福島慎太郎の発言 (労働委員会)
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○説明員(福島慎太郎君) 調達庁関係と申しますか、いわゆる駐留軍労務の関係につきまして本日の委員会で、いろいろ当面問題もたくさん出ておりますので、当然御質問も御頂戴することになると思いますが、その前に甚だ勝手でございますが、一応全般的な情勢を、今日の情勢並びにここに至りました背景などにつきまして一応御説明をさせて頂きたいと思います。
御承知のように駐留軍労務の関係と申しますのは、アメリカ軍、大体においてアメリカ軍でございますが、最近は国連軍関係もございまして、現在ではその労務者といいますかは十八万七、八千、かれこれ十九万近くあるわけであります。最近いろいろな問題が起つておりますが、その根源になりますのは、昨年来問題になつておりました労務基本契約が未だにできてないというところから来るわけであります。労務基本契約交渉の状況はどうなつているかということが先ず以て一番の重要問題になるわけであります。労務基本契約と申しますのは、会り初めの頃から申上げますことも恐縮でございますが、占領中労務関係を律しますために基本契約というものかでき、講和発効後占領中のものとはとにかく趣も原則も変つて参りましたので、早速に講和発効後の事態に即応した新契約にならなければならないということで改訂交渉が始つたわけであります。ところが占領後すぐ始つたのでありますが、今日まで未だにできておらないというのが現状であります。私どもは昨年の夏からこの問題に携わつて参りましたが、昨年の夏までかれこれ二カ年かかりまして進捗しない。昨年の夏は御承知の通りの全駐労並びに日駐労のストライキというところにまで発展いたしましたのですが、その後ストライキを契機といたしまして交渉も析出に進捗いたしまして、昨年の十月一日には基本契約のうち、本文につきましては米軍の代表者ハンロン少将、日本側の代表者私でございますが、この間に調印を了したということになつたわけでございます。
ただその際に問題となりましたのは、調印はできたのであるが、効力はいつから発生するかという問題がありまして、これには主文だけでは細かい細目がきまつておらないのであるから、附属書が当時は四つあつたのです。四つの附属書並びにそれ以外の労働政策指令という名を付けておりますが、そういつた関係の附属書類が完成するのを待つて一齊に効力を発生させることにしたいということにきまりましたので、調印はできておりますが、未だに効力を発生せずして、従つて未だに占領時代の契約によつてやつておるという現状になるわけでございます。その際に、附属書その他が完成するまで発効を待たせられるということは、技術的にいつて確かにその必要があることは承認せざるを得ないが、併しその中に例えば保安解雇といつたような問題については占領中の契約とは全然趣を異にした画期的な保安条項というものも主文の中にきまつたのであるから、これは非常にいいことなんだから、全部の効力の発生を待たなければ首尾一貫しないという点があることは承認するが、こういつたたちの問題については部分的に先に効力を生ぜしめるという措置をとろうではないかという大体の話合いができておりまして、従いまして昨年の十一月以降の情勢と申しますのは、主文は済みましたので、附属書について交渉を続行するということ、主文中の重要なものについては部分的に効力を発生させるという処置をとること、これに全力を挙げたわけであります。そこで新らしくできてまだ効力の発効を待たせられております主文の中で最も意味の深い保安解雇といつた問題について、従来の契約で言えば軍側の決定次第で即日解雇ということになつておりましたものを、日本側との協議体制のはつきりしたものにする、救済方法の付いたものにする、その部分発効というものを引続いてやろうということで、十月、十一月、十二月と交渉はかなり長引いたのでありますが、漸くそれが二月二日に保安解雇に関する部分発効的な協定ができた。
