本会議
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会
会議録情報#0
昭和二十二年十二月七日(日曜日)
午前十時三十八分開議
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議事日程 第六十三号
昭和二十二年十二月七日
午前十時開議
第一 民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二 副檢事の任命資格の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第三 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 簡易生命保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 食糧管理特別会計法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 食糧管理特別会計が農業災害補償法により昭和二十二年度において負担する水稻共済に係る共済掛金の負担金の財源に充てるための一般会計からの繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 財務局及び税務署に在勤する政府職員に対する税務特別手当の支給に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 地方自治方の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 仙臺高等裁判所支部を秋田市に設置することに関する請願(委員長報告)
第一〇 國立遺傳学研究所設立に関する請願(委員長報告)
第一一 盲人の鍼灸術を存続することに関する請願(二件)(委員長報告)
第一二 鍼灸師法制定に関する請願(三件)(委員長報告)
第一三 盲学生に対する鍼灸術存続に関する請願(委員長報告)
第一四 熊本市の地域給引上げに関する請願(委員長報告)
第一五 五條駅、新宮間の鉄道速成に関する請願(委員長報告)
第一六 東海道線沼津、濱松両駅間電化速成に関する請願(委員長報告)
第一七 常磐線松戸、平両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第一八 常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事実施に関する請願(委員長報告)
第一九 肥薩線電化工事に関する請願(委員長報告)
第二〇 札沼線中の撤収区間復元に関する請願(委員長報告)
第二一 常磐線松戸、我孫子両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第二二 膽振國富内、十勝清水間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第二三 大牟田駅復興に関する請願(委員長報告)
第二四 東北本線磐城西郷信号所を貨客取扱駅とすることに関する請願(委員長報告)
第二五 省線電車を小田原まで延長することに関する請願(委員長報告)
第二六 直江津、六日町両駅間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第二七 靜岡縣盤田郡二俣町、佐久間村間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第二八 油津臨港鉄道線敷設に関する請願(委員長報告)
第二九 東海道線沼津、濱松両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第三〇 大糸線全通促進に関する請願(委員長報告)
第三一 濱原、十日市両駅間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第三二 栃木縣今市、福島縣田島両町間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第三三 白棚鉄道線復旧に関する請願(委員長報告)
第三四 土讃線電化に関する請願(委員長報告)
第三五 肥薩線電化促進に関する請願(委員長報告)
第三六 「教育振興」特殊郵便切手発行に関する請願(委員長報告)
第三七 北海道富良野郵便局を普通局に昇格することに関する請願(委員長報告)
第三八 會津高田駅前に郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第三九 栃木縣佐野郵便局舎新築並びに交換方式改善等に関する請願(委員長報告)
第四〇 岡山縣勝田郡豊田村に豊澤郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第四一 大阪府歌垣郵便局の電信電話事務及び交換事務開始に関する請願(委員長報告
第四二 群馬縣群馬郡元総社村に郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第四三 炭鉱労務者の福利施設拡充に関する陳情(委員長報告)
第四四 教員の恩給増額等に関する陳情(委員長報告)
第四五 教員待遇改善に関する陳情(委員長報告)
第四六 電力冬期対策に関する陳情(委員長報告)
第四七 東北本線宇都宮、大宮間日光線宇都宮、日光間及び両毛線小山、高崎間の電化実現に関する陳情(委員長報告)
第四八 信越線高崎、横川間電化工事を実施することに関する陳情(委員長報告)
第四九 東海道線沼津、濱松両駅間電化促進に関する陳情(委員長報告)
第五〇 地方財政及び地方行政に関する調査に関する件(委員長報告)
第五一 東北、北陸地方水害状況に関する調査に関する件(委員長報告)
第五二 水害対策に関する調査に関する件(委員長報告)
第五三 生鮮食料品及び青果物に関する調査に関する件(委員長報告)
第五四 電力問題に関する調査に関する件(委員長報告)
第五五 綜合燃料、動力対策に関する調査に関する件(委員長報告)
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この発言だけを見る →午前十時三十八分開議
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議事日程 第六十三号
昭和二十二年十二月七日
午前十時開議
第一 民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第二 副檢事の任命資格の特例に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第三 裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第四 簡易生命保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第五 食糧管理特別会計法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第六 食糧管理特別会計が農業災害補償法により昭和二十二年度において負担する水稻共済に係る共済掛金の負担金の財源に充てるための一般会計からの繰入金に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第七 財務局及び税務署に在勤する政府職員に対する税務特別手当の支給に関する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第八 地方自治方の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)(委員長報告)
第九 仙臺高等裁判所支部を秋田市に設置することに関する請願(委員長報告)
第一〇 國立遺傳学研究所設立に関する請願(委員長報告)
第一一 盲人の鍼灸術を存続することに関する請願(二件)(委員長報告)
第一二 鍼灸師法制定に関する請願(三件)(委員長報告)
第一三 盲学生に対する鍼灸術存続に関する請願(委員長報告)
第一四 熊本市の地域給引上げに関する請願(委員長報告)
第一五 五條駅、新宮間の鉄道速成に関する請願(委員長報告)
第一六 東海道線沼津、濱松両駅間電化速成に関する請願(委員長報告)
第一七 常磐線松戸、平両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第一八 常磐線松戸、我孫子両駅間電化工事実施に関する請願(委員長報告)
第一九 肥薩線電化工事に関する請願(委員長報告)
第二〇 札沼線中の撤収区間復元に関する請願(委員長報告)
第二一 常磐線松戸、我孫子両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第二二 膽振國富内、十勝清水間鉄道敷設促進に関する請願(委員長報告)
第二三 大牟田駅復興に関する請願(委員長報告)
第二四 東北本線磐城西郷信号所を貨客取扱駅とすることに関する請願(委員長報告)
第二五 省線電車を小田原まで延長することに関する請願(委員長報告)
第二六 直江津、六日町両駅間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第二七 靜岡縣盤田郡二俣町、佐久間村間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第二八 油津臨港鉄道線敷設に関する請願(委員長報告)
第二九 東海道線沼津、濱松両駅間電化促進に関する請願(委員長報告)
第三〇 大糸線全通促進に関する請願(委員長報告)
第三一 濱原、十日市両駅間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第三二 栃木縣今市、福島縣田島両町間に鉄道を敷設することに関する請願(委員長報告)
第三三 白棚鉄道線復旧に関する請願(委員長報告)
第三四 土讃線電化に関する請願(委員長報告)
第三五 肥薩線電化促進に関する請願(委員長報告)
第三六 「教育振興」特殊郵便切手発行に関する請願(委員長報告)
第三七 北海道富良野郵便局を普通局に昇格することに関する請願(委員長報告)
第三八 會津高田駅前に郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第三九 栃木縣佐野郵便局舎新築並びに交換方式改善等に関する請願(委員長報告)
第四〇 岡山縣勝田郡豊田村に豊澤郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第四一 大阪府歌垣郵便局の電信電話事務及び交換事務開始に関する請願(委員長報告
第四二 群馬縣群馬郡元総社村に郵便局を設置することに関する請願(委員長報告)
第四三 炭鉱労務者の福利施設拡充に関する陳情(委員長報告)
第四四 教員の恩給増額等に関する陳情(委員長報告)
第四五 教員待遇改善に関する陳情(委員長報告)
第四六 電力冬期対策に関する陳情(委員長報告)
第四七 東北本線宇都宮、大宮間日光線宇都宮、日光間及び両毛線小山、高崎間の電化実現に関する陳情(委員長報告)
第四八 信越線高崎、横川間電化工事を実施することに関する陳情(委員長報告)
第四九 東海道線沼津、濱松両駅間電化促進に関する陳情(委員長報告)
第五〇 地方財政及び地方行政に関する調査に関する件(委員長報告)
第五一 東北、北陸地方水害状況に関する調査に関する件(委員長報告)
第五二 水害対策に関する調査に関する件(委員長報告)
第五三 生鮮食料品及び青果物に関する調査に関する件(委員長報告)
第五四 電力問題に関する調査に関する件(委員長報告)
第五五 綜合燃料、動力対策に関する調査に関する件(委員長報告)
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松
松
松平恒雄#2
○議長(松平恒雄君) これより本日の会議を開きます。日程第一、民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案、日程第二、副檢事の任命資格の特例に関する法律案、日程第三、裁判所法の一部を改正する法律案、いずれも内閣提出、衆議院送付、以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
この発言だけを見る →〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
松
伊
伊藤修#4
○伊藤修君 只今議題となりました三件につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。
先ず、民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、簡單にご説明申し上げます。
