労働委員会
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会
会議録情報#0
付託事件
○職業安定法案(内閣送付)
○勞働基準法の適用除外規定設定に關
する陳情(第二百五十二號)
○失業手當法案(内閣送付)
○失業保險法案(内閣送付)
—————————————
昭和二十二年九月二十日(土曜日)
午後一時六分開會
—————————————
本日の會議に付した事件
○職業安定法案
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この発言だけを見る →○職業安定法案(内閣送付)
○勞働基準法の適用除外規定設定に關
する陳情(第二百五十二號)
○失業手當法案(内閣送付)
○失業保險法案(内閣送付)
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昭和二十二年九月二十日(土曜日)
午後一時六分開會
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本日の會議に付した事件
○職業安定法案
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原
原虎一#1
○委員長(原虎一君) それではお待たせいたしました。只今から委員會を開催いたします。前囘までに質疑應答をいたしましたのは、第二章の殆んど全體が終了する近くにまで行つたと思いまするが、尚幾分殘されておるようでありますから、本日は第二章を少しの時間を費したいと思います。どうかその積りで御質問を願いたいと思います。
この発言だけを見る →山
山田節男#2
○山田節男君 この第九條を適用の公共職業安定所の職員の問題でありますが、これは今度議會に出されておる國家公務員法、これはまだ法律になりませんけれども、七十五條、七十八條、いわゆる休職という場合特例として、心身障害、長期の休養を要する。或いは刑事事件に關し起訴された場合、こういつたように今度できる國家公務員法というものは可なり廣くそれが決つておるようであります。この點をどういうように適用せられるかということ。それから私これは過日横濱に行つて痛切に感じたのでありまするが、職業安定所の人員、スタツフの中で非常に囑託が多い。本官が少くて囑託が非常に多い。私は實はこれはなにか特殊の技術家を囑託にしておるのであるかと質問しましたところ、そういうのじやなくて、豫算の關係上定員がないので、それで囑託ということにしておる。成績の好い者は漸次本官に任用する、こういうような實状でありまするが、この勞働省から示されましたこの全國的の公共職業安定所の人員、これは定員が示してありまするけれども、この人員が補充できないというので、豫算の關係からしまして、自然的に囑託制度が殖えるのじやないか。いわゆる公務員法で申しますると、臨時的任用と申しますか、そういつたようなものを、これは職業安定所の仕事のサービスの特性とといたしまして、或程度まではこれは勿論必要でございまするけれども、本法案の第九條の一項、二項、これに對して現實は必ずしもそうでないのじやないでしようか。こう實際上私は視察いたしまして、懸念を抱いておる者であります。この點を政府委員におきまして一つ明かにして頂きたい。
尚第八條に關しまして、御承知のように大都市におきましては公共職業安定所と同時に、いわゆる日雇と申しますか、カシユアル・レーバーエンプロイメント的の勞働安定所というものがありまするが、この中には全然そのことは謳つていない。而も公共福利から申しますと、こういう不規則勞働者、カシユアル・レーバー、未熟練工を主としまして、この職業安定所の事業はそういつたような勞働者の、殊に未熟練勞働者の道徳的、或いは體力的な生産意欲というものを育成するにも多分に意義を持つておるものであると思います。この點につきまして政府當局はどういうようにして行うのか、そのお考を一應これを明示して頂けば結構だと思います。
この発言だけを見る →尚第八條に關しまして、御承知のように大都市におきましては公共職業安定所と同時に、いわゆる日雇と申しますか、カシユアル・レーバーエンプロイメント的の勞働安定所というものがありまするが、この中には全然そのことは謳つていない。而も公共福利から申しますと、こういう不規則勞働者、カシユアル・レーバー、未熟練工を主としまして、この職業安定所の事業はそういつたような勞働者の、殊に未熟練勞働者の道徳的、或いは體力的な生産意欲というものを育成するにも多分に意義を持つておるものであると思います。この點につきまして政府當局はどういうようにして行うのか、そのお考を一應これを明示して頂けば結構だと思います。
上
上山顯#3
