小松繁の発言 (電気通信委員会)

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○参考人(小松繁君) 只今委員長から日本放送協会の放送網に関しまして、難聴地域を解消するための施策について御質問があつたので、それについてお答いたしたいと存じますが、只今お手許にあります資料にその概要が具体的に書いてございます。最初に、表は別でございますが、本文のほうを読みまして、あとでこれに説明を付け加えたいと存じます。一度読みます。
   日本放送協会標準放送網計画について
  放送網計画は次の順序によつて行う。
 1 第一放送
   第一次計画として次の各項の解決をはかることとし、三十年度においてそれを実施する。
  一 全国放送電波が極めて微弱にして聴取困難なる地域
  二 混信が大なるため聴取困難なる地域
   第二次計画として三十一年度より三十三年度間において先ず全国放送電波強度の不足の地域、次いで地域別放送難聴度のはなはだしい主要地域の改善をはかる。
 2 第二放送
   第二放送については、第一放送と同じく全国あまねく聴取可能なようにすることとし、三十年度にを利用できる局の実施にとどめる。
 3 大電力局については難聴及び外国電波による混信を考えて三十年度より実施する。
 4 右計画の完成後、混信状況、受信機の普及状況、雑音状況の変化等を勘案してその後の置局増力等を考慮する。
   以上を更に具体的に説明すれ
  ば、二十九年度の実施局は難聴地域の名寄、気仙沼、木曾福島、津和野とし、更に高知西部山岳地帯の救済のため高知増力までの間の臨時施設として檮原に新設する。
   三十年度の実施局は大船渡・倉吉のほか、高知西部の救済のため中村の増力、秋田増力により能代市地方の救済、又、静岡増力により富士宮市方面の難聴及び外国電波の混信救済、また福岡大電増力
  によつて熊本県山岳部の難聴並びに長崎県北部方面の外国電波の混信を救済する。更に三十一年度以降の実施局は札幌の増力によつて瀬棚方面の難聴、北海道全体にわたる外国電波の混信を救済する。
 本文は以上でございます。
 これにちよつと説明を付け加えたいと存じますが、最初にあります第一放送の聴取困難なる地域、これの施策を我々は先ず優先的に考えまして、それの解決を図ること、その次に混信が大きなために聴取が困難なる地域、これも第一優先として、この二つについて実施することにしたいと考えているわけでございます。これに続きまして次の三十一年度より三十三年度の間におきましては、全国電波が一応或る程度聞えておりましても、強さが十分にないために或る程度の混信があるとか、或いは或る程度の雑音のいささかの障害があるとか、或いは又割合に弱いとかという地域に対しましては、それの救済も考え、それに引続きまして、一応はほかの局が聞えておりましても、地域別のその県の情勢なり、或いは気象なり、それらに対する地域放送が聞えるようにするためには、これが非常に聞えにくい所にはこれが聞えるように主要な地域を先ず考えて、その解決を図つて行きたいというのが、第一放送に対しての趣旨でございます。
 で、一応第一放送に重点を置きまして、これらの施策を図りまして、それに引続いて第二放送をやる考えではございますが、ただ第二放送を第一放送が完成した後にやるという場合には、時期を分けますと、非常に建設上の不経済がございましたり、共通の施設に対する予備とか、いろいろな技術的な設備の不経済というようなこともございますので、できる範囲ではこの第二放送の施設をして行くために第一放送に大きな影響を与えない範囲では、第二放送も或る程度は並行して実施して行きたいという考えでいるのでございます。
 第三番目の大電力につきましては、これは一応難聴地域の解消にも役立つのでありますが、特に夜間におきまして外国電波の混信が相当ありまして、その影響を受けますところの広汎な地域に対する解消を大きな目的といたしておりますが、これは三十年度以降におきまして、この大電力の建設を実施したいという考えでございます。
 もう一つ付け加えて申上げますと、この外国電波の混信は昼間におきましては殆んどないのでありまして、夜間だけの現象でありますが、放送協会の使命といたしましては昼、夜にかかわらず常に良好な状態において受信できるようにする責任があるように考えます。従いまして大電力局はそういう目的で難聴地域の解消と併せまして考えているわけでございます。
 大体以上申上げましたような考え方で具体的な実施計画を立てますと、ここに付けてあります表のようになるわけでございます。で、これだけの局を二十九年度から三十三年度にまたがりまして、その間五カ年間になるわけでございますが、二十九年度におきますものはこれは一応決定いたしまして、すでに着手して殆んど大部分ができ上りかかつている状況にまで進展いたしております。で、三十三年度に一応この表の一番下の所に全国世帯数カバレージと書いてありますが、このカバレージにおきまして、第一放送のほうは、二十九年度におきましてはこれだけの局の施設を行いますことによりまして、九八・六%の世帯の人は良好な状態で放送が聴取できる世帯数のパーセンテージでございます。三十年度におきましてはそれが九八・九%になりまして、三十三年度の最後におきまして、これだけの施設をいたすことによりまして、それが九九・五%にまで改善されます。
 ここに一言ちよつと付け加えて申上げますが、この九九・五%という数字でございますが、これは放送局の開設の免許を与えられる際の基準にしてございます放送区域の指定をいたす際の電波の強さというのが郵政大臣から指定になつております、全国各地に亙りまして……。一応その数字をとりまして、その中に入る世帯数を調べますと、この数字になるわけでございます。併しながら実際問題といたしましては、その数字に少し満たなくても、良好に聴取できる地域も或る程度あるわけでございまして、一応放送されます限界強度から言いますならば、九九・五でございますが、実際には一〇〇%になるという見通しでおるわけでございます。それから第二放送のほうは数字が少し小さくなつておりまして、最後の完成後におきましては九七・一という数字になつておりますが、これも実際に聴取できる、割合に実用になる受信状態になる世帯数の範囲を考えますと、ほぼ一〇〇%に近い数字になつております。
 以上が放送網を一応を許される範囲での第二放送、それから或る程度の地域別放送というものも全国あまねく第一放送を優先といたしまして、それの完成と同時にそれも併せて考えるという方法をとりまして、一応の放送網が完成するという考えで我々おるわけでございますが、これらの局を実際に全部やりますためには、一応或る程度の混信等で、幾ら実用になりましても、受信状態が必ずしも十分でないという地域も幾らかはあり得るとは存じますが、この外国電波の混信或いは都市におきまするところの雑音というものは、現状で言うならば先ず一〇〇%に近い良好な聴取状態にまで解決できるという見通しが立つのでありますが、これは我々の力の及ばない外国の電波の混信であり、都市の雑音の発生問題でありますので、それの因が将来若し非常に大きく悪影響を与えるように変化いたしますならば、我々といたしましては、これに対して施策をその際に又考えなければならんというふうに考えられるのであります。それから又全国に普及いたしております現在の受信機が将来スーパーのように、だんだんスーパーの数が殖えておりますが、受信機が非常に優秀な受信機にどんどん代りまして、普及いたした際を考えますと、或いはここまで徹底してしなくてもよい場合があるかも知れません。又現在は幾ら実用になつておりましても、聴取状態があまり十分でないと考えられる地域も或いは相当よくなるという場合もあり得るかとも思います。それらの変化に応じまして、我々将来その際に又考慮を加えて行きたいというふうに考えておるわけでございます。
 概要以上で説明を終ります。

発言情報

speech_id: 102014847X00119541202_006

発言者: 小松繁

speaker_id: 13642

日付: 1954-12-02

院: 参議院

会議名: 電気通信委員会