村仁でございます。よろしくお願いいたします。
 総理、株価が五月以来ずっと引き続き上がり続けて、一万円を突破する時期もありました。どうも今日は、今朝の九千七百六十七円七十五銭と、少し下がっております。株価のことでありますから、将来どうなるか、このことはだれも何も言えませんけれども。
 総理は、株価の動きについて一喜一憂すべきではないと言って、四月二十八日、七千六百八円、最低の底をついたときも一憂せず泰然としておられました。今回は、一万円を超した時点で、新聞によると少し喜んでおられるように思いますが、この株価のこれまでの趨勢について、どのように認識し、どのようなお感じをお持ちになっておられるか、お尋ねをいたしたいと存じます。
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小泉純一郎#9
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済、株価というのは、一国の事情だけでなくて、世界の経済情勢、政治情勢、いろいろな情勢にも絡んでくる問題だと思います。
 私は、株の専門家でもありませんし、株価の状況が上がる下がるという、そういう点については率直に言ってよく分かりませんが、七千円台になったとき、八千円台を割ってまだまだ下がると言っていた方も多かったわけでありますが、いろんな方から経済情勢、株価情勢を聞いているうちに、ある方が、今の株価は十年前のバブルのときとよく比較されるけれども、二十年前の水準なんだと。常識的に考えて、これ以上、二十年前以下に下がることは考えられないというような話を聞いて、なるほどなと。
 よく株をやっている人から聞きますと、まだはもうなり、もうはまだなりというのが株をやっている人の言葉でよく言われるんだと。下がるときは、人間まだまだ下がると思うと。そのときに、もう下がらないと思うか、まだ下がると思うか、これは非常に難しいと。結果になってみないと分からないということを聞きました。
 私は素人ですから、常識的に考えて、十年前どころか二十年前の水準に下がっているということはもう底ではないかなと、そういうふうに感じたわけです。今考えてみますと、やはり七千円台に入ったところが底だったんじゃないかと。あのときに買っていた人が今一番得しているんですね。
 最近の情勢を見ますと、日本だけじゃありません、日本の株価というのは特にアメリカの株価に非常に影響される面が強いと思います。しかし、私は、株価が下がるよりは上がる方がいいと。悲観的な見方ばかりじゃなくて、やはり日本の経済の底力というのは強いなと。企業の業績が上がっているのにどうして株が下がるんだろうという状況から、やはり日本の経済の底力、潜在力とか企業の業績を考えて、下がり過ぎじゃないかという見方がだんだん出てきたということから、株価につきましても、かつてのまだまだ下がるから、もう底だという見方がだんだん出てきたのではないか。特にそういう見方については、外国人の投資家が日本人よりも先に日本の経済の潜在力に目を付けて、もう底だなということで買い始めて、最近では日本人も、これはやはりちょっと低く評価し過ぎたということで日本も買いが入っていると。
 そして、貯蓄から投資へという税制改革をいたしました。株が下がっているときは、税制面でも株価投資というのは有利な税制に変わったんだよということを幾ら言っても聞く耳持たない方が多かった。最近、やっぱり税制が変わって、株式投資に対して今までと違って税の優遇も入っているんだと、税制改革の一環として。そういうことから、個人投資家も、貯蓄よりも株式投資の方が有利なんだなということがだんだん理解されてきた。そういう点が株にも向かっているんじゃないか。
 いろんな要因があると思います。もちろん、一本調子で上がっていくとは思いません。株価というのは、上がるか下がるか分かればみんな得するわけですから、そんなことはあり得ない。分からないところに面白さがあり難しさがあるんだと思いますので、気を緩めずに私は、日本経済の真の力を、いわゆる実体経済を良くしていくことによって結果的に株価も上がっているという状況にするのが必要ではないかと認識しております。
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木村仁#10
○木村仁君 一喜一憂という言葉は主として落ち込んでいる人に向かって言う言葉でございまして、上がってきたときは総理が心から喜んでいただく方が更に株は上がっていく、そう思います。
 総理が就任されたときの株価が一万三千九百七十三円だそうでございますから、もう一息頑張ってまいりたいと、私が頑張っても仕方がないのでありますが、そういうことであろうかと思います。
