北條秀一の発言 (在外同胞引揚問題に関する特別委員会)
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○北條秀一君 本日特に労働省の山川婦人少年局長に御列席願いましたので、この好機に山川局長に一言お願いを申上げまして、今後の局長の手腕をお願いしたいと考えておるのであります。勿論この点につきましては、井上委員及び木内委員の両婦人議員がおられますので婦人としての立場からお話があると考えるのでありますが、本日は小川局長が予定外に御出席願いましたので、十分なる御準備がないと思いますが、從つて私の方の希望だけ申上げてお聴取を願いたいと考えております。
今日敗戰後の日本に非常に大きな社会問題としてありますのは未帰還同胞の留守家族、或いは戰禍によりまして死にましたところの遺家族、こういう人たちの問題が最も大きな社会問題としてあるわけであります。よく新聞紙上に出ておりますように、未亡人の風紀上の問題でありますとか、或いはその家族の風紀上の問題でありますとか、種々な問題が生活困難という問題と絡みまして非常に沢山世上に起きているわけであります。更に又これらの遺家族、留守家族の子弟たちが、ともすると不良性を帯びまして、東京都においては沢山の家なき子供たちや、或いは親なき子供達が浮浪しておりまして、或いは掏摸をやり強盗をやり泥棒をやるというような状態になつておる。これらの婦人たち或いは孤兒たち或いは浮浪兒というようなものに対して、婦人少年局長である山川先生は十分な御認識と御処置を願えることと思うのでありますが、こうした非常な悲惨な戰爭犠牲者に対しまして、特に今後強力なる社会政策を施行して頂きたいことをお願いするのであります。
もう一つは、まだ外地に八十五万の未帰還者がおるわけであります。これらの帰還促進は、日本國民一人として一日も速やかならんことを願わんものはないのでありまするが、特に山川局長はそうした社会の婦人運動の中におきまする優秀な地位にあられますので、是非これらの社会の婦人の輿論を通じまして、これらの未帰還者が即急に日本に帰りますように絶大な局長の協力をお願いして止まないのであります。このことにつきましては更に婦人議員の方からお願いがあると思いますが、時間の都合もありますので一言私からお願いする次第であります。