本会議
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会
会議録情報#0
昭和三十年一月二十三日(日曜日)
議事日程 第八号
午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑
—————————————
●本日の会議に付した事件
国務大臣の演説に対する質疑
積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員の選挙
午後三時九分開議
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午後一時開議
一 国務大臣の演説に対する質疑
—————————————
●本日の会議に付した事件
国務大臣の演説に対する質疑
積雪寒冷単作地帯振興対策審議会委員の選挙
午後三時九分開議
松
松
緒
緒方竹虎#3
○緒方竹虎君 諸君、私は、昨日行われました鳩山内閣総理大臣の施政方針演説に対して質問をいたし、その所信をたださんとするものであります。拍手
第一に私のお尋ねいたしたい点は、鳩山総理が、去る十二月二十一日の予算委員会における言明に反して予算案の提出をせず、しかも施政方針の演説だけはこれを行うという無責任な措置に出られたことについてであります。拍手内閣の最も重大な任務は、毎年度の予算案を編成し、これを国会に提出することであります。これは憲法第八十六条に明定された義務であり、また財政法第二十七条によつてその時期も通例十二月と定められているのであります。鳩山総理は、去る十二月二十一日の予算委員会において「予算はどうしてもつくらなくちやならぬのです。予算の提出は法律の命ずるところでありますから、これを出さぬといつたら法律違反をやるわけであります。」と明瞭に答弁をされました。拍手ただいま私の申しましたところは速記録の字句そのままであります。しかるにもかかわらず、予算編成の期間を十分持ちながら、遂に予算案を提出しないということは、まさに憲法に定められた内閣の責務を放擲するものであります。拍手また、いやしくも内閣総理大臣の言明についてこれほど正面切つて大胆な食言を行われたことは、かつて類例を見ないところであります。拍手その政治的責任は重大であると申さねばなりません。
思うに、鳩山総理みずからが、予算案は必ずこれを提出すると言明されたにかかわらず、これを提出しないということは、一体何を物語るものでありましようか。これこそは、鳩山内閣の国民を欺偏する選挙宣伝的政策が予算的には絶対に実行不可能であることをみずから告白するものにほかならないのであります。拍手
組閣以来、現内閣は、その地位を最大限に悪用し、全然予算の裏づけなしに各閣僚が勝手に放言を重ね、これがすべて今すぐにでも実現できるような欺瞞をあえてしているのであります。拍手もし予算を編成するとなれば、たちまちにして馬脚を現わし、全く信用を失墜するので、これをおそれて、憲法上の責務でもあり、総理もこれを言明されたところの予算の編成及び提出の責務を放擲したものと断ぜざるを得ません。拍手しかも、一体予算案の提出もしないで、すなわち予算的に一体実現可能かどうか、またどの程度に可能なのかも明らかにしないで、施政方針の演説だけはこれを行うなどいうことは、良心ある責任政治家ならばとうていできないはずであります。拍手私は鳩山総理にただしたいのであります。一体、十分の時間的余裕があつたにかかわらず、予算案を編成しなかつた理由は何でありますか。また、昨年十二月二十一日の総理の答弁によれば、予算を出さなければ法律違反であるとみずから明言されておりまするが、これに対しいかなる責任をとられるのか、明確に御答弁を願いたいのであります。拍手
第二に私が究明いたしたい問題は、憲法改正と自衛に対する鳩山総理及び鳩山内閣の態度についてであります。総理は自衛隊の創設と再軍備のための憲法改正とを年来の主張とされ、これをみずからの政治的使命のごとく吹聴くせられておりましたことは公知の事実であります。拍手明朗政治を看板とせらるる鳩山総理は、党を出たり入つたり、また出たり、拍手きわめて不明朗な出処進退をされたことはまことに遺憾千万でありまするが、その出たり入つたり、また出たりされたときの理由づけの一つがこの憲法改正と自衛との問題だつたことは、お忘れにはならないはずであります。拍手それにもかかわらず、一たび政権の座につくや、急に豹変して消極的態度を示すに至つたことは、まことに奇怪千万と申さねばなりません。拍手
しかも、驚いたことには、大村国務大臣は、鳩山内閣を代表して、去る十二月二十三日の予算委員会におきまして自衛の目的であれば原爆、水爆、コバルト爆弾に対処するだけの戦力を持つても憲法違反ではないと明確に答弁しておるのであります。拍手一体、鳩山総理が年来憲法第九条の改正を強く主張された理由は、現行憲法下ではごまかしの軍隊しか持てない、これでは士気が上らず、防衛ができないということであつたのであります。それに、何ぞはからん、現行憲法でも自衛のためならばどんな戦力でも持ち得るとあえて公言さるるに至りましては、変節まことに驚くべきものがあります。拍手施政方針の演説を伺うと、憲法改正問題一般に関する考え方は、かつての行き過ぎを反省され、むしろわれわれの考え方に近寄られたようにも見えまするが、総理の変節は明らかにされねばなりません。
そもそも憲法は国の基本法典でありまして、軽々に手をつけるべきものでないことは申すまでもありません。しかしながら、現行憲法は、その内容においてあくまで尊重すべき数々の原理、原則を含んでおりまするが、他面、その成立の過程におきまして、占領下において押しつけられた憲法であるという性格はぬぐいがたいものがあるのであります。拍手従いまして、日本再建の根本たるべき民族的信念の問題として現行憲法の再検討をいたすべきことは、われわれの強く主張するところであります。拍手この観点からいたして、われわれは、国の基本たるべき民主主義的諸制度が最も円滑に運営されるための諸問題、すなわち国会の運営、参議院のあり方、自治体のあり方等に最も重点を置いて検討すべきものと考えておるのでありまして、第九条の問題ももとより重要なものの一つではありまするが、従来鳩山総理が第九条のみを目ざして憲法改正を主張されてきたこと自体にも行き過ぎがあると存するのであります。拍手ここではつきりとお尋ねをいたします。総理は、従来の主張に反して、自衛のためならば憲法を改正せずしてどんな戦力でも持つてよいと考えておられまするかどうか、あるいは憲法を改正して自衛軍を創設することを適当と考えておられるのであるかどうか、また、もし後者の見解をとられるならば、大村国務大臣が、内閣を代表して、自衛のためならば現行憲法のままでどんな戦力でも持ち得ると公式に答弁されたことに対し、いかなる責任をとられるのか、明確にお答えを願いたいのであります。拍手