民法におきましては、日本國憲法の基本的原則に適合するように、戸主、家族其の他、家に関する規定及び家督相続に関する規定の削除、両性の本質的平等に反する規定の改正、親族会の廃止、成年者の婚姻には父母の同意を要しないこととし、未成年者が婚姻によつて成年に達したものとみなすこと等の改正が行われたのであります。然るに他の法律中には、從前の民法を前提としている幾多の規定がありますのでこれを改正された民法に適合させるように整理する必要が生じたのであります。又、民法の改正と並行して、他の法律中の家族制度に関する規定も亦これを憲法の基本的原則に適合するように整理する必要があるのであります。これらの整理をしなければならない法律の数は、すでに他の法律の改正等に関連して整理されたものを除いても、尚実に六十有余の多きに上る次第であります。これらの整理を要する法律について一々これを改正することは、非常に繁雑となるので、ここに一括して整理するために、この法律案が提出された次第であります。この法律案で整理の対象となつて、一部改正される法律を挙げて見ますと、お手許に配布せられておる法律案中に記載されておる通り、監獄法初め、その他六十三の法律であります。又廃止される法律は、國籍喪失者の権利に関する法律、民法第七十九條及び第百八十一條の規定による遺言の確認に関する法律の二つであります。
尚改正の主なる内容を見ますと、或いは戸主、家族を削り、或いは家督相続を前提とする規定を削り、或いは妻の能力制限を前提とする規定を削り、或いは親族会が選任することになつていたのを家事審判所が選任することに改正し、或いは優生手術を受けることのできる年齢を三十歳から二十歳まで引下げる等の改正をなし、その他改正に伴う條文の整理をなし、又は所要の経過規定を設けた次第であります。委員会におきましては、愼重審議をいたしましたが、その質疑應答の詳細については速記録に譲ることにいたします。
質疑を終つて討論に入りましたところ、本法律案中、その第十九條において、農業資産相続特例法の一部を改正する規定がありますが、この特例法は目下本委員会で審議中であつて、法律として成立していないのでありますから、これを本法律案の中から当然に削除すべきものであると思う。かような理由で松村委員から修正案が提出せられました。即ち第十九條を削り、第二十條を第十九條とし、以下第三十一條まで一條ずつ繰上げる。第三十二条を第三十一條とし、同條中「第二十條」を「第十九條」に改める。第三十三條を第三十二條とし、同條中「第二十二條」を「第二十一條」に改めるというのでありまして、この修正案に対し齋委員より賛成の御意見がありました。採決に入りましたところ全員一致を以つて修正案は可決されました。次いで修正部分を除く他の原案全部につきまして採決をいたしましたところ、全員一致を以つて原案通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。
次に副檢事の任命資格の特例に関する法律案の審議の経過及び結果について簡單に御報告申上げます。
副檢事は憲法改正後、檢察廳法の制定によつて初めてできた制度でありまして、簡易裁判所に対應する区檢察廳の檢察官の職のみに補することになつております。その取扱いますところの職務も、犯罪の捜査については、いかなる犯罪についてもこれをすることができますが、公訴の提起、公判の立会等については、簡易裁判所事件の外はできないことになつておりますので、さような関係から、その任用資格も從來の檢事よりは一段下げまして、いわゆる檢事は、高等試驗を通つて司法官試補、今の司法修習生を二年やつて初めてなれるのですが、副檢事の方は、これに対していわゆる特別任用式のもので、資格としては、高等試驗に合格した者、又は三年以上二級官として、檢察廳の書記又は裁判所の書記、今の言葉では事務官と申しております。監獄の典獄、警察官といつたような、主として司法関係の公務員の職に在つた者を副檢事選考委員会で選考して、これに合格した者の中から任命することになつております。これが今日行われておる檢察廳法第十八條の第二項の規定で、この副檢事は二級官で、これを三年やれば試驗を受けて檢事になれるというようになつております。
そこで、檢事も判事も非常に不足している現状において、全國簡易裁判所に対置している区檢察廳が五百五十五ヶ所ありますので、とても檢事の配置はできないので、せめて副檢事の一人ずつぐらいでも配置したいというので、定員四百三十人の任命にとりかかつたわけですが、有資格の應募者が思つたように來ません。本年の五月三日に施行されて、十一月二十一日までに僅かに六十七人しか任命できないという実情にあります。尚任命予定者が三十七名程あるそうですが、それを合わせても百四人で、定員の四分の一にも達しません。尚不足が二百二十六人あるという状態であります。犯罪は日々累増の途を辿り、警察は改組される。正檢事はこれ亦容易に殖やすこともできない。何とかしてこの要請を充たさなければならない次第であります。
ところが一方、檢察事務官、警察官などの中には、多年檢察の実務に從事し、実質的には副檢事の職務に必要な学識及び経驗のある者が相当にある。ただ從來司法省関係は非常に昇進が遅いので、なかなか二級官にはしなかつた等の事情のために、二級官三年在職の資格がある者が少いという実情でありますので、この副檢事の任命資格に関し臨時的の特例を作り、ここ一年間だけ前述の十八條第二項の枠を外して、副檢事の職務に必要な学識があり、経驗がある者の中から、副檢事選考委員会が選考して任命するという便法を設けるというのが本案の趣旨であります。選考委員会は、昭和二十二年の政令第八十四号に官制がありまして、司法大臣外、次官、刑事局長、最高檢察廳の次長檢事、東京高等裁判所長官等八人の委員から成つており、適正に選考が行われることになつております。尚かくして任命された副檢事も、三年後には檢察官特別考試令を経て二級の檢事に昇進する途が開かれておるのであります。以上が本案提案の理由及び内容であります。
質疑に入りましたところ、齋委員より詳細な質問があり、尚政府委員よりも答弁がありましたが、いずれも速記録に譲ることにいたします。かくいたしまして討論に入りましたところ、満場一致原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に裁判所の一部を改正する法律案についてご説明申しあげます。
裁判所法は本年五月三日から施行されましたが、施行以來の実績に徴しまして、簡易裁判所の裁判権の範囲を拡張し、裁判官任命諮問委員会を廃止し、裁判官の任命資格を拡張し、及び簡易裁判所の裁判官の定年を引上げる必要があるものとして、本改正案が提出された次第であります。その改正の内容について見ますと、
第一に簡易裁判所の裁判権の範囲は、現行法第三十三條によりますと、刑事事件においては、罰金以下の刑にあたる罪又は選択刑として罰金が定められている罪に係る訴訟でありまして、簡易裁判所は禁錮以上の刑を科することができないので、禁錮以上の刑を科するを相当と認めたときは、事件を地方裁判所に移さなければならないことになつておりますが、改正法案では右の裁判権を拡張して、窃盗罪及びその未遂罪で三年以下の懲役を科する場合にもその裁判権あるものとし、三年を超える刑を科すべき場合には地方裁判所に移送すべきものといたした次第であります。
第二に、現行裁判所法第三十九條第四項及び第五項によると、内閣が最高裁判所の長官の指名又は最高裁判所判事の任命を行うには、裁判官任命諮問委員会に諮問しなければならないことになつておるのを、改正法案では、右第三十九條第四項及び第五項を削除して、内閣が右の指名又は任命をなすには、諮問委員会を設ける必要もなく、全く内閣が自由裁量でその責任において行うことにいたした次第であります。
第三に、裁判所法案が提出された当時には、司法省研修所が設立されるかどうか未定であり、從つて司法省研修所の教官たる司法教官は存在していなかつたので、現行法には判檢事出身の司法教官について、その裁判官に任命される資格に関する規定が欠けておるので、第四十一條、第四十二條、及び第四十三條に改正を加えて、右司法教官の在職を、司法事務官と同様に裁判官の任命資格の中に加えたのであります。
第四に、現行法第五十條によると、簡易裁判所の判事の定年は六十五年となつておりますが、老練な退職判檢事、弁護士を簡易裁判所の判事に迎えるために、定年を七十年に引き上げることに改正されたのであります。
次に委員会における質疑應答に対しては速記録に譲ることお許し願います。討論に入りましたところ、來馬委員から修正案が提出されました。その内容は本案の附則に次の三項を加えるの修正であります。
「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の審判官の職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條及び第四十四條の規定の適用については、これを判事の在職の年数とみなし、第四十二條の規定の適用については、これを判事補の在職の年数とみなす。」次の項は、「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の檢察官に職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを檢察官の在職の年数とみなす。」第三項といたしまして、「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の司法部理事官又は司法部参事官の職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを司法事務官の在職の年数とみなす。」というのが修正案の内容であります。要するに判事又は檢事の職に在つた者が満州國に在勤して審判官、檢察官及び司法部の理事官又は参事官の職に在つた年数を、最高裁判所の裁判官、高等裁判所の長官及び判事並びに簡易裁判所判事の任命資格の期間に通算しようというのがその修正案の提案理由であります。右の修正案に対しまして鈴木委員から賛成の意見がありまして、他に御意見がないので、討論を終り、採決の結果、修正案は全会一致で可決いたしました。修正案を除く原案につきましては、原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。以上簡單に御報告申上げます。拍手
この発言だけを見る →先ず、民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案につきまして、簡單にご説明申し上げます。
民法におきましては、日本國憲法の基本的原則に適合するように、戸主、家族其の他、家に関する規定及び家督相続に関する規定の削除、両性の本質的平等に反する規定の改正、親族会の廃止、成年者の婚姻には父母の同意を要しないこととし、未成年者が婚姻によつて成年に達したものとみなすこと等の改正が行われたのであります。然るに他の法律中には、從前の民法を前提としている幾多の規定がありますのでこれを改正された民法に適合させるように整理する必要が生じたのであります。又、民法の改正と並行して、他の法律中の家族制度に関する規定も亦これを憲法の基本的原則に適合するように整理する必要があるのであります。これらの整理をしなければならない法律の数は、すでに他の法律の改正等に関連して整理されたものを除いても、尚実に六十有余の多きに上る次第であります。これらの整理を要する法律について一々これを改正することは、非常に繁雑となるので、ここに一括して整理するために、この法律案が提出された次第であります。この法律案で整理の対象となつて、一部改正される法律を挙げて見ますと、お手許に配布せられておる法律案中に記載されておる通り、監獄法初め、その他六十三の法律であります。又廃止される法律は、國籍喪失者の権利に関する法律、民法第七十九條及び第百八十一條の規定による遺言の確認に関する法律の二つであります。
尚改正の主なる内容を見ますと、或いは戸主、家族を削り、或いは家督相続を前提とする規定を削り、或いは妻の能力制限を前提とする規定を削り、或いは親族会が選任することになつていたのを家事審判所が選任することに改正し、或いは優生手術を受けることのできる年齢を三十歳から二十歳まで引下げる等の改正をなし、その他改正に伴う條文の整理をなし、又は所要の経過規定を設けた次第であります。委員会におきましては、愼重審議をいたしましたが、その質疑應答の詳細については速記録に譲ることにいたします。