 この株価の上がった情勢を分析する方々の言葉をずっとフォローしてみますと、まずはアメリカ株が上がったから日本株も上がったんだと、こういうコメント。だんだんそれが、どうも日本株の割安感が見直されつつあるのではないかと言われました。それから、今度は、どうも三月末、三月期の大きな会社の収益がリストラのために非常に良くなってきたことを反映してきたのではないか、そういうようなコメントが続いておりまして、そしてシンガポール、香港、ソウル、台湾とアジア各国の株式も盛況を来してきておるし、十億株を超える、二十億株に及ぶような取引が一か月近くも続くということから、かなり評価が高くなってきております。しかしながら、基本的には日本の株は上がってきたけれどもデフレは止まっていないと、こういうのが一般の見方であろうと思いますが、このような株の動きに対して前途を危ぶむ意見ももちろんあるわけでございます。
 金融経済大臣は現在の状況をどのように把握しておられますか、意見をお聞かせいただきたいと思います。
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竹中平蔵#11
○国務大臣(竹中平蔵君) お答えさせていただきます。
 株というのは本当にたくさんの要因で上がったり下がったりいたします。正に総理おっしゃられたように、一喜一憂しないで中長期的に日本の経済をしっかりさせていくということが何よりも我々にとって重要なことだと思います。
 事実関係だけ一点指摘させていただきたいんですが、実はこの五十営業日、五十営業日といいますから約十週間になりますか、十週間の間に日本の株価は三〇%上がりました。この五十営業日に三〇%株価が上がったというのは、実は昭和二十七年以来のことなんだそうでございます。その意味では、この十週間ぐらいの動きというのは、高度成長期やバブルのときにも経験しなかったような非常に急速な回復であったと。この点は、一喜一憂しないというふうに申し上げましたが、やはり人々、消費者や企業に与えるマインドの影響は大きいと思われますので、是非しっかり流れを大切にして経済の運営に当たりたいというふうに思っております。
 その点でいいますと、委員御指摘のように、やはり実体経済が、今企業の収益が改善して、それに基づく企業部門での期待が非常に高まっているという状況にあります。それに対して、更に、設備投資も持ち直しておりますけれども、そうした企業の実態が更に良くなる、さらにそれが所得の増加、消費の増加につながるような好環境を是非作っていけるように努力をしたいというふうに思っております。
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木村仁#12
○木村仁君 一方、株価の上昇とともに長期金利が上がり続けているようでございまして、国債の評価が急激に下落しているのではないか、そして利回りが高くなってきたのではないかと言われております。我々素人からすると、国債の利回りが高くなったら大変なことになりはしないか、七百兆円というものを見てそういう心配が起こってくるわけでありますし、日銀総裁も、後で日銀総裁にもお尋ねいたしますけれども、心配の種だとこういうふうに言っておられます。その意味は深い意味があって、私どもには分からないのでありますが、この長期金利が上がることそのものは悪いことではないということのようでありますが、これが国家財政等に及ぼす影響について、大臣、どのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
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竹中平蔵#13
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、株価の上昇というのとほぼ歩を合わせて長期金利に上昇の傾向が見られます。いろんな要因があろうかと思います。お金が債券、国債から株に流れる中で、そうした動きが生じているというのが基本的な現象面での出来事だというふうに思いますが、基本的には金利の上昇、我々は注視をしておりますけれども、基本的には想定の範囲内の動きであるというふうに思っています。
 重要な点は、金利に関しては日銀総裁からも御答弁があるかと思いますが、俗に言えば良い金利上昇と悪い金利上昇というのを峻別しなければいけないということだと思います。良い金利上昇というのは、先行きに対する一種の上昇期待があって、それが金利に反映されてくる、これは言わば良い金利上昇であって、ゼロ金利の状況から脱却できるということを意味しているのだと思います。しかし、一方で、悪い金利上昇があるとすれば、それは財政赤字が積もって国債が増発されて、それに対する買手がいなくなると。我々としては、良い金利上昇を伸ばして悪い金利上昇の芽を摘んでいくということが大変重要だと思います。