第三に私が追及いたしたい点は、鳩山内閣の外交問題に対する無定見と不統一とであります。拍手鳩山内閣組閣以来の外交に関する幾多の放言は、単なる選挙管理内閣の思いつきとして、さして問題とするに足らないという考え方もあるかもしれませんが、外交問題は、対外的信用の見地からして、単に首相、外相の演説に表われたところのみならず、一切の公的発言が重視されねばならぬのであります。拍手
そもそも、今日の世界において、外交問題はどの国にとつてもきわめて重要な問題でありまするが、敗戦後きわめて微力になつたわが国にとりまして外交問題ほど慎重と賢明な態度を要するものはないのであります。拍手わが国の経済の発展も、独立の保障も、賢明にしていささかの誤まりもない外交の裏づけがあつてこそ初めて可能であることは言うまでもありません。拍手しかも、その根本の基調は、日米協力、国連協力を主軸とし、自由主義諸国との親善友好を確保し、東南アジア諸国との提携を緊密にし、この土台の上に立つて共産圏諸国との貿易回復等も施策することにあり、かくて、あくまでも自由民主主義陣営の一員として世界の平和と祖国の独立発展とをあわせ期することにあると確信するものであります。拍手
翻つて、現下の国際情勢を通観しまするに、インドシナ休戦の実現以来、共産諸国の平和攻勢はがぜん活発をきわめ、一面国際緊張が緩和したかのような様相を呈しつつも、謀略的な冷たい戦争は一そう激化の傾向にあると見られるのであります。ことに、わが国がソ連、中共の集中攻勢の目標とされておることは、幾多の事実によつて立証されるのであります。このような環境下にあるわが国としては、今が外交政策に最も慎重を要するときであると思うのであります。しかるにもかかわらず、鳩山内閣成立以来の外交態度を見まするに、この重大なる外交問題を選挙宣伝の具に供し、驚くべき無定見と不統一とを暴露し、選挙目当ての人気取り政策によつてわが国の対外的信用の失墜をも顧みぬ宣伝が行われておるのであります。拍手
今日、世界では、従来自由党内閣が多年継続して参りましたところの自由民主主義諸国との協調を基調とする外交政策は鳩山内閣によつて一変せられ、日本が共産主義国家群に進んで接近するのではないかという危惧と誤解を持たれておるのであります。拍手このような軽率きわまる中ソ迎合の態度は、たちまちにして共産諸国の乗ずるところとなり、その平和攻勢のほこ先をいよいよ強めておるのであります。そのねらいは一体何であるか。言うまでもなく、日米を離間し、日本を孤立せしめるにあることは明らかなところであります。われわれもまた終局的には共産圏諸国との国交調整をも念願するものでありまするが……(発言する者多く、議場騒然)ただいま申した事情は十分に腹に含んでいかねばならぬのであります。拍手
そこで私が鳩山総理に第一にただしたいことは、今日の冷厳な国際事情をどう認識しておられるかということと、共産主義勢力の脅威をどう考えておるかということであります。今日のようにきびしい東西対立の中にあつて、無力にひとしいわが国が、共産圏にも迎合をし、米英その他自由諸国の信頼をもつないでいくというような二筋道の外交が長くあやまちなく運営せられると信じておられるかどうか。また、かく信ずるについては、諸外国がそれぞれいかなる態度に出るものと予想し、またいかなる外交手段ないし順序によつてそれを実現せんと考えておられるかを、はつきりお伺いをしたいのであります。拍手
外交に関する質問の第二点は、鳩山総理が、去る一月十日の車中談で、ソ連との戦争終結にイニシアチブをとり、解散前にでも手を打つと言明されたことについてであります。重光外務大臣の公式演説がどうであろうと、総理大臣の言明は不問に付し得ないきわめて重大な性質の問題でありまするので、明確な答弁を要求するものであります。拍手一体、日本側から戦争状態終結を呼びかけるとは、何を意味し、いかなる方法をもつてこれをなすのでありまするか。また、その効果はどうなるのでありまするか。また、桑港の平和条約加盟国にいかなる反響があるという見通しでありまするか。これを要するに、鳩山総理は一体いかなる用意と内容とをもつてソ連、中共との国交回復をはからんとしておるのであるか。単に選挙用の放言としては、あまりに重大であります。拍手そこで、はつきりと具体的の構想を明示されたいのであります。
なお、この問題に関連してただしておきたいのでありまするが、総理は、去る十八日の民主党神奈川支部の大会において、抑留者の帰還や領土の返還をあと回しにしても、まずソ連との国交を開く方針だと言われたそうであります。抑留者の帰還や不当占領の解除は、国交調整以前に当然果さるべき国際的義務でなければならないと信ずるのでありまするが、総理はこれをあと回しにしてもよろしいと言われるのは、いかなる所信に基くのでありまするか、はつきりした答弁をお願いいたしたいのであります。拍手
外交に関する第三の問題は、中共に対する考え方であります。去る十二月十当、鳩山総理は、中共、台湾ともにりつぱな独立国だと言われました。重光外相は、十七日、総理のこの発言は中共が中国大陸を支配している事実を述べたにすぎないのであつて、政府としては今直ちに中共を承認する考えはないと訂正発表しているのであります。しかるに、これより先、十一日外務大臣談として発表いたしました外交基本政策なるものの第四項には、われわれは相互に承諾できる条件でソ連及び中国との正常関係を回復する意思を有すると明確に述べております。外交専門家の重光氏が正常関係の回復とは何を意味するかを知らぬはずはないのでありましてこれは、単に普通の国際的緊張緩和を意味するのではなく、まさしく中共承認を打ち出しておるとしか考えられないのであります。拍手昨日の外交演説に述べられましたことく、国際義務に反せざる限り中国大陸との交易を促すというのならば、自由党内閣の従来の方針といささかの変りもないことでありまして拍手現に対中共貿易は、昨年一年の間に、輸出は前年の五百万ドルが二千万ドル近くなり、輸出入合計で四千万ドルをこえておるのであります。しかるに、総理及び外相が特に右のごとき発言をした真意はどこにあるのでありまするか。一体、従来の方針に対し何らか変りがあるかのごとき印象を与えたさきの発言は誤まりであつたのでありまするか。それとも、中共承認のごとき措置を考えておられるの、でありまするか。不用意の発言として済ますには、あまりにも事が重大であります。拍手この点に関し、総理の明確な所信を伺いたいのであります。拍手外交に関する第四の質問は、鳩山内閣の外交方針の真意は結局どこにあるかということであります。組閣以来幾変転したあげくとして鳩山内閣の外交方針は結局吉田内閣の従来の外交方針と変りがないようにも思えるのでありまするが、一体、鳩山内閣は、自由民主主義国との親善友好関係を基調とする吉田内閣の外交方針を変えるつもりなのか、変えないつもりなのか、われわれのみならず、全世界が聞いておるのであります。端的に御答弁をお願いいたします。拍手