質疑を終つて討論に入りましたところ、本法律案中、その第十九條において、農業資産相続特例法の一部を改正する規定がありますが、この特例法は目下本委員会で審議中であつて、法律として成立していないのでありますから、これを本法律案の中から当然に削除すべきものであると思う。かような理由で松村委員から修正案が提出せられました。即ち第十九條を削り、第二十條を第十九條とし、以下第三十一條まで一條ずつ繰上げる。第三十二条を第三十一條とし、同條中「第二十條」を「第十九條」に改める。第三十三條を第三十二條とし、同條中「第二十二條」を「第二十一條」に改めるというのでありまして、この修正案に対し齋委員より賛成の御意見がありました。採決に入りましたところ全員一致を以つて修正案は可決されました。次いで修正部分を除く他の原案全部につきまして採決をいたしましたところ、全員一致を以つて原案通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。
次に副檢事の任命資格の特例に関する法律案の審議の経過及び結果について簡單に御報告申上げます。
副檢事は憲法改正後、檢察廳法の制定によつて初めてできた制度でありまして、簡易裁判所に対應する区檢察廳の檢察官の職のみに補することになつております。その取扱いますところの職務も、犯罪の捜査については、いかなる犯罪についてもこれをすることができますが、公訴の提起、公判の立会等については、簡易裁判所事件の外はできないことになつておりますので、さような関係から、その任用資格も從來の檢事よりは一段下げまして、いわゆる檢事は、高等試驗を通つて司法官試補、今の司法修習生を二年やつて初めてなれるのですが、副檢事の方は、これに対していわゆる特別任用式のもので、資格としては、高等試驗に合格した者、又は三年以上二級官として、檢察廳の書記又は裁判所の書記、今の言葉では事務官と申しております。監獄の典獄、警察官といつたような、主として司法関係の公務員の職に在つた者を副檢事選考委員会で選考して、これに合格した者の中から任命することになつております。これが今日行われておる檢察廳法第十八條の第二項の規定で、この副檢事は二級官で、これを三年やれば試驗を受けて檢事になれるというようになつております。
そこで、檢事も判事も非常に不足している現状において、全國簡易裁判所に対置している区檢察廳が五百五十五ヶ所ありますので、とても檢事の配置はできないので、せめて副檢事の一人ずつぐらいでも配置したいというので、定員四百三十人の任命にとりかかつたわけですが、有資格の應募者が思つたように來ません。本年の五月三日に施行されて、十一月二十一日までに僅かに六十七人しか任命できないという実情にあります。尚任命予定者が三十七名程あるそうですが、それを合わせても百四人で、定員の四分の一にも達しません。尚不足が二百二十六人あるという状態であります。犯罪は日々累増の途を辿り、警察は改組される。正檢事はこれ亦容易に殖やすこともできない。何とかしてこの要請を充たさなければならない次第であります。
ところが一方、檢察事務官、警察官などの中には、多年檢察の実務に從事し、実質的には副檢事の職務に必要な学識及び経驗のある者が相当にある。ただ從來司法省関係は非常に昇進が遅いので、なかなか二級官にはしなかつた等の事情のために、二級官三年在職の資格がある者が少いという実情でありますので、この副檢事の任命資格に関し臨時的の特例を作り、ここ一年間だけ前述の十八條第二項の枠を外して、副檢事の職務に必要な学識があり、経驗がある者の中から、副檢事選考委員会が選考して任命するという便法を設けるというのが本案の趣旨であります。選考委員会は、昭和二十二年の政令第八十四号に官制がありまして、司法大臣外、次官、刑事局長、最高檢察廳の次長檢事、東京高等裁判所長官等八人の委員から成つており、適正に選考が行われることになつております。尚かくして任命された副檢事も、三年後には檢察官特別考試令を経て二級の檢事に昇進する途が開かれておるのであります。以上が本案提案の理由及び内容であります。
質疑に入りましたところ、齋委員より詳細な質問があり、尚政府委員よりも答弁がありましたが、いずれも速記録に譲ることにいたします。かくいたしまして討論に入りましたところ、満場一致原案通り可決すべきものと決定いたした次第であります。
次に裁判所の一部を改正する法律案についてご説明申しあげます。
裁判所法は本年五月三日から施行されましたが、施行以來の実績に徴しまして、簡易裁判所の裁判権の範囲を拡張し、裁判官任命諮問委員会を廃止し、裁判官の任命資格を拡張し、及び簡易裁判所の裁判官の定年を引上げる必要があるものとして、本改正案が提出された次第であります。その改正の内容について見ますと、
第一に簡易裁判所の裁判権の範囲は、現行法第三十三條によりますと、刑事事件においては、罰金以下の刑にあたる罪又は選択刑として罰金が定められている罪に係る訴訟でありまして、簡易裁判所は禁錮以上の刑を科することができないので、禁錮以上の刑を科するを相当と認めたときは、事件を地方裁判所に移さなければならないことになつておりますが、改正法案では右の裁判権を拡張して、窃盗罪及びその未遂罪で三年以下の懲役を科する場合にもその裁判権あるものとし、三年を超える刑を科すべき場合には地方裁判所に移送すべきものといたした次第であります。
第二に、現行裁判所法第三十九條第四項及び第五項によると、内閣が最高裁判所の長官の指名又は最高裁判所判事の任命を行うには、裁判官任命諮問委員会に諮問しなければならないことになつておるのを、改正法案では、右第三十九條第四項及び第五項を削除して、内閣が右の指名又は任命をなすには、諮問委員会を設ける必要もなく、全く内閣が自由裁量でその責任において行うことにいたした次第であります。
第三に、裁判所法案が提出された当時には、司法省研修所が設立されるかどうか未定であり、從つて司法省研修所の教官たる司法教官は存在していなかつたので、現行法には判檢事出身の司法教官について、その裁判官に任命される資格に関する規定が欠けておるので、第四十一條、第四十二條、及び第四十三條に改正を加えて、右司法教官の在職を、司法事務官と同様に裁判官の任命資格の中に加えたのであります。
第四に、現行法第五十條によると、簡易裁判所の判事の定年は六十五年となつておりますが、老練な退職判檢事、弁護士を簡易裁判所の判事に迎えるために、定年を七十年に引き上げることに改正されたのであります。
次に委員会における質疑應答に対しては速記録に譲ることお許し願います。討論に入りましたところ、來馬委員から修正案が提出されました。その内容は本案の附則に次の三項を加えるの修正であります。
「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の審判官の職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條及び第四十四條の規定の適用については、これを判事の在職の年数とみなし、第四十二條の規定の適用については、これを判事補の在職の年数とみなす。」次の項は、「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の檢察官に職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを檢察官の在職の年数とみなす。」第三項といたしまして、「裁判所構成法による判事又は檢事の職に在つた者が、満州國の司法部理事官又は司法部参事官の職に在つたときは、その在職の年数は、第四十一條、第四十二條及び第四十四條の規定の適用については、これを司法事務官の在職の年数とみなす。」というのが修正案の内容であります。要するに判事又は檢事の職に在つた者が満州國に在勤して審判官、檢察官及び司法部の理事官又は参事官の職に在つた年数を、最高裁判所の裁判官、高等裁判所の長官及び判事並びに簡易裁判所判事の任命資格の期間に通算しようというのがその修正案の提案理由であります。右の修正案に対しまして鈴木委員から賛成の意見がありまして、他に御意見がないので、討論を終り、採決の結果、修正案は全会一致で可決いたしました。修正案を除く原案につきましては、原案通り可決すべきものと決定いたしました次第であります。以上簡單に御報告申上げます。拍手
松
松平恒雄#5
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。先ず民法の改正に伴う関係法律の整理に関する法律案及び裁判所法の一部を改正する法律案の両案につき、その全部を問題に供します。委員長の報告は両案とも修正議決報告でございます。両案は委員長報告の通り修正議決することに賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕
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松
松
松
松
松平恒雄#9
○議長(松平恒雄君) 日程第四、簡易生命保險法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。通信委員長深水六郎君。
〔深水六郎君登壇、拍手〕
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深
深水六郎#10
○深水六郎君 只今議題となりました簡易生命保險法等の一部を改正する法律案につきまして、委員会の審議の経過及びその結果について御報告申上げます。
先ずその提案理由でございますが、本法案は簡易生命保險法の一部改正と郵便年金法の一部改正の二つを含んでおるのでありますが、本法律案提出の理由といたしますところは、簡易生命保險は大正五年に國民生活の安定を図ることを目的として創始されたものでありますが、爾來三十一年間不断の躍進を続け、その契約高は件数九千万件、金額四百億七千万円で、その積立金は余裕金を合せまして六十六億一千万円となつておりまして、極めて良好な業績を示しておるのであります。而して保險金の最高制限額は創始当時は二百五十円でございましたけれども、経済情勢の進展に應じまして六回に亘り引上げられまして、現在は五千円となつておるのでございますが、現存契約の殆ど大部分は保險金額千円以下の小額契約で占められ、從つて最近のインフレの経営に及ぼす影響は極めて深刻なものがありますので、この際、保險金の最高制限額を二万五千円と大幅に引上げ、且つ新たに最低制限を千円と定めることによりまして、高額新規契約を大量に獲得して、収入の状況を改善し、健全な運営に立ち返らせ、以て國民生活の安定に資したい。こういう趣旨でございます。
その内容といたしまするところは、法律改正の條文といたしましては、現行の簡易生命保險法第四條を「簡易生命保險ノ保險金額ハ被保險者一人ニ付二萬五千圓以下トシ一保險契約ニ付千圓以上トス」と改正しようというのであります。
又郵便年金は大正十五年に簡易生命保險と同じ趣旨を以て創始せられまして、爾來二十一年間、非常に好い成績を示したのでございますが、現在その契約高は、件数におきまして、百九十万件、年金額三億九千七百万円となつており、その積立金は余裕金を合せまして二十八億四千百万円という良好な成績を示しておるのであります。年金の最高制限額は、創始当時は、二千四百円でございましたが、その後二回に亘る引上げによりまして、現在は六千円となつておるのでございますが、最近のインフレの激化によりまして、國民生活の安定を期する上にはこれでは不十分であり、且つ又事業自体といたしましても事業費の低減を図る必要がありますので、これを二万四千円に引上げ、且つ新たに最低制限額を二百四十円と定めたいという趣旨でございます。法律の改正といたしましては、現行郵便年金法の第三條を「年金ノ額ハ年金受取人一人ニ付年額二萬四千圓以下トシ一年金契約ニ付二百四十圓以上トス」と改正しようとするものでありまして、而してこの両者の施行期日は來年の一月一日からとなつておるのであります。