○政府委員(上山顯君) 職業安定法によりまして職員の身分等に關しまする規定と公務員法との關係でございますが、それでこの職業安定法はこの附則に書いてございますように「法律施行の期日は、その公布の日から六十日を超えない期間において、政令でこれを定める。」ということにいたしておりまして、大體の豫定といたしましては十一月一日から施行したいと、かように考えております。そのことに關しまして國家公務員法におきましては一つの特別の事項は早く施行されますが、原則的には昭和二十三年七月一日からこれを施行するということになつておるわけでございます。それで國家公務員法が施行になりますまではとにかく職業安定法の規定が適用されることになる、こういうことになるわけであります。それでその後の關係でございますが、それにつきましては國家公務員法の附則の第十四條に規定がございまして、この法律の施行になります際に、現に效力を有しておるところの政府職員に關する法令の規定の改廢及びこれらの規定の適用を受ける者にこの法律の規定を適用するについて必要な經過的特例その他の事項は法律又は人事院規則でこれを定めるこういうことになつておりまして、そのときに職業安定法の規定を生かすことにいたしまするか、或いは國家公務員法の規定を公法として優先させますか、そういう點、法律なり人事院規則で解決をする、かように相成つておるような次第でございます。
それから第二の點の公共職業安定所の職員に囑託が多いという點でございますが、本來といたしましてはむしろ專門的な特別な經歴を持つておるような人を入れるのにふさわしい者でありますのは、現状といたしましていろいろな定員の關係その他の關係で、むしろ本官に入れますのが適當なような人を囑託に入れておるような點もあるかと思うのでありまするが、そういう點、定員の關係等もございまして、今一擧に本來の趣旨通りに改められますが、若干懸念がございますが、できるだけ本來の仕事に從事いたしますものは本官とし、特別の者を囑託にいたすというふうに將來運用上努めて參りたいと存じます。
それから勞働安定所のことでございますが、これは第八條の第四項がそれに關連する規定でございまして、いわゆる勞働安定所と申しておりますものも、この法律上では全部公共職業安定所なのでございます。ただその公共職業安定所の中で日雇を主としてやつておりますようなものを特に勞働安定所の名稱で呼んでおるということになつておるのでありまして、公共職業安定所の位置なり、管轄區域を勞働大臣が決めますと共に、その名稱なり事務の取扱の範圍も勞働大臣がこれを定めるということなつております。名稱として何々勞働安定所、取扱う事務の範圍としまして日雇勞務というような、そういう定め方に現在相成つておるわけでございます。それで將來必要によりましては婦人專門の安定所、或いは先般山田さんからも御指摘がありましたような年少者の職業紹介の特殊性に鑑みまして、假りに年少者の特別の專門の安定所を拵えますような場合、その場合事務の取扱の範圍としましては年少勞務者の職業紹介というようなことになりまして、名稱が場合によりましては何々年少者職業安定所というようなことがあり得るわけだと思つております。以上のような次第であります。
この発言だけを見る →それから第二の點の公共職業安定所の職員に囑託が多いという點でございますが、本來といたしましてはむしろ專門的な特別な經歴を持つておるような人を入れるのにふさわしい者でありますのは、現状といたしましていろいろな定員の關係その他の關係で、むしろ本官に入れますのが適當なような人を囑託に入れておるような點もあるかと思うのでありまするが、そういう點、定員の關係等もございまして、今一擧に本來の趣旨通りに改められますが、若干懸念がございますが、できるだけ本來の仕事に從事いたしますものは本官とし、特別の者を囑託にいたすというふうに將來運用上努めて參りたいと存じます。
それから勞働安定所のことでございますが、これは第八條の第四項がそれに關連する規定でございまして、いわゆる勞働安定所と申しておりますものも、この法律上では全部公共職業安定所なのでございます。ただその公共職業安定所の中で日雇を主としてやつておりますようなものを特に勞働安定所の名稱で呼んでおるということになつておるのでありまして、公共職業安定所の位置なり、管轄區域を勞働大臣が決めますと共に、その名稱なり事務の取扱の範圍も勞働大臣がこれを定めるということなつております。名稱として何々勞働安定所、取扱う事務の範圍としまして日雇勞務というような、そういう定め方に現在相成つておるわけでございます。それで將來必要によりましては婦人專門の安定所、或いは先般山田さんからも御指摘がありましたような年少者の職業紹介の特殊性に鑑みまして、假りに年少者の特別の專門の安定所を拵えますような場合、その場合事務の取扱の範圍としましては年少勞務者の職業紹介というようなことになりまして、名稱が場合によりましては何々年少者職業安定所というようなことがあり得るわけだと思つております。以上のような次第であります。
山
山田節男#4
