福島慎太郎の発言 (労働委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○説明員(福島慎太郎君) 要するに北海道問題或いは全般的な陸軍の予算削減に伴いまして、では何がそこに起るか、我々に関しまする限りは特別退職手当という問題になるわけであります。特別退職手当の問題という経緯を一応申上げますと、駐留軍労務者というものは官公吏と違つて永久的な勤務ではない。従つてその給与というものも官公吏よりは少しは分がよくてもいいのだということは一応の根本原則になるわけで、曽つて過去において駐留軍労務者の給与がきまりますときも、給与のベースも大体一割増という線にきまつた。退職手当の規定というものも官吏の退職手当の規定にちよつと上廻る線できまつておるわけであります。それでそのままでくれれば何ということはないのでありますが、ところが順政府の、日本の官吏の行政整理の問題がここ数回ございました際に、官吏の退職手当の規定が一部改正されて、存職年限の短い者については最低保障という思想がくみ入れられたわけであります。従いまして二年、三年が、特に二年以下ですが、二年以下の官吏の退職手当は駐留軍労務者の二年以下退職手当よりもいいということに、官吏のほうが上つて来て追越してしまつた。そこで私どもはその事態は是正さるべきだと考えております。これに対して組合から従来の駐留軍労務者の退職規定の八〇%増の特別退職手当の計算が出ておりますが、これは正直のところちよつと話が大き過ぎると私は考えております。実益はありませんけれども、比較してみますと、十年という在職者は本当はないわけでありますが、十年或いは五、六年でもいいのですが、その辺になりますと、現在の官吏の退職金のかれこれ三倍、若しくはそれ以上ということに組合の案ではなるのでありますが、これはいいとか悪いとか申上げておるのではございませんか、実際上の意味から申しましてこの案ではちよつと通るまい。又通らなくても仕方がないと私は考えております。併しながらこの二年、三年という年数のものについて官吏より下廻つておるという面は是正されなければならないというふうに考えております。ただ問題はまあ非常に複雑しておりまして、申上げただけですと非常に簡単なのでありますが、早い話が官吏で一年未満で行政整理に出会つた者は、今申上げました最低保障がありますから、二・七カ月分ですか、これだけは最低保障としてもらえることになる。失業保険ですか、これが六〇%の六カ月でありますから、三・六カ月これは誰でももらえることになる。官吏の一念未満の最低保障は、それに達しなければ失業手当の六カ月分三・六というものはこれは保障されておるということになる。駐留軍労務者の場合には失業手当のほうはこれは全部もらえますから、三・六は取れる。それに退職金がこれは官吏の一年未満の退職金より少いにしてもそれはプラスになる。そうすると失業手当という問題を仮に勘定に入れてみれば、現在でも退職手当という名前の付いたものは官吏のほうが多いが、金としては駐留軍労務者のほうが多くないかという議論がすでに一つある。それに関しましては恩給の関係とか共済組合の関係とかいろいろなことが言えるだろうと思います。
 それからもう一つ駐留軍労務者について言われることは、駐留軍労務者というものが講和発効の際に一遍勤務関係を清算して退職金を取つてしまつた。それで現在の者は全部二年近所になつ、来ておる。あのときに清算がされておらなければ現在の者は大抵は七年くらい、七年ということで計算をしてみると、現在の程度においてすら官吏の退職金より駐留軍労務者の退職金のほうが多いのではないか。先に退職手当を取つて全部が二年になつたから少くなつただけの話で、本来から言えば駐留軍労務者関係の退職手当のほうがそれは多い。前の退職金でも返してくれれば考え直してもいいという議論を恐らくはアメリカとしてはするだろう。一遍払つてしまつたものは我々のほうとして、どうすることもできない関係もありますので、その点の問題といたしましては、私どもは講和発効時に清算した問題について触れたくないという考え方で交渉いたすつもりでありますが、問題の複雑な点はさような点があるわけでありまして、二五%に達する予算削減に伴う陸軍全般的な行政整理という問題につきましては、その実際の最初の解雇者がいつ頃出るかということは、まだ我々が同意しなければきまらないわけであります。成るべくそれを早い時期にやりたい。それがどういう数できまりますか、一万とか一万五千とか、二万という数字がどうきまるか、一万を或いは判ることに交渉の結果なるかも知れないとも思つております。二万だの三万だのと言われたのでは一遍に首切るというわけにも参らんかと思います。或る程度の数におさまつた数になるのであれば、まだそういう決定もいたしておりませんし、アメリカ側に私の意見も言つておりませんが、できるだけ早く処置をきめて解雇というところへ持つて行きたい。もとが金の節約にあるのですから早く人の首を切ればほかの人が助かる。事務でごたごたして遅れますと、解雇者が殖えるという関係になります。できるだけ早い機会に数を確かめた上で、できれば一遍に解雇者を出すほうの方式が正しいのじやないかというような考え方をしております。
 只今まで申上げましたところが大体基本契約の交渉状況それからその後起つた保安隊との問題、解雇の問題、陸軍の全面的な行政整理の問題に伴います特別退職手当の問題、こういう諸点に関します一般の状況の御報告でございます。
 なお御賛同がございましたら当然お答えしなければなりませんので、後ほど更に申上げたいと思います。

発言情報

speech_id: 101915289X00319540805_014

発言者: 福島慎太郎

speaker_id: 31134

日付: 1954-08-05

院: 参議院

会議名: 労働委員会