本委員会はこれを愼重に審議いたし、各委員から熱心なる質疑があつたのでございますが、その主な点を申上げますと、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用状況、回収状況、これらはどうなつておるか。又生命保險全体に対しまして簡易保險はどんな割合を占めておるか。保險料と事業費の関係は民間保險と比べてどんな具合になつておるか。又最近の契約の増加状況はどうか、又成るべく事業費を省き、大量に募集するために、郵便局の人ばかりでなく、民間の人又は民間機関にも募集させたらどうであるか、又簡易保險は一人で非常に沢山の口数を持つておる人があるが、これを整理することを考えていないか。又郵便年金につきましては、その差押え禁止の金額は現行では六百円となつておるが、年金額を引上げてもこれを引上げないのはどういうわけであるかというような質問がありましたが、これに対しまして、簡易生命保險の積立金の運用状況は、余裕金を含めまして六十六億一千万円の内、預金部預金が五十%、國債一三・二%、社債及び債券が一〇・三%、その他公共團体証書貸付、地方債証券、株式等でありますが、その回収状況は非常に順調であり、利廻りも四分を少し上廻つておるというような御答弁でございます。又郵便年金の積立金は、余裕金を含めまして二十八億四千百万円でありますが、その運用状況、回収状況、利廻り等は、大体保險のそれと同様であるとのことでございました。簡易保險の保險金額は、総額で民間の生命保險の保險金額の全部の三分の一に当つておるという話でございます。又保險料と事業費の比率は、簡易保險は非常に小口でありますために、民間保險に比べまして事業費が多く掛る理窟でございますけれども、從來は民間保險よりも少く済んで來ており、即ち昭和十九年には、收入保險料に対する事業費の比率は、民間保險では一割五分一厘でございましたが、簡易保險では一割三分一厘でございます。昭和二十一年の上半期にはこれが逆になりまして、民間保險が二割1分九厘、簡易保險は三割九分というふうに、非常に事業費が沢山になつておるのであります。この比率をできるだけ少くいたしますために、高額契約の獲得、事業の合理化、事業費の節約に努めるつもりで鋭意努力中であるということの御答弁でございます。又最近の契約の増加状況は、戦争中は御承知のように隣組その他外部の協力によりまして、多数の新規契約ができまして、年に約一千万件あつたのでございますが、今年は五百万件で、第一回の保險料を一億円と予定しておつたのでございますが、この予定はすでに十月末に完了したということでございます。來年は件数をこれ以上に増やすことは期待できないと思われますが、ただ金額の点において本年度以上にしたいというような御答弁でございます。募集に郵便局員以外を使うことは現行法規上むずかしいということでございます。そうして現在においてもその必要は感じていないけれども、將來の研究問題としたいという御答弁でございます。又契約の整理は契約者のためにもよいと思うし、又事業費の節約のためにも必要であるから、これを実行したいが、これには法律改正を要するので、次回の全面的法律改正の機会にこれを実現したいという氣持であるということでございます。又郵便年金の差押え禁止金額を据置いたのは、今回の改正は先ず年金の金額の改正のみに止めたので、次の國会には全面的改正の提案をするつもりであるから、その際に譲りたいというような御答弁でございました。
以上の外各委員から詳細な点にわたつて熱心な質問がありました。そうして熱心な質疑應答が重ねられましたが、それは速記録によりまして御承知を御願い申上げたいと存ずる次第であります。
そうして質疑を終りまして、討論に入つたのでありますけれども、格別な御発言もなく、引続き採決に入りましたところ、全員一致原案通り可決すべきものと認めた次第でございます。以上簡單ではございますが、御報告申上げます。拍手
この発言だけを見る →先ずその提案理由でございますが、本法案は簡易生命保險法の一部改正と郵便年金法の一部改正の二つを含んでおるのでありますが、本法律案提出の理由といたしますところは、簡易生命保險は大正五年に國民生活の安定を図ることを目的として創始されたものでありますが、爾來三十一年間不断の躍進を続け、その契約高は件数九千万件、金額四百億七千万円で、その積立金は余裕金を合せまして六十六億一千万円となつておりまして、極めて良好な業績を示しておるのであります。而して保險金の最高制限額は創始当時は二百五十円でございましたけれども、経済情勢の進展に應じまして六回に亘り引上げられまして、現在は五千円となつておるのでございますが、現存契約の殆ど大部分は保險金額千円以下の小額契約で占められ、從つて最近のインフレの経営に及ぼす影響は極めて深刻なものがありますので、この際、保險金の最高制限額を二万五千円と大幅に引上げ、且つ新たに最低制限を千円と定めることによりまして、高額新規契約を大量に獲得して、収入の状況を改善し、健全な運営に立ち返らせ、以て國民生活の安定に資したい。こういう趣旨でございます。
その内容といたしまするところは、法律改正の條文といたしましては、現行の簡易生命保險法第四條を「簡易生命保險ノ保險金額ハ被保險者一人ニ付二萬五千圓以下トシ一保險契約ニ付千圓以上トス」と改正しようというのであります。
又郵便年金は大正十五年に簡易生命保險と同じ趣旨を以て創始せられまして、爾來二十一年間、非常に好い成績を示したのでございますが、現在その契約高は、件数におきまして、百九十万件、年金額三億九千七百万円となつており、その積立金は余裕金を合せまして二十八億四千百万円という良好な成績を示しておるのであります。年金の最高制限額は、創始当時は、二千四百円でございましたが、その後二回に亘る引上げによりまして、現在は六千円となつておるのでございますが、最近のインフレの激化によりまして、國民生活の安定を期する上にはこれでは不十分であり、且つ又事業自体といたしましても事業費の低減を図る必要がありますので、これを二万四千円に引上げ、且つ新たに最低制限額を二百四十円と定めたいという趣旨でございます。法律の改正といたしましては、現行郵便年金法の第三條を「年金ノ額ハ年金受取人一人ニ付年額二萬四千圓以下トシ一年金契約ニ付二百四十圓以上トス」と改正しようとするものでありまして、而してこの両者の施行期日は來年の一月一日からとなつておるのであります。
本委員会はこれを愼重に審議いたし、各委員から熱心なる質疑があつたのでございますが、その主な点を申上げますと、簡易生命保險及び郵便年金の積立金の運用状況、回収状況、これらはどうなつておるか。又生命保險全体に対しまして簡易保險はどんな割合を占めておるか。保險料と事業費の関係は民間保險と比べてどんな具合になつておるか。又最近の契約の増加状況はどうか、又成るべく事業費を省き、大量に募集するために、郵便局の人ばかりでなく、民間の人又は民間機関にも募集させたらどうであるか、又簡易保險は一人で非常に沢山の口数を持つておる人があるが、これを整理することを考えていないか。又郵便年金につきましては、その差押え禁止の金額は現行では六百円となつておるが、年金額を引上げてもこれを引上げないのはどういうわけであるかというような質問がありましたが、これに対しまして、簡易生命保險の積立金の運用状況は、余裕金を含めまして六十六億一千万円の内、預金部預金が五十%、國債一三・二%、社債及び債券が一〇・三%、その他公共團体証書貸付、地方債証券、株式等でありますが、その回収状況は非常に順調であり、利廻りも四分を少し上廻つておるというような御答弁でございます。又郵便年金の積立金は、余裕金を含めまして二十八億四千百万円でありますが、その運用状況、回収状況、利廻り等は、大体保險のそれと同様であるとのことでございました。簡易保險の保險金額は、総額で民間の生命保險の保險金額の全部の三分の一に当つておるという話でございます。又保險料と事業費の比率は、簡易保險は非常に小口でありますために、民間保險に比べまして事業費が多く掛る理窟でございますけれども、從來は民間保險よりも少く済んで來ており、即ち昭和十九年には、收入保險料に対する事業費の比率は、民間保險では一割五分一厘でございましたが、簡易保險では一割三分一厘でございます。昭和二十一年の上半期にはこれが逆になりまして、民間保險が二割1分九厘、簡易保險は三割九分というふうに、非常に事業費が沢山になつておるのであります。この比率をできるだけ少くいたしますために、高額契約の獲得、事業の合理化、事業費の節約に努めるつもりで鋭意努力中であるということの御答弁でございます。又最近の契約の増加状況は、戦争中は御承知のように隣組その他外部の協力によりまして、多数の新規契約ができまして、年に約一千万件あつたのでございますが、今年は五百万件で、第一回の保險料を一億円と予定しておつたのでございますが、この予定はすでに十月末に完了したということでございます。來年は件数をこれ以上に増やすことは期待できないと思われますが、ただ金額の点において本年度以上にしたいというような御答弁でございます。募集に郵便局員以外を使うことは現行法規上むずかしいということでございます。そうして現在においてもその必要は感じていないけれども、將來の研究問題としたいという御答弁でございます。又契約の整理は契約者のためにもよいと思うし、又事業費の節約のためにも必要であるから、これを実行したいが、これには法律改正を要するので、次回の全面的法律改正の機会にこれを実現したいという氣持であるということでございます。又郵便年金の差押え禁止金額を据置いたのは、今回の改正は先ず年金の金額の改正のみに止めたので、次の國会には全面的改正の提案をするつもりであるから、その際に譲りたいというような御答弁でございました。
以上の外各委員から詳細な点にわたつて熱心な質問がありました。そうして熱心な質疑應答が重ねられましたが、それは速記録によりまして御承知を御願い申上げたいと存ずる次第であります。
そうして質疑を終りまして、討論に入つたのでありますけれども、格別な御発言もなく、引続き採決に入りましたところ、全員一致原案通り可決すべきものと認めた次第でございます。以上簡單ではございますが、御報告申上げます。拍手
松
松
松
松
松
松平恒雄#15
○議長(松平恒雄君) 日程第八、地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。先ず委員長の報告を求めます。治安及び地方制度委員長吉川末次郎君。
〔吉川末次郎君登壇、拍手〕
この発言だけを見る →〔吉川末次郎君登壇、拍手〕
吉
吉川末次郎#16
○吉川末次郎君 只今議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案につきまして、我々の委員会におきます審議の経過並びに結果につきまして御報告申上げたいと存ずるのであります。
先ずこの法律案の趣旨及び内容について簡單にご説明申上げたいと存じます。地方自治法施行の状況及びその後の情勢の推移に應じまして、地方自治のために更に適当なる一部の改正をこの法律案を通じまして行わんとするのであります。政府当局が説明いたしますところによりまするというと、先ず第一には、同法律案は地方事務所及び地方公共團体の協議会の設置並びに使用料等に関す許可権を整理いたしますと共に、市町村合併等の際における財産処分はすべて関係團体の自主的協議によつて定めることといたしまして、これと共にいわゆる地方團体の起債自由の原則を認めておるのであります。ただ起債自由の原則につきましては、現下の情勢に鑑みまして当分の間は從來の制度を存続して置くとこういうことになつておるのであります。
第二には、最近地方におきまして、いわゆる中央官廳の地方特別機関と稱されまするところのいろいろないわゆる中央官廳の出店の設置の傾向が非常に強まつておりまして、現在都道府縣の区域内において設置されておりまするところの主要なものの数は大体九十にも達しておるのでございます。で、このような中央官廳の出先機関の濫立されますることはいいことではないのでございますから、これを防止いたしまするということの必要を認めまして、これから新らたに地方行政機関を設置するというような場合におきましては、國会の承認を要することを規定いたしておるのでございます。尚又知事、市町村長等の彈劾裁判の規定を改めまして、新らしい構想に基きまして、司法裁判所によるところの公正な事実認定をば基礎といたしまして、國政事務の遂行を強制し確保する、こういう措置が規定されておるのでございます。
第三番目には、この法案におきまして、政府は地方議会に対しまして、官報であるとか、或いはその他の政府の刊行物というものをば地方の公共團体の議会に送付いたしまして、そうして地方の議会においては必ず図書館をば設けなければならん、こういうことを規定いたしておるのであります。又知事、市町村長等の発案権を侵害しない限り、地方議会は予算の増額修正をするということをば防げない、こういうような規定も設けておるのでございます。
第四番目に、本改正案におきましては、先般來行われましたところの地方選挙等の結果に鑑みまして、この選挙に関するところの規定を若干改正整備するように規定いたしておるのであります。即ち補充選挙人名簿の調製、選挙人の年齢及び住所の期間の算定等につきまして、選挙を民主化するという立場からいたしまして、これに対して若干の修正を加え、その他地方公共團体の長即ち府縣知事或いは市町村長等の決選投票、又は選挙において一度は競爭の状態にあつたに拘わらず、候補者の死亡或いは辞退ということのために候補者がたつた一人になつてしまつたとき、その結果即ち無競爭と現行法律においてはなることになつておるのでありますが、そういう場合には選挙の期日を延期いたしまして、そうして次位の得票者をば候補者とし、又は新らたに補充立候補を認めること等を規定いたしましたこと、その他同一政党の候補者は二人を超えて各種の立会人を出すことができないことといたします等、選挙手続の改正をこの法案の中に盛つておるのであります。
以上が大体政府から提出いたしました法律案中に規定せられております重要な改正事項の概要でございます。
我々の委員会は、十月十一日予備審査のため付託せられましてから、前後八回に亘りまして愼重審議を重ねて参りました。又特に先月十三日の我々の委員会におきましては、地方自治体の代表者並びに学識経驗者等八名を証人として喚問いたしまして、それぞれから意見の発表を求めたのでございます。これらの経過につきましては何卒委員会の会議録を御覧頂きたいと存ずるのであります。