 その意味では、マーケットの状況に注目をしながら、しかし財政赤字が野方図に拡大して、これが悪い金利上昇につながらないように、しっかりと中長期的な観点からの財政の健全化に心掛けていくと、これが今の状況では大変重要であるというふうに思っております。
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木村仁#14
○木村仁君 株価が上がり、かつ良い金利上昇がもたらされることを心から願ってまいりたいと考えております。
 そこで、その株価の上昇との関連で、景気対策についてお伺いをいたしたいのでございますが、いろんな論評を読んでおりますと、やはりもう一段と株を上げていくエネルギーを供給するためには、やはりここ一発の景気回復策が必要ではないかということが言われているようであります。基本的には、株価が上昇する状況の中でも、決してデフレの進行が止まっていない、物価は下がりつつある、こういう認識であろうと思います。
 そこで、先日、第三次の骨太の方針等によりまして、小泉内閣の構造改革路線というものは、その理念、具体的な方針、しっかりと示された段階でございまして、国民はこれについていろいろな思いを描きながら、しかしその輪郭をしっかり把握した状況であろうと思います。
 そうだとすれば、ここはひとつ、この改革をしっかり進めるということを基本にしながら、しかし足下の景気対策ということを本当に一生懸命にやっていただいたらどうかと、こういうことを考えているわけでございますが。
 構造改革の一番の根っこは不良債権の処理。ところが、デフレが続く限りは不良債権を処理する傍らから不良債権がまた出てくると、こういうことでありますから、ここは私は、不良債権の処理を少し緩めてでも景気対策の方をやって景気を持ち直す、ともかく二%ぐらいの実質成長と二%ぐらいの物価上昇、こういうものを足せば、七百兆円の借金、決して恐れることはない、そう思うのでありますが、総理、今の時点でそのようなお考えはございませんでしょうか。
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小泉純一郎#15
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 景気対策に即効薬はない、万能薬はないとかねがね私は申してきました。今もその考えに変わりはありません。
 まず、持続的な民間主導の経済成長を成し遂げるためには、民間でできることは民間に、地方にできることは地方に、そして財政の規律を保ちながら金融改革、税制改革、規制改革、歳出改革を進めていく。この基本路線をこれからも推進していきたいと思っています。
 中でも、不良債権処理が進まないと健全な投資活動が生まれないということで、就任以来、不良債権処理、これを急げという多くの声にこたえてそれを進めてまいりました。進めていくうちに、不良債権処理を進めると企業の倒産が起こる、失業者が出てくる。進め過ぎるのではないか、急ぐな、もっとゆっくりやれという声が出てまいりました。
 しかしながら、私は、企業の健全な再生に向けての対策も必要だということで産業再生機構を立ち上げましたし、雇用対策、中小企業対策、これにも力を入れてまいりました。当然、改革というのは進めてくれば必ず反対も起きますし、副作用も出てまいります。しかし、方向としては、不良債権処理を進めない限りは、私は、金融機関の健全な発展もあり得ませんし、これからの成長分野に投資、融資も生まれないということから、予定どおり不良債権処理を進めていくのが必要ではないかと思っておりますので、その副作用面については十分に配慮しながらも、既定方針どおり不良債権処理を加速させていかなきゃならないと思っております。
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木村仁#16
○木村仁君 これからまた少し見解が異なるかもしれませんが、私は、ここ数年、緊縮財政が続いていると思うんです。何が緊縮財政かというと、それは公共投資及び財政投融資に緊縮が掛かっている。
 平成十三年度は一般会計で三・二%減、そして平成十四年度はまた一・七%の減。これは、二年連続財政が収縮したのは四十七年ぶりのことだったそうであります。この年にムーディーズが日本国債の格下げを行っております。これは、日本の国債が悪いというのではなくて、日本の経済成長が止まっていると、こういうことからの判断ではなかったかと思います。税収がその年四十三兆円、十六年前の一九八六年並みの税収になってしまったわけであります。十五年度予算、これは総額では〇・九%伸びておりますけれども、公共投資マイナス三・七%、財政投融資に至っては一二・六%で、四年連続減少。そして、二十三・四兆円というそのときの水準は十六年前の水準と同じだったわけであります。
