田村文吉の発言 (労働委員会)
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○田村文吉君 今の最後のお話の問題でありますが、これは私ちよつと考え方が違うのですが、一応縮小均衡ということをお考えになるのは無理はないと思うのです。又或る程度輸入の贅沢品を減らすという考えから輸入が減るのですから、当然そういう意味においての縮小均衡ということも考えられないわけはないのでありますが、今国内で八千六百万の人たちがどうにか食つて行かなければならない問題に当面している。まあ甚だ言葉が悪いのですが、成る程度鎖国的な考えでもいいんだから、国内は国内で生きて行くということを一つ考えなければならない。ただ食糧は足りない、食糧はできるだけ国内で需給するけれども、外国から持つて来るものは止むを得ない。やはり食糧は入れる。これに対抗してやはり輸出というものもできるだけ一つやる。今日一五〇幾つになつておる生産指数は下げないで、一つこれを維持してやつて行く方法はないか。こういうところが私一番今日の政策の分れる問題じやないか。或いは私の申上げることが放漫だとお考えになるかも知れないけれども、私はもうここまで来ると、これを縮小してしまえば失業者は町に溢れるのはきまつている。きまつているので、じや溢れても或る程度止むを得ないのじやないかということはちよつと言い得ないのでありまして、無論公共事業で或る程度吸収なさるとおつしやつてもやはり予算を伴う問題でありまして、公共事業の吸収ということは言うことはやすいが、なかなか実際問題としては困難である。できるだけ自由主義経済においては自由に、お互いに創意工夫によつてこれを活かして、できるだけ失業をなくして仕事を活かして行く、こういうことが必要なのです。先ず第一に、それでさつき申上げましたように外国から持つて来んでいいものを外国から持つて来てやるということはこの際とめてしまうということ、国内で石炭の原価を下げてもらう、労働者に耐乏生活をしてもらうが、生産費も安く上げて、これを外国から持つて来るのはやめてもらう。こういうことになれば炭鉱というものは生きて来る、こういう考え方に持つて行くべきだ。これは私自分の関係している仕事を申上げては恐縮なんですけれども、人絹パルプにいたしましても、外国から七万トン以上の輸入品を持つて来る。業者に言わせると、輸出するから輸入がそれくらいあつてもいいんじやないか。今日の日本の輸入状況を考えると、外国からパルプを持つて来んで、国内にあるパルプでそれでやつて行こうじやないか。一、二年しているうちにどうにか日本の経済というものも非常に落着いて来るのじやないか。こういうように、こういう場合においてはそういうようなことが非常に多いのじやないかと思う。国内においては無論物価が下るということは私ども結構なことだと思うのですが、そうかといつて仕事がなくなるということにならないように、物価が下つても下つたで、お互いの経済をがつちりと一つ苦しいながらも辛抱して、失業者を余り出さないようにやつて行けると、こういうことが願わしいように思うので、或る程度まで甚だ鎖国経済みたいな形になるかも知れないけれども、その点は一つお考えになつて頂いていいのじやないかと思うのでありますが、今の経済の一五〇幾つのものを一三〇にするとか一〇〇幾つに縮められたのでは、これは又非常に失業者も今以上に殖えることになるので一応心配なんで、ただそれを公共事業で吸収すればいいじやないかという簡単なことじやなかなかいかないのじやないかと、こう思うのでありまして、まあ甚だ意見を申上げて恐縮でしたがもう一度大臣にそういう点についてのお考えを願えれば結構だと思います。