鳩山一郎の発言 (本会議)

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○国務大臣(鳩山一郎君) 鈴木君の御質疑に答弁をいたします。
 鈴木君がまず第一にお問いになりましたことは憲法第九条についてと思います。(「違う違う」と呼ぶ者あり)違いますか。憲法改正について私の従来主張しておつたのは、鈴木君のおつしやる通りであります。そうして、その前に、憲法改正に付随してですか、にかく管理内閣のくせに大きな政策を発表しているのはけしからぬというお話でありました。社会党と三党首の会談をやりまして、解散を早期にするというような話し合いをいたしました。しかし、社会党は管理内閣という希望のもとに早期解散を言われたのかもしれませんが、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。(拍手、参発言する者多し)選挙をやりますれば、当然にわが党は第一党になりまして、再び政権をとるということは当然なことのように思つておりましたから、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。(拍手)管理内閣と考えておらないために、いろいろの政策の大綱をきめまして、そうしてこれを天下に問うたわけであります。とにかく、われわれの考え方は、できるだけすみやかに、できるだけ広い範囲内において政府の考え方を国民に示し、国民の納得と支持とを求めるやり方が民主政治のやり方なりと確信しておるがために、われわれの考え方の大綱を示して天下に信を問うたのであります。もしも選挙においてわれわれが発表した政策に共鳴を得ますれば、自信を持つてこれが実行に移る次第でございます。(拍手)
 憲法改正につきまして、鈴木君は、徴兵制度をとるかどうか、いつごろこれを実行する計画があるのか、防衛力云々、協力関係これはアメリカとどこまで一緒にやつて行くつもりであるかというような御質問であつたと思います。徴兵制度につきましては、今は考えておりません。いつごろが適当な時期かは、もう少し自由党が本心に返つてわが党と協力をするというようになりますれば、これは憲法改正ができますけれども、ただいまのようにまだ保守党の間において意見が一致しない限りは、憲法改正をやろうと思つてもできないのであります。御了承を願いたいと思います。(拍手)
 アメリカと相提携して中ソに当るというような考え方は、私は少くとも持つておりません。ただ、第三次世界大戦を避けんとする熱望は、これは全世界国民のひとしく熱望しておるところでありまして」この世界の平和をいかにして持つてくるかということについて、まず自由主義国家がお互いに緊密な提携をしていくことは必要である。と同時に、国交の開けていない中ソ等とも交通を自由にし一貿易を増進してこれを敵にしない、これとも協力関係に立つてお互いに有無相通じて平和の方が自分たちの生活が気楽になり繁栄するということを互いに体験する必要があるというふうに考えている次第であります。(拍手)
 東南アジアとの防衛同盟ということは、ただいまは考えておりません。今日のところ、SEATO同盟に加盟することはまだ時期でないと思つております。鈴木君のおつしやることはSEATO同盟のことであろうと思つて答えたのでありますが、もしもSEATOでなければ是正していきたいと思います。
 外交方針について重光外務大臣と私との間において何か食い違いがあるようなことを指摘されましたけれども、それは断じてありません。重光君も同様な考え方でありまして、アメリカとの関係は、親密の度をできるだけ密接にする必要があるけれども、同時に中ソとの国交を調整していきたい、そのためには、中ソとの交通を自由にし、貿易を増進していきたいという考え方でありまして、少しも食い違いはないのであります。(拍手)
 デフレ政策のことはよくわかりませんから、一萬田君から答弁していただきます。
 末段において、鈴木君は、国民道徳の高揚あるいは選挙の公明運動についてお話がありましたが、全くの同感でありまするから、こういう事柄については、どうか協力して一致の行動をとりたいと思います。(拍手)
 以上をもちまして私の答弁を終ります。(拍手)
    〔国務大臣重光葵君登壇〕

発言情報

speech_id: 102105254X00819550123_007

発言者: 鳩山一郎

speaker_id: 28307

日付: 1955-01-23

院: 衆議院

会議名: 本会議