 今や、そういう状態からデフレが続き、そして所得が減り、今、国民の貯蓄率が急速に落ちつつあると、こういうことでございます。私は、そういう公共投資の縮減を今いったんやめるべきではないか、そういう考え方を持っております。
 これまで世界の歴史を見ても、公共投資の縮減が三年以上続いて、四年、五年とわたったことはないと、こういうことでございます。フーバー大統領のときも二年後にはルーズベルト大統領に替わりましたし、浜口内閣のときも三年度目では積極財政に転換しております。四年、五年とこれが続くならば私は非常に恐るべき事態を招くのではないかと。そういう意味で、そろそろ財政出動をすべきではないか。去年も今ごろから補正予算の議論が始まりまして、そして今年の一月に三兆円に及ぶ補正予算をしていただきました。
 もうこの秋の政局は、新聞、テレビがすっかり計画を立ててしまって慌ただしくなってしまいましたけれども、私は、解散権というのは最後まで、最後の最後まで首相の掌中にあり、かつ総理はどれだけうそをついてもいいのでありますから、むしろこの秋はしっかり腰を落ち着けて、積極予算に転ずる補正予算を組んでいただきたいと心から念願するものでありますが、短くて結構でございますから、お答えをいただきたいと思います。
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小泉純一郎#17
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) まず、解散のことに触れられましたけれども、はっきり申し上げたいのは、私は、解散の時期に、いつやるということは一言も今まで言ったことはありません。ただ、いろいろ聞かれますから、総裁選前にやった方がいいじゃないかとか、いや後の方がいいとか言われますから、その質問に対して私は、九月に自民党総裁選がある、その前にやる必要はないのではないか。しかし、総裁選を終われば、もう任期も三年も過ぎて一年以内にいずれ選挙があるということは議員だったらだれでも想定していることだと。
 いつあるかというのは最大の関心事の一つだと思いますけれども、今まで平均して衆議院の場合は二年半に一回解散・総選挙があるから、三年を過ぎればだれでもいつあってもおかしくないと考えるのは異例でも何でもない、普通だと思います。そういうことから、いろいろ議員が解散いつだろうか、あるいは新聞報道等が予想するのは、これは私は自由だと思います。しかし、私自身は、いつ解散やろうとかやらないとか、一言も言っていないということをよく御承知いただきたい。
 ただ、総裁選終わればいつあってもおかしくないのは、これは常識じゃないかという程度しか言っていないんです。
 そこで、今、公共事業を減らしていくのはおかしいといいますけれども、今まで株価が下がってきたときは、公共事業しないから下がっているんだ、景気対策として財政出動を考えろという意見がよく出されましたけれども、今回の株価上昇では、不思議なことに、公共事業も増やしていない、減らしている、そういう中での株価上昇であります。これをどう説明するのか。
 私は、今、財政出動出せと言う方は、それでは国債価格がこの財政出動によってどうなるのかと。今、利回りが低いから国債費も低くて、比較的低く済んでおります。緊縮財政、緊縮財政だと私の内閣の政策を批判する方もいますけれども、実際、私は三十兆円枠こだわらずに、経済は生き物だから、情勢を見ながら、必要とあれば三十兆円の国債増発こだわらないで増やしてもいいですよということで、今年度は三十六兆円で国債を発行しております。
 そういう中で、税収が四十二兆円程度しかない中で三十六兆円も国債を増発してなぜ緊縮路線だと言うのか。これは、経済の評論家あるいは学者まで言います。私はそういう方に対して、経済の実態をどう見るのか、財政の健全性というのをどう考えるのかと、もうあきれているんですよ。決して緊縮路線じゃない。これから、今、株価が上がって、長期金利が上がっていることをすぐ心配し出した。今までは株が下がって金利を上げろという声が沈んで、まだそんなに株価が上がっていないのに、もう長期金利が上がることを心配し出した。まあ心配性も結構でありますけれども。
 私は、今後も国債を増発して、公共事業をもっと増やして日本の経済、実体経済が良くなるとは思っておりません。民間主導の持続的経済成長、将来のことを考えて、借金がこれほど増えていって、今までの借金の金利のために税金をほとんど使っていいのか、後の世代のことは後の世代で負担してくれということで現在の政治が責任ある政治と言えるのかという面も考えながらやらなきゃいかぬと。
