在外同胞引揚問題に関する特別委員会

1947-12-09 参議院 全86発言

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会議録情報#0
  付託事件
○在外私有財産の國家補償に関する請
 願(第三百六十八號)
○海外引揚者に封する開拓資金増額に
 関する陳情(第三百六十九號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 三百七十七號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 四百二號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 四百十號)
○東印度における戦犯容疑者釋放に關
 する陳情(第四百三十三號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 三百四十三號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 三百六十號)
○引揚者の國内諸債權取扱いに関する
 請願(第三百六十九號)
○同胞援護會に貸付の國有財産貸付料
 免除並びに拂下げに関する請願(第
 三百七十號)
○在外同胞引揚促進に関する請願(第
 二百七十七號)
○海外引揚者の住宅問題に關する陳情
 (第四百五十六號)
○引揚者並びに戦災者に遊休公共建築
 物の即時開放等に關する陳情(第四
 百五十八號)
○舊鳥取氣象観測所建築物を海外引揚
 者に拂下げることに關する陳情(第
 四百八十八號)
○引揚者並びに戰災者に遊休公共建造
 物の即時開放等に關する陳情(第四
 百九十六號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 五百七號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 五百十六號)
○在外行方不明者の調査促進に關する
 陳情(第五百三十二號)
○引揚者並びに戦災者に遊休公共建造
 物の即時開放等に關する陳情(第五
 百三十三號)
○引揚者の持帰り金増額に關する請願
 (第四百四十九號)
○海外引揚者の農地その他に關する請
 願(第四百五十三號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 四百五十九號)
○舊樺太暇免許歯科医師内地開業に關
 する請願(第四百六十七號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 四百八十二號)
○在外同胞引揚促進に關する陳情(第
 五百七十五號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 五百三十五號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 五百三十八號)
○引揚者復員者等更生資金造成のため
 煙草拂下げに關する請願(第五百五
 十四號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 五百七十六號)
○在外私有財産の國家補償その他に關
 する請願(第五百七十八號)
○海外引揚者の住宅等に關する請願
 (第五百九十四號)
○在外同胞引揚促進に關する請願(第
 六百入號)
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昭和二十二年十二月九日(火曜日)
   午後一時零分開會
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  本日の會議に付した事件
○特別委員會今後の對策に關する件
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矢野酉雄#1
○委員長(矢野酉雄君) それではこれより開會いたします。
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淺岡信夫#2
