武田キヨの発言 (厚生委員会)
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○武田委員 母子寮などはだんだん殖やして、未亡人の生活擁護のためにも、そこに特別な授産の設備をするとか、あるいはそこに託兒所などを附設してこしらえるということは、一應そういう御計畫があり、その線に沿つて行われておる所もあると思われますが、過般私がある婦人團體の所で聞きましたときにそれは東京都内でございまして、元來遺家族の母子のために建てられた母子寮でございます。そこにはいるのは知事の推薦によつてはいる。そしてそこにいて授産もされ、そこに暮すことのできる特別な場所として建てられたのだという母子寮が、だんだんもう住家を侵蝕されまして、現在では職業補導所がその一角を使つて、その母子寮の入所者は母子だけでなくして、戰災者や一般の婦人や近縣の人々がどんどんはいつてきて、とうとうその宿舎をとつてしまう。そして今後補導生はそこを卒業しても、やはり住宅難の問題があつてそこからなかなか出ていかない。そのためにもうほとんど母子世帶はごくわずかになつてしまつて、そこにはいろうとする者もどうすることもできないし、今おる者はだんだんその場所を狹められてしまつて、完全な母子寮であつたものが、今はすつかり違つた形になつてしまつたということも聞いているのであります。これははつきり場所を申し上げてもいいのでございますが、實は戸山寮でございます。ここなどは初めは同潤會の母子アパートとして建てられたものが、軍人援護會で買収して遺家族の母子寮にしたのでございますが、そういうような状態で、今までにありました母子寮というものが、いわゆる差別的に軍人に遺家族などを収容しない。一般の人にこれを開放するという意味からいつて、結果としてはもう母子寮というものは純母子がそこで生活を營むことができないような状態になつている所が、これのみならず、ほかの所でも私は例を聞いておるのでございます。それで今のような御趣旨によつていくことは、これは一應うなずかれるのでございますけれども、實際において未亡人の生活というものが、よほど重點的に擁護の手を伸ばされませんと、實にこれは苦しいものでございまして、子供がありますために子供のそばを離れて、働きに行くということになると、どうしてもここには託兒所が要る。それからまたその託兒所にしましても、これが母子寮に關係した託兒所ということになりまして、一般の人たちを預からないということになれば、その費用の方から言いましても、やはりその母子寮の者がお互いでこれを賄つていかなければならない。あるいは事實その仕事はどうかと言いますと、未亡人の授産は、婦人の職場が非常に狹いのが、しかもそれがこういういろいろな條件のもとに制約されておりますから、なお生活にはほとんど足りないような状態であるのでございます。何とかして私はこの未亡人の生活に對しては住宅問題、あるいは他面その住宅に關連して授産、託兒所というようなものが一連の繋がりをもつて、そして兒童福祉法の施設の中にこれが取入れらるべきものでないかと考えておるのであります。現にこの兒童福祉法の中には、そのことについてはつきりしたことが書いてございませんけれども、そういうような意向のもとに計畫をするお考えはございませんでしようか。