 現在の財政は緊縮路線ではない、放漫財政の批判のそしりは受けても緊縮路線の批判は当たらないと私は思っております。
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木村仁#18
○木村仁君 その点は意見が違うわけでございまして、財政というものは、不況のときには借金してもいいんです。どんどん需要のギャップを財政出動で埋めていかなければいけない。逆に、好況になったときにはできるだけ民間に渡して、任せて、財政は小さく小さくなって、そのときに不況のとき活動した借金を返す、これが私は財政の機能だと思います。ですから、全体としての大きさでなくて、私は需要を埋める公共投資の部分について申し上げているということを御理解いただきたいと思います。
 そして、来年度の予算もまた三%公共事業を切ると。これはもうお願いだけにしておきますけれども、こういうことを閣議決定しないでください。それの査定権は財務大臣が十分持っておられるわけでありますから、思い切り予算を要求させて、それで、そのときまた議論をして、八月からもう来年は三%減だと言ったら、全国の企業家は意気消沈して、もうますます悪くなってしまうと、私はそう思います。
 時間がありませんので、残念ですが、日銀総裁にお尋ねを申し上げます。
 金融・経済大臣が、最近どうも不満であると、日銀は十分働いてくれないと、そういうことをおっしゃったようでありますが、これは新聞ですから、私も信用しておりませんけれども。
 時間がございませんのでただ一つ、長い間、自由民主党の主として部会、諸部会がインフレターゲットを設定してほしいと日銀に要請してまいりました。前総裁のときには絶望的でありましたが、若干でも検討されておりますでしょうか。そのことだけお答えをいただきたいと思います。
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福井俊彦#19
○参考人(福井俊彦君) お答えを申し上げます。
 インフレターゲットを主張される方々の物の考え方について、私自身は基本的な物の考え方で理解し得るところをたくさん持っております。ただ、日本銀行は現場の金融調節を責任を持って担当している。確実に我々の行います行動が効果に結び付いていくというところに責任を負っておるわけでございます。
 現在ただいまの状況で申し上げれば、インフレ率はゼロの水準を下回ったまま長く推移していて、これを押し上げるために現実にどういう政策が一番有効であるかというところに焦点を当てて全力を尽くしているというところでございまして、ポイントは二つございます。
 一つは、マーケットに流動性を思い切って供給をする。この春以降もその追加供給幅を大きくいたしまして、現在、最大三十兆円という幅で、最高限度で流動性を思い切って供給をさせていただいている。
 二番目は、その流動性供給の効果が家計、企業のお手元にきちんと届くということ。今この点につきましても、間もなく今月中に資産担保証券の買入れ措置を実行に移させていただきますけれども、これをもちまして効果浸透の度合いを強めたいと。この効果浸透について確信が持てない限り、現場においてインフレターゲットを設けましても逆に皆様の失望を招きかねないというふうに考えています。
 私どもは、インフレターゲットという物の考え方を今後とも大事に考えて、しかし現実に即したやり方をやらせていただきたいというふうに思っています。
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木村仁#20
○木村仁君 余り心配ばっかりしないで、ひとつ竹中大臣とも十分お話合いをいただいて検討していただきたいと思います。
 質問が長過ぎるのか答弁が長過ぎるのか知りませんが時間が尽きてしまいましたので、二つだけお願いをして、終わりたいと思います。
 一つは、りそな銀行です。
 二兆円入れたのが良いか悪いかとか、あるいは株主の責任も問わないまま資本注入したことがいいのか悪いかとか、いろいろ議論があります。しかし、その結果、金融システムに対する信頼が増し、そして株は五十円だったのが百円になっていますから、今二兆円、うまく政府が売り抜ければ四兆円のお金になるということでありますから、私は全体として評価しております。