○淺岡信夫君 本日議院運營委員會が開かれまして、緑風會の佐佐委員から、海外同胞引揚問題に關する特別委員會という問題に対して、一つ委員會としてこれを諮られたらどうかという御提案があつたのであります。木内委員長は、それでは淺岡委員ということで、私が立ちまして、實は第一囘の國會に特別委員會が設けられて、海外同胞引揚問題に關する諸般の問題を今日まで取上げて参つたのであります。これはすでに皆さんが御承知とも思いまするが、熱心に討議を特別委員會においていたして参りまして、政府或いは國會、或いは國民に対して、とにかくできるだけのことをやつて來たのであります。ところがあらゆる諸般の問題というものは、未だに八十萬の同胞が海外に残つておられます、その未歸還者の家族の約四百萬近い人たちの問題、或いは今日まで引揚げて参りました五百七十萬の人たちの問題、或いはその家族の問題、こうしたものを三つに大體分けますと、基本対策とそれから援護対策と厚生対策の三つになります。そこで第一囘の國會において、この特別委員會はその下工作ができただけであつて、今後この特別委員會においてなさるべき問題というのは、その裏附、更にそれに対してあらゆる形を作つて行かなければならんというような重要な特別委員會でありますから、是非第二國會におきましても、この特別委員會を設けられて、そうしてこうした問題に對して議して頂きたい、その特別委員會を設けるということに對して、一つお諮りを頂きたい。以上のことを申上げたのであります。そうしますると、委員長、と言つて天田運営委員が發言を求めまして、私は特別委員會の理事であります。今淺岡委員がいろいろと特別委員會のお話をされましたが、この會を打切つて、そうして第二國會にこの特別委員會を設けるということに対しては、私は疑義があります。いつたい特別委員會が今日まで何をなしたかということを考えてみますると、特別委員會としては、ただ政府の當局を呼んで質疑をしたということだけであつて、何ら効果は擧つていない。見るべき功績はない。ただ見るべき功績ということを言うならば、参議院を代表して、そうして舞鶴港を視察した。この點くらいのものである。こうした特別委員會を更に再び第二國會に設けるということに対しては、私は承服しかねる。この特別委員會が、例えば失業保險とか、或いはいろいろな問題に対して、それを取入れるだけのことをしたのならばとにかく、そうした問題にも触れてはおるかも知れないが一向見るべき施策というものがない。だからこの問題に対しては、敢て第二國會に設ける必要は自分としては認めないというようなことで著席したのであります。
 私は更に委員長、と言つて發言を求めまして、この問題に対して、次のようなことを述べたのであります。今天田委員が、特別委員會に対して、何ら見るべきものはないということを言われたことに対して、實に奇怪なことを私は聽くと思う。それは天田委員が特別委員會に御出席になつたことそれ自体が殆ど稀れであつて、特別委員會の運營がどういうふうにあつたか、そうした問題に對して、速記録で以て御覧になつたこともないじやないか。特別委員會として、澤山の、諸般の例を擧げれば枚擧に遑がないから、議院運営委員會においていろいろこの問題を取上げる必要はないが、例えば海外におるところの未帰還者の俸給問題に對しても、九圓五十銭……例えばそれを百圓にするとか、或いはその家族に對して一人頭百五十圓ずつというようなことで以つて、この臨時豫算に對しても九億六十萬圓何がしというものを取るというようなことで、この問題も七月に遡つて支給されるような次第であるのであります。
 その他一番大きな問題とするところは、引揚者、在外者の資産を賠償の對象とする、引揚者等の在外資産に關する處分方針を確立すること、閉鎖機關の債務返済處理を昭和二十三年上半期において實行すること、或いは在外同胞の救済費九億一千七百萬圓を支拂うこと、或いは八十萬になんなんとする引揚促進についての善處をすると同時に、その留守家族慰勞についての積極的施策をなすこと、それから援護対策において澤山の問題が殘つておる。又厚生對策に對しても澤山の問題が残つておる。例えば昨日の特別委員會においても、大藏大臣も出席され、或いは各金融機關の人々も出席され、そうして五時二十分に至るまで開かれておりましたが、この問題にしても亦天田委員は奇怪なる言葉で、特別委員會は何もなしていないじやないか、こういうような委員會を敢て第二囘國會に設ける必要はないといわれたことについては、私は甚だ不埒千遇な奇怪なる言葉であると思う。この問題に關してはすでに今まで特別委員會において幾度か議せられ、昨日の特別委員會においても特別委員會としては、第二囘國會にこの委員會を設けて貰うということも一應議決されたのだから、その問題に對して議決されると同時に、矢野特別委員長、岡元委員小杉委員、高橋委員、木内委員、中西委員、淺岡、千田委員、星野委員、楠見委員、草葉委員、中平委員、穗積委員、井上委員、こうした連署を以てこれをお願いするのである。だからこの問題にしては、議院運營委員會において御善處をお願いしますといつて着席したのであります。そうしますと又天田委員が發言を求められまして、實はこの常任委員會というのが今参議院において、國會の運營上ある。ところが特別委員會というものがある限り、そつちに出席したりこつちに出席したりするというようなことで、常任委員會の運營すら事欠くような事態に立至つておる。だから特別委員會というものは、敢て自分は設ける必要はないのじやないかということを發言し、それから特別委員會の今後議せられるべきいろいろな問題に對して、自分としては承服し難い問題も多々あるということをいつて着席したものですから、更に委員長に發言を求めまして、特別委員會の議決によつて、この委員會を再び第二國會に設けてくれということを議院運營委員會に諮るのであつて、第一囘國會における特別委員會の今日までの在り方に對して、これは是であるか、非であるか、こんなものは意味があるかないかというような問題を天田委員がこの議席で以て論ずべきではないじやないか。