深水六郎の発言 (本会議)

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○深水六郎君 只今議題となりました簡易生命保險法等の一部を改正する法律案につきまして、委員会の審議の経過及びその結果について御報告申上げます。
 先ずその提案理由でございますが、本法案は簡易生命保險法の一部改正と郵便年金法の一部改正の二つを含んでおるのでありますが、本法律案提出の理由といたしますところは、簡易生命保險は大正五年に國民生活の安定を図ることを目的として創始されたものでありますが、爾來三十一年間不断の躍進を続け、その契約高は件数九千万件、金額四百億七千万円で、その積立金は余裕金を合せまして六十六億一千万円となつておりまして、極めて良好な業績を示しておるのであります。而して保險金の最高制限額は創始当時は二百五十円でございましたけれども、経済情勢の進展に應じまして六回に亘り引上げられまして、現在は五千円となつておるのでございますが、現存契約の殆ど大部分は保險金額千円以下の小額契約で占められ、從つて最近のインフレの経営に及ぼす影響は極めて深刻なものがありますので、この際、保險金の最高制限額を二万五千円と大幅に引上げ、且つ新たに最低制限を千円と定めることによりまして、高額新規契約を大量に獲得して、収入の状況を改善し、健全な運営に立ち返らせ、以て國民生活の安定に資したい。こういう趣旨でございます。
 その内容といたしまするところは、法律改正の條文といたしましては、現行の簡易生命保險法第四條を「簡易生命保險ノ保險金額ハ被保險者一人ニ付二萬五千圓以下トシ一保險契約ニ付千圓以上トス」と改正しようというのであります。
 又郵便年金は大正十五年に簡易生命保險と同じ趣旨を以て創始せられまして、爾來二十一年間、非常に好い成績を示したのでございますが、現在その契約高は、件数におきまして、百九十万件、年金額三億九千七百万円となつており、その積立金は余裕金を合せまして二十八億四千百万円という良好な成績を示しておるのであります。年金の最高制限額は、創始当時は、二千四百円でございましたが、その後二回に亘る引上げによりまして、現在は六千円となつておるのでございますが、最近のインフレの激化によりまして、國民生活の安定を期する上にはこれでは不十分であり、且つ又事業自体といたしましても事業費の低減を図る必要がありますので、これを二万四千円に引上げ、且つ新たに最低制限額を二百四十円と定めたいという趣旨でございます。法律の改正といたしましては、現行郵便年金法の第三條を「年金ノ額ハ年金受取人一人ニ付年額二萬四千圓以下トシ一年金契約ニ付二百四十圓以上トス」と改正しようとするものでありまして、而してこの両者の施行期日は來年の一月一日からとなつておるのであります。
 本委員会はこれを愼重に審議いたし、各委員から熱心なる質疑があつたのでございますが、その主な点を申上げますと、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用状況、回収状況、これらはどうなつておるか。又生命保險全体に対しまして簡易保險はどんな割合を占めておるか。保險料と事業費の関係は民間保險と比べてどんな具合になつておるか。又最近の契約の増加状況はどうか、又成るべく事業費を省き、大量に募集するために、郵便局の人ばかりでなく、民間の人又は民間機関にも募集させたらどうであるか、又簡易保險は一人で非常に沢山の口数を持つておる人があるが、これを整理することを考えていないか。又郵便年金につきましては、その差押え禁止の金額は現行では六百円となつておるが、年金額を引上げてもこれを引上げないのはどういうわけであるかというような質問がありましたが、これに対しまして、簡易生命保險の積立金の運用状況は、余裕金を含めまして六十六億一千万円の内、預金部預金が五十%、國債一三・二%、社債及び債券が一〇・三%、その他公共團体証書貸付、地方債証券、株式等でありますが、その回収状況は非常に順調であり、利廻りも四分を少し上廻つておるというような御答弁でございます。又郵便年金の積立金は、余裕金を含めまして二十八億四千百万円でありますが、その運用状況、回収状況、利廻り等は、大体保險のそれと同様であるとのことでございました。簡易保險の保險金額は、総額で民間の生命保險の保險金額の全部の三分の一に当つておるという話でございます。又保險料と事業費の比率は、簡易保險は非常に小口でありますために、民間保險に比べまして事業費が多く掛る理窟でございますけれども、從來は民間保險よりも少く済んで來ており、即ち昭和十九年には、收入保險料に対する事業費の比率は、民間保險では一割五分一厘でございましたが、簡易保險では一割三分一厘でございます。昭和二十一年の上半期にはこれが逆になりまして、民間保險が二割1分九厘、簡易保險は三割九分というふうに、非常に事業費が沢山になつておるのであります。この比率をできるだけ少くいたしますために、高額契約の獲得、事業の合理化、事業費の節約に努めるつもりで鋭意努力中であるということの御答弁でございます。又最近の契約の増加状況は、戦争中は御承知のように隣組その他外部の協力によりまして、多数の新規契約ができまして、年に約一千万件あつたのでございますが、今年は五百万件で、第一回の保險料を一億円と予定しておつたのでございますが、この予定はすでに十月末に完了したということでございます。來年は件数をこれ以上に増やすことは期待できないと思われますが、ただ金額の点において本年度以上にしたいというような御答弁でございます。募集に郵便局員以外を使うことは現行法規上むずかしいということでございます。そうして現在においてもその必要は感じていないけれども、將來の研究問題としたいという御答弁でございます。又契約の整理は契約者のためにもよいと思うし、又事業費の節約のためにも必要であるから、これを実行したいが、これには法律改正を要するので、次回の全面的法律改正の機会にこれを実現したいという氣持であるということでございます。又郵便年金の差押え禁止金額を据置いたのは、今回の改正は先ず年金の金額の改正のみに止めたので、次の國会には全面的改正の提案をするつもりであるから、その際に譲りたいというような御答弁でございました。
 以上の外各委員から詳細な点にわたつて熱心な質問がありました。そうして熱心な質疑應答が重ねられましたが、それは速記録によりまして御承知を御願い申上げたいと存ずる次第であります。
 そうして質疑を終りまして、討論に入つたのでありますけれども、格別な御発言もなく、引続き採決に入りましたところ、全員一致原案通り可決すべきものと認めた次第でございます。以上簡單ではございますが、御報告申上げます。(拍手)

発言情報

speech_id: 100115254X06419471207_010

発言者: 深水六郎

speaker_id: 22047

日付: 1947-12-07

院: 参議院

会議名: 本会議