 そして、これがこの株高にもつながってきているのではないかと思いますが、ただ一つ問題は、このりそな銀行の経営について、今後、不良債権処理を竹中流のコンピューター付きユンボ、ユンボというのは建設機、こういう機械、これでもって中小企業をがばっとやってRCCにがばって入れてしまったら、これはかわいそうです。大和銀行というのは歴史的に非常に中小企業を大切にかわいがってきた銀行でありますから、その伝統が失われないように愛情のある金融行政をやっていただきたいのが一つであります。
 それから、総理にお願いをいたします。
 大陸棚の拡張問題が、六十七万平方キロ、国の一・七倍に当たる大陸棚が、今、平成二十一年までに国連に対してきちっと説得力のある資料が提供できるかどうかで懸かっております。一つの血も流さず、日本の帝国主義的利権と言うといけませんけれども、大陸棚が入ってくるんです。
 そのためには、今、年間二十億しかお金が使われていない。全部で十九年度までに千数百億のお金が必要であります。我が、私じゃございませんよ、我が同僚の自由民主党党員が決起をして署名を集めて、そして官邸にお願いをして、福田官房長官だと思いますが、軌を一にして、またほかのところからも力が掛かって、何とか十九年度までに千数百億の予算を計上しようと。これは財務省は全くコミットしておりませんが、新聞には出ました。それくらいのお金が掛かるのであるけれども、これは非常に重要な日本の経済的発展の基本であると思いますので、是非よろしくお願いをいたします。
 一言御答弁がいただければ誠にありがとうございます。
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小泉純一郎#21
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 大陸棚の範囲をどう確定するか、これはもう我が国の主権のみならず、資源の問題にも非常に大きく影響してくる問題であります。国連の設けた期限までに間に合うように、しっかりと調査を進めていきたいと思います。
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木村仁#22
○木村仁君 日銀総裁、ありがとうございました。結構でございます。
 以上で終わります。
 ありがとうございました。
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陣内孝雄#23
○委員長(陣内孝雄君) 関連質疑を許します。市川一朗君。
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市川一朗#24
○市川一朗君 自由民主党の市川一朗でございますが、今日、参議院予算委員会に小泉総理、久しぶりで御出席いただいているわけでございますが、実は昨年三月二十七日に、私、質問に立ちました。それは、三月二十七日は平成十四年度予算成立の日でございまして、締めくくり質疑でございました。
 私、本当に不思議な因縁といいますか、小泉総理は強い人だなと思うのは、そのときも株価の問題を取り上げようと思ったんですが、実は、株価がそれまでずっと低迷しておりましたのが上昇局面になりまして、一万一千三百円だったと思います。二月六日の日にバブル後の最安値で九千四百円台だったんですが、それがちょっと上がり出しまして、ちょうどそのころ、政府として総合デフレ対策を講じました。それから、アメリカの株も上がりまして、いろんな要因があったと思いますが、ちょうど三月二十七日の時点では一万一千三百円でございました。
 実は、あのころ政府としては追加デフレ対策を御検討なさっておったんでございますが、総理がソウルか何かへ行かれたときの飛行機の中や、あるいは現地での記者団との懇談で、もう追加デフレ対策はしないと、金融危機は起こらないという御発言をされました。それが原因だとは思いませんが、それから二、三か月して株価はまた下がり出したんでございます。
 今回、こうしてまた質問の機会を得ておりますと、これは七千六百円、四月二十八日ですよね、それから今、今日はちょっと下がっていますが、上昇局面でございます。
 参議院予算委員会に総理が出席していただいて、不肖、市川一朗が質問に立つと必ず株は上がるのかなと、そんな感じもしておるわけでございますが、さっきの、さっきの総理の感想はあれでそのまま受け止めますけれども、やっぱり国民の皆さんテレビ見ております。株というのはやっぱり勢いというのがあると思いますし、後ほど資産デフレの問題、私、取り上げようと思います。やっぱり株価というのは非常に重要だというのが私の認識でございますので、もう先ほどの議論である程度尽きてはおりますが、もう一度、総理らしい強気の感想を聞かしていただきたいと思います。
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小泉純一郎#25