そうした問題は特別委員會の席上において右するか左するかということを論じて貰いたい。今日十二時半から特別委員會が開かれてから、この特別委員會においてこれを右するか左するかということについてあなたの御意見を十分に御開陳願いたいということをいつて私は着席したのであります。そこで委員長は發言を求めましたのが島委員であります。島委員は、實は在外同胞の特別委員會を第二囘國會に設置をして貰うという問題にしては、本社會黨からは今淺岡委員の讀まれましたうちに、中平常太郎君が入つておりました。社會黨としては、この問題に對して實は未だいずれとも決定するということは、今後議した上において決定いたしたいと思います。それで各派はこの問題に對しては、一應各派各黨の意見を纏めた上で以て御決定を頂きたいということで、木内委員長はそれを採擇いたしまして、明日の十時における議院運營委員會において、これを諮りましようということで散會したのであります。大体これが、以上の經緯、經過であります。
 そこで今度は私の意見でありまするが、そうしますると佐佐委員が緑風會はこの問題にして決定いたしておりますということを言いますると、無所属懇談會の佐々木良作委員は、無所属懇談會もこの特別委員會を第二囘國會に設けるということに對してすでに決まつてはおりまするが、島委員のそうした御意見によつてもう一應諮つて見ましようということで委員會は散會したのであります。大体以上であります。
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矢野酉雄#3
○委員長(矢野酉雄君) ありがとうございました。
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北條秀一#4
○北條秀一君 只今淺岡委員の報告があつたのですが、今日議院運營委員會においては、すべてそれは速記を取つてあるのですか。それをちよつと伺いたい。
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淺岡信夫#5
○淺岡信夫君 今日の議院運營委員會におきましては、これはただ一人の速記者が出ておりましたので、満足なる速記は取られておらないように思います。同時に……。
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矢野酉雄#6
○委員長(矢野酉雄君) 淺岡君、只今發言中ですけれども、議院の方から御説明をいたします。
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河野義克#7
○参事(河野義克君) 只今の速記の點については、速記者が御承知のような事情で今日の議院運營委員會には出ておりませんので、速記は附いておりません。今淺岡委員の一人云々といわれましたのは、そこでやつております要領筆記をやつておる者であります。
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岡元義人#8
○岡元義人君 私これを傍聽いたしておりましたから、今の淺岡委員のいわれたことに間違いないと思います。
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北條秀一#9
○北條秀一君 只今速記がないといということでありまするから、極めて遺憾なことでありますが、公けの席上で、而も天田委員、淺岡委員の應酬の模様は多數の者が分つておりますので、從つて速記がなくても我々はその責任を究明し、善處するのに差支ないと思いますから、私の質問は打切ります。
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矢野酉雄#10
○委員長(矢野酉雄君) 只今淺岡委員の委細を盡した御報告、それからこれまで議院運營委員ではございませんでしたが、特別委員として岡元義人委員が出席しておられて、淺岡委員の今の報告は間違いないという傍證をして頂きました。そこでこれはお聞きのように、實にこれは特別委員會としては重大問題でありまして、委員會としても重大であるばかりでなく、これを構成しておるところの委員の一人々々の公務を眞面目にやつたか、不眞面目であつたか、いわゆる與えられたる公務を忠實に遂行したかしなかつたかというようなこれは重大な問題でありまして、これは本會の権威に掛けましても、これをいかに解決するか、是非御熟慮を願いたいと思う。