栗山良夫の発言 (労働委員会)

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○栗山良夫君 第五章の停則の中、特に六十三條、六十四條、六十五條の刑量の點について、政府の御考えを伺いたいと思います。申すまでもなく犯罪に對する罰則というものは、その犯罪を防止するという至高な目標を以ちましてするところの國民的な制裁でなければならんわけであります。罪を憎んで人を憎まない、この人道的な理想の下に、罪自身に對して飽くまでも令嚴な制裁を加えなければならないとこう思うのであります。それにつきまして、この六十三條、六十四條、六十五條を通覧して見ますると、この體刑の方は各委員の御意見もあろうかと思いますが、少くもこれに均衡を取りますところの下の罰金刑の方のことについて申し上げますならば、六十四條、六十五條も一貫しまして、現在のインフレの状況において果してこの程度の金額で、この程度の犯罪を犯した者に對するところの犯罪防止を目的とする制裁の効果か擧げられるかどうかということについての御質問を一つ申し上げたい。それからもう一つは、六十三條はこの職業安定法の中でも最も重要なる部分を占める、いわゆる今までの基本的人權を侵して勞働者の搾取をせられたところの、そういう人々に對してのこれは制裁であるわけであります。從いましてこのようなものは關係先の御意向もすでにはつきりしておりますように、最も冷嚴なる制裁を加えるべきものだと私は考えるのであります。それにも拘らずこの六十四條、六十五條は同じ一年、或いは六ケ月の懲役に對して、罰金刑の方の最高は一萬圓、五千圓、こういうような額に相成つております。然るに六十三條の方は、體刑の最高は十年になつておるにも拘わらず、罰金刑の方の最高は三萬圓ということで打ち切られております。六十三條の犯罪を若し構成するような人々に對して、現在のこの貨幣價値の低下しておりまする現在、三萬圓というような輕少なる金額で以て、果して制裁の効果が擧げ得るやどうかというような點も甚だ疑問なきを得ないのであります。從いまして私は以上二點につきまして政府がどういうような根據で以て、こういうような刑量を立案せられたか、その點を伺いたいのであります。

発言情報

speech_id: 100115289X00619470920_039

発言者: 栗山良夫

speaker_id: 24197

日付: 1947-09-20

院: 参議院

会議名: 労働委員会