淵上房太郎の発言 (鉱工業委員会)
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○淵上委員 現在の千八百圓ベースという問題につきまして、しきりに政府でも研究され、また世間でも研究され、國會でも研究されておるのでありますが、御承知のように、勞働組合側から賃金値上の要求があるので、今度の要求は、たとえば坑内夫について考えますと、間接費四千八百二十五圓、直接費が六千二百七十圓、これをかりに平均いたしますと、五千五百五十圓でありますが、これに三五%の税金を課せられれば七千四百九十二圓五十錢になるのであります。現在賃金は基準外賃金を含めまして百二十四圓であり、七月でしたか一割二分の賃上げをしたので、百四十八圓八十錢になるのであります。これが二十日働くといたしますれば、二千九百七十六圓になるのでありまして、今度の要求額は、まさに二十五割に相當するのであります。要するに十五割の増加要求ということになつておるのであります。先般大臣はこれは業者と勞働者側と直接交渉をやらせるということを御説明になりましたが、なかなか直接交渉はどうなるか、もちろんわからぬのであります。たしかきようの正午までが囘答期限ということで要求されておるように聞いておるのでありますが、かりに話半分すなわち十五割の増額要求が、半分の七割五分で落ちつくといたしますれば、現在二十日働くとして月二千九百七十六圓でありますから、五千二百八圓になるのであります。そこで月に五トン五分出炭すると、トン當りの計算にすると九百四十六圓であります。現在の給料、賃金、雜給、賞與、手當は九百五十六圓の中に五百二十七圓、すなわち五五%含まれておるのであります。福利厚生施設は五十三圓、合わせて五百八十圓、すなわち六〇%というのが、現在の給與の中の人件費であります。この人件費が六〇%でありますので、トン當り九百四十六圓を逆算いたしますと、千五百七十六圓という數字が出てまいるのであります。殘り四〇%につきましては、これは人件費以外でありまして、新物價體系設定前のままにかりにいたしましても、人件費の部分だけからみましても千五百七十六圓になるのであります。人件費以外については、先般も申しますように、坑木も上げ、火藥も上げ、石炭生産部面におきましても、いろいろ上つてきておる。現在の九百五十六圓では、とうていやりきれない。千三百圓ないし千四百圓かかるというのが、一般の情勢であつて、殊に北海道の砂川では、トン當り五百八十五圓の缺損をしておるとまで言われておるのであります。生産をはかるためには、労務者の生計費も確保してやらなければならぬ。さりとて炭價は先般來申されておますように絶對に上げない。あるいはさらに申しますと、この勞働組合の要求は現在の炭價に影響を及ぼさない範圍内で考慮すると言われたのであります。現在の炭價、すなわち九百五十六圓八錢で、いかにも餘裕があるかのごとき御認識と解釋するのであります。私はとうてい現在の炭價に影響を及ぼさないで勞働組合の賃上の要求を考慮するという餘地はないものだ。かように私は思うのであります。かつまたもう一つ考えなければならぬ問題は、他産業の部門における問題であります。これは必ず炭鑛の勞働者の方にも響いてくるのでありまして、從つて炭價に影響を及ぼさざるを得ないのでありまして、たとえば北海道の石油公團におきましては、北海道におきまして凍死を免れるために要求をいたしておるのでありまして、これは煖房手當ともいうべきもので、石炭につきましては三千五百四十圓、薪につきましては五千圓、草炭につきましては二千二百五十圓、運搬費を千六百圓、ストーヴ三箇年に六百圓必要なりとして、まずその三分の一、二百圓。煙突を千圓。計一萬三千八百圓。ただし扶養家族を有せざる者はその二分の一。これは石油公團ですでに承認いたしたのであります。次いでまた配炭公團の北海道支所において、これまた同様の要求を現在出しておるやに聞いておるのであります。こういうふうに、だんとだんと手當だとか、あるいは賃金だとかにつきまして、他の産業部門が承認してくれば、必ず石炭の方面におきましても、ある程度の手當だとか、あるいは賃金値上を承認せざるを得なくなるのでありまして、そういう場合においても、炭鑛の方面におきましては、賃金値上とか越冬資金とか——越冬資金はこの間出すといわれておりましたが、これは必ず炭價に影響を及ぼさざるを得ぬと思うのであります。他産業がだんだん賃上げを承認してきた場合におきましても、石炭の炭價に影響を及ぼす要求をも撃退される確認がありますかどうかを、商工大臣にお尋ねいたします。