殊に特別委員會に對して陳情、請願が本第一囘において、それぞれ皆様のお手許に達したのと総計いたしますと、おそらく四百萬になんなんとするところの、これは實に血みどろな我々兄弟の訴えであります、而してすでに今日もここに來ております特設して貰いたいという請願、陳情、栃木縣その他からのものがございますが、非常に熱烈なるもので、特別委員長宛にやつて來て、これをいちいち御報告を申上げませんが、議院運營委員會のときに囘覧をいたしたことがありましたが、實に切々と胸を打つものばかりであります。これは議長にも議院運營委員長にも多數、是非第二囘の國會において作つて貰いたい、或いは法規が分らないために、存續して貰いたいということまでも訴えているのでありまして、この委員會に對して、本當にこれがただ一つの頼みの綱として頼つておられるところの人達は、私は恐らく一千萬を突破すると思うのでありますが、その命懸けで依頼をしておられる方々の赤誠に對しても、私達は曠職の譏りを受けるようなことを、殊に公開の、一番議會運營という重大な機會において發言せられたのが、我が特別委員會の委員によつて發せられたとするならば、これはただ單なる茶話というのでありませんから、皆さんの御腹藏なき御意見を伺いまして、そうして最も妥當適切なる方法によつて處置したいと思いますから、皆さんの御高見を拝聽することにいたしたいと思います。
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淺岡信夫#11
○淺岡信夫君 ちよつと私、先程落したのでありますが、天田委員が二囘目の發言の時に、私の、特別委員會の後第二囘國會になさるべき重要な問題をお話をいたしました時に、天田委員は、引揚同胞促進に關するそうした問題は、議院運營委員會で取上げて行けばいいのじやないかということを申したのであります。その點は私、先程説明いたします時に落しましたから申添えておきます。
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千田正#12
○千田正君 この引揚同胞の問題に關しては、今年當初の第一囘國會におきまして、片山首相の施政方針演説に對處しまして、緑風會を代表しては穗積、無所属懇談會を代表しましては不肖千田が、當時の問題を取上げて片山首相に、國家として如何にしてこうした立場におかれる人達を救うかという問題に對して相當論議した問題であつて、片山首相もこの一千萬以上になんなんとするところの戰争の犠牲者を如何にするかということが、今後の民主政治の達成という根柢をなすものであるということを斷言され、必要性を是認しておつたのであります。以來、衆議院参議院共に、この同胞に對する特別處置を講じなければならないという考えからいたしまして、同胞救援議員聯盟が生まれ、更に未だ歸らざるところの、當時百二十萬と稱せられたところの海外における残留している人達のために、一日も早く引揚促進をしなければならない。同時に歸つて來てから、又すでに歸つた人達に、そうした人達の定著地におけるところの安定ということを考えなければならないという意味におきまして、特別委員會ができておつたのであります。できて以來、皆さんの御熱心なる御協力の下に、どうやらこうやら今日まで一歩々進みつつあります。而もこれからが一番大事な時である。社會黨あたりは。石炭國管案が重大だというて騒いでおるけれども、石炭國管案においてやれる面は、これは生産面における問題であります。これは勿論重要であります。併しながら一面政治としましては、生産に属さないとしましても、潜在した苦しい人達、曾て片山首相は、或いは行政機構を整備するために二百萬の失業者が出るだろうということに對して、二百萬人に對する失業対策を考えられた。我々政治家としましては、國民の代表としては、そういう意味じやなく、潜在しているところの失業者、戰爭の犠牲者にして未だ水平線上に現れないところの、幾多の生活苦に喘いでいるところの六百數十萬人になんなんとする失業者を救わずして民主政治が徹底できるか。これこそ日本の復興に對するところの底邊をなすところの力というものは、そういうものを水平線上に救い上げて初めて日本の政治は達成するのだ。そういう意味で我々は今日まで討議をし、質問もし、政府にも協力して來たのであります。併しながら我々の特別委員會の委員の一人であるところの社會黨所属の天田委員から、議會運営委員會において、かくの如き暴言を吐くということを聽いた場合において我々は黙視することはできない。それは單に天田君個人の發言としてこれを取上ぐべきか、或いは社會黨の一黨を代表して議院運営委員會に出ている以上は、社會黨の相當の人間は、或いは天田君の言う意思によつて動いていると見ても差支ないか、この點、而して特別委員會のあり方というものは、天田君が言うが如く必要はないという、かような觀點に立つて、我々は如何にすべきかということを考えなければならない。この三つの點において、私は敢て社會黨の代表者、特に天田君の出席を求めます。(「異議なし」と呼ぶ者あり)
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北條秀一#13