○山田節男君 そうしますと、今の御説明によると、やはり公共職業安定所、或いは公共勞働安定所のいわゆる人的の陣容の事情でありまするが、囑託制度というものは、やはり從前と變らず、相當のパーセンテージを占めて、この職業安定のことをやる方針なのでありますか、と申しますのは、この間横濱の職業安定所を見、現在のあそこの職業安定行政上、最も欲するのは何かと申しましたところ、あそこで四點を擧げております。その第一は何といつても豫算を増加してくれること、これが第一。御承知のようにこれはレーバー・エクスチエンジと申しますか、雇傭エクスチエンジというものは、眞にサービス業である。殊に私現場を見まして、甚だ失禮でありますけれども、殊にすべてのエクスチエンジ交換所と申しますると、極度にこれは資料や數字にしましても、これはあくまで極秘にやらなければならん。然るにこれはアメリカの使節も指摘しているようでありまするけれども、依然としてすべての求職者或いは求人者の整理が綴込式である。いわゆる大福帳式である。英米におきましては、レービング・カード、ダイビング・カード、これは必ず區別します。それは正確な統計は、全國的には分つております。然るに現在の状況を見ますというと、全く大福帳式であります。例えば紹介所の葉書をやりましても、これは雇傭主が決まつた場合には、郵送することになつておりますけれども、今日五十銭を要するためになかなか送つてくれない。果して求人がそこで合致したものかどうか、分らない。こういうことが多分にありまして、いわゆる職業安定サービスというものが現在の日本の失業者、或いは職種別の失業者というものが非常に不正確であります。この點が私は今度の職業安定行政の一つの癌になつておるように思うのであります。この點は一つ嘱託制度を是非少くして頂いて、雇傭の安定のない者は眞面目に仕事をやりません。これは私の經驗からいいますと……。そういつたような點から現在の職業安定行政の事業が非常に安定していない、安定サービスをやる者自身が安定していない。こういう極めて矛盾した一面から申しますると極めてプリミテイブな、慈善事業的なエクスチエンジが随分ある。又これは能率の上からも、又失業者のためにも、國家産業の興隆につきましても、非常に遺憾だと思います。その意味におきまして、私はこの第九條の第一項、第二項につきましては、特に御了承願いたいのであります。甚だ失禮でありまするが、この次の第十二條のいわゆる中央職業安定委員會、それから都道府縣の職業安定委員會、特別地區安定委員會がありますが、これは御承知のように勞働省に婦人少年局ができて、各國の立法例を見ましても、必ず中央はいざ知らず、都道府縣におきまする職業委員會若しくは郡と申しますか市町村し申しますか、それに一人以上の婦人を安定委員に入れなければならん、これは今日の常識であります。然るに本條におまましてはそのことが書いてない、男女平等である。又同一價値の勞働に對しては同一賃金を拂う。こういう立前からしましても職業安定委員會には一人以上の婦人を委員に入れるということを法律に挿入すべきであると思います。これは何故省いたか、その點を政府委員の御意見を承りたい。尚各中央から職業安定委員會の委員は勞働大臣がこれを命ずる。併しながらそれで選擧した勞働委員長はどういう地位であるか、これを謳つていない。これは實際の勞働安定或いは職業安定所におきまして民主的な職業安定行政をやるにはこの安定委員會というものは最も重要性を持つている。而もそれを統御をして行きます委員長というものは、これは可なり重要な職務であります。そういうわけで私は、今はありませんが、曾て方面委員制度がありまして、これは各府縣或いは市町村におきまして必ず委員長というものを選擧して、これに何と申しますか委員會に關する限りの權限を持たしておる。そういう意味におきまして私はここに、委員長は必ずこれも勞働大臣が任命する。こういうふうにすべきであると私は思うのであります。尚又それで都道府縣職業安定委員會、特別地區職業安定委員會及び地區安定委員會は一ヶ月に一囘以上、中央職業安定委員會は三ヶ月に一囘以上これを招集しなければならんことを明記しておるのであります。そうするとこれは厚生省に現在行つております職業安定所或いは公共勞働安定所の地理的分散状況を見ましても、この名譽職というか、むしろ國家の勞働行政の末端の法規上の委員であるからには、これに對して旅費、日當その他の雜費等、これは當然法律で補助すべきであるのであります。アメリカにおきましてもこれは明らかであります。何故省いたかということを承りたい。尚一、二ありますが、これは餘り長くなりますので次に讓ります。
この発言だけを見る →上
上山顯#5
○政府委員(上山顯君) 最初の職員の地位安定をいたしまして、こういう業務に專心させなければならんということにつきましては、御意見は誠に私同感であります。やや内論話になりますが、最近職業安定機關の機構がたびたび變りましたり、それから基準局でございますとか、いろいろ新な勞働官署ができましたために人事の異動が甚だ激しかつたこともございまして、若干氣分が落付いてなかつた氣味が見えました點を私達非常に遺憾と思つているのであります。今度安定法によりまして職業安定所というものもはつきりしたものになつた次第でございまして、この際本當に落付いた氣持で勉強して貰いたいということを地方の職員にも要望している次第であります。御趣旨の點は十分氣を付けたいと思います。
