葛西嘉資の発言 (厚生委員会)
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○葛西政府委員 特殊婦人の保護あるいはこれを少くするという問題につきましては、御承知のように昨年の秋でありますか、政府としては次官會議の決定をもまして、厚生、内務、司法、文部と四省で大體仕事を受持つことにして一應方針をきめて、その線に沿つてやつているわけであります。御承知のようにこれはまずならせないようにすることが必要であります。これには文部省方面の社會教育部面から見た婦人としての品位といいますか、心構えといいますか、そういう方面からの部面が非常に大きく浮び上がつてくるのであります。それと同時に、食えないためにそういう方面に落ちるという者も統計の數字では相當數ございます。こういう者につきまして活躍しなければならぬ部面は、生活保護法でございます。そうしてなるべくそういう者に落ちる者を少くしてまいるという方策をとつてまいるわけでございます。それと同時に警察取締りという面から、取締つてまいるという部面を内務省が分擔しております。そうやつてもなお現在のようにあるということになりますれば、これらの病氣を治してやる。あるいは、そういう方面に落ちた者を更生させてやるという施設が考えられることになります。病氣を治す方は、御承知のように東京あるいは神奈川その他全國のその病院へ收容いたしまして、そこで治す。そういう人たちで自分がもし病氣が治つたら正業につきたいとうような者があれば、それらの病院に行つてそういう者を見つけまして、保護寮に入れて指導しておりますが、それは今全國で十七箇所あるかと思います。このうち國庫補助をいたしましたのが十六箇所でございます、宮城縣の方は婦人特殊施設とせずに、一般の生活緊急援護というような名目で建てた寮でございます。經費約一千數百萬圓を投じまして、その寮を昨年の秋ごろからつくつておるわけであります。これはもつと婦人の數などから言いますれば、相當な數が必要なのでありますけれども、とりあえずひとつやつてみようという試みの施設としてつくつたわけでございます。その後の實施の經過を見ますと、これはなかなかむづかしい仕事でありまして、はいつた者が逃げる。あるいは定員に相當餘裕があつても、なかなか更生しようということではいつてくる者が比較的少いという現状でございます。しかしわずかではありますけれども、それぞれの寮々にはいつた人たちが正業についたとう報告も來ております。ただしこれはよほどやり方などに注意してやらないと、なかなかむつかしいようでございます。今月の四日に全國の寮長會議を開いて、寮長を全部集めまして、いろいろ報告を聽いたりなどいたしましたが、やはりもう少し政府の方で、財政的にも物的にも援助すべき點は援助してやるということでなければ、なかなかむつかしいようであります。最近御承知のように、東京あるいは横濱あたりのこういうふうな婦人の種類が大分專門化してきたと言いますか、ふらふらと間違えてああいう群に投じたという者が比較的少くなつております。ああいうことを商賣にしておると言いますか、生活のために、あるいは酌婦をしておつたとか、娼妓とか藝者をしておつたというような者が非常に多くなつてきた傾向があります。從いまして、これらを更生させるということは、なかなかむつかしいことになつておるようであります。定員を相當數設けまして、これにはいれということを各寮長がそれぞれの病院に行つて勸誘などいたしておりますが、なかなかそこに來ない。來ても逃げてしまうというようなことで、これはよほど何かくふうをしてやらないとむつかしい現状にあるように思つております。しかしこれはぜひ必要なことでありますし、一人でも二人でも更生さすべき者はぜひ更生させてまいりたいとうふうに思いまして、努力をしているようなわけであります。御承知のようにG・H・Qの方のお助けによりまして、婦人中央福祉委員會という委員會ができまして、民間の人、あるいは官廳側の人、そういう人を集めまして、この問題をどう取扱つたらよいかということで、ずつと長い間十數囘あるいは數十囘の會合を開きながら研究をしておりますが、事柄がなかなかむつかしいものでありますから、適當な結論がなかなか得られないというのが、この仕事に對する現状のようであります。ただしかしこうしたらよいだろうという若干の結論を得ましたものについては、私ども近くこれを具體化して、これをやりよいようにしてまいりたいという心づもりでおることを最後に申し上げておきます。