○北條秀一君 只今千田委員からお話のありました特別委員會存續の件につきまして、誠に同感であります。多く言葉を言う必要はないのでありますが、この特別委員會の存在の理由は今や國際的の問題になつているということは皆さん御承知の通りであります。特に第四十四回の対日理事會におきまして、この海外同胞の引揚促進について非常な討議が熱心になされたことは御承知の通りであります。従いまして先程申しましたように全く國際的の問題であり、世界人道の問題であるということを我々は認識しなければならないのであります。而も尚八十三萬の人間が歸つて來ておりません。たつた八十三萬の人間のために聯合國各國はあの第四十四回におきまする物凄い討議をされたことを見ましても、如何にこの引揚促進についての特別なる措置が日本國として必要であるかということを明かに立證するものと考えるのであります。更に國内的に申しましては、今千田委員からお話がありましたように、全く日本民族の道義の問題であります。從つて我々がこれらの八十三萬の人間の歸還促進とその受入れ態勢を本當の全國民の協力によつて整備して行くといふことは新らしい民主主義日本を作るための大きな根本條件になつて参ります。こうした特殊な千古未曽有の問題を處理しますために、第一回國會が特別委員會を設け、尚且、その使命が十分果たせられていない今日におきまして、第二回國會が召集されます。從つて第二回國會においてこれを繼續して行くということは、國内的にも又世界的にも必然のことと考えますので、從つて我々は當初の主張通りこれをやつて行くべきであると考えます。最後に今日の議院運営委員會において、社會黨の天田委員が發言しました。その内容につきましては今千田委員からこれに對する批判があつたのでありますが、私は恐らく天田委員の發言は、天田委員個人の見解であるというふうに考えます。若しそれが日本社會黨の黨議として或いは日本社會黨の根本の方針であるということになれば、これは許すべからざるところの問題である。國内的には勿論であります國際的にも私は大問題になるというふうに考えるのであります。恐らくこれは天田君個人の見解であると考えますので、その點は千田委員の意見に從つて、それは個人の見解であるか、或いは日本社會黨の見解であるか、先ずその點を究明いたしまして、それによつて我々は堂々爭つて行かなければならん。そうすることが日本民族のためになすべきことであるというふうに考えるのであります。
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矢野酉雄#14
○委員長(矢野酉雄君) ちよつと皆さんにお諮りいたしますが、動議が成立されましたので、どなたかお二人ぐらいこの委員會を代表して頂きまして、委員會の會議として、今の意思として天田君の出席を勸説して、そうして盡すだけは盡して、それから後に又考うべきことは考えるというふうに運んだらいかがでございましようか。
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淺岡信夫#15
○淺岡信夫君 その前にちよつと一つ……。今北條委員から、個人の天田委員ということ、それから或いは社會黨の黨議という言葉がありましたが、私が、そこにおりました點で、その點ははつきり申されますのは、特別委員會の理事であるということをはつきりと言われたことだけを、ここに更に強調して敷衍しておきます。
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岡元義人#16
○岡元義人君 天田委員の問題にも關聯いたしますけれども、今日は特別委員會の最後の日でございますので、私は同僚の委員の方々に對しまして、心から感謝とお詫びとお願いを兼ねて、數分間だけ時間を頂きたいと思います。
   〔委員長退席、理事北條秀一君着席〕
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北條秀一#17
○理事(北條秀一君) ちよつと委員長、發言しますが、今の、天田委員をここに招請するかどうかという問題に關聯してですか。
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岡元義人#18
○岡元義人君 そうであります。
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北條秀一#19
○理事(北條秀一君) それではどうぞ續けて下さい。
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岡元義人#20
