島居辰次郎の発言 (決算委員会)

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○説明員(島居辰次郎君) 先ほど会計検査院の方からいろいろ御説明があつたのでありますが、全般を通じまして誠に遺憾であると思うのでありますが、官紀の粛正と会計事務の不法、不当の事故の防止につきましては、従来から機会あるごとに注意を喚起して実地に指導して参つたのでありますが、なお昭和二十八年、昨年の七月十日、本委員会より運輸大臣に対しまして第六管区海上保安本部不当経理に関する要望書が発せられまして、その後におきましてはなお一層幹部職員は率先自粛をいたしますし、官紀の振起に努めまして、会計監査の励行、会計職員の業務指導、研修などを行いました。その趣旨に副うように努力しておつたのであります。又、本庁を初め管下の各海上保安本部におきましても、処置いたしました主な事項はこれから申上げるのでありますが、特に会計の実地監査につきましては、毎年三月末に一斉に資金前渡官吏等に対しまして実地に会計監査を実施いたします。是正改善を要する事項につきましてはその都度是正改善の措置をやつて来たのであります。又管下の部署などの視察又は監察を実施いたしました場合には、その都度その部署の職員を一堂に集めましてその趣旨を伝達をいたしますと同時に、そのときの注意事項を配布いたしまして、次回までに必ず速急に直すものは速急に直すということを注意して参つて来ておるのであります。
 そこで順を逐うてもつと詳細に申上げますと、海上保安庁の本庁におきましては、本部長会議を、昨年の十二月四日に、本部長それから保安大学校長、海上保安大学校長、海上保安学校長、海上保安訓練所長を本庁に招集いたしまして、その席上、部内綱紀の粛正について幹部職員は率先自粛して官紀の振起に努めなければならないということを長官から訓示したのであります。なお最近も先月十月の十二日に、今のような本部長、大学校長、それから海上保安学校長、訓練所長を招集いたしまして、なお一層官紀の粛正その他業務上の指示もいたしたのであります。次に第二番目に経理補給部長会議につきましては、本年の三月二十二日と二十三日、又七月の八日と九日の二回にわたりまして、管下の海上保安本部の経理補給部長を招集いたしまして、昭和二十七年度決算検査報告並びに注意事項に関する善後措置について、それから会計監査について等の議題の下に、今後の厳正な会計検査の執行と事故の絶滅を期さなければいけないということを指示して参つたのであります。次に三番目といたしまして総務部長会議の開催につきましては、本年の二月一日に管区本部の総務部長を本庁に招集いたしたのでありますが、その席上、最近は、予算なんかが窮屈になりまして各管区では相当苦心するであろうが、併し従来のようなことを再びやらないように内部的に何とか工夫して、不法、不正な事故を起さないように強く要望いたしたのであります。次に四番目に一般の業務の監査につきましては、海上保安庁法の第三十三条に基いて監察官が本庁に七人おるのでありますが、その監察官を全部動員いたしまして、部内職員の人々、又所管行政の実況を監査せしめておるのであります。昭和二十八年度及び二十九年度におきましては、殊に官紀の維持、機密の保持、警備救難業務、水路業務、燈台業務の、この三位一体の総合協力援助の現状等につきまして監察を行なつておるのであります。
 二十八年度におきます監察の状況を申上げますと、第一管区本部関係につきましては、五カ所について去年の十月十五日から二十一日まで、第二管区本部関係につきましては、三カ所について昨年の十月二十三日、二十四日にわたり、又第三管区本部関係につきましては、五カ所について本年の一月二十一日から二月九日まで、なお第四管区本部関係につきましては、三カ所について本年の二月十六日から二十日まで、それから第六管区本部関係につきましては、四カ所について去年の十月二十九日から三十一日まで、第七管区本部関係につきましては、六カ所について昨年の十月二十九日から十一月六日まで、第九管区本部関係につきましては、二カ所について昨年の十月十三日から十五日まで、なお本年度の関係につきましては、第五管区海上保安本部関係につきまして、五カ所について六月二十七日から七月の四日まで、第六管区本部関係は、一カ所につきまして同日同期間にやつております。第二管区本部関係については六カ所について、第八管区本部関係については五カ所について七月四日から七月十二日までやつております。なお又第七管区につきましては、十月十七日から二十八日まで、第一管区本部関係につきましては、六カ所につきまして十月の十九日から二十八日まで、その他残つております第四管区関係及び第九管区関係につきましては、この十一月の中旬に実施する予定にしておるのであります。かようにいたしまして、従来よりも業務監察を強度にして非違のないように努めておるのであります。又一方、巡視船等の検閲につきましては、巡視船検閲規程によりまして、毎年五月と十一月に各管区海上保安部長を検閲官として、その管内巡視船の乗組員に対しまして、職員の服務はどうか。或いは規律及び健康状態はどうか。又、船体、機関、機器その他の設備の整備状況は如何であるか。又職員の職務の執行はいいかどうか。