荊木一久の発言 (国土計画委員会)
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○荊木一久君 新潟縣は御承知の通り長い海岸線が百里ございますが、奥行きが非常に淺い縣でありまして、海岸から直ちに山になるというかつこうで、從つて川はあすこに大きな川が三本ございます。姫川、信濃川、阿賀野川、これが急湍を發して海に注ぎます間に、その支川支流を通じて大きな災害を惹起しておるのであります。その二つ、ただいま御上程くださいました五九二號の川沿川は、中魚沼郡川治村地内を流れておる信濃川の支流であります。この川は昭和三年の三月に文献に残つておりますものが最初でありますけれども、爾來年々氾濫を續けてまいり、そうして地すべりがこれに伴つておるのであります。その面積もだんだん廣くなつてまいつておるのであります。かなり緩慢なものでありましたが、非常な危険が伴うというので昭和十三年この方新潟縣營で工事を續けてまいつたのであります。ところが不幸にして時局が緊迫を告げましたために、昭和十五年にこれを打切つてしまいました。残念なことであつたのでありますが、それが本年の春の出水によりまして一挙に氾濫をいたしまして、惨憺たる状態を見るに至つたのであります。ただいまでは多量の土砂、砂礫あるいは巨岩、巨石といつたようなものが川床を埋めてしまいまして、今までの工事は全然役に立たないような情況でります。殊に奥地にありまする約二十戸の部落は全く交通ができないような状態に立至つておるのであります。幸いにして昭和十九年度に砂防指定地域に編入されておりますが、その後一向國營砂防工事としては進行しておりません。希わくは現地の者の要望を容れられまして、新潟縣の特異性であります河川砂防工事を速やかに御實施願いたいというのが本請願の要點でございます。
いま一件は、同じ新潟縣西頚城郡の長野縣からはいつております姫川は、糸魚川に流れ込んでおります。名前は姫川でありますが、平生は処女のごとく非常に素直な川でありますけれども、一旦荒れますと脱兎のごとき川なのであります。この川によりまして姫川の支流に根知川という川がありますが、これが數十年この方毎年災害を引き起しておるのでありまして、つい最近における被害の實況は、昭和七年このかた地すべりを續けておるのでありますが、八年九年と両年にわたりまして縣營砂防工事が行われましたけれども、その後またこれが打切りになつております。現在の被害面積は、田地二十町歩、畑が十町歩餘り、山林十五町歩、宅地約二千五百坪がほとんど使用に堪えない現在の状態になつております。これは姫川の支流でありますが、本川姫川に對しまして、戰時中厖大な計画が實は立てられたのでありますけれどもこれはとうてい将來實施完了の見込みが立たないのでありまして、やむを得ず、この支川の方から手を染めていただいて、ぜひ根知川の局部的なものではありますが、これらを直していただかぬととうてい本川姫川を直すわけにはいかないのでありまして、希わくはこれも併せまして、根知川砂防工事を完成願いたいというのが本請願の要旨でございます。簡単でございますが、御説明を終ります。