○岡元義人君 たまたまこういう事件が最後の日に起きたわけでありますが、私は途中からこの特別委員會に入りまして、その間皆様よりも、特別な立場でこの特別委員會を眺めて來た一人なんであります。當初穗積委員の政府當局に對して、本會における質問が掲載されたときに、引揚者たちは全く随喜の涙をこぼさんばかりに喜んだのであります。我々は何とかして救われるぞというような気持をば、痛切に引揚者たちは抱いたのであります。これは、この議員の方々は御存じなかつたと思いますけれども、恐らく私みたいな遠い鹿兒島の果てにおる者が、現に自分で見て、そうして眺めて來ておりますので、その感激の状況は全く、實に私たち自體でもそうでありましたが、引揚者の代表が國會へ出てくれて、而も猛烈にやつて頂いておるということに對して、大きな期待を抱いたのであります。そうして私もその後の經過というものを待つたのでありますが、併しながら末端までは何ら形に現れるものが來なくて、しびれを切らしてこの議事堂まで足を進めて参つたのであります。入つて見まして皆さんがあらゆる方面に血の滲むような努力を重ねて頂いておるという現實を眺めますときに、私がここに來るまでの氣持は、尚一層深く感謝の念に驅られたのであります。この點は外の委員の立場と違いまして、私の立場からは一入深いものがあつたのであります。私といたしましては、この特別委員會に入りました以上、皆様の今までのお働きの分まで働かなければいけないという氣持で、或いは出しやばり過ぎたり、或いは皆様の感情を害したりしたこともあつたかと思うのでありますが、併しながらこの點はこの席上で皆様にお許しを頂くことにいたしまして、取敢えずこの委員會の第一國會の過去を振り返つて見ますと、今先、問題になつておりますような、この特別委員會が何ら得るところがなかつたというようなことは、私は誠に残念な言葉と聽かなければならんと思うのであります。
 そもそも引揚者の關係は、そう簡單に解決のつく問題ではなくして、いつも委員長が言われますように、紐をほどいて行くようにして一つづつ解決して行かなければならん問題が山積しておるのであります。それが、勿論我々の委員會がまだ力が足りなくて、そうして本當の解決をつけ得なかつたという點は、我々はないとこれは申さないのであります。我々がもう少し氣を附けて、もう一歩ふん張つたならば、あれもこういう工合に行くんじやないかと思われるような點もあるのじやないかと思うのであります。併しながら總體的に見まして先程淺岡委員が申されましたように、未復員家族の手當の問題にいたしましても、或いは生業資金の問題にいたしましても、あらゆる面において、一昨日でございましたか、今後の住民税の問題にいたしましても、これらの適用を除外するということをはつきり執つておるということは、これは大きな收穫でなければならんと思うのであります。又現在海外から内地へ到著しておりますところの有價證券の整理だけでも、この一つの仕事だけでも私は大仕事じやないかと思うのです。衆議院におきまして隱退藏物資の特別委員會が設けられておりますが、物と人の生命と、我々が常識で考えて見ましても、隱退藏物資の特別委員會が設けられるくらいでありましたならば、誰が考えて見ましても、この海外同胞の引揚及び更生對策に對するところの特別委員會は當然設けられなければならないものだということを私ははつきり言えると思うのであります。一番良い好個の例は、先日の免税の法律に關してでありますが、ああいうふうな法的根據があるものは、免税でもなんでも適用を受けられるのでありますが、引揚という問題、日本歴史始まつて以來の問題でありまして、なんら根據がないのであります。すべてが新らしい一つの根據を作つて行くより外方法がない。その根據を作るところは何處かと申しますと、この特別委員會であります。法律がないのでありますから、この特別委員會というものは、將來永久的なものでは決してないのでありますが、少くとも日本人口の何割かを占める厖大なこれらの人達の處置に関して、當然設けらるべき委員會であるということを私は申上げたいのであります。尚又議員の方々は、我我が國會議員といたしまして、この特別委員會に席を置く方は、これは一つの犠牲的精神においてのみなされると私は言いたいのであります。と言うのは、それぞれ國會議員としての職責を全うするためには常任委員としての專門的な勉強も必要であろうと思うのであります。併しながら、いつなくなるか分らないところの特別委員會に席を置いてやられる方は、これは少くとも犠牲的精神において、最も純粹な氣持において、そうして眞面目な本當にあわれな、そういう方の味方になつて行くというような健氣な氣持がなければ、この委員會には席を置かれないはずだと思うのであります。その點に鑑みましても、私達は今日、私も傍聽した一人でありますが、全く遺憾に堪えないのであります。すき好んで特別委員會を構成しようとしておる人は、恐らく私は一人もないと思います。あらゆる犠牲の上に立つてやつておられると思うのであります。これをばそういうふうに解釋されておる議員が國會議員の中に一人でもおられるというようなことは、誠に残念に堪えないと私は思うのであります。すべからくこういう問題に對しましては、我々特別委員會は、委員會が反省すると同時に、又こういうような失態に對して、あくまでも究明して行くという處置をばとられるように委員長にお願いいたしたいのであります。
