中曽根康弘の発言 (予算委員会)
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○中曽根委員 委員長の進退問題をこれ以上御質問申し上げませんが、あなたのことであるから必ずや善処すると私は思つております。吉田総理大臣の病気は、実は医者や薬ではなおらない病気である。決算委員会がやむとか、田中決算委員長が辞任するということであの病気はなおるだろうと私は思つておる。今あなたがお医者さんに会つたと言われるが、どんなお医者さんであるか私はきわめて疑わしいと思つております。しかし時間の都合上質問を進めます。
まず緒方さんに総理大臣の代理として御質問申し上げたいと思います。きようは総理大臣が出ると思つて総理大臣用の質問を用意して来ましたので、ちよつと見当が違いますが、どうぞ総理大臣になつたつもりでその職務を正当に行使していただきたいと思います。吉田さんはどう思つているか知らないなどという御返答は、こういう重大な事態でありますから、どうぞ御返答にならないようにお願いいたしたいと思います。
吉田さんは今度国会へ出て参りまして、わが党の松村政調会長の質問にもあるいは川崎代議士の質問にも、非常にいたけだかになつてお答えになつておるようでありますが、実はわれわれも国民もちよつと予想外であつたのであります。ということは今度国会がいよいよ召集される前に、吉田さんが例の書簡を総務会に出して、辞任される、総裁をやめられるという予告をなさいました。そこで全国民及びわれわれは、いよいよ吉田さんも最後をきれいにするか、ああいう御老人がああいう態度に出て来られたならば、われわれも敬意を表さなくちやならぬ、今度の国会ぐらいはきれいに送つてやろう。この間の新聞によるというとイギリスのチャーチルを送るのに、労働党のアトリーが非常な讃辞を呈して、壁画まで贈つたということが出ておりましたが、われわれはそこまで行かなくても、せめて保守党の議員でティ・パーティぐらいやつて送別をしてやることが大事であろう、そういうことをわれわれは考えて上京して来た、現に社会党の今澄君のきのうの質問を聞いても、そういう友情があふれておる言葉がありました。私のような吉田さんに一番憎まれておる人間でも、そういう気持で出て来たのですから、ほかの代議士の諸君がそういういたわる気持で上京したことは間違いないと思う。ところが吉田さんはどういうものでありますか、今日の事態が志と違つたのでありましようか、非常にいたけだかになつて来ておられる。まつたくこれはわれわれは予想外であります。吉田さんが今日出られないという理由も、われわれはある程度想像がつくのであつて、吉田さんの非をこれ以上追究しようという気持はそうありません。吉田さんも国家のためには非常に努力された方であり、われわれも正直に申し上げれば、われわれと主義主張工は違うけれども、しかしあの人一流の吉田式の愛国心を一徹に張つてやつておられる。その努力はやわりわれわれは認めてやらなければならぬ。老人であるけれども、なかなかそういう点では内心は敬意を表しておつたのです。しかし吉田さんがああいういたけだかな態度になつて、今日ですら出て来られぬということは、まことに予想外でありまして、国民もおそらくそうであるだろう思います。吉田さんがわれわれのこういう考え方に対してどういうふうにお考えになるか、これは吉田さんの御自由でありますが、われわれがそういう気持を持つておつたということだけは、副総理大臣から吉田さんにもぜひ伝えておいてもらいたいと思います。わかりましたか。
そこで吉田総理大臣のかわりの緒方さんにお尋ねいたしますが、きのう川島議員の質問に対して、政局安定ということは保存の勢力の結集である、またそれに対して現在でも望みは捨てておらぬ、こういう御答弁をなさいましたが、やはりそのようにお考えでありましようか。そうしてどういうふうにこれを進めておやりになつたらいいと考えておられますか、まず御質問いたしたいと思います。