ところがその際にこういう理論が一つありました。新契約というものは調印は了しておるけれども、効力は発生しておらない。そうすると現在テクニカルに言えば、効力を持つておるのは旧契約である。旧契約の一部というものを有効にするためには新契約の一部発効ということではいけないのであつて、古い契約のサプレメンタリー・アグリーメント、付属協定ということで古い契約の一部を改正する。従つてこの部分発効の親は古い契約であるということでないとちよつと辻褄が合わんということで、私どももそれに同意いたしまして、二月二日に古い契約の部分的改正ということで新契約の一部か効力を発生したということになつたわけなんです。これがまあその当時はその理論で差支ないと思つておりましたのですが、ちよつと今日に至りまして、それがもとでいささか困難も招来したことがあるのでございますが、これは後ほど申上げますが、部分発効をすべきものと考えられたうち最も重要なものだけは一応それで効力を発生させ、残る二つばかり予定したものもございましたのですが、このほうは未だに効力が発生しない。まあ問題も比較的重要でない点もありますので、部分発効ということで事態を緩和させるということが目的でもありますし、実質的でもないということで今日の話題には余りなつておらないということになつておるわけです。問題の附属書その他の処置がどうなつておるかということが一番重要な問題に今日なるわけであります。
附属書は四つでございまして、その一、二は給与に関連する、三は人事手続、管理手続に関する面、四は船員に関する特例、こういうことになつておりますのですが、一番大きな問題と申しますのはその附属書の一、二の関係であり、これが本来申しますと、これはまあ忌憚なく申上げれば、組合の指導者諸君に言わせれば主文その他の重要問題が、主文で青筋を立てて我々も議論したのであります。か、十九万人の人全部の意味から言えば、保安解雇といつたような問題が仮にあるにいたしましても、これは年に五十か六十か、それよりも給与表の改訂といつたような問題は非常な重要問題に全部の人にはなるわけでありまして、どちらかと言えば注文二十何ヵ条よりもアネツクス・ワン・ツーというほうが大きい問題だということは確かに言えることなのでありますが、根本的な問題につきしてはいろいろ議論もあるわけであります。旧契約のスケジユール・Aとして知られております現行の給与規程というものは一つ一つ附足したものでありますので、全体として調和が取れてない、統一が取れてないという面は確かにあります。それに対してアメリカ案としてはアネツクス・一、二という形で全部を総合したものが出て来ておるという点は、確かに形としてはよくなるということは言えるのでありますが、どうしても実際問題として給与が効くという問題もあるわけであります。そこでこの問題にかなり手間を取りましたのでございますが、我々の考え方としては、アネツクス四つ、その他の附属書、こういう非常に厚さの厖大なものでありますので、これを一々本来ならば組合の意見も入れて、三者の間に会議を重ねて行くべきものでありましようけれども、それではいつになつたら基本協約ができるかわからないということで、その大きなものの中には極めて事務的なものも相当入つておる。従つてこれらは事務的なものとして、組合の意見は我々も調達庁としては連絡もし、意見を聞くけれども、きめ方としては調達庁で責任をとつて米軍の間でばたばたきめてしまいたい。残る重要な問題について、例えば特別退職手当の問題とか或いは有給休暇の問題とか、かなり重要な問題でありますが、それらの点をできるだけしぼつて、五つにするか、六つにするかあとに残して、それ以外の部分は先ず片付けてしまいたいということで、組合側とも或る程度相談はいたしておりますし、そのやり方というものには同意を得ておるつもりでありますが、事務的に大部分は実は片付けてしまつたという状況になるわけであります。勿論これは我々は事務的であるからこつちから片付けてしまうという問題に対して、組合のほうは三者でやつてもらわなければ困るという意見も多々あると思いますけれども、そういつたことで余り問題を多く残しては困るが、本来言えば組合の意見も多く言いたいところだろうけれども、我々としてできるだけ事務的なという解釈の幅を拡げて、多少組合に無理を忍んでもらつても、事務的事務的と称して片付けてしまつたということは事実であります。一部分そういつた関係でアネツクス、その他の問題も片付きまして、ここに組合としても最も重要な関係を持つておる問題、特別退職手当、有給休暇、その他の問題を数個あとに残して、問題の整理が相当に付いたというところになりますので、これから組合、調達庁、米軍といわゆる三者会談の形式で重要問題を一つ討議して行こう、去年のストライキ以後やつておりましたような協議交渉形式にこれから始めて行こうというまでの準備をいたしたつもりであります。
ところがその間アメリカ側の担当者その他の総人替わりその他もありまして、若干時間的ズレも生じまして、本格的な三者会談による協議というものが始まらないで、この夏に差かかつて参つたわけであります。そこへ北海道における陸軍移駐の問題或いは陸軍の予算削減による大量の人員整理という問題が出て参りましたというのが現状であるわけでございます。それ以上ちよつと速記をとめて……。