それから委員會に婦人を入れるという點でございますが、事實問題といたしまして、そういう點は今後十分氣を付けて參りたいと存じます。ただ法律の上におきまして少くとも一人以上と書くのもどうかというようなこともございまして、法律の上には書いてございませんが、運用によりまして十分氣をつけたいと思つております。
それから委員長の點でございますが、實はこの安定法全體といたしまして、相當こまごまむしろながながと法律の中に書いてくるような次第でございまして、只今の委員長の點等につきましては、實は政令の方で規定をいたしたいと、かように考えているわけであります。
それから委員會の實費辨償の點でございますが、實は中央職業安定委員會、都道府縣職業安定委員會、特別地區職業安定委員會、これにつきましてははつきり置くということになつておりますので、近く帝國議會に提出になりまするところの追加豫算におきましても、或程度の豫算をこちらへ取ることに相成つております。それから地區の安定委員會につきましては本年は追加豫算で緊急止むを得ないものだけということになつておりまして、實は今度も追加豫算では只今のところでは十分に考えられていないのでございますが、今後におきましては地區職業安定委員會につきましても十分の豫算を取りまして、是非實費辨償等については遺憾のないようにいたしたいと思います。
この発言だけを見る →それから委員會に婦人を入れるという點でございますが、事實問題といたしまして、そういう點は今後十分氣を付けて參りたいと存じます。ただ法律の上におきまして少くとも一人以上と書くのもどうかというようなこともございまして、法律の上には書いてございませんが、運用によりまして十分氣をつけたいと思つております。
それから委員長の點でございますが、實はこの安定法全體といたしまして、相當こまごまむしろながながと法律の中に書いてくるような次第でございまして、只今の委員長の點等につきましては、實は政令の方で規定をいたしたいと、かように考えているわけであります。
それから委員會の實費辨償の點でございますが、實は中央職業安定委員會、都道府縣職業安定委員會、特別地區職業安定委員會、これにつきましてははつきり置くということになつておりますので、近く帝國議會に提出になりまするところの追加豫算におきましても、或程度の豫算をこちらへ取ることに相成つております。それから地區の安定委員會につきましては本年は追加豫算で緊急止むを得ないものだけということになつておりまして、實は今度も追加豫算では只今のところでは十分に考えられていないのでございますが、今後におきましては地區職業安定委員會につきましても十分の豫算を取りまして、是非實費辨償等については遺憾のないようにいたしたいと思います。
原
原虎一#6
○委員長(原虎一君) この際お諮りいたしますが、栗山委員から第五章罰則について特に刑事局長の出席を求められて、その答辯を願うことになつておりますので、第二章はこの程度にお願いいたしまして、五章の罰則に關する問題を主として質問願うことにしたいと思います。御異議ありませんか。
この発言だけを見る →深
原
山
原
深
深川タマヱ#11
○深川タマヱ君 第二章第六條に關係する質問でございますが、勞働省職業安定局長は勞働大臣の指揮監督を受けて失業對策の企畫及び實施に關する事務をおとりになることになつているのでありますが、今日平常な時におきまして社會で自然に行われております求人、求職等の斡旋は、これは別にいたしまして、最近政府の政策に基いて相當大勢の勞働者の方々が企業整備から失業することになつているはずでありますが、凡そ一體どのくらいの方がどういう産業の方から整理せられて來て、そうしてその人達を凡そどういう方法によつて救濟なさろうとする對策を立てておいでになるか、こういうことは私達としては相當はつきり知つていなければならないはずなのが極めて漠然といたしております。これについてお分りになつているところを少し具體的に詳しく伺いたいと思います。
この発言だけを見る →上
上山顯#12
○政府委員(上山顯君) 政府の施策のために出ます失業者の見込數又救濟對策という點でございますが、これにつきましてはいわゆる企業整備等につきましてどれだけ失業者が出るかというような點を中心にいたしまして、安本でございますとか、産業省におきましてもいわゆる計數をはじいてやつているわけでありますが、ただ御承知のように企業整備にいたしましても、いろいろ新らしいこういうものに影響いたします要素も出て參りまして、例えば經濟力集中排除法案がどんなふうになるかということがはつきりしない關係もありまして、企業整備で果してどの程度になるかという點につきましては、まだ具體的に十分の申し上げるだけの資料がないのでありまして、その點私たちといたしましても非常に遺憾に思つておるわけであります。さような實情でございますことを御了承頂きたいと思います。