   〔理事北條秀一君退席、委員長着席〕
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草葉隆圓#21
○草葉隆圓君 私ちよつと遅れて参りまして甚だ恐縮でございますが、だんだんお話を承つておりますと、この委員會で、而も今日議院運營委員會で、天田君が特別委員會についての御意見を、だんだん承つておりますと、誠に私はこれは遺憾なことである。殊にこの新憲法の下においてこの第一回國會で、二十一の常任委員會がありまするが、併しそれ以外においてこの引揚促進の特別委員會ほど、民主的な新憲法の精神をとつて、そうしてこの現下の日本の状態においての國會としての使命を達成するのには、最も重要な特別委員會であると存ずるのでありまして、殊にここの、参議院の特別委員會は、幸いに委員長を始め、他に多數實際の御體驗者もいらつしやるし、誠に私共委員の一名ではありまするが、他の多くの委員會は、本當に心血を注いで熱心に、これまで血涙を流しながら活動して頂いておることは、私共委員の一人として、むしろ感激と感謝に堪えんのであつて、そういう意味におきましては、衆議院方面以上の本當の活動を願つておると存ずるのであります。でありまするから、この問題につきましては、北條委員なり千田委員の御發言のように、天田君をこの委員會に出席して頂いて、そうしてその本意をここで發表して頂いて、それによつて委員會のその次の態度をおとり願いたい。こういうことを私もお願申上げたいと存じます。
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矢野酉雄#22
○委員長(矢野酉雄君) 只今草葉委員から、最前の千田委員、北條委員の御賛同を得ました動議について、正しい解決の御意見がありましたが、事實もう時間もありませんので、事を急にやはり解決する方がいいと思いますから、いかがでしよう。若し委員長にお名指しをお許しを願いましたならば、私の方から二人ばかり委員會を代表してお使いに立つて頂きたいと思います。いかがでしよう。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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矢野酉雄#23
○委員長(矢野酉雄君) 甚だ恐入りますが、穗積委員と木内委員お二人。こういうようにお傳え願いたいと思います。「在外同胞引揚問題に關する特別委員會は、天田特別委員の本日議會運營委員會においてなされた言動について、十二分にその御眞意を伺いたい。現に公報を以て通告しておるように、本日委員會を開いておりまするから、御出席を心からお待ちしております。お出での上、いろいろとお尋をし、又御意見も申上げたいと思います。そういうふうでいかがでしよう。
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北條秀一#24
○北條秀一君 今のお話の中に天田君の發言が社會黨としての考えであるか、天田君個人の考であるかという理由を、はつきり附加えて頂きたい。
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矢野酉雄#25
○委員長(矢野酉雄君) 北條委員の御發言御尤もと思いますが、その内容を附加えて頂くようにしたいと思います。
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千田正#26
○千田正君 島委員も一緒にお願いしたい。
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穗積眞六郎#27
○穗積眞六郎君 太田委員、中平委員もお連れ願いたい。
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矢野酉雄#28
○委員長(矢野酉雄君) じやお願いします。暫く休憩いたしましよう。
   午後一時五十四分休憩
   —————・—————
   午後二時二十六分開會
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矢野酉雄#29
○委員長(矢野酉雄君) 休憩前に引續いて開會をいたします。
 先程問題になりました天田委員の議院運營委員會における言動が、天田委員としての個人的所見であるか、或いは社會黨自體の黨議としての發表であるか、全くその點斷案を下す資料がございませんので、幸いに本委員會の委員である島理事並びに山田委員が御出席下さいましたので、お二人の中どなたかその點の事情を御説明願つたら好都合だと思いますが、如何でしようか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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