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 景気ということは、気という言葉があると、心理的な気分の問題も大きく作用するんだというのは経済学者でも言うことでございますけれども、実体の問題と気分の問題、これもかなりあるんではないかと思っております。
 そういうことから考えますと、下がったときは、まだまだ下がるんじゃないか、日本経済、駄目なんじゃないかという、みんな思いがちであります。上がってくると、ああ、やっぱり底は過ぎたのかと、あのときが底だったのかなと、これから上がるんではないかという期待感がそろそろ出てきたなということから、外人の投資のみならず日本人も、そろそろ株式投資始めてみようかという機運が盛り上がってきたということは好ましい現象だと思っております。
 さっきも申し上げましたけれども、税制でも、今まで、株価が上がる前では、税制で優遇されるということを言ってもなかなか聞いてもらえない。今になって、いろいろ証券会社の方に聞いてみますと、税制はどうなっているんだと問い合わせが多いと。こんなに株式投資というのは優遇されているのかということで、非常に個人の投資家も出動してきたと。株価が上がるだけでなくて、出来高も大体五億株前後、五億株行けばいいなあと、出来高が。それが最近は十億株以上が、バブル期のときよりも、連日十億株の取引、大商いが続いて、連日記録を更新しているだとかいうことで、気分的にも、私は、悲観論から、悲観論だけでは駄目だと、そろそろ日本経済立ち上がってきたなと、自分たちもしっかりやろうという、企業もやる気を出して、この日本の実体経済を良くしていこうという、業績を上げようという、今までの経営体質を強化していこうというやる気が出てきたということは高く評価していいと思うんであります。
 政府としても、この機運を好機ととらえ、実体経済を良くするための改革を進めていかなきゃならないと。不良債権処理、さらには金融機関の健全性、そして規制改革等、今までの国民の意欲、地方の意欲を引き出して、そして今後、この悲観論がようやく収まって、そろそろ日本経済を良くしていこうという、潜在力を高めていこうという期待に沿うような改革をこれからも進めていく。
 同時に、財政政策だけでは十分でありませんので、日銀と協力してデフレ克服に取り組んでいかなきゃならない。なおかつ、この問題は世界情勢も大きく影響してまいります。こういう世界情勢の変化に対応できるような国内の体制も整えていかなきゃならないと思っております。
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市川一朗#26
○市川一朗君 昨年、私はやはり追加デフレ対策をやっておくべきだったという意見を持っております。今回の株高に関しましては、いろんな意見がありますが、実体経済の動向と必ずしも一致しない株価の世界的上昇という側面もあるとは言われておりますが、先ほどちょっと御答弁の中でも出てまいりましたが、私はしかし、日本企業の、リストラを中心ではありますが、体質が非常に良くなってきたんでその企業の株が上がっているという部分がありますから、それはかなり勢いとして続けられるんじゃないかなと思いますが、そういうのもやっぱりこれからの政策に関連すると思うんですよ。
 ですから、先ほど木村委員のやり取りの中で、微妙なやり取りいろいろありましたけれども、竹中大臣、細かな点はともかくとして、やっぱり昨年追加デフレ対策をやめたような、ああいうことじゃなくて、ここはしっかり総合的な経済政策をきちっとやっていって、資産デフレの一つの大きな要因である株価の引上げというやつをきちっとやるべきだと思いますが、いかがでございますか。
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竹中平蔵#27
○国務大臣(竹中平蔵君) 御指摘のように、今のこの株の流れを好機ととらえて、しっかりとした経済運営をしていくことは確かに必要だと思っております。
 しかし同時に、先ほど少し、良い金利上昇と悪い金利上昇のお話をさせていただきましたが、同時にやはり、日本経済が背負っている財政赤字、大量の国債という重い荷物も、やはりこれは無視することができません。もう一つの大きな荷物は不良債権でありますけれども、この不良債権、財政赤字という重い荷物をきっちりとコントロールしていけるんだということを示しながらいかないと、現実問題として不良債権が減ってきている、それが日本経済全体、企業部門に対する良い見方、株価上昇にも私はつながっていると思っております。