又公文書類及び物品の整備並びに保管状況はどうであるか。なお又、法令や通達、殊に官紀の粛正について出しておりまする公報などの、末端までそれが通達しておるかどうか。又遵守が徹底しておるかどうかというようなことを検閲しておるのであります。なお海上保安庁長官又は特に任命した者をいたしまして、特別検閲と申しまして、この前の十月からこの十一月にかけて、目下各地方で実施しておるようなわけであります。先ほど申上げました官紀の粛正につきましては、今年三月十五日に部内職員一般に対しまして、官紀の弛緩による事故を絶滅して、以て国民の期待と信頼に応えなければいけないというような訓示をしておるのでありますが、そのことを三月の二十四日に公報に掲載いたしまして、部内の末端に配付しております。それの内容は、海上保安庁というところは生命、財産の保護に当つておる警察的な官庁でもあるし、だから国民の信頼と期待に副うには、我々みずからもつと厳正なる態度で当らなければいけないというようなことを示しておるのであります。
 なお次に懲戒処分の適正励行に関する本委員会における決議につきましては、これは管下の部署によく伝達いたしますと共に、今後とも部内の綱紀の維持につきましては十分留意しまして、官吏道の刷新に努めるように要望したのであります。又本年の七月二十二日、管下の海上管区本部長に対しましては、二十七年度決算検査報告のうち、第六管区海上保安本部不当経理に関する本委員会の要望書を伝達いたしますと共に、今後官紀の弛緩によつてこの種の不当事項の誘発するようなことがないように、本部長みずから卒先して官紀の振起に努めて、会計監査の実施、会計職員の業務指導、研修等を行いまして、再びかかる事態を繰返さないように格段の考慮を要望したのであります。又、会計の監査につきましては、毎月提出されます各地方からの各種の計算書、又、関係証拠書類等によつて書類の監査を行なつております。なおこれも是正改善を要する事項につきましては、文書又は口頭で注意を喚起し、又指導を行なつておるのであります。
 なお関係責任者の処分につきましては、昭和二十七年度の決算検査報告の不当事項に関する関係責任者の処分調書というものを作つたのでありますが、千五百十七号の「架空名義により支払に立て職員宿舎等の新築または購入をしたもの」という、この件につきましては、昭和二十三年の五月頃から、先ほどお話のありましたように長期間に亙つて発生したものでありまして、甚だ不当とされる事項が、公務員等の懲戒免除に関する法律の公布施行されました昭和二十七年四月二十八日以前の行為でありまして懲戒処分は免除されますので、関係責任者で現にその海上保安部内に在職する者に対しましては、その責任を確認させまして、将来をとくと戒めるために、注意書を発しまして、始末書を提出させたのであります。なお責任者の範囲につきましては、不当行為が相当な長期間に亙つております、殊に海上保安庁の発足当時でございましたので、その間の人事異動の実情を考慮いたしまして、土地、建物の購入経費捻出、又購入した期間に在職した本部長、及びその次長、及び総務部長、当時経理関係は総務部にありましたのでありますが、爾来こういう会計関係をはつきりするために、総務部から経理関係を離しましたのでありますが、当時は総務部にありましたので、その総務部長も含みまして、なおそのほかに財産の処理未済期間に一年以上在職した者に限定したのであります。
 次に千五百十八号、「架空の名義により支払に立て職員旅費、会議費等に充当したもの」、この件につきましては、これは現に海上保安庁に在職しまして懲戒処分の免除となつた者を除きまして、当時予算執行の職にあつた者、及び行政上の直接監督の職にあつた者全員に対しまして、それぞれ減給又は戒告の処分を実施したのであります。
 次に千五百十九号の「物品の売渡または購入にあたり会計処理当を得ないもの」につきましては、関係職員が起訴されておりますし、又関係責任者は懲戒処分が免除されますので、当時の本部長に対して注意を与えたのであります。
 次の千五百二十号の「必要のない工事を施行したもの」につきましては、これは仮復旧後八カ月を経過しておるのでありますが、多少の期間は経つておりますが、先ほどの御指摘通り、災害を受けました浮標等の購入にとどめまして、交換工事は適当なときまで差控えるのが妥当であつたと思われますので、災害復旧予算に対する見解を誤つてこれを施行したものと認められるのであります。従いまして、関係責任者が故意又は重大な過失によつて甚だしく国に損害を与えたものとは認められませんが、且つ又この責任者は千五百十八号の不当事項によつて懲戒処分を受けたものと同一人であることも考慮いたしまして、再びこんな事項を繰返さないように厳重に注意を与えまして懲戒処分は保留することにいたしたのであります。
 以上をもちましてこの批難事項に当る以後の海上保安庁のとつた措置、並びにその責任者に対して処罰した関係を順序を逐つて申上げたわけであります。

発言情報

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発言者: 島居辰次郎

speaker_id: 15839

日付: 1954-11-09

院: 参議院

会議名: 決算委員会