外交方針に関する第五の質問は、フィリピンに対する賠償の問題についてであります。鳩山首相は、比島大統領に書簡を送り、賠償問題の早期解決をはかる旨を述べた由でありまするが、具体的にいかなる構想を持たれておるのでありまするか。賠償問題の早期解決は従前から日本政府の要望するところでありまするが、一体従来の話し合い以上にどの程度の賠償を考えておるのでありまするか、またその様式はどうするのでありまするか。これらの具体的構想なくして漫然と賠償解決を唱えるのは、不誠意でもあり、相手国に対しても礼を失するのでありまして、拍手ここに具体的に総額、支払い方法、その他の考え方を明示されたいのであります。拍手そもそも、国内の問題に関しても、政府の責任者が選挙目当ての無責任な放言を慎しまねばならないことはもちろんであります。いわんや、外交問題について、特に賠償のごとき困難な交渉を要する問題について、総選挙を目前に控えた先の知れぬ内閣が、確たる具体案も明らかにせず、単なるゼスチュアとしていろいろな行動に出ることは、まことに不謹慎と申さねばなりません。拍手
以上、これを要するに、鳩山内閣の軽率にして無定見かつ不統一きわまる外交発言には、選挙目当ての人気取りが多分に含まれておると断ぜざるを得ないのであります。拍手責任の地位にある内閣が外交問題を選挙宣伝に利用するがごときことは、最も悪質にしてまた危険きわまりない地位の乱用であり、民主党内においても心ある人々の必ずや深く憂えておられるところであることを信じて疑いません。拍手
繰り返して申しまするが、今日ほど外交の重大な時期はありません。責任の地位にある者の一言一句は直ちに内外に影響を持つものであります。以上の諸問題は、ことごとくきわめて重要でありまして、その影響するところすべてきわめて重大でありまするから、この際、言葉を濁されることなく、明確にして誠意ある答弁を望むものであります。
以上をもつて私の質問といたします。拍手
[国務大臣鳩山一郎君登壇〕
この発言だけを見る →第一に私のお尋ねいたしたい点は、鳩山総理が、去る十二月二十一日の予算委員会における言明に反して予算案の提出をせず、しかも施政方針の演説だけはこれを行うという無責任な措置に出られたことについてであります。拍手内閣の最も重大な任務は、毎年度の予算案を編成し、これを国会に提出することであります。これは憲法第八十六条に明定された義務であり、また財政法第二十七条によつてその時期も通例十二月と定められているのであります。鳩山総理は、去る十二月二十一日の予算委員会において「予算はどうしてもつくらなくちやならぬのです。予算の提出は法律の命ずるところでありますから、これを出さぬといつたら法律違反をやるわけであります。」と明瞭に答弁をされました。拍手ただいま私の申しましたところは速記録の字句そのままであります。しかるにもかかわらず、予算編成の期間を十分持ちながら、遂に予算案を提出しないということは、まさに憲法に定められた内閣の責務を放擲するものであります。拍手また、いやしくも内閣総理大臣の言明についてこれほど正面切つて大胆な食言を行われたことは、かつて類例を見ないところであります。拍手その政治的責任は重大であると申さねばなりません。
思うに、鳩山総理みずからが、予算案は必ずこれを提出すると言明されたにかかわらず、これを提出しないということは、一体何を物語るものでありましようか。これこそは、鳩山内閣の国民を欺偏する選挙宣伝的政策が予算的には絶対に実行不可能であることをみずから告白するものにほかならないのであります。拍手
組閣以来、現内閣は、その地位を最大限に悪用し、全然予算の裏づけなしに各閣僚が勝手に放言を重ね、これがすべて今すぐにでも実現できるような欺瞞をあえてしているのであります。拍手もし予算を編成するとなれば、たちまちにして馬脚を現わし、全く信用を失墜するので、これをおそれて、憲法上の責務でもあり、総理もこれを言明されたところの予算の編成及び提出の責務を放擲したものと断ぜざるを得ません。拍手しかも、一体予算案の提出もしないで、すなわち予算的に一体実現可能かどうか、またどの程度に可能なのかも明らかにしないで、施政方針の演説だけはこれを行うなどいうことは、良心ある責任政治家ならばとうていできないはずであります。拍手私は鳩山総理にただしたいのであります。一体、十分の時間的余裕があつたにかかわらず、予算案を編成しなかつた理由は何でありますか。また、昨年十二月二十一日の総理の答弁によれば、予算を出さなければ法律違反であるとみずから明言されておりまするが、これに対しいかなる責任をとられるのか、明確に御答弁を願いたいのであります。拍手
第二に私が究明いたしたい問題は、憲法改正と自衛に対する鳩山総理及び鳩山内閣の態度についてであります。総理は自衛隊の創設と再軍備のための憲法改正とを年来の主張とされ、これをみずからの政治的使命のごとく吹聴くせられておりましたことは公知の事実であります。拍手明朗政治を看板とせらるる鳩山総理は、党を出たり入つたり、また出たり、拍手きわめて不明朗な出処進退をされたことはまことに遺憾千万でありまするが、その出たり入つたり、また出たりされたときの理由づけの一つがこの憲法改正と自衛との問題だつたことは、お忘れにはならないはずであります。拍手それにもかかわらず、一たび政権の座につくや、急に豹変して消極的態度を示すに至つたことは、まことに奇怪千万と申さねばなりません。拍手
しかも、驚いたことには、大村国務大臣は、鳩山内閣を代表して、去る十二月二十三日の予算委員会におきまして自衛の目的であれば原爆、水爆、コバルト爆弾に対処するだけの戦力を持つても憲法違反ではないと明確に答弁しておるのであります。拍手一体、鳩山総理が年来憲法第九条の改正を強く主張された理由は、現行憲法下ではごまかしの軍隊しか持てない、これでは士気が上らず、防衛ができないということであつたのであります。それに、何ぞはからん、現行憲法でも自衛のためならばどんな戦力でも持ち得るとあえて公言さるるに至りましては、変節まことに驚くべきものがあります。拍手施政方針の演説を伺うと、憲法改正問題一般に関する考え方は、かつての行き過ぎを反省され、むしろわれわれの考え方に近寄られたようにも見えまするが、総理の変節は明らかにされねばなりません。
そもそも憲法は国の基本法典でありまして、軽々に手をつけるべきものでないことは申すまでもありません。しかしながら、現行憲法は、その内容においてあくまで尊重すべき数々の原理、原則を含んでおりまするが、他面、その成立の過程におきまして、占領下において押しつけられた憲法であるという性格はぬぐいがたいものがあるのであります。拍手従いまして、日本再建の根本たるべき民族的信念の問題として現行憲法の再検討をいたすべきことは、われわれの強く主張するところであります。拍手この観点からいたして、われわれは、国の基本たるべき民主主義的諸制度が最も円滑に運営されるための諸問題、すなわち国会の運営、参議院のあり方、自治体のあり方等に最も重点を置いて検討すべきものと考えておるのでありまして、第九条の問題ももとより重要なものの一つではありまするが、従来鳩山総理が第九条のみを目ざして憲法改正を主張されてきたこと自体にも行き過ぎがあると存するのであります。拍手ここではつきりとお尋ねをいたします。総理は、従来の主張に反して、自衛のためならば憲法を改正せずしてどんな戦力でも持つてよいと考えておられまするかどうか、あるいは憲法を改正して自衛軍を創設することを適当と考えておられるのであるかどうか、また、もし後者の見解をとられるならば、大村国務大臣が、内閣を代表して、自衛のためならば現行憲法のままでどんな戦力でも持ち得ると公式に答弁されたことに対し、いかなる責任をとられるのか、明確にお答えを願いたいのであります。拍手