 資産デフレ、これは大変重要でありますから、先般も関係閣僚が集まりまして、資産市場、資本市場の活性化についての様々な構造改革についての議論をさせていただきました。そういう地道な努力をやはり積み重ねていくことによって、さらに先般の骨太方針では、これは三位一体、地方でできることは地方に、思い切った規制改革、民間でできることは民間に、なかなか動かないと思ったような大きな壁を、これは総理のリーダーシップで前に大きく動かしていただいた。やはり、そのような地道な努力を今続けていくことが更に日本の経済の将来を明るくしていく私はやはりベストの方法ではないかと思っております。
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市川一朗#28
○市川一朗君 総理、ちょっと聞いておいていただきたいんですが、私はやっぱりデフレ克服というのがやはり喫緊の課題であることには間違いないと思っているわけです。総理は、前の方の、大分前の御発言ですが、構造改革を進める中で経済が活性化するとデフレも止まるというような、まあ新聞報道でございますが、総理の発言がございました。私は、構造改革を進めてその効果を上げる場合に、デフレの中では構造改革も進まないし、やっても効果が減殺されるんじゃないかと。やはり、構造改革を進めるにしてもデフレ対策が極めて重要だと、そういう私なりの認識といいますか、意見を持っているわけでございますが。
 現在、日本のデフレは俗に双子のデフレと言われておりまして、一つは中国などから安い製品がどんどん入ってきます。これで値段は下がる。これはなかなか難しい問題でございます。農産物の農業交渉等、私も今、部会長としてやっておりますが、そういうものを含めて大変難しいんですが、もう一つはやっぱり株式とか土地の資産デフレ、この二つの双子のデフレというのがやはり大きな要因になっておりまして、それがしっかり克服できないと総理が一番政策の中心に置かれております構造改革路線もうまくいかないんじゃないかという認識でございます。
 そういう意味で、株式が上がってきたということは、まあ上がったといってもまだ一万円でございますから、昨年は、私質問したころは一万一千円台でございますから、どの辺がいいかどうかは別として、しかしまあ機運という意味で上昇局面は非常に大事だという意味も含めて、株式は一つのあれが出てきたと。それからもう一つ、やっぱり土地ですね。土地のデフレ、これが全く止まらないと。この辺を何とかしなきゃいけないんじゃないかなと思っているわけでございます。
 やっぱり総理、デフレ克服なくして構造改革ないと思いますよ。いかがですか。
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小泉純一郎#29
○内閣総理大臣(小泉純一郎君) しかし、改革なくして成長なしなんです。景気回復なくして成長なしと言う方の論を突き詰めていくと、もっと国債を発行して公共事業なりいろんな事業をやれということでしょう。そういうことで果たして景気回復するのか。景気回復し出して株価が上がってくると、すぐ金利の上がることを心配し出す。国債の重圧にあえいでいる。不良債権処理と財政負担、これはやはりよく注意していかないと景気回復もない、成長もない。だから、私は改革しなきゃいかぬと。
 今までの、景気が悪くなると、先ほど木村議員からも指摘されましたけれども、財政出動すればよかったと。今までやってきたんですよ。ところが、景気回復したときに、今までの借金を税収増が増えたときに返せばよかったんですけれども、これ、選挙が近いと、税収が増えたんだから、税の取り過ぎだと、借金返すよりももっと公共事業やれ、減税しろとやって、ますます借金膨らんできて、ケインズ経済だって一時的なら財政出動効果ありますよ。長年もう国債を増発し続けてきて、その国債発行分が全部事業に使えないで借金の利払いに回っちゃうという、こういう事態の中で、借金をすれば、公共事業を増やせば景気回復すると私は思いません。逆の副作用が出てくる。そこら辺は意見が違うと思いますけれども。
 私は、そういう意味において、今借金の、国債増発しても、その約半分は今までの利払いに回って新規の政策需要に使われない状況。もっと借金をしろということは、ますます借金の利払いのためにもっと借金を背負うということになるんです。果たしてこんなことで景気回復できますか。私はないと思いますね。むしろ金利が上がって金を借りている人の負担を苦しめる、住宅ローン等借りている人の金利が上がって負担を上げる悪い面も出てくるんです。
 改革にはいい面と悪い面が両方出ますが、やはり今までの構造改革なくして私は成長なし、今までの改革を進めていくことが必要だと思っております。
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