次いで一昨五日、衆議院から、この政府提出の法案に対しましてこれを修正した上で可決した旨の通告に接したのでございます。この衆議院が行いましたところの政府案に対する修正の事項というものは、参議院の我々の委員会におきましても、予てこの政府案の予備審査中におきまして、それに関連いたしまして関係当局と数回に亘つて連絡を取りまして審議を重ねて参りました結果、我々が決定いたしましたところの意見というものも、衆議院の方から回付して参りました修正案の中に数項目に亘つて盛られておるのであります。今衆議院から回付して参りましたところの修正の主なものにつきましてここに御紹介申さなければならないと存じております。
第一は、普通地方公共團体はその区域内におけるところの行政事務で國の事務に属しないものを処理する権能を有するものとすること。
第二は、市町村の廃置分合及び境界変更は関係市町村の申請に基き、都道府縣知事が当該都道府縣の議会の議決を経てこれを定めることとしたこと。
第三は、市となるべき普通地方公共團体の具えるべき要件は法律でこれを定め、町となるべき普通公共團体の具えるべき要件は当該都道府縣の條例でこれを定めることとしたこと。
第四は、都道府縣は市町村の行政事務に関しまして法令に特別の定があるものを除くの外條例で必要な規定を設けることができるものとし、この都道府縣の條例に違反する市町村の條例はこれを無効とすること、及び普通地方公共團体は法令に特別な定があるものを除く外條例に違反した者に対しまして、その地方公共團体の條例でここに刑罰規定を設けまして、二年以下の懲役若しくは禁錮、十万円以下の罰金、拘留科料又は沒收の刑を科することが地方自治体の條例で以てできるものといたしまして、その罪に関する事件は國の裁判所がこれを管轄するものとしたというようなこと。
第五には、普通地方公共團体の規則は法令に違反しない限りにおいて、これを定めることができる旨を明らかにいたしまして、第四に御紹介いたしました場合と同様に、先に申上げましたような規則に違反いたした者に対しましては、規則によりまして二千円以下の過料を科することができるというような、規則違反に対する刑罰規定を設けたというようなこと。
第六番目には、道府縣廳の部に関してであります。即ち北海道或いは府縣廳に各種の行政の部門がありますが、その部は総務部、民生部、教育部、経済部、土木部、衛生部及び農地部の七つの部というものは必ず道府縣においてこれを置かなければならないことといたしまして、その他の部は農林又は林務、商工、水産、労働又は公共事業の六部、及び北海道におきましては、更にそれ以外に開拓部を、條例で特別の必要がある場合には、規定といたしましてこれを置くことができるというようにいたしまする外、これらの部の新設廃合又は事務の配分の変更を認めないものとするということ。尚東京都の会計部と現行法に規定されておりまするものを財務部に改めまして、道府縣の民生部の管轄いたしておりまするところの事務のうち労働に関するところの事項は、これを経済部の所管するところの事項と規定いたすように改正いたそうとするのが又その一点であります。
第七番目に御紹介申しますことは、普通地方公共團体の長は、條例の定めるところによりまして、毎年二回以上いわゆる財政に関する白書をその地方公共團体居住民に対して作成いたしまして、これを公表しなければならない、こういうように規定することとしたいというのであります。この財政白書を作成してこれを人民に公表するということは、我々参議院の治安及び地方制度委員会におけるところの一証人の意見を我々が採決いたしましたことから來ておるのでございます。
第八には特別市を指定することに関するところの規定でございまして、特別市は当該都市のみならず、必ずそれに関係するところの都道府縣の選挙人全体の一般投票によつてこれを決定しなければならんというようにしたことであります。先般來横濱、名古屋、京都 大阪 神戸等のいわゆる五大都市におきまして特別市制の運動というものが盛んに起りまして、憲法第九十五條の解決につきましていろいろ論議が行われましたことは、皆様もよく御承知のことであると思うのでありますが、この度の改正におきまして、地方自治法中にこれに関するところの立法手続をば明文化しまして、そうした疑義を一掃するというように決定いたしまして、衆議院におけるところの修正案の中にはそれが盛られておるわけでございます。
尚その外第九番目には、現行の地方自治法が規定いたしておりまするところの地方公共團体の協議会に関するところの規定は、これを廃止することと決定しておるのであります。
以上が、先に申しましたような我々の意見をも参酌し、又その他の関係当局との折衡の結果、衆議院が回付して参りました修正案の内容に盛られておりまする修正個所の概要でございます。
このようにいたしまして、我々の委員会におきましては、この衆議院の修正案をも一括いたしまして討論に入りましたところが、緑風会所属の鈴木直人委員、同じく緑風会の岡本愛祐委員、及び同じく緑風会所属の岡元義人委員から、それぞれそれに対しまして賛成意見の御開陳がございまして、次いで採決に入りましたところ、本法案は全会一致を以て衆議院の修正通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。以上を以て御報告を終りたいと存じます。拍手
この発言だけを見る →先ずこの法律案の趣旨及び内容について簡單にご説明申上げたいと存じます。地方自治法施行の状況及びその後の情勢の推移に應じまして、地方自治のために更に適当なる一部の改正をこの法律案を通じまして行わんとするのであります。政府当局が説明いたしますところによりまするというと、先ず第一には、同法律案は地方事務所及び地方公共團体の協議会の設置並びに使用料等に関す許可権を整理いたしますと共に、市町村合併等の際における財産処分はすべて関係團体の自主的協議によつて定めることといたしまして、これと共にいわゆる地方團体の起債自由の原則を認めておるのであります。ただ起債自由の原則につきましては、現下の情勢に鑑みまして当分の間は從來の制度を存続して置くとこういうことになつておるのであります。
第二には、最近地方におきまして、いわゆる中央官廳の地方特別機関と稱されまするところのいろいろないわゆる中央官廳の出店の設置の傾向が非常に強まつておりまして、現在都道府縣の区域内において設置されておりまするところの主要なものの数は大体九十にも達しておるのでございます。で、このような中央官廳の出先機関の濫立されますることはいいことではないのでございますから、これを防止いたしまするということの必要を認めまして、これから新らたに地方行政機関を設置するというような場合におきましては、國会の承認を要することを規定いたしておるのでございます。尚又知事、市町村長等の彈劾裁判の規定を改めまして、新らしい構想に基きまして、司法裁判所によるところの公正な事実認定をば基礎といたしまして、國政事務の遂行を強制し確保する、こういう措置が規定されておるのでございます。
第三番目には、この法案におきまして、政府は地方議会に対しまして、官報であるとか、或いはその他の政府の刊行物というものをば地方の公共團体の議会に送付いたしまして、そうして地方の議会においては必ず図書館をば設けなければならん、こういうことを規定いたしておるのであります。又知事、市町村長等の発案権を侵害しない限り、地方議会は予算の増額修正をするということをば防げない、こういうような規定も設けておるのでございます。
第四番目に、本改正案におきましては、先般來行われましたところの地方選挙等の結果に鑑みまして、この選挙に関するところの規定を若干改正整備するように規定いたしておるのであります。即ち補充選挙人名簿の調製、選挙人の年齢及び住所の期間の算定等につきまして、選挙を民主化するという立場からいたしまして、これに対して若干の修正を加え、その他地方公共團体の長即ち府縣知事或いは市町村長等の決選投票、又は選挙において一度は競爭の状態にあつたに拘わらず、候補者の死亡或いは辞退ということのために候補者がたつた一人になつてしまつたとき、その結果即ち無競爭と現行法律においてはなることになつておるのでありますが、そういう場合には選挙の期日を延期いたしまして、そうして次位の得票者をば候補者とし、又は新らたに補充立候補を認めること等を規定いたしましたこと、その他同一政党の候補者は二人を超えて各種の立会人を出すことができないことといたします等、選挙手続の改正をこの法案の中に盛つておるのであります。
以上が大体政府から提出いたしました法律案中に規定せられております重要な改正事項の概要でございます。
我々の委員会は、十月十一日予備審査のため付託せられましてから、前後八回に亘りまして愼重審議を重ねて参りました。又特に先月十三日の我々の委員会におきましては、地方自治体の代表者並びに学識経驗者等八名を証人として喚問いたしまして、それぞれから意見の発表を求めたのでございます。これらの経過につきましては何卒委員会の会議録を御覧頂きたいと存ずるのであります。
次いで一昨五日、衆議院から、この政府提出の法案に対しましてこれを修正した上で可決した旨の通告に接したのでございます。この衆議院が行いましたところの政府案に対する修正の事項というものは、参議院の我々の委員会におきましても、予てこの政府案の予備審査中におきまして、それに関連いたしまして関係当局と数回に亘つて連絡を取りまして審議を重ねて参りました結果、我々が決定いたしましたところの意見というものも、衆議院の方から回付して参りました修正案の中に数項目に亘つて盛られておるのであります。今衆議院から回付して参りましたところの修正の主なものにつきましてここに御紹介申さなければならないと存じております。
第一は、普通地方公共團体はその区域内におけるところの行政事務で國の事務に属しないものを処理する権能を有するものとすること。
第二は、市町村の廃置分合及び境界変更は関係市町村の申請に基き、都道府縣知事が当該都道府縣の議会の議決を経てこれを定めることとしたこと。
第三は、市となるべき普通地方公共團体の具えるべき要件は法律でこれを定め、町となるべき普通公共團体の具えるべき要件は当該都道府縣の條例でこれを定めることとしたこと。
第四は、都道府縣は市町村の行政事務に関しまして法令に特別の定があるものを除くの外條例で必要な規定を設けることができるものとし、この都道府縣の條例に違反する市町村の條例はこれを無効とすること、及び普通地方公共團体は法令に特別な定があるものを除く外條例に違反した者に対しまして、その地方公共團体の條例でここに刑罰規定を設けまして、二年以下の懲役若しくは禁錮、十万円以下の罰金、拘留科料又は沒收の刑を科することが地方自治体の條例で以てできるものといたしまして、その罪に関する事件は國の裁判所がこれを管轄するものとしたというようなこと。
第五には、普通地方公共團体の規則は法令に違反しない限りにおいて、これを定めることができる旨を明らかにいたしまして、第四に御紹介いたしました場合と同様に、先に申上げましたような規則に違反いたした者に対しましては、規則によりまして二千円以下の過料を科することができるというような、規則違反に対する刑罰規定を設けたというようなこと。
第六番目には、道府縣廳の部に関してであります。即ち北海道或いは府縣廳に各種の行政の部門がありますが、その部は総務部、民生部、教育部、経済部、土木部、衛生部及び農地部の七つの部というものは必ず道府縣においてこれを置かなければならないことといたしまして、その他の部は農林又は林務、商工、水産、労働又は公共事業の六部、及び北海道におきましては、更にそれ以外に開拓部を、條例で特別の必要がある場合には、規定といたしましてこれを置くことができるというようにいたしまする外、これらの部の新設廃合又は事務の配分の変更を認めないものとするということ。尚東京都の会計部と現行法に規定されておりまするものを財務部に改めまして、道府縣の民生部の管轄いたしておりまするところの事務のうち労働に関するところの事項は、これを経済部の所管するところの事項と規定いたすように改正いたそうとするのが又その一点であります。
第七番目に御紹介申しますことは、普通地方公共團体の長は、條例の定めるところによりまして、毎年二回以上いわゆる財政に関する白書をその地方公共團体居住民に対して作成いたしまして、これを公表しなければならない、こういうように規定することとしたいというのであります。この財政白書を作成してこれを人民に公表するということは、我々参議院の治安及び地方制度委員会におけるところの一証人の意見を我々が採決いたしましたことから來ておるのでございます。
第八には特別市を指定することに関するところの規定でございまして、特別市は当該都市のみならず、必ずそれに関係するところの都道府縣の選挙人全体の一般投票によつてこれを決定しなければならんというようにしたことであります。先般來横濱、名古屋、京都 大阪 神戸等のいわゆる五大都市におきまして特別市制の運動というものが盛んに起りまして、憲法第九十五條の解決につきましていろいろ論議が行われましたことは、皆様もよく御承知のことであると思うのでありますが、この度の改正におきまして、地方自治法中にこれに関するところの立法手続をば明文化しまして、そうした疑義を一掃するというように決定いたしまして、衆議院におけるところの修正案の中にはそれが盛られておるわけでございます。