第三に私が追及いたしたい点は、鳩山内閣の外交問題に対する無定見と不統一とであります。拍手鳩山内閣組閣以来の外交に関する幾多の放言は、単なる選挙管理内閣の思いつきとして、さして問題とするに足らないという考え方もあるかもしれませんが、外交問題は、対外的信用の見地からして、単に首相、外相の演説に表われたところのみならず、一切の公的発言が重視されねばならぬのであります。拍手
そもそも、今日の世界において、外交問題はどの国にとつてもきわめて重要な問題でありまするが、敗戦後きわめて微力になつたわが国にとりまして外交問題ほど慎重と賢明な態度を要するものはないのであります。拍手わが国の経済の発展も、独立の保障も、賢明にしていささかの誤まりもない外交の裏づけがあつてこそ初めて可能であることは言うまでもありません。拍手しかも、その根本の基調は、日米協力、国連協力を主軸とし、自由主義諸国との親善友好を確保し、東南アジア諸国との提携を緊密にし、この土台の上に立つて共産圏諸国との貿易回復等も施策することにあり、かくて、あくまでも自由民主主義陣営の一員として世界の平和と祖国の独立発展とをあわせ期することにあると確信するものであります。拍手
翻つて、現下の国際情勢を通観しまするに、インドシナ休戦の実現以来、共産諸国の平和攻勢はがぜん活発をきわめ、一面国際緊張が緩和したかのような様相を呈しつつも、謀略的な冷たい戦争は一そう激化の傾向にあると見られるのであります。ことに、わが国がソ連、中共の集中攻勢の目標とされておることは、幾多の事実によつて立証されるのであります。このような環境下にあるわが国としては、今が外交政策に最も慎重を要するときであると思うのであります。しかるにもかかわらず、鳩山内閣成立以来の外交態度を見まするに、この重大なる外交問題を選挙宣伝の具に供し、驚くべき無定見と不統一とを暴露し、選挙目当ての人気取り政策によつてわが国の対外的信用の失墜をも顧みぬ宣伝が行われておるのであります。拍手
今日、世界では、従来自由党内閣が多年継続して参りましたところの自由民主主義諸国との協調を基調とする外交政策は鳩山内閣によつて一変せられ、日本が共産主義国家群に進んで接近するのではないかという危惧と誤解を持たれておるのであります。拍手このような軽率きわまる中ソ迎合の態度は、たちまちにして共産諸国の乗ずるところとなり、その平和攻勢のほこ先をいよいよ強めておるのであります。そのねらいは一体何であるか。言うまでもなく、日米を離間し、日本を孤立せしめるにあることは明らかなところであります。われわれもまた終局的には共産圏諸国との国交調整をも念願するものでありまするが……(発言する者多く、議場騒然)ただいま申した事情は十分に腹に含んでいかねばならぬのであります。拍手
そこで私が鳩山総理に第一にただしたいことは、今日の冷厳な国際事情をどう認識しておられるかということと、共産主義勢力の脅威をどう考えておるかということであります。今日のようにきびしい東西対立の中にあつて、無力にひとしいわが国が、共産圏にも迎合をし、米英その他自由諸国の信頼をもつないでいくというような二筋道の外交が長くあやまちなく運営せられると信じておられるかどうか。また、かく信ずるについては、諸外国がそれぞれいかなる態度に出るものと予想し、またいかなる外交手段ないし順序によつてそれを実現せんと考えておられるかを、はつきりお伺いをしたいのであります。拍手
外交に関する質問の第二点は、鳩山総理が、去る一月十日の車中談で、ソ連との戦争終結にイニシアチブをとり、解散前にでも手を打つと言明されたことについてであります。重光外務大臣の公式演説がどうであろうと、総理大臣の言明は不問に付し得ないきわめて重大な性質の問題でありまするので、明確な答弁を要求するものであります。拍手一体、日本側から戦争状態終結を呼びかけるとは、何を意味し、いかなる方法をもつてこれをなすのでありまするか。また、その効果はどうなるのでありまするか。また、桑港の平和条約加盟国にいかなる反響があるという見通しでありまするか。これを要するに、鳩山総理は一体いかなる用意と内容とをもつてソ連、中共との国交回復をはからんとしておるのであるか。単に選挙用の放言としては、あまりに重大であります。拍手そこで、はつきりと具体的の構想を明示されたいのであります。
なお、この問題に関連してただしておきたいのでありまするが、総理は、去る十八日の民主党神奈川支部の大会において、抑留者の帰還や領土の返還をあと回しにしても、まずソ連との国交を開く方針だと言われたそうであります。抑留者の帰還や不当占領の解除は、国交調整以前に当然果さるべき国際的義務でなければならないと信ずるのでありまするが、総理はこれをあと回しにしてもよろしいと言われるのは、いかなる所信に基くのでありまするか、はつきりした答弁をお願いいたしたいのであります。拍手
外交に関する第三の問題は、中共に対する考え方であります。去る十二月十当、鳩山総理は、中共、台湾ともにりつぱな独立国だと言われました。重光外相は、十七日、総理のこの発言は中共が中国大陸を支配している事実を述べたにすぎないのであつて、政府としては今直ちに中共を承認する考えはないと訂正発表しているのであります。しかるに、これより先、十一日外務大臣談として発表いたしました外交基本政策なるものの第四項には、われわれは相互に承諾できる条件でソ連及び中国との正常関係を回復する意思を有すると明確に述べております。外交専門家の重光氏が正常関係の回復とは何を意味するかを知らぬはずはないのでありましてこれは、単に普通の国際的緊張緩和を意味するのではなく、まさしく中共承認を打ち出しておるとしか考えられないのであります。拍手昨日の外交演説に述べられましたことく、国際義務に反せざる限り中国大陸との交易を促すというのならば、自由党内閣の従来の方針といささかの変りもないことでありまして拍手現に対中共貿易は、昨年一年の間に、輸出は前年の五百万ドルが二千万ドル近くなり、輸出入合計で四千万ドルをこえておるのであります。しかるに、総理及び外相が特に右のごとき発言をした真意はどこにあるのでありまするか。一体、従来の方針に対し何らか変りがあるかのごとき印象を与えたさきの発言は誤まりであつたのでありまするか。それとも、中共承認のごとき措置を考えておられるの、でありまするか。不用意の発言として済ますには、あまりにも事が重大であります。拍手この点に関し、総理の明確な所信を伺いたいのであります。拍手外交に関する第四の質問は、鳩山内閣の外交方針の真意は結局どこにあるかということであります。組閣以来幾変転したあげくとして鳩山内閣の外交方針は結局吉田内閣の従来の外交方針と変りがないようにも思えるのでありまするが、一体、鳩山内閣は、自由民主主義国との親善友好関係を基調とする吉田内閣の外交方針を変えるつもりなのか、変えないつもりなのか、われわれのみならず、全世界が聞いておるのであります。端的に御答弁をお願いいたします。拍手
