木村小左衞門の発言 (治安及び地方制度委員会)
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○國務大臣(木村小左衞門君) 只今議題となりました地方税法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申上げます。本改正法律案は、府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人當りの平均賦課額を、現在の百八十圓及び百二十圓からそれぞれ更に二百四十圓及び百六十圓に引上げようとするものであります。府縣民税酔び市町村民税の納税義務者一人當りの平均賦課額は、先に本會期におきまして成立いたしました改正法律において、百二十圓及び八十圓からそれぞれ百八十圓及び百二十圓に引上げられたものであります。然るに最近の社會情勢に鑑みまして、政府といたしましてはいわゆる官公吏の生活補給金について再檢討を加え、協議を重ねました結果が、政府職員については一時手當金として取敢えず給與の一ケ月分、總額約二十七億三千餘萬圓を年末に支給するものといたしました。これがため近く補正豫算案第十號を提案することとなりましたのであります。從つてそれと共に地方職員についても亦一般官吏と同樣に取敢えず給與の一ケ月分、總額約二十三億五千萬圓の特別手當を支給するものとして、これが地方費負擔額約十八億四千萬圓の所要財源として止むなく府縣民税及び市町村民税の納税義務者一人當りの平均賦課額を更に引上げ、これによつて約十六億四千萬圓の増收可能額を見込みまして、殘餘の所要額は經費の節約、その他各地方公共團體の工夫に俟つの外なきに至つたのであります。御承知のごとく今日の地方財政は甚だしく困窮しておるのでありまして、今囘の特別手當等所要經費を、地方公共團體が自らの財源を以て調達することは極めて困離な事情にあるのであります。併しながらこれを國庫の支出に仰ぎますることは、國家財政亦眞に危殆に瀕しておりまする今日といたしましては、いかに考慮して見ましても不可能の實状でありまするので、住民の負擔能力及び諸般の經濟事情等を篤と考慮の上、止むなく府縣民税及び市町村民税についてこの程度の増税を行い得るように法律を改正することといたしたのであります。以上の事情を篤と御了察の上、よろしく御審議あらんことを希望する次第であります。