松浦東介の発言 (運輸及び交通委員会)
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○松浦東介君 山形、鶴岡間の鐵道敷設の請願でありますが、これはずつと以前にも衆議院を通つたことがあり、また昨年私が紹介議員として本院において採擇になつておるところのものであります。山形縣は御承知のように山形、米澤兩市を中心とする村山、置賜地方と、いわゆる庄内地方と呼ばれますところの酒田、鶴岡方面の日本海地帶とからなつておるのでありますが、同一行政區域内にありながらこの間の交通がきわめて惠まれません。縣廳所在地の山形市から庄内地方に行くには、遠く新庄地方を迂囘して陸羽西線を通らねばならず、日歸りはとうてい不可能というような状態でありまして、縣の行政上にも、またいろいろな方面、物心兩面においていろいろな支障があるのでありまして、從つてこの山形、鶴岡間をつなぐところのこの鐵道は、實に重要路線となるわけでございます。しかし從來請願して採擇になつたものは昔のいわゆる六十里も多いと言われる道順なのでありますが、今囘請願いたしますものは、同じ山形、鶴岡間の鐵道敷設でありましても、道順に多少相違があるのでございます。請願者は地方の縣會議員町村長、町村會議員、その他有力者七十有數名でございます。その代表者となつております松田實という人は七十餘歳の老人でありますが、これは若いころから鑛山業で鍛えた人でありまして、この出羽山脈のすみずみまでくまなく拔渉している練達の山の體験者であります。非常にこの山について知識の深い人であります。前に山形縣の縣會議員をやつた經歴もあります。すなわちこの請願はこの鐵道をかけるならば、舊來考えておりました道順とは多少違うのでありまして、鶴岡壁から分岐して赤川と梵字川の合流點から大越川と寒河江川との合流點を通過しまして、西村山郡大井澤を南進した路線をとりますればその間寒河江川に沿うて平坦地があるのでありまして、そこを通つて寒河江川を渡り下峠に約二キロのトンネルをもつて同じ西村山郡の七軒村大字柳川字徳澤に直通し、それから大字柳川字青柳に達し、それから約四キロ東進いたしまして、七軒村大字貫見に至り、本郷村を經て約十四キロで省線左澤線左澤驛に達するのでありまして、こういうような道順をとれば工事は他の路線と相違しまして、なだれの防止設備も少く、また工事費も少額で足るだろう、こういうような觀點からこの道順について請願をするような次第なのでございます。またこの鐵道が敷設になりますと、その間にはいわゆる朝日嶽と大島湖の大自然林があるのでありまして、ぶな材その他松、杉等が繁茂しておりまして、まだ一度も人跡のなてない伐採したことのない自然林があるのであります。ここに鐵道が敷設になりますれば、いわゆる林産物の開發はもちろんのことでありまして、その他の地下資源の開發をはかり、また同時に日本海方面と山形地方との運輸を圓滑にすることができる、かような意味においてこれを請願したような次第でございます、何とぞ御採擇あらんことをお願いいたします。