尚その外第九番目には、現行の地方自治法が規定いたしておりまするところの地方公共團体の協議会に関するところの規定は、これを廃止することと決定しておるのであります。
以上が、先に申しましたような我々の意見をも参酌し、又その他の関係当局との折衡の結果、衆議院が回付して参りました修正案の内容に盛られておりまする修正個所の概要でございます。
このようにいたしまして、我々の委員会におきましては、この衆議院の修正案をも一括いたしまして討論に入りましたところが、緑風会所属の鈴木直人委員、同じく緑風会の岡本愛祐委員、及び同じく緑風会所属の岡元義人委員から、それぞれそれに対しまして賛成意見の御開陳がございまして、次いで採決に入りましたところ、本法案は全会一致を以て衆議院の修正通り可決すべきものと決定いたしました次第でございます。以上を以て御報告を終りたいと存じます。拍手
松
松
鈴
内
松
松
鈴
鈴木直人#23
○鈴木直人君 私はこの際北村新運輸大臣に対して國鉄輸送に関するところの緊急質問をいたしたいと思いまして発言を要求いたした次第であります。
問題の本質を明かにするために、その一例といたしまして、十一月二十九日に朝日新聞に載つておりまするところの記事を簡單に朗読いたして見たいと思います。「ダイヤはその日暮し、連日、お客置去り、國鉄労組青森支部の新戰術」というような、大きな見出しによりまして、スト態勢に入つた國鉄労組青森支部ではすでにスト・ダイヤの作製も終り、不氣味な沈默を守り続けているが、スト前奏曲ともいえる新戰術を、この月半ばからすでに開始している。即ち安全運轉——去る十二日午後九時四十分青森発上野行列車に復員者七百八十名、一般乗客九百名が乗つたところ、「バネが危險状態となつた」とて青森檢車支区員は発車させず、一部乗客を降ろそうとしたが、乗客はおさまらない、混乱の末翌日午前一時やつと発車したが、この事件を皮切りに、檢車区では「詰め込み絶対反対」のポスターを青森駅構内に貼つて、毎日四、五百名の置去り乗客を出す始末となつた。第二は欠勤問題——今月十日機関助十三名が今井管理部長と待遇改善について交渉中、興奮の余り勤務が遅れ、大阪行は十三分、酒田行は二十分遅発した。二十五日から機関士、同助士合せて一日七十名平均が休んでいるため、二十六日運休貨物列車九本、二十七日同十一本と続いた。ダイヤ計画は、全くその日暮しになつてしまつた。このための貨物の滯貨は十一月の輸送計画二十万九千七百七十トンに対し三割減、動けん貨車が溜りに溜つて青森操車場には二百車を越えている。尚、責任当局である仙臺鉄道局も、硬軟両派に分れて対策についての決定を延ばし続けており、北海道、東京間の石炭輸送の鍵を握る青森支部の動きは各方面の注目を浴びている。ということがあるのであります。
これは朝日新聞の記事でありまするが、その後他の新聞におきましても、これに類したところの記事が散見されるのでありまして、更に北海道地方におきましては、各地区に亘りまして、同じような、いわゆる山猫戰術のごとき状態が発生をいたしておるという報道を見受けるのであります。最も昨日の朝日新聞によりますというと、事態は漸次解消せられつつあるようになつておるのでありまするが、私は念のために仙臺鉄道局の最近におけるところの輸送実績を人を派して関係方面から入手いたして見ますると、仙臺鉄道局管内におけるところの一日の平均の貨物の輸送標準は、一日二万五千トンぐらいになつておるのでありまするが、二十五日には二万一千トンであつたのが、二十九日に一万八千トン、本月の一日に一万五千トン、二日には一万九千トン、三日には一万八千トン、四日には一万七千トンという工合でありまして、むしろ決して問題は好轉しておるということは言えないと思うのであります。
更に東北、北海道地方におけるところの重要物資の滯貨の状況について調べて見まするというと、最も日本再建のために必要なところの石炭の滯貨が山元に相当積まれておる。又我々が鳩首して待つておるところの薪炭が各地に山と積まれておつて、駅頭には俵が腐りかけておるということも聞いておるのであります。或いは木炭更に亜炭につきましては、輸送請求の三分の一程度の輸送きり行われておらない。魚は止むを得ずして肥料に廻しておるというような噂も聞いておるのであります。
然るところこれに対しまして京浜地区、この東京における最近の状態はどうでありましようか。生産は振わない、インフレは昂進して、一般家庭はこの寒空に電熱は制限せられ、薪炭は殆んど望むべくもない、日夜空腹と寒さに震えながら、迫らんとするところのこの年末を迎えようとしておる状態であります。
國鉄がかくの如きところのだらしない状態であつては、我々は極めて寒心に堪えないのであります。無関心に折ることができないのであります。今や國鉄の指導幹部が果して指導力を持つておると言い得るのでありましようか。勿論私は國鉄当局或いは國鉄從業員の責任を云々するというつもりは持つておらないのであります。戰後の國鉄が戰争の下に破壊せられ、焼失せられ、そうしてその輸送力の消耗甚だしい中にあつて、実に目まぐるしいようなところの、日夜孜々として勤労を怠らずして、現在のごとき日本再建が行われておるということは、これに対しましては私は常に感謝し敬意を表しておるのであります。併しながら又この一方、この國鉄輸送というものが日本再建のために最も重要な役割をするところのものでありまするからして、この偉大なるところの役割をなす機構であればあるほど、この運輸に関して我我は無関心でおることはできないのであります。幸いに民主党内において腕の人、力の人といわれておるところの北村新大臣が任命せられたのであります。恐らくかくのごとき國鉄の乱脈事態は快刀乱麻を以て急速に解決されることであると信ずるのであります。私は以上のごとき新大臣に対する異常なる期待を持つて、左の四点について大臣の御答弁をお願いしたいのであります。
第一は先程私が申しました東北、北海道地区におけるところの、いわゆる山猫戰術というものの真相はどのようになつておるのであるかという、その経過について一應お伺いいたしたい。第二は、これに対するところの運輸当局の取りつつある対策をお伺いしたい。第三は石炭薪炭等の重要物資に対するところの滞貨一掃の見通しというものを力強く一つお答え願いたい。第四はかくのごとき戰術が、全國の他の鉄道の管区に及ぼすと言うような憂いがないのであるかどうか、これに対するところの確信ある対策をお伺いいたしたいのであります。以上四点についてお伺いいたしたいのでありまするが、これは單なる弁明的なるところの御説明ではなく、大臣の力強いところの確信のある、腹によるところの一つ御答弁を期待する次第であります。簡單でありまするが……
この発言だけを見る →問題の本質を明かにするために、その一例といたしまして、十一月二十九日に朝日新聞に載つておりまするところの記事を簡單に朗読いたして見たいと思います。「ダイヤはその日暮し、連日、お客置去り、國鉄労組青森支部の新戰術」というような、大きな見出しによりまして、スト態勢に入つた國鉄労組青森支部ではすでにスト・ダイヤの作製も終り、不氣味な沈默を守り続けているが、スト前奏曲ともいえる新戰術を、この月半ばからすでに開始している。即ち安全運轉——去る十二日午後九時四十分青森発上野行列車に復員者七百八十名、一般乗客九百名が乗つたところ、「バネが危險状態となつた」とて青森檢車支区員は発車させず、一部乗客を降ろそうとしたが、乗客はおさまらない、混乱の末翌日午前一時やつと発車したが、この事件を皮切りに、檢車区では「詰め込み絶対反対」のポスターを青森駅構内に貼つて、毎日四、五百名の置去り乗客を出す始末となつた。第二は欠勤問題——今月十日機関助十三名が今井管理部長と待遇改善について交渉中、興奮の余り勤務が遅れ、大阪行は十三分、酒田行は二十分遅発した。二十五日から機関士、同助士合せて一日七十名平均が休んでいるため、二十六日運休貨物列車九本、二十七日同十一本と続いた。ダイヤ計画は、全くその日暮しになつてしまつた。このための貨物の滯貨は十一月の輸送計画二十万九千七百七十トンに対し三割減、動けん貨車が溜りに溜つて青森操車場には二百車を越えている。尚、責任当局である仙臺鉄道局も、硬軟両派に分れて対策についての決定を延ばし続けており、北海道、東京間の石炭輸送の鍵を握る青森支部の動きは各方面の注目を浴びている。ということがあるのであります。
これは朝日新聞の記事でありまするが、その後他の新聞におきましても、これに類したところの記事が散見されるのでありまして、更に北海道地方におきましては、各地区に亘りまして、同じような、いわゆる山猫戰術のごとき状態が発生をいたしておるという報道を見受けるのであります。最も昨日の朝日新聞によりますというと、事態は漸次解消せられつつあるようになつておるのでありまするが、私は念のために仙臺鉄道局の最近におけるところの輸送実績を人を派して関係方面から入手いたして見ますると、仙臺鉄道局管内におけるところの一日の平均の貨物の輸送標準は、一日二万五千トンぐらいになつておるのでありまするが、二十五日には二万一千トンであつたのが、二十九日に一万八千トン、本月の一日に一万五千トン、二日には一万九千トン、三日には一万八千トン、四日には一万七千トンという工合でありまして、むしろ決して問題は好轉しておるということは言えないと思うのであります。
更に東北、北海道地方におけるところの重要物資の滯貨の状況について調べて見まするというと、最も日本再建のために必要なところの石炭の滯貨が山元に相当積まれておる。又我々が鳩首して待つておるところの薪炭が各地に山と積まれておつて、駅頭には俵が腐りかけておるということも聞いておるのであります。或いは木炭更に亜炭につきましては、輸送請求の三分の一程度の輸送きり行われておらない。魚は止むを得ずして肥料に廻しておるというような噂も聞いておるのであります。
然るところこれに対しまして京浜地区、この東京における最近の状態はどうでありましようか。生産は振わない、インフレは昂進して、一般家庭はこの寒空に電熱は制限せられ、薪炭は殆んど望むべくもない、日夜空腹と寒さに震えながら、迫らんとするところのこの年末を迎えようとしておる状態であります。
國鉄がかくの如きところのだらしない状態であつては、我々は極めて寒心に堪えないのであります。無関心に折ることができないのであります。今や國鉄の指導幹部が果して指導力を持つておると言い得るのでありましようか。勿論私は國鉄当局或いは國鉄從業員の責任を云々するというつもりは持つておらないのであります。戰後の國鉄が戰争の下に破壊せられ、焼失せられ、そうしてその輸送力の消耗甚だしい中にあつて、実に目まぐるしいようなところの、日夜孜々として勤労を怠らずして、現在のごとき日本再建が行われておるということは、これに対しましては私は常に感謝し敬意を表しておるのであります。併しながら又この一方、この國鉄輸送というものが日本再建のために最も重要な役割をするところのものでありまするからして、この偉大なるところの役割をなす機構であればあるほど、この運輸に関して我我は無関心でおることはできないのであります。幸いに民主党内において腕の人、力の人といわれておるところの北村新大臣が任命せられたのであります。恐らくかくのごとき國鉄の乱脈事態は快刀乱麻を以て急速に解決されることであると信ずるのであります。私は以上のごとき新大臣に対する異常なる期待を持つて、左の四点について大臣の御答弁をお願いしたいのであります。
第一は先程私が申しました東北、北海道地区におけるところの、いわゆる山猫戰術というものの真相はどのようになつておるのであるかという、その経過について一應お伺いいたしたい。第二は、これに対するところの運輸当局の取りつつある対策をお伺いしたい。第三は石炭薪炭等の重要物資に対するところの滞貨一掃の見通しというものを力強く一つお答え願いたい。第四はかくのごとき戰術が、全國の他の鉄道の管区に及ぼすと言うような憂いがないのであるかどうか、これに対するところの確信ある対策をお伺いいたしたいのであります。以上四点についてお伺いいたしたいのでありまするが、これは單なる弁明的なるところの御説明ではなく、大臣の力強いところの確信のある、腹によるところの一つ御答弁を期待する次第であります。簡單でありまするが……
松
北
北村徳太郎#25