外交方針に関する第五の質問は、フィリピンに対する賠償の問題についてであります。鳩山首相は、比島大統領に書簡を送り、賠償問題の早期解決をはかる旨を述べた由でありまするが、具体的にいかなる構想を持たれておるのでありまするか。賠償問題の早期解決は従前から日本政府の要望するところでありまするが、一体従来の話し合い以上にどの程度の賠償を考えておるのでありまするか、またその様式はどうするのでありまするか。これらの具体的構想なくして漫然と賠償解決を唱えるのは、不誠意でもあり、相手国に対しても礼を失するのでありまして、拍手ここに具体的に総額、支払い方法、その他の考え方を明示されたいのであります。拍手そもそも、国内の問題に関しても、政府の責任者が選挙目当ての無責任な放言を慎しまねばならないことはもちろんであります。いわんや、外交問題について、特に賠償のごとき困難な交渉を要する問題について、総選挙を目前に控えた先の知れぬ内閣が、確たる具体案も明らかにせず、単なるゼスチュアとしていろいろな行動に出ることは、まことに不謹慎と申さねばなりません。拍手
以上、これを要するに、鳩山内閣の軽率にして無定見かつ不統一きわまる外交発言には、選挙目当ての人気取りが多分に含まれておると断ぜざるを得ないのであります。拍手責任の地位にある内閣が外交問題を選挙宣伝に利用するがごときことは、最も悪質にしてまた危険きわまりない地位の乱用であり、民主党内においても心ある人々の必ずや深く憂えておられるところであることを信じて疑いません。拍手
繰り返して申しまするが、今日ほど外交の重大な時期はありません。責任の地位にある者の一言一句は直ちに内外に影響を持つものであります。以上の諸問題は、ことごとくきわめて重要でありまして、その影響するところすべてきわめて重大でありまするから、この際、言葉を濁されることなく、明確にして誠意ある答弁を望むものであります。
以上をもつて私の質問といたします。拍手
[国務大臣鳩山一郎君登壇〕
鳩
鳩山一郎#4
○国務大臣(鳩山一郎君) 緒方君の御質疑に対しまして答弁をいたします。
第一は、予算案不提出についてであります。議会は、御承知のごとく、近く解散をしなくてはならない情勢にあります。これは全国民が要請しておるのであります。近く議会が解散せられるので、予算案を審議するいとまがないのであります。拍手従つて、予算案大綱を示したのにすぎませんでした。これは、よくお考え下されば、無理はないことだと御了承下さるだろうと思います。拍手
第二の御質疑は、憲法第九条についてであります。私は、緒方君の言わるるがごとくに、憲法を改正して自衛軍備を持つということを二年半前に日比谷公会堂において絶叫いたしました。これも事実でございます。ところが、その当時におきましは、自由党内閣でも、日本を守るための軍隊を持つことができないという考え方のもとにおいて、それで保安隊という名前において自衛隊を持とうとしたのでありますが、これは国民を偽わるところのやり方であつたのであります。拍手そこで自衛のためならば軍隊を持ち得るということが日本の常識になりつつあつたのでありまして、それで、当時の国民の観念と今日とにおいては、そこに歴史上の変遷があつたと見るのが当然だと思うのであります。拍手今日は、自衛のためならば軍隊を持ち得るということが通論だと私は思つておるのであります。拍手緒方君は、特に私が出たり入つたりまた出たりという文句をこの際に使われましたけれども、出たくなくても、汚職事件が起きたり、指揮権の発動をしたり、暴言をしたりしたならば、出ないわけに行かなくなつたのであります。われわれが出たのは、あなた方のやり方が悪いから出たのであります。私の罪ではないと思うのであります。拍手
第三は外交の問題についてでありますが、外相と私との問において、中ソとの交通、貿易に関しての意見に少しも矛盾はございません。拍手国交を開いていない国と善隣友好の道を開きたいということは、決して自由主義国家群との関係をやめようという趣旨ではもとよりないのであります。自由主義国家とますます緊密な提携をしていくことはもとより当然ではありますけれども、国交の開かれない諸国を敵とする理由は断じてないと私は思うのであります。拍手国交の調整をやつていきますのには、まず自由に交通し、貿易を増進していつたならば、やがてはよき仲よしの国になれると思うからしてこそ交通、貿易を中ソといたしたいというのであります。これが世界の平和に通ずる大道であると私は思つておるのであります。拍手
抑留者の帰還あるいは領土の返還をいたしたいことはもとより当然な希望でありまして、機会あるごとにこのことは折衝するつもりであります。この抑留者の帰還、領土の返還を求めるのも、まず交通を自由にし、貿易を増進してだんだんに国際関係を正常に戻したならば、それによつて糸口が開けるものと私は思うのであります。
中共も国民政府も、ともに領土を持ち、ともに支配する人民を持つておりまして、形においてともにりつぱな独立国と見るのが適当だと私は思つております。(拍手、発言する者多し)
フィリピンの大統領に何か書面を出したようなことが申されましたけれども、私はフィリピンの大統領に書面を出したことはございません。何か誤解であろうと思います。
大体においては御答弁をしたつもりでありますから、私はこれをもつて答弁を終ります。拍手
この発言だけを見る →第一は、予算案不提出についてであります。議会は、御承知のごとく、近く解散をしなくてはならない情勢にあります。これは全国民が要請しておるのであります。近く議会が解散せられるので、予算案を審議するいとまがないのであります。拍手従つて、予算案大綱を示したのにすぎませんでした。これは、よくお考え下されば、無理はないことだと御了承下さるだろうと思います。拍手
第二の御質疑は、憲法第九条についてであります。私は、緒方君の言わるるがごとくに、憲法を改正して自衛軍備を持つということを二年半前に日比谷公会堂において絶叫いたしました。これも事実でございます。ところが、その当時におきましは、自由党内閣でも、日本を守るための軍隊を持つことができないという考え方のもとにおいて、それで保安隊という名前において自衛隊を持とうとしたのでありますが、これは国民を偽わるところのやり方であつたのであります。拍手そこで自衛のためならば軍隊を持ち得るということが日本の常識になりつつあつたのでありまして、それで、当時の国民の観念と今日とにおいては、そこに歴史上の変遷があつたと見るのが当然だと思うのであります。拍手今日は、自衛のためならば軍隊を持ち得るということが通論だと私は思つておるのであります。拍手緒方君は、特に私が出たり入つたりまた出たりという文句をこの際に使われましたけれども、出たくなくても、汚職事件が起きたり、指揮権の発動をしたり、暴言をしたりしたならば、出ないわけに行かなくなつたのであります。われわれが出たのは、あなた方のやり方が悪いから出たのであります。私の罪ではないと思うのであります。拍手