この発言だけを見る →山
山田節男#13
○山田節男君 例の第二十條の問題でございますが、この間原委員からも質問があり、又私もそれを補足する意味において質問したのでありますが、大臣は御退席になつた後でありまして、大臣から直接御囘答を得なかつたという意味と、まだ議論が盡されたわけでありませんから一應お伺い申し上げます。大體原委員竝びに私がこの二十條の第二項について御質問申し上げましたことは、これはアメリカのように非常に大きな一貫作業の行われておる國でありますならばこれは私はいいと思います。併しながら日本は財閥解體、殊に一千萬か二千萬以下の、中小工業化しようというのが占領軍の根本方策であります。そういう意味と、それから現在の組織勞働というものは固より幼稚でありますけれども、將來勞働省としても組織勞働というもの、いわゆる團體交渉、これを極力啓蒙して團體交渉を最も有效的に效果的に使うということに指導しなくてはならないと思う。そういう當然の結果といたしまして一つの工場内におきまして一つのブランチと申しますか、デパートメントとデパートメントが別個に爭議行爲をすることは實際問題として極めて少ない。例えば川崎の或工場におきまして、鐵管或いは造船、これは一つの連合體をなしております。造船部門でストライキをやれば、これは鐵鋼部門に對しても爭議の應援……或いは日本の法律では同情ストライキというものを非合法にしておる。そういう意味から申しましても、私はこの第二項はアメリカなどではいいかも知れませんが。日本の産業の將來、それからこれから進んで行く組織勞働の發展というものを展望しますときに、むしろこの第二項は組織勞働の健全にして自主獨立の勞働組合の發達を阻害する、こういうことを信じて私は疑わないのであります。なぜここにこういつたようなことを殊更お謳いになつたか、勞働省で監察される第二項の適用の實際について上山局長からもちよつと伺いましたけれども、尚不明瞭な點がある、この點について大臣の御明答を煩わせば甚だ結構と存じます。
この発言だけを見る →米
米窪滿亮#14
○國務大臣(米窪滿亮君) 第二項を設けた理由は、職業紹介は經営者の利益にも偏重しない、又勞働者側の要求にも偏らない、こういう、いわゆる職業紹介事業の中立性を保持するために第二項を掲げたのでございまするが、日本の勞働爭議の實情から見て、私も山田さんの疑念とされる點も必ずしも現實的でないとは思はないのでありまして、これは一つの委員會において皆さんの御意見に從つて行きたい、こういう工合に考えております。若し強いて言うならば、この部門別に職業紹介をするかしないかということを分けずに、或いは事業別ぐらいに分けて行くことが現状に即したことかも分りませんが、一應はこういう工合にはつきりと、或部門においては爭議が起つており、他の部門において爭議の起り得る情勢でないと職業紹介所が判斷した場合においては、職業紹介事業の中立性から言つても、こういう規定を設けることがいいと思つて入れたのでございまするが、皆さんの御意見によつて日本の今日の勞働運動の實情、或いはその他の現實性から考えて、そうしてこの第二項を入れることが、現實的に見て甚しく危險であると、こういうことであるならば、政府といたしましてもこれに對して何ら原案に對する支持を強く主張するものでないとこういう工合に申し上げたいと思います。
この発言だけを見る →山
山田節男#15
○山田節男君 若し今大臣が仰しやられるような御意向でありますならば、實際問題として不介入という意味は、惡くすると、勞働基本權、いわゆる團體交渉權、或いは未組織を組織化する、或いは場合によつてはストライキの權利も否認するという事實になる虞れが多分にあると存じます。先程申し上げましたように我が國の産業の興隆の將來、そのスケールから、組織勞働の發展というものを、極めて樂觀的に考えまするときには、これは必要ない、いわゆる業務の部門別の爭議が起つても、これは單獨でそういつたような爭議行爲を繼續して行くということは、事實上不可能だと、こういうように私は考えますので、若し勞働大臣において先程のような御意向があるならば、これは憲法で保障された勞働基本權に、これは危害を加えるというような斷定的には申しませんけども、ますます行政上そういう虞れがある。これは今日の中央勞働委員會、地方勞働委員會の立場から見ましても、同じような……。職業安定所におきましては、あれは同じ一つの基準を以てやつて頂くということが、實際上やりいいんじやないかと、こういうように感ずる次第であります。
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松井道夫#16
