淺岡信夫の発言 (在外同胞引揚問題に関する特別委員会)

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○淺岡信夫君 本日議院運營委員會が開かれまして、緑風會の佐佐委員から、海外同胞引揚問題に關する特別委員會という問題に対して、一つ委員會としてこれを諮られたらどうかという御提案があつたのであります。木内委員長は、それでは淺岡委員ということで、私が立ちまして、實は第一囘の國會に特別委員會が設けられて、海外同胞引揚問題に關する諸般の問題を今日まで取上げて参つたのであります。これはすでに皆さんが御承知とも思いまするが、熱心に討議を特別委員會においていたして参りまして、政府或いは國會、或いは國民に対して、とにかくできるだけのことをやつて來たのであります。ところがあらゆる諸般の問題というものは、未だに八十萬の同胞が海外に残つておられます、その未歸還者の家族の約四百萬近い人たちの問題、或いは今日まで引揚げて参りました五百七十萬の人たちの問題、或いはその家族の問題、こうしたものを三つに大體分けますと、基本対策とそれから援護対策と厚生対策の三つになります。そこで第一囘の國會において、この特別委員會はその下工作ができただけであつて、今後この特別委員會においてなさるべき問題というのは、その裏附、更にそれに対してあらゆる形を作つて行かなければならんというような重要な特別委員會でありますから、是非第二國會におきましても、この特別委員會を設けられて、そうしてこうした問題に對して議して頂きたい、その特別委員會を設けるということに對して、一つお諮りを頂きたい。以上のことを申上げたのであります。そうしますると、委員長、と言つて天田運営委員が發言を求めまして、私は特別委員會の理事であります。今淺岡委員がいろいろと特別委員會のお話をされましたが、この會を打切つて、そうして第二國會にこの特別委員會を設けるということに対しては、私は疑義があります。いつたい特別委員會が今日まで何をなしたかということを考えてみますると、特別委員會としては、ただ政府の當局を呼んで質疑をしたということだけであつて、何ら効果は擧つていない。見るべき功績はない。ただ見るべき功績ということを言うならば、参議院を代表して、そうして舞鶴港を視察した。この點くらいのものである。こうした特別委員會を更に再び第二國會に設けるということに対しては、私は承服しかねる。この特別委員會が、例えば失業保險とか、或いはいろいろな問題に対して、それを取入れるだけのことをしたのならばとにかく、そうした問題にも触れてはおるかも知れないが一向見るべき施策というものがない。だからこの問題に対しては、敢て第二國會に設ける必要は自分としては認めないというようなことで著席したのであります。
 私は更に委員長、と言つて發言を求めまして、この問題に対して、次のようなことを述べたのであります。今天田委員が、特別委員會に対して、何ら見るべきものはないということを言われたことに対して、實に奇怪なことを私は聽くと思う。それは天田委員が特別委員會に御出席になつたことそれ自体が殆ど稀れであつて、特別委員會の運營がどういうふうにあつたか、そうした問題に對して、速記録で以て御覧になつたこともないじやないか。特別委員會として、澤山の、諸般の例を擧げれば枚擧に遑がないから、議院運営委員會においていろいろこの問題を取上げる必要はないが、例えば海外におるところの未帰還者の俸給問題に對しても、九圓五十銭……例えばそれを百圓にするとか、或いはその家族に對して一人頭百五十圓ずつというようなことで以つて、この臨時豫算に對しても九億六十萬圓何がしというものを取るというようなことで、この問題も七月に遡つて支給されるような次第であるのであります。
 その他一番大きな問題とするところは、引揚者、在外者の資産を賠償の對象とする、引揚者等の在外資産に關する處分方針を確立すること、閉鎖機關の債務返済處理を昭和二十三年上半期において實行すること、或いは在外同胞の救済費九億一千七百萬圓を支拂うこと、或いは八十萬になんなんとする引揚促進についての善處をすると同時に、その留守家族慰勞についての積極的施策をなすこと、それから援護対策において澤山の問題が殘つておる。又厚生對策に對しても澤山の問題が残つておる。例えば昨日の特別委員會においても、大藏大臣も出席され、或いは各金融機關の人々も出席され、そうして五時二十分に至るまで開かれておりましたが、この問題にしても亦天田委員は奇怪なる言葉で、特別委員會は何もなしていないじやないか、こういうような委員會を敢て第二囘國會に設ける必要はないといわれたことについては、私は甚だ不埒千遇な奇怪なる言葉であると思う。この問題に關してはすでに今まで特別委員會において幾度か議せられ、昨日の特別委員會においても特別委員會としては、第二囘國會にこの委員會を設けて貰うということも一應議決されたのだから、その問題に對して議決されると同時に、矢野特別委員長、岡元委員小杉委員、高橋委員、木内委員、中西委員、淺岡、千田委員、星野委員、楠見委員、草葉委員、中平委員、穗積委員、井上委員、こうした連署を以てこれをお願いするのである。だからこの問題にしては、議院運營委員會において御善處をお願いしますといつて着席したのであります。そうしますと又天田委員が發言を求められまして、實はこの常任委員會というのが今参議院において、國會の運營上ある。ところが特別委員會というものがある限り、そつちに出席したりこつちに出席したりするというようなことで、常任委員會の運營すら事欠くような事態に立至つておる。だから特別委員會というものは、敢て自分は設ける必要はないのじやないかということを發言し、それから特別委員會の今後議せられるべきいろいろな問題に對して、自分としては承服し難い問題も多々あるということをいつて着席したものですから、更に委員長に發言を求めまして、特別委員會の議決によつて、この委員會を再び第二國會に設けてくれということを議院運營委員會に諮るのであつて、第一囘國會における特別委員會の今日までの在り方に對して、これは是であるか、非であるか、こんなものは意味があるかないかというような問題を天田委員がこの議席で以て論ずべきではないじやないか。そうした問題は特別委員會の席上において右するか左するかということを論じて貰いたい。今日十二時半から特別委員會が開かれてから、この特別委員會においてこれを右するか左するかということについてあなたの御意見を十分に御開陳願いたいということをいつて私は着席したのであります。そこで委員長は發言を求めましたのが島委員であります。島委員は、實は在外同胞の特別委員會を第二囘國會に設置をして貰うという問題にしては、本社會黨からは今淺岡委員の讀まれましたうちに、中平常太郎君が入つておりました。社會黨としては、この問題に對して實は未だいずれとも決定するということは、今後議した上において決定いたしたいと思います。それで各派はこの問題に對しては、一應各派各黨の意見を纏めた上で以て御決定を頂きたいということで、木内委員長はそれを採擇いたしまして、明日の十時における議院運營委員會において、これを諮りましようということで散會したのであります。大体これが、以上の經緯、經過であります。
 そこで今度は私の意見でありまするが、そうしますると佐佐委員が緑風會はこの問題にして決定いたしておりますということを言いますると、無所属懇談會の佐々木良作委員は、無所属懇談會もこの特別委員會を第二囘國會に設けるということに對してすでに決まつてはおりまするが、島委員のそうした御意見によつてもう一應諮つて見ましようということで委員會は散會したのであります。大体以上であります。

発言情報

speech_id: 100114356X01419471209_002

発言者: 淺岡信夫

speaker_id: 10527

日付: 1947-12-09

院: 参議院

会議名: 在外同胞引揚問題に関する特別委員会