第三は外交の問題についてでありますが、外相と私との問において、中ソとの交通、貿易に関しての意見に少しも矛盾はございません。拍手国交を開いていない国と善隣友好の道を開きたいということは、決して自由主義国家群との関係をやめようという趣旨ではもとよりないのであります。自由主義国家とますます緊密な提携をしていくことはもとより当然ではありますけれども、国交の開かれない諸国を敵とする理由は断じてないと私は思うのであります。拍手国交の調整をやつていきますのには、まず自由に交通し、貿易を増進していつたならば、やがてはよき仲よしの国になれると思うからしてこそ交通、貿易を中ソといたしたいというのであります。これが世界の平和に通ずる大道であると私は思つておるのであります。拍手
抑留者の帰還あるいは領土の返還をいたしたいことはもとより当然な希望でありまして、機会あるごとにこのことは折衝するつもりであります。この抑留者の帰還、領土の返還を求めるのも、まず交通を自由にし、貿易を増進してだんだんに国際関係を正常に戻したならば、それによつて糸口が開けるものと私は思うのであります。
中共も国民政府も、ともに領土を持ち、ともに支配する人民を持つておりまして、形においてともにりつぱな独立国と見るのが適当だと私は思つております。(拍手、発言する者多し)
フィリピンの大統領に何か書面を出したようなことが申されましたけれども、私はフィリピンの大統領に書面を出したことはございません。何か誤解であろうと思います。
大体においては御答弁をしたつもりでありますから、私はこれをもつて答弁を終ります。拍手
松
鈴
鈴木茂三郎#6
○鈴木茂三郎君 私は、日本社会党を代表いたしまして、衆議院の総選挙を行うための国会の解散を前にして、鳩山総理に若干の質疑をいたしたいと思うものであります。拍手
今回、衆議院が、政府によつて憲法第七条によつて解散するごととなつておりますのは、申すまでもなく、昨年十二月九日の首班指名に当つて両派社会党から国会の解散と総選挙を条件として鳩山首班を指名することになつて取りかわした、いわゆる三党の共同声明、すなわち、鳩山内閣の誕生の上は、早期解散によつて民意を明らかにし、休会明け早々に衆議院解散を断行し、昭和三十年三月上旬までに衆議院議員の総選挙を完了する、こうした趣旨に基いて解散が行われることと相なつたという事実を、私はまず重ねて内外に明らかにしておく必要があると思います。拍手
われわれ両派社会党が鳩山首班の指名に際して、国会の解散と総選挙を条件といたしましたことは、政権授受の民主的な方式は、議員の寄せ集めや国会の取引によるような、これまで保守派の間で行われて来た方式をとるべきでない。正しい政権の民主的な授受の方式は、われわれは、国会を解散して総選挙を行い、民意に従つて行わなければならないと信じておるからでございます。ことに、自由党の吉田内閣が、六カ年にわたつて政権を壟断し、内外の政策を全く行き詰まらせた結果起つた野党の不信任決議案の上程に際して、ついに総辞職したことは、諸君のよく知られるところであります。拍手従つて、これにかわる安定した首班を作るための政権の授受は、不信任されて総辞職した吉田前内閣の流れをくむいかなる亜流にも政権を渡すような方法をとるべきでないと考えたのであります。拍手このことは国民的な強い要望でもあつたわけでありますから、なおさら、われわれが、国会の解散、総選挙によつて政権の授受をきめるという民主的な方式をとつたことは、国民の総意をくみ取つた当然のことであつたのであります。拍手
さようなわけでありますから、鳩山内閣の性格は、われわれも国民も、選挙を公正に行い、それを事務的に取り運ぶことを唯一の使命とするものであり、総選挙の完了をもつて退陣する選挙管理内閣というように承知をいたしておるのであります。拍手国会の解散、総選挙を前にして、民主党が党の方針や政策を示すこと、これはよろしい。それは当然のことであります。しかし、選挙管理内閣の首班たる鳩山首相が、あたかも実行でもするかのような幻影を国民に与える施政方針、それは不用意のうちに作られたものではございますが、そうした施政方針を述べられたことは、私の了解しがたいところであるのであります。拍手しかも、選挙管理内閣に名を連ねておるだけの各大臣が、選挙を目当てに無責任な方針、政策を次々と発表しております。防衛問題について見ましても、大蔵大臣は、来年度は自衛隊はやむなく現状のままだと言つておられる。厚生大臣は、自衛隊の費用を少し削つて厚生施設に使いたいと、こう述べられておる。防衛庁長官は、陸海空軍の全般にわたつて兵員を増強したいと述べられておるのであります。一体、鳩山内閣の各大臣が述べられたこの意見は、どれがほんとうでありましよう。事実はどれもほんとうであり、どれもうそであると見るほかはないのであります。拍手かように国民を欺瞞するような言動は、私は不謹慎といわなければならないと思います。拍手私は、この点に関して、鳩山総理の意見をただしたいのであります。
次に、鳩山内閣は、短命を宿命づけられた、寿命の短かい選挙管理内閣であることが明らかでありますのに、施政方針を述べ、また、それぞれの閣僚は無責任な放言と思われる政策を随時随所において発表しておられます。国民の中には、鳩山内閣に対して、さまざまな観点から惑いを持ち、疑いを抱くに至つておる現状であります。それゆえ、私は、この質疑応答を通じて、国民の惑いを、疑いを解明するためにも、この際引き続き若干の質疑を行なつて、国民の前に問題の所在を明らかにしておきたいと思います。拍手
その第一点は、憲法改正の問題であります。吉田内閣と鳩山内閣、自由党と民主党の政策の基本的な相違点は、平和憲法を武装憲法に改正して堂々と軍隊を持つかどうか、この一点にあつたはずであります。しかるに、鳩山内閣は、憲法改正と軍再備の強化は国民に不人気であることを憂慮された結果か、吉田内閣とほぼ同じような意見に内閣の見解を統一されたように見受けられるのであります。しかるに、施政方針においては、総理は、憲法調査機関を設置して現行憲法改正に依然として熱意のあるところを明らかにされております。しからば、鳩山総理としては現行憲法第九条をいかように改正しようと考えておられるのであるか、必然に徴兵制度を設けることになるのではないか、また憲法第三章の国民の基本的人権をいかように制限しようと考えておられるか、また憲法改正の時期を鳩山総理はいつごろが適当と考えておられるか、承わりたいのであります。