○松井道夫君 只今二十條が出ましたので、豫て疑問と思つておる點をお尋ねしておきたいと思います。この規定は爭議行爲に對する不介入という建前でできておりますので、一見無理もないように思えるのでありますが、更に深く考えて參りますと、爭議行爲の發生している部門或いはその發生する虞れがある部門には、求職者を紹介しないということは、いささか觸らぬ神に崇りなしといつた氣分でございまして、これが正常的の勞務者の紹介を、特に爭議行爲があるからしないということは、この業務の運行というものを阻害いたしまして、却つて爭議行爲に對する干渉の形になる場合があると存ずるのであります。將來この爭議行爲の形態が、どういう工合になつて參りまするか、これは豫斷を許さないことでありますが、或いは同盟罷業というようなこともありましようし、或いは勞働組合側で業務の擔當をやつて行くといつた形で行く場合も想像できるのでございまするが、いずれにいたしましても、特に智的の勞働者のその職業があるといつた場合に、急にそれを紹介しないといつたような例を考えて見ますれば、却つてこれがそういうことに對する干渉というふうにも考えられる場合があると存ずるのであります。中立的立場を維持するといいますことは、これはいろいろに理解されることでございましようけれども、特別の利益を與え、特別の不利益を與える、さようなことをしないという意味合に解釋すればそれでいいのではないかと存ずるのでありまして、特に業務の運行を阻害するような場合でも、よく求職者を紹介しないというのは、これは行き過ぎではないか。先程申しました、觸らぬ神に崇りなしといつたような、臆病な態度ではないかと私はそういうようにも考えるのであります。でありまするから、要するにここで職業安定所は、勞資のいずれの立場にも立つものではない。爭議行爲がある場合には、それに對して特別の不利益、特別の利益を與えるようなことがあつてはならないといつたふうの彈力的の規定の方が却つて宜しいのではないかというように存ぜられるのであります。その點についての御意見を煩わしたいと思います。
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米窪滿亮#17
○國務大臣(米窪滿亮君) これは先程山田さんにもお答えしたと同じ考えを政府は持つておりまして、いわゆる問題は職業紹介事業がどの一點で中立性が破られるか。又職業紹介を行なつた結果が、例えば違つた部門に紹介をしたその求職者がスキヤツプになるような危險が起り得るかどうか、こういうことであります。この點は日本の經營者の常識、或いは經營の運用、勞働者のやはり認識、心構えということがはつきりしておれば、この二項を置いておいても差支ない、私はそう考えます。ただ先程から問題になつておるのは、日本の勞働運動、或いは狹く言えば、勞働爭議が起つた實情において、果して經營者が違つた部門に紹介をした同じ事業所において、違つた部門に紹介した者を、爭議の起つておる部門に、これを爭議のいわゆる裏切者と言いますか、つまり休んでおる者の代りにこれを使うようなことが果してあり得るかどうかという、その認定によつて決するのでございます。從つてこれはそういうことが起り得ないという場合においては第二項はここに置いておいてもなんら障碍にならない。併し日本の今までのやり方から見て、そういう危險が起り得るという場合になるというと、第二項は、これをここへ設けることが問題になる。こういう工合に私共は考えております。政府はいわゆる職業紹介の勞働爭議に對する不介入性というものと、そうして勞資双方への不偏性というもの、即ち中立性というものを維持する上において、明らかに爭議をしておる部門と、爭議をせざる部門とがはつきりしておる場合において、爭議せざる部門に職業紹介をしてもいいではないかという意味において入れたのでありますが、皆樣におきまして、これが現實問題として、いわゆる障碍を起すと、こう御認定になれば、政府としても皆樣の御意見に從う考えであります。
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松井道夫#18
○松井道夫君 只今私の質問のし方が惡かつたと見えまして、私は二項の問題を御質問申し上げたわけじやないのでありまして、第一項の原則について、いささか疑問があるのではないかということをお尋ねしたのであります。繰返して申し上げますと、これは簡單に申し上げます。要するに第一項の「求職者を紹介してはならない。」ということに相成つておりまするが、「求職者を紹介してはならない。」ということが、却つて爭議行爲に對する干渉になる場合があるのではないか。それでこれを「求職者を紹介してはならない。」というまでに行かないで、勿論求職者を紹會することが、特別の利益不利益を爭議の當事者に與えるという場合には、勿論紹介してはならないのでありますが、それを含めまして、更に彈力性があるように、特別の利益不利益を爭議行爲の當事者に與えるようなことはあつてはならないという趣旨に規定した方が宜しいのではないか。さような意味で質問いたしたのであります。
この発言だけを見る →米
松
米
米窪滿亮#21