○國務大臣(北村徳太郎君) 只今鈴木議員により、極めて現下の國鉄の状況に対しまして御熱心なる御質問を受けたのでございます。私この度運輸大臣の任を受けたのでございまするが、まだ十分に國鉄の現状等について把握したとは申されんのでございますけれども、少なくとも今日國鉄の経営の危機というものが相当深刻になつておるということだけは認めざるを得ないのであります。これを要約いたしまして、大体三つの現象に現れておると思うのでございまするが、只今お尋ね以外のことは暫く措くといたしますけれども、例えば財政収支の不均衡の状態、それから敗戰後の復旧整備が極めて不完全の状態に尚ある。この復旧が容易でないという現状に置かれておる点、それから只今鈴木委員の御指摘になりました労働情勢、特に業務の能率の不振の点、これらの三つのものが現在國鉄の危機をなしておる。何としてもこれらの根本に手を入れて、これを改善し、あらゆるこれらの條件というものを排除して行かなければならないということを痛感いたしておるのであります。而もこれらの原因が國鉄自身の中にのみあるとは考えられませんのでありまして、輸送力の確保は只今仰せになりましたように、日本産業経済活動の基盤であることは申すまでもなく、その産業の動脈たる國鉄がお話のごとき事情にあるということは、これは誠に遺憾の点でございます。全力を挙げましてこれらの不合理なものの根源を突いて、一日も早く根本の危機を突破いたしまして、國鉄の復興をしなければならんという点については極めて強く責任を感じております。これがためには國鉄の超重点産業的性格について十分なる御認識を仰ぎたい。これは朝野の御協力を願わなければならんのでございます。無論國鉄部内といたしましても、この綱紀を引締めまして、從業員の総力を結集して、國鉄としての重大なる任務を果すために、新らたな決意をして起ち上らねばならんというような点について、これ又非常に責任の重いことを感じているのであります。
國鉄労組といたしましては、本年九月の経営協議会において、当局の提案いたしました國鉄再建方策というものに同意を表しておるのであります。今後これに基ずきまして関係各方面、各廳との協力を求めると共に、國鉄労組の積極的なる協力を得まして、再建方策を推進したいと思うのでございますが、國鉄労組の中央執行部においても、今月一日に陣容が新らたになりまして、このことは可なり私は大きく取上げていいと思うのであります。從來とは構成が変りまして陣容が新らたになりまして、健全化と申しますか、穏健化と申しますか、そういう方面に向つておる、これが段々下部機構にまで滲透いたして参りますならば、從來とはやや趣の変つた方向に向うのではないか、全体としてそういう方向にあるということをまあ認めておるのでございます。併しながら何と申しましても、從業員の経済不安、生活不安、これを除くということが、これが絶対的な要件であると存じまして、あらゆる方法を講じて労働條件を一面においては改善しなければならない。一方においては綱紀を粛正する。同時に労働條件も改善を図りたい。尚又勤労用物資等につきましての各種資材の供給不円滑のために、勤労意欲を挫折せしめるような虞れがないではないのでございまして、かような点につきましても、その不合理性を改めて行きたい。一方において締めるところは締めるが、例えばこれは一例でございますけれども、九州、北海道その他の炭鉱地区において、炭鉱労働の中、特に鉄道の從業員と余り変らない坑外作業をやる人と、それから鉄道從業員と労働の程度が余り違わないのでありますけれども、石炭鉱業であるが故に非常な差がある、待遇に非常な差がある。こういうようなことが又段々この労働情勢を惡くするような傾向もございますので、かような点についても根本的に一つ考えを新らたにして方策を講じたい、かように存じておるのであります。
只今御質問にありました青森機関区、仙台管内のいわゆる山猫サボ等の真相その他につきまして、率直に事実を御報告申上げまして、御了解を得たいと存じますのであります。
青森機関区におきましては、十一月の十日に、その所属の機関助十二名が労働組合の代表委員と共に管理部長に面会交渉のため所定の列車に遅れまして、これがために二つの列車がそれぞれ十三分と二十八分遅れて発車した。かような事件を知りましたので事を重大視しまして、本省より係官を特に調査のために派遣いたしましたのであります。ところが、右は必ずしも計画的に争議行為をやつたものとは認められない。且つ両名共平素の勤務成績も良好であるというようなことが分りましたので、取敢えず乗務停止の処分にいたしたのであります。又十一月二十七日に、この頃から乗務員約四十名が欠勤いたしました。乗務員の総数は三百五十名でございますが、それがために列車運轉に支障がございまして、平均約二列車の運休をするというような誠に遺憾な事態を起こしたのであります。二十七日に管理部長の出勤命令を出しましたことによつて、逐次出勤状況がよくなりまして、現在においてはほぼ正常に復しております。青森地区の過激なる思想の持主であるところの一部の者が、青森支部の地方労働委員会に提訴いたしまして以來、殆んど連日同機関区に出入いたして、種々煽動いたしておるのであります。これについても十分な警戒をいたしつつあります。
青森縣保線区でございますが、これは本月四日助役以下一部の者を除きまして、全員が出勤しない、同日保線区長は仙臺鉄道局に出張いたしておりましたその不在中の出來事でございましたのでございますが、直ちに管理部長は組合闘争委員長を呼び出しまして事態を確めたのでありますが、組合といたしましては別に指令を出していないし、委員長としてはただ手を拱いて傍観しておるよりしようがないというような、こういう回答でございましたので、平素の連絡網によりまして、それぞれ從業員に対して出勤命令を出した。ところが百二十八名は直ちに命令に從つて出勤をいたしました。翌十二月五日は総員四百六名中三百六十七名が出勤いたしまして、ほぼ平常に近い状態に復したのでございます。
次に大湊自動車区では、十二月四日、この自動車区の欠勤者が非常に多くて、午後の運行に相当支障を來したのでございます。十二月五日本区の欠勤者がやはり多いために二運行しかできなかつた。但し川内支区は別に欠勤者もなく、平常の通り持続しておる、こういうふうな実情になつておるのであります。
それから、弘前の機関区におきましては、十月中乗務員の欠勤者が多く、それがために貨物列車二箇列車、この程度の運休を続けたのでありますが、その後出勤率が好轉いたしまして、これ亦運轉は平常に復しております。十二月一日現在の欠勤率は一三%でございまして、先ず大体これは平常に復したものと見てよろしいと存じております。
次に札幌管内でございますが、これは大体仙臺と同様でございまして、從來から比較的急進且つ闘争的な傾向が強かつたのでございますが、その状態は現在においても余り変化はしておりません。特に石炭の値上りは寒冷地蔕の勤務者の生活に重大なる影響を與えておりまして、管内各所においていろいろの問題を起こしておる。從業員の職場離脱、職場放棄等の事例も数ヶ所に発生したのでございますが、今のところ幸いにして大事には及んでない。それぞれ所属長との交渉によりまして職場に復帰いたしております。十月二十八日、北海道地方労働委員会が寒冷地手当等につきまして調停案を提示したのでございますが、組合はその実行を強硬且つ執拗に迫つておるのであります。生活補給金の支給はこの意味からも急がねばならない状況に置かれておるのでございますが、当局といたしましては早くこの問題を解決いたしたいと考えております。
尚具体的な事例といたしましては、釧路管理部内の池田保線区の厚内線路班外三ヶ所の線路工事手が約四十名、十一月二十八日頃から職場を離脱いたしましたのでありますが、これらは管理部長との交渉によりまして、十二月五日には全員職場に復帰いたしました。
北見車掌区分会が十一月二十四日大会を開きまして、乗務旅費値上げ、配給物資代金の支給等を要求いたしまして、要求が容れられないときには二十八日を期してストライキに入るというようなことを決議したのでございますが、組合支部がこれを抑えまして、その後問題は解決し、ストは延期することと相成つたのであります。
苗穂工機部、これは十一月二十五日機関車職場組合が工機部長との約束を無視いたしまして、一時間以上に亘る職場大会を開催し、時間を超過いたしましたので、これに対して争議行為とみなしまして給料支拂いを停止いたしたのであります。又十一月二十一日札幌における要求貫徹労働者大会を開催いたしました際に、部長との協定以上の從事員が参加したことの事実がございましたが、これに対して右同様の処置をとつたのでございますが、組合側も一應止むを得ないものとしてこれを承認いたした次第であります。
仙臺及び札幌の輸送状況等につきまして尚簡單に申上げたいのでございますが、御承知の通り、冬は、平年においても仙鉄及び札鉄管内の輸送は幾分澁滞を免れないのでありますが、北海道、青森地方の輸送を確保することは、北海道が現下最も重要な石炭、先程御指摘になりました石炭並びに木材等の給源地でございますだけに極めて重大なるものがございまして、從事員はその重責をわきまえて、食糧不足と寒冷に耐えながらこれが遂行に現在努力をしておるのでございます。
先般青森操車場を中心として若干の輸送上の混乱を見たのでございますが、これは青森方面の特種輸送があり、この方面に相当の貨車が使われておる、これがどうも重大な、例えば東京都に送られるべき冬期用の薪炭等の輸送にも影響いたしますが漸次これも好轉いたしまして、輸送の能力はこの方面において回復を見つつあるのでございます。ただ前申述べましたような、從事員の一部に出勤不良等のことがございまして、貨物列車の運休をやらなければならなくなつたというようなことも、誠にこれは遺憾に堪えんのでございますが、一面又天候不良、それから荷役機械の不完全、それから石炭の質の低下、これは極めて重大なことと考えておりますのでありますが、石炭の質の低下等、そういう惡い條件が加わつておるということも、これは又混乱を來した一つの原因であると存じております。
以上大体事実を率直に御報告申上げたのでありまするが、今のところこの労働情勢は、必ずしも要求貫徹手段として明白な争議行為の形態をとつておるというところまでは入つておりませんのでありまして、欠勤者が多い個所も、管理部長、所属個所長等の出勤命令がございますと、概ねこれに服して出ておるというような現状でございまして、今の現状では労働事情が輸送に非常に大きな支障を與えておることは申しにくいのであります。ただかような事態があるということは誠に遺憾でありまして、あらゆる手段を講じまして緊張せしめて能率を挙げることに努力することは勿論でございますけれども、現在の輸送が停頓しておることの最大なる原因が労働事情にあるとは考えておりませんのであります。從いまして現段階におきましては、適時所要の措置を講ずることは勿論でございますが、命令に服しない者に対しては、この際断乎給料の支拂いはしないというようなことも、すでに命じておりまして実行いたしておるのでございます。今後事態の推移に十分注意をいたしまして、若し明白なる集團的争議行為に移りますような場合がございましたならば、これは職場規律維持のため、強硬なる処置をとらねばならんということを期しております。
尚國鉄所要資材、労務用物資の優先的割当等をやらなければならない現状につきましては、先程ちよつと申述べたのでございますが、これは本年九月の経営協議会におきましても、組合側からも強くこれを求めております。特に寒冷地に勤務する從事員に対しましては、軍手、地下足袋或いは作業衣が、これはもう絶対必要なのでございますけれども、安本の割当量が実はなかなか実現をいたしておりません。非常な窮状にありますのでございまして、これらの点の改善につきましては今後皆様の御協力を仰いで、一方においてはこれからの改善に十分努力いたしたい、かように存じておるのでございます。
尚國鉄全体といたしましては、計画輸送を実現するために、今後も十分に綱紀を引締め努力を続けたいと存じておりますのでありまするが、何分現在相当財政上には赤字を持つておる、而もこれは独立採算制を採つてやらなければならんというような大きな問題を控えておりまして、而も一般会計から一應繰入れられた金も、借金として償還すべしというような示唆も受けておる、かようないろいろな情勢から、輸送力は非常に低下しておる上に、輸送量は増して來る。こういう現状でございまして、この際物の欠乏しておる、或いは設備の甚だ傷んで使用に堪えないところを、人間の力で補いながら、國鉄の機能をどうにか発揮しようとしておる際に、労働情勢によつて発揮ができないということになれば、これは誠に申訳ないことでありますから、この点に対しまして、今後もますます怠らず、これは一方において引締めるところは引締め、又給與等については必要なる改善を行いたい、かように考えておる次第でございます。
御質問の要旨に十分答えたかどうか分りませんが、以上仙臺並びに北海道地方等における労働情勢の現状を御報告申し上げまして御了解を仰ぐ次第でございます。拍手