第二点は、防衛の問題であります。政府は、昭和三十年度に、自衛隊は基本方針として漸次充実する方針をとる旨明らかにされております。政府が、アメリカの力による平和の方式をとる陣営の一員たることを光栄として、日米協力関係を推進せんとする方針である以上、一萬田大蔵大臣が軍事力の充実をうたわれたことは当然であつて、今後軍事力はいよいよますます増強されるものと見なければならないのであります。そういたしますと、自衛隊の充実は、政府としては将来どこまで充実せしめようとするのか。財政を勘案すると言われておる。しかし、アメリカが仮想敵国としておる中ソの科学的兵器がさらに進歩し充実するにつれて、すでに越えておる財政の限界を越えて、際限もなく自衛隊を充実しなければならないことになるのではないか。力による平和の方式との協力関係を推進されようとする以上、その力による平和方式の一つとして、最近作られました東南アジア防衛同盟と並べてさらに作られようとしておる東北アジア防衛同盟韓国、台湾、タイなどとの軍事同盟に加担せざるを得ないことになるおそれが十分あると私は思います。鳩山総理は、むしろ進んでかような軍事同盟に加担したいと、ひそかに考慮されておるのではないかと考えられる節がございます。総理の所見をただしたいのであります。
さらに、鳩山総理は、幸いにして中国が日本を侵略するというばかばかしい宣伝に対して、私と同じように、そういう、中国が日本を侵略するということは信じがたいと所見を述べておられます。そうといたしますればなおさらのことでありますが、中ソとの間に平和共存の方式について話し合い、同時にアメリカとの間にも力による平和、その危険について話し合い、それによつて米ソの対立を幾らかでも緩和せしめる平和外交を推進する、私はこれがほんとうの平和外交であると考えるのでございます。拍手そういたしまして、むだな自衛隊の財政的負担を軽くすることが、同時に日本の安全の保障と生活と経済をよくする唯一の方途ではなかろうか。
以上、防衛の問題に関しまして、総理の所信をただしたいのであります。
第三点は、外交上の問題であります。鳩山総理と重光外相との間にしばしば外交方針上重要な意見の相違、食い違いのあつたことは、国民の目をおおい隠すことのできないところでございます。鳩山総理の率直な言葉をそのまま私がここで表現すれば、民主党は寄せ集めの政党であつて政権を担当することは潜越しごくだ、こうお考えのようでございます。従つて、外交上、台湾問題、中国問題、あるいは日ソ閲の戦争終結宣言、これらの諸問題について、総理と外相との間に意見の食い違いが起つたことは、当然の帰結として、私はそれを了承いたします。しかし、そこで総理にお尋ねいたしたいのは、総理も外相も、自主独立の外交とか、自主独立の精神の作興とか、これを強調されて、総理の施政方針においては、自主独立の達成のためにということを言われております。重光外相もまた、自主独立の完成こそ民族の悲願であるとさえ言われておるのであります。これはその通りでございます。まことに重要な発言でございまして、今日まで、政府は、軍隊を持つ便宜のために、独立国であるということを主張して国民を欺瞞して参りました。拍手しかるに、自主独立の達成であるとか、自主独立の完成とか言われておることは、その言葉によつても、総理も外務大臣も、わが日本は講和の成立後三カ年に及ぶ今日いまだ自主独立のないことをみずから認められた証拠として私は重要なる発言であると思います。拍手そういたしますと、わが国の自主と独立を妨げておるものは何かこれが重要であります。鳩山総理の言うように、単に占領下において制定された諸法令、諸制度はそもそも末の問題であつて、わが国の自主と独立を制約しておる問題の根本は、アメリカの日本占領を永久的に承認を与えた講和と、講和後に締結された日米の条約や協定、これが日本の自主と独立を緊縛し制約しておるものと断ぜざるを得ないのであります。拍手
私がそれに関連して総理にお尋ねいたしたいのは、アメリカの軍隊の占領を永続的なものとした平和条約に基いて締結された安保条約、行政協定、MSA協定等、一連のこれらの条約や協定は、軍事上、外交上日本を制約しておるだけではなくて、経済上においてもアメリカに従属することを余儀なくされておるのであります。拍手こうした条約や協定を改廃する意思は総理は持たれないのであるか。日本を制約しておる、かような条約や協定をそのままにしておいて、廃止も改正もしないで、どうして自主独立の外交を行い、自主独立の精神の作興ができるとお考えですか。拍手私は、日本のほんとうの独立と平和は、こうしたアメリカの永続的な占領と制約からます日本を解放することが先決であると思うが、総理はいかがお考えでありましようか。拍手、また、総理も外相も、アジアの平和とアジア諸国との修交の必要を言葉の上で是認されて、国交回復の障害を克服しなければならないことを主張されております。しかしながら、総理も外相も、他方においては吉田内閣時代のアメリカとの関係は変更しないと声明をされ、談話を発表されておるのであります。さらに、米国との緊密な提携、協力を外交の基本方針とすると言われておるのであります。私は、アジアの平和とアジア諸国との国交回復のための障害は、日本が、韓国や台湾やフィリピンと同じように、アメリカ一辺倒の外交や中ソを仮想敵とするアメリカの軍事同盟の一員たること、これがアジアの平和に障害を与えておる最大のものであると思います。拍手総理はいかようにお考えであるか。
第四点は、中小企業を圧殺し、勤労者、農民の生活を締め上げているデフレ政策であります。鳩山内閣は、引き続きこの財政政策を金科玉条とされておるようであります。しかるに、これは、一方においては保安隊に続く自衛隊のためにわが財政力としては不当に大きな軍事費を投入いたします結果、そこに必然的に起つてくるインフレーシヨンを、他方においてこれを押える。すなわち、中小企業や勤労者や農民の生活を犠牲といたしまして、全般に対して不当な引き締めを行わんとするものでございまして、この政策はアメリカの要請に基く吉田内閣時代からの方針であるところから、世間ではこれをドツジ・池田ラインと呼んでおるのであります。拍手鳩山総理は、そのことは承知されておらないかもわかりません。しかし、今日まで日本銀行総裁としてこのドツジ・ラインに忠実に協力をしてきた一萬田大蔵大臣は、特にこの事実を承知されておるはずであります。一兆円のワクの中で、自衛隊の軍事費をそのままにして、どうして経済の自立や産業の復興ができますか。拍手どうして低額所得者を中心に税金をまける減税ができますか。社会保障を強化すると言われるが、どうして社会保障の強化ができますか。拍手ここに並べられた鳩山内閣のこうした政策は、私は社会党の政策を盗み取つたとは申しません。(笑声、拍手)しかしながら、社会党の政策を写し取つたかような政策は、一方において軍事費を節約しない限り、実現することができない政策であることは明瞭であります。拍手従つて、世間ではこれを無責任な放言だと批判をしております。選挙の事前運動だと酷評をされております。鳩山総理は十分責任を自覚されなければならないのではないか。