○國務大臣(米窪滿亮君) これは政府としては、憲法によつて團結權が認められ、又罷業權が認められているという、その精神から見て、明らかに爭議が起つており、且つ又爭議が起らんとする虞れのある部門に職業紹を介するということは、結果から見て、これはどうしても爭議を彈壓することになる、こういう具合に我々は解しておる。なんでそうなるかというと、やはりそれは爭議をする目的、いわゆるそこに働いている人達が一丸になつて、自分等の要求を通すために、彼等に與えられたところのこの社會的權利といいますか、戰術というものによつて、その示威を示すのが目的であるのでありまして、これが破れれば、もう本質的に爭議權を剥奪するということになる。それではどういう場合に破られるかというと、働かないことを申し合わせた所へ、働く意思を持つた者を供給するということは、これは明らかに爭議を折角しておるものを、爭議をなくするということになる。いわゆる爭議の中斷行爲になる。これは明らかに爭議權を國の公共事業であり、又中立の立場に立たなければならん職業紹介所というものが爭議を彈壓するという、經營者側の利益を提供することになる。こういう具合に解釋いたします。
この発言だけを見る →松
松井道夫#22
○松井道夫君 私は純粹の中立の立場にあることを明らかにして、更に質問を進めたいと思います。成る程ここに爭議行爲があつて、同盟罷業をやつている。その時にその同盟罷業をやつている勞働者に入る意味におきまして、多量の正常的でないこの勞働力を、今の公共職業安定所を通じて與えるというようなことは、勿論一方にこれは特別の利益を與える行爲でありますからして、そういうことを禁じたいということは、私も同意見なのであります。併しながら先程も申し上げましたが、將來爭議行爲の形態がどういう形を取るか、それは豫斷を許さないのでございますけれども、假りに勞働組合側におきまして、その經營を擔當するという形で爭議行爲を行つて行くという場合を想像いたしますると、これが企業の經營に必要な、正常的な勞務の紹介もできないのであるということになりまするというと、これは勞働者側から見ると、爭議行爲に不當な不利益を受けるということに相成ります。それでありますからして、そういう場合には、むしろ正常の、例えば、月に十名づつのものが假りにあるとすれば、そのままやはり月に十名づつのものを紹介して行く。或いは季節的の勞働が大切な事業には、やはり例年季節的に、五百名なら五百名を紹介するならば、やはり五百名なら五百名のものを紹介して行くということで、これこそ却つて爭議行爲に申立の立場をとるものであつて、却つてそういう場合に五百名の質的勞働を紹介しないということは、爭議行爲に對する、私の爭議行爲と申しますのは、勞働爭議が發生しておる、これは勞資の間に爭議行爲がある、こういう意味であります。その爭議行爲、勞資の爭議行爲に對する不當な對象と相成るのではないか、これは現状から言いまして、同盟罷業なら同盟罷業という爭議形態が多いということでございまするならば、これは勞働者の立場から言いまして、この規定は必ずしも惡くない結構な規定であると存じますが、これが勞働者の方で今後經營を擔當して行くという爭議行爲の形を考えて參りますと、これが非常な不利益になる場合がありやしないか。要するに純粹に中立の立場から考えまして、この職業求職者を斡旋するに當りましても、特別に爭議行爲の當事者に利益を與える、或いは不利益を與えるような、そういうような行爲を職業安定所としてはしてはならないのであつて、そうでない正常的のものは何も禁止する必要はないのではないか、さように考えるのであります。この點につきまして更に御答辯を煩わしたい。
この発言だけを見る →米
米窪滿亮#23
○國務大臣(米窪滿亮君) 現に爭議行爲が發生しており、又その次が問題なのですが、爭議行爲が發生する虞れが多分にあるこの状態において、經營者側からして求織を若し求めて來るということは、明らかに爭議が發生しておるときは、それによつて爭議行爲を壊滅せしめよう、爭議行爲を休止せしめようという意圖の下にそれに代つて勞働するものを求めて來る、こう政府は解釋しておるのです。爭議行爲發生の虞れある場合は、大體そういう前提の下に求職者を經營者は求めて來る、こういう工合に考えております。それで御質問の中に生産管理の場合のようなことが考えられるようなお尋ねがございましたのですが、この場合においては爭議がすでになくなつてしまつて、即ち私は生産管理が妥當である。勢い合法的であるかどうかということは別問題ですが、假りに經營者が無警告にロツクアウトした、或いは賃金を支拂わない、こういつた動機によつて生産管理を行われた前例があるのです。そういう場合は經營權が經營者側にあることについては私は異論はございません。勞働者側には經營權はない。經營に參加する權利はあつても經營權は持つておらない。從つて勞働者がこの商法或いは民法によつて與えられざる權利を行使して、勞働者が、早く言えば工場を占據したという場合においては、これはその瞬間から現實的には爭議行爲がなくなる。從つてこの場合に私は爭議というものは現象的に見てなくなると思うのです。であるからこの場合はここのお尋ねの範圍に入つて來ない、こういう工合に考えております。そこで飽くまでもお尋ねのこの點は、經営者と勞働者が對抗して片方は經營を續けて行こう、勞働者は經營に反對して、即ち工場を休止状態にしようといつて爭つておるときに、經營者は休職を求めて來ることは明らかに勞働者と對抗する意思を持つて休職を求めて來るのでございまして、この場合に經營者の休職に應ずるということは勞働者の利益に反するという行爲が明らかである。そこで職業事業をやつておるものとしては、いわゆる爭議の不關與性というものを守りたい、この意味でこの第一項を決めたのであります。