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この発言だけを見る →國鉄労組といたしましては、本年九月の経営協議会において、当局の提案いたしました國鉄再建方策というものに同意を表しておるのであります。今後これに基ずきまして関係各方面、各廳との協力を求めると共に、國鉄労組の積極的なる協力を得まして、再建方策を推進したいと思うのでございますが、國鉄労組の中央執行部においても、今月一日に陣容が新らたになりまして、このことは可なり私は大きく取上げていいと思うのであります。從來とは構成が変りまして陣容が新らたになりまして、健全化と申しますか、穏健化と申しますか、そういう方面に向つておる、これが段々下部機構にまで滲透いたして参りますならば、從來とはやや趣の変つた方向に向うのではないか、全体としてそういう方向にあるということをまあ認めておるのでございます。併しながら何と申しましても、從業員の経済不安、生活不安、これを除くということが、これが絶対的な要件であると存じまして、あらゆる方法を講じて労働條件を一面においては改善しなければならない。一方においては綱紀を粛正する。同時に労働條件も改善を図りたい。尚又勤労用物資等につきましての各種資材の供給不円滑のために、勤労意欲を挫折せしめるような虞れがないではないのでございまして、かような点につきましても、その不合理性を改めて行きたい。一方において締めるところは締めるが、例えばこれは一例でございますけれども、九州、北海道その他の炭鉱地区において、炭鉱労働の中、特に鉄道の從業員と余り変らない坑外作業をやる人と、それから鉄道從業員と労働の程度が余り違わないのでありますけれども、石炭鉱業であるが故に非常な差がある、待遇に非常な差がある。こういうようなことが又段々この労働情勢を惡くするような傾向もございますので、かような点についても根本的に一つ考えを新らたにして方策を講じたい、かように存じておるのであります。
只今御質問にありました青森機関区、仙台管内のいわゆる山猫サボ等の真相その他につきまして、率直に事実を御報告申上げまして、御了解を得たいと存じますのであります。
青森機関区におきましては、十一月の十日に、その所属の機関助十二名が労働組合の代表委員と共に管理部長に面会交渉のため所定の列車に遅れまして、これがために二つの列車がそれぞれ十三分と二十八分遅れて発車した。かような事件を知りましたので事を重大視しまして、本省より係官を特に調査のために派遣いたしましたのであります。ところが、右は必ずしも計画的に争議行為をやつたものとは認められない。且つ両名共平素の勤務成績も良好であるというようなことが分りましたので、取敢えず乗務停止の処分にいたしたのであります。又十一月二十七日に、この頃から乗務員約四十名が欠勤いたしました。乗務員の総数は三百五十名でございますが、それがために列車運轉に支障がございまして、平均約二列車の運休をするというような誠に遺憾な事態を起こしたのであります。二十七日に管理部長の出勤命令を出しましたことによつて、逐次出勤状況がよくなりまして、現在においてはほぼ正常に復しております。青森地区の過激なる思想の持主であるところの一部の者が、青森支部の地方労働委員会に提訴いたしまして以來、殆んど連日同機関区に出入いたして、種々煽動いたしておるのであります。これについても十分な警戒をいたしつつあります。
青森縣保線区でございますが、これは本月四日助役以下一部の者を除きまして、全員が出勤しない、同日保線区長は仙臺鉄道局に出張いたしておりましたその不在中の出來事でございましたのでございますが、直ちに管理部長は組合闘争委員長を呼び出しまして事態を確めたのでありますが、組合といたしましては別に指令を出していないし、委員長としてはただ手を拱いて傍観しておるよりしようがないというような、こういう回答でございましたので、平素の連絡網によりまして、それぞれ從業員に対して出勤命令を出した。ところが百二十八名は直ちに命令に從つて出勤をいたしました。翌十二月五日は総員四百六名中三百六十七名が出勤いたしまして、ほぼ平常に近い状態に復したのでございます。
次に大湊自動車区では、十二月四日、この自動車区の欠勤者が非常に多くて、午後の運行に相当支障を來したのでございます。十二月五日本区の欠勤者がやはり多いために二運行しかできなかつた。但し川内支区は別に欠勤者もなく、平常の通り持続しておる、こういうふうな実情になつておるのであります。
それから、弘前の機関区におきましては、十月中乗務員の欠勤者が多く、それがために貨物列車二箇列車、この程度の運休を続けたのでありますが、その後出勤率が好轉いたしまして、これ亦運轉は平常に復しております。十二月一日現在の欠勤率は一三%でございまして、先ず大体これは平常に復したものと見てよろしいと存じております。
次に札幌管内でございますが、これは大体仙臺と同様でございまして、從來から比較的急進且つ闘争的な傾向が強かつたのでございますが、その状態は現在においても余り変化はしておりません。特に石炭の値上りは寒冷地蔕の勤務者の生活に重大なる影響を與えておりまして、管内各所においていろいろの問題を起こしておる。從業員の職場離脱、職場放棄等の事例も数ヶ所に発生したのでございますが、今のところ幸いにして大事には及んでない。それぞれ所属長との交渉によりまして職場に復帰いたしております。十月二十八日、北海道地方労働委員会が寒冷地手当等につきまして調停案を提示したのでございますが、組合はその実行を強硬且つ執拗に迫つておるのであります。生活補給金の支給はこの意味からも急がねばならない状況に置かれておるのでございますが、当局といたしましては早くこの問題を解決いたしたいと考えております。
尚具体的な事例といたしましては、釧路管理部内の池田保線区の厚内線路班外三ヶ所の線路工事手が約四十名、十一月二十八日頃から職場を離脱いたしましたのでありますが、これらは管理部長との交渉によりまして、十二月五日には全員職場に復帰いたしました。
北見車掌区分会が十一月二十四日大会を開きまして、乗務旅費値上げ、配給物資代金の支給等を要求いたしまして、要求が容れられないときには二十八日を期してストライキに入るというようなことを決議したのでございますが、組合支部がこれを抑えまして、その後問題は解決し、ストは延期することと相成つたのであります。
苗穂工機部、これは十一月二十五日機関車職場組合が工機部長との約束を無視いたしまして、一時間以上に亘る職場大会を開催し、時間を超過いたしましたので、これに対して争議行為とみなしまして給料支拂いを停止いたしたのであります。又十一月二十一日札幌における要求貫徹労働者大会を開催いたしました際に、部長との協定以上の從事員が参加したことの事実がございましたが、これに対して右同様の処置をとつたのでございますが、組合側も一應止むを得ないものとしてこれを承認いたした次第であります。
仙臺及び札幌の輸送状況等につきまして尚簡單に申上げたいのでございますが、御承知の通り、冬は、平年においても仙鉄及び札鉄管内の輸送は幾分澁滞を免れないのでありますが、北海道、青森地方の輸送を確保することは、北海道が現下最も重要な石炭、先程御指摘になりました石炭並びに木材等の給源地でございますだけに極めて重大なるものがございまして、從事員はその重責をわきまえて、食糧不足と寒冷に耐えながらこれが遂行に現在努力をしておるのでございます。
先般青森操車場を中心として若干の輸送上の混乱を見たのでございますが、これは青森方面の特種輸送があり、この方面に相当の貨車が使われておる、これがどうも重大な、例えば東京都に送られるべき冬期用の薪炭等の輸送にも影響いたしますが漸次これも好轉いたしまして、輸送の能力はこの方面において回復を見つつあるのでございます。ただ前申述べましたような、從事員の一部に出勤不良等のことがございまして、貨物列車の運休をやらなければならなくなつたというようなことも、誠にこれは遺憾に堪えんのでございますが、一面又天候不良、それから荷役機械の不完全、それから石炭の質の低下、これは極めて重大なことと考えておりますのでありますが、石炭の質の低下等、そういう惡い條件が加わつておるということも、これは又混乱を來した一つの原因であると存じております。
以上大体事実を率直に御報告申上げたのでありまするが、今のところこの労働情勢は、必ずしも要求貫徹手段として明白な争議行為の形態をとつておるというところまでは入つておりませんのでありまして、欠勤者が多い個所も、管理部長、所属個所長等の出勤命令がございますと、概ねこれに服して出ておるというような現状でございまして、今の現状では労働事情が輸送に非常に大きな支障を與えておることは申しにくいのであります。ただかような事態があるということは誠に遺憾でありまして、あらゆる手段を講じまして緊張せしめて能率を挙げることに努力することは勿論でございますけれども、現在の輸送が停頓しておることの最大なる原因が労働事情にあるとは考えておりませんのであります。從いまして現段階におきましては、適時所要の措置を講ずることは勿論でございますが、命令に服しない者に対しては、この際断乎給料の支拂いはしないというようなことも、すでに命じておりまして実行いたしておるのでございます。今後事態の推移に十分注意をいたしまして、若し明白なる集團的争議行為に移りますような場合がございましたならば、これは職場規律維持のため、強硬なる処置をとらねばならんということを期しております。
尚國鉄所要資材、労務用物資の優先的割当等をやらなければならない現状につきましては、先程ちよつと申述べたのでございますが、これは本年九月の経営協議会におきましても、組合側からも強くこれを求めております。特に寒冷地に勤務する從事員に対しましては、軍手、地下足袋或いは作業衣が、これはもう絶対必要なのでございますけれども、安本の割当量が実はなかなか実現をいたしておりません。非常な窮状にありますのでございまして、これらの点の改善につきましては今後皆様の御協力を仰いで、一方においてはこれからの改善に十分努力いたしたい、かように存じておるのでございます。
尚國鉄全体といたしましては、計画輸送を実現するために、今後も十分に綱紀を引締め努力を続けたいと存じておりますのでありまするが、何分現在相当財政上には赤字を持つておる、而もこれは独立採算制を採つてやらなければならんというような大きな問題を控えておりまして、而も一般会計から一應繰入れられた金も、借金として償還すべしというような示唆も受けておる、かようないろいろな情勢から、輸送力は非常に低下しておる上に、輸送量は増して來る。こういう現状でございまして、この際物の欠乏しておる、或いは設備の甚だ傷んで使用に堪えないところを、人間の力で補いながら、國鉄の機能をどうにか発揮しようとしておる際に、労働情勢によつて発揮ができないということになれば、これは誠に申訳ないことでありますから、この点に対しまして、今後もますます怠らず、これは一方において引締めるところは引締め、又給與等については必要なる改善を行いたい、かように考えておる次第でございます。
御質問の要旨に十分答えたかどうか分りませんが、以上仙臺並びに北海道地方等における労働情勢の現状を御報告申し上げまして御了解を仰ぐ次第でございます。拍手
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松
伊
伊藤修#27
○伊藤修君 只今議題となりましたところの請願につきまして、委員会の審議の経過並びに結果について御報告申上げます。御承知の通り東北六縣は地域も廣く、然るに交通機関は非常に惠まれざる状態にあるのでありまして、これが六縣の管轄高等裁判所は東北六縣の東南部に相当するところの仙臺に現在設置せられておる事情でありまして、東北地方即ち青森、秋田、山形、この三縣におきましては、これが高等裁判所を利用するにつきまして少くとも二泊三日を要するような事情にある次第であります。御承知の通り裁判所法の改正によりまして、從來区裁判所で審理せられましたところの事件が、地方裁判所に控訴をして、これが審理をせられるのでありまして、このたび改正によりまして、從來区裁判所において審理せられた事案が、悉く仙臺までこれを持出して審理を受けざるを得ないというような実情にあります。かくては憲法第三十二條によつて保障せられておるところの、國民がすべて裁判を受けるの権利を有するということが、事実上剥奪せられておるというような実情にある次第でありまして、少くとも秋田縣民百二十万の不利益は非常なものであるといわなくてはならないのであります。又将來この六縣に高等裁判所の支部が設置せられる場合におきましては、裏日本の中心をなすところの秋田にこれを設置することが、裏日本、東北地方の縣民各位に至便を與えるものといわなくてはならん。又かような実情にあることは、地域の形体から申しましても首肯せられるところであります。これに対しまして、政府におきましても十分考慮して、これが実現に努力するというような御答弁がありました。委員会におきましては愼重審議の結果、願意は誠に妥当なものと認めまして、内閣にこれを送付すべきものといたしまして、別紙意見書を相添え可決いたしました次第であります。以上御報告申上げます。拍手
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松平恒雄#28
○議長(松平恒雄君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本請願は委員長報告の通り採択し、内閣に送付することに賛成の諸君の起立を請います。
〔総員起立〕
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松