この発言だけを見る →山
山田節男#24
○山田節男君 今の大臣の御説明を了解するのでありますが、この二十條は法文としても極めてまずい。この點を一つ勿論第一項、第二項、いわゆる爭議に對する不關與の件、中立の態度、これは不要であると存じますが、即ち少くともこの業務の部門ということは非常に間違い易いと存じます。何か誤解のない法文を冠する方が將來のためにいいのじやないか、こういうように私は考えております。
この発言だけを見る →米
米窪滿亮#25
○國務大臣(米窪滿亮君) 第二十條の表現方法につきましては、若しそういう点があれば委員会において然るべく一つ明瞭なる表現方法をお考えを願いたいと思います。私としては併しこれで相當明らかだと思うのであります。即ち爭議行爲における中立の立場を維持するため、「現に爭議行爲が發生していることが明らかな」というこの「明らかな」ということは必要でございません。「現に爭議行爲が發生している業務の部門、」こうしても差支ありません。「又は爭議行爲の発生する虞があることが明らかな」この場合の「明らかな」は必要だと思いますが、最初の「爭議行爲が發生しておる業務」こうした方がいいということになれば差支ないと思います。
この発言だけを見る →松
松井道夫#26
○松井道夫君 結局二十條の一項に對する所の質問ですが、只今米窪大臣のお話によりまして大體分つた積りでおります。併しながら更に念を押して置くのでありますが、この第一項の爭議行爲という中には、ちよつと生産管理とか業務管理とか、經營管理とかいろいろいわれておりますそういつた爭議形式は入らないものであるか、さようなことに伺つて宜しいのでございますか。爭議行爲はないものであるというお話でありましたが……。
この発言だけを見る →米
米窪滿亮#27
○國務大臣(米窪滿亮君) 職業紹介に關係のある點においては生産管理或いは業務管理をして、つまり經營者が退陣をして勞働者がその工場を占據して經營を續けて行くというときには一應は形式的ということをさつき申し上げたが、現象的にはそういう行爲はない、こういう具合に認めておりますが、この際には第二十條は適用しない、こういう具合に考えております。
この発言だけを見る →平
平岡市三#28
○平岡市三君 私はこの二十條の趣旨は結構だろうと思うのでありますが、この議論の岐れることは業務の部門というこの部門に我々は非常に疑いを持つために議論が岐れると思うのであります。即ち一つの事業のオーガナイゼーション、組織というものの中から部門というデパートメントを引出して見ますと、たとえば例を擧げて見ますと、鑄物工場におきまして模型部があり、鑄造部があり、組立部、仕上部がある、これが即ち一つのオーガナイゼーションの中の部門なのであります。そこで一つの建物の中にいろいろの部門がありまして、鑄型部で以て勞働爭議が起きているときに一つの建物の中の部門、即ち仕上部とか、或いは組合部に爭議が起らんということはちよつとあり難いことであろうと思うのであります。そこでこれが部門という言葉が工場別とかいう言葉に變るならば、相當疑問は避けられるだろうと思います。たとえば實際問題として凸版印刷會社の東京の工場は勞働爭議をやつておるにも拘わらず、富士の工場の方では平穩無川に事業を續けておりまして、而も新らしく人員を採用する、こういうようなことをやつて現實におるのでありますからして、一つの會社が勞働爭議をやつておる場合にはすべての部門、工場の新規採用は許さんとするならば、これは趣旨に反するわけであります。でありまするからして、結局この部門という言葉、デパートメントという言葉は非常に議論があるのではなかろうかと思うのであります。この字句が或いは適當な工場別とかいう言葉に變るならば、條文の趣旨は明らかになつて議論も起きないのではないか、こういうふうに察せられるのでありますが、皆さんの御意見を一應お伺いいたします。
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米窪滿亮#29
○國務大臣(米窪滿亮君) 大體政府も一應はこういう具合に書いたのですが、皆さんの御意見が部門という言葉が非常にいろいろの疑義が起るということであれば、業務の部門というこの五字を事業所ということに直すことに付ては異議がございません。そうした方がはつきりするということであれば、そういうことに何ら異議はありません。
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