最後にお尋ねいたしたいことは、鳩山総理は、口を開けば、もつともらしく、社会道徳の確立とか国民道義の高揚とかいうことを言われております。さらに、一政界の粛正とか公明選挙とかいうことも言われております。私は、選挙の公正は、保守派が選挙にむだな金を使わないことが選挙公正の先決であると確信をいたします。拍手選挙の粛正はそこから起らなければならないと考えるのであります。社会道徳の確立とか国民道徳の高揚ということは、造船疑獄によつて氷山の一角が明るみに出たと見られておる政界、官界、財界の一切のこうした腐敗を剔抉し、疑獄を摘発すること、私は、吉田内閣によつてくさいものにふたをしたようなふたを取り除くこと、これが政界粛正の先決であると思うが、総理はいかようにお考えであるか。
以上十数項にわたつて鳩山総理の御回答を得たいと存じます。拍手
〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
この発言だけを見る →今回、衆議院が、政府によつて憲法第七条によつて解散するごととなつておりますのは、申すまでもなく、昨年十二月九日の首班指名に当つて両派社会党から国会の解散と総選挙を条件として鳩山首班を指名することになつて取りかわした、いわゆる三党の共同声明、すなわち、鳩山内閣の誕生の上は、早期解散によつて民意を明らかにし、休会明け早々に衆議院解散を断行し、昭和三十年三月上旬までに衆議院議員の総選挙を完了する、こうした趣旨に基いて解散が行われることと相なつたという事実を、私はまず重ねて内外に明らかにしておく必要があると思います。拍手
われわれ両派社会党が鳩山首班の指名に際して、国会の解散と総選挙を条件といたしましたことは、政権授受の民主的な方式は、議員の寄せ集めや国会の取引によるような、これまで保守派の間で行われて来た方式をとるべきでない。正しい政権の民主的な授受の方式は、われわれは、国会を解散して総選挙を行い、民意に従つて行わなければならないと信じておるからでございます。ことに、自由党の吉田内閣が、六カ年にわたつて政権を壟断し、内外の政策を全く行き詰まらせた結果起つた野党の不信任決議案の上程に際して、ついに総辞職したことは、諸君のよく知られるところであります。拍手従つて、これにかわる安定した首班を作るための政権の授受は、不信任されて総辞職した吉田前内閣の流れをくむいかなる亜流にも政権を渡すような方法をとるべきでないと考えたのであります。拍手このことは国民的な強い要望でもあつたわけでありますから、なおさら、われわれが、国会の解散、総選挙によつて政権の授受をきめるという民主的な方式をとつたことは、国民の総意をくみ取つた当然のことであつたのであります。拍手
さようなわけでありますから、鳩山内閣の性格は、われわれも国民も、選挙を公正に行い、それを事務的に取り運ぶことを唯一の使命とするものであり、総選挙の完了をもつて退陣する選挙管理内閣というように承知をいたしておるのであります。拍手国会の解散、総選挙を前にして、民主党が党の方針や政策を示すこと、これはよろしい。それは当然のことであります。しかし、選挙管理内閣の首班たる鳩山首相が、あたかも実行でもするかのような幻影を国民に与える施政方針、それは不用意のうちに作られたものではございますが、そうした施政方針を述べられたことは、私の了解しがたいところであるのであります。拍手しかも、選挙管理内閣に名を連ねておるだけの各大臣が、選挙を目当てに無責任な方針、政策を次々と発表しております。防衛問題について見ましても、大蔵大臣は、来年度は自衛隊はやむなく現状のままだと言つておられる。厚生大臣は、自衛隊の費用を少し削つて厚生施設に使いたいと、こう述べられておる。防衛庁長官は、陸海空軍の全般にわたつて兵員を増強したいと述べられておるのであります。一体、鳩山内閣の各大臣が述べられたこの意見は、どれがほんとうでありましよう。事実はどれもほんとうであり、どれもうそであると見るほかはないのであります。拍手かように国民を欺瞞するような言動は、私は不謹慎といわなければならないと思います。拍手私は、この点に関して、鳩山総理の意見をただしたいのであります。
次に、鳩山内閣は、短命を宿命づけられた、寿命の短かい選挙管理内閣であることが明らかでありますのに、施政方針を述べ、また、それぞれの閣僚は無責任な放言と思われる政策を随時随所において発表しておられます。国民の中には、鳩山内閣に対して、さまざまな観点から惑いを持ち、疑いを抱くに至つておる現状であります。それゆえ、私は、この質疑応答を通じて、国民の惑いを、疑いを解明するためにも、この際引き続き若干の質疑を行なつて、国民の前に問題の所在を明らかにしておきたいと思います。拍手
その第一点は、憲法改正の問題であります。吉田内閣と鳩山内閣、自由党と民主党の政策の基本的な相違点は、平和憲法を武装憲法に改正して堂々と軍隊を持つかどうか、この一点にあつたはずであります。しかるに、鳩山内閣は、憲法改正と軍再備の強化は国民に不人気であることを憂慮された結果か、吉田内閣とほぼ同じような意見に内閣の見解を統一されたように見受けられるのであります。しかるに、施政方針においては、総理は、憲法調査機関を設置して現行憲法改正に依然として熱意のあるところを明らかにされております。しからば、鳩山総理としては現行憲法第九条をいかように改正しようと考えておられるのであるか、必然に徴兵制度を設けることになるのではないか、また憲法第三章の国民の基本的人権をいかように制限しようと考えておられるか、また憲法改正の時期を鳩山総理はいつごろが適当と考えておられるか、承わりたいのであります。
第二点は、防衛の問題であります。政府は、昭和三十年度に、自衛隊は基本方針として漸次充実する方針をとる旨明らかにされております。政府が、アメリカの力による平和の方式をとる陣営の一員たることを光栄として、日米協力関係を推進せんとする方針である以上、一萬田大蔵大臣が軍事力の充実をうたわれたことは当然であつて、今後軍事力はいよいよますます増強されるものと見なければならないのであります。そういたしますと、自衛隊の充実は、政府としては将来どこまで充実せしめようとするのか。財政を勘案すると言われておる。しかし、アメリカが仮想敵国としておる中ソの科学的兵器がさらに進歩し充実するにつれて、すでに越えておる財政の限界を越えて、際限もなく自衛隊を充実しなければならないことになるのではないか。力による平和の方式との協力関係を推進されようとする以上、その力による平和方式の一つとして、最近作られました東南アジア防衛同盟と並べてさらに作られようとしておる東北アジア防衛同盟韓国、台湾、タイなどとの軍事同盟に加担せざるを得ないことになるおそれが十分あると私は思います。鳩山総理は、むしろ進んでかような軍事同盟に加担したいと、ひそかに考慮されておるのではないかと考えられる節がございます。総理の所見をただしたいのであります。
さらに、鳩山総理は、幸いにして中国が日本を侵略するというばかばかしい宣伝に対して、私と同じように、そういう、中国が日本を侵略するということは信じがたいと所見を述べておられます。そうといたしますればなおさらのことでありますが、中ソとの間に平和共存の方式について話し合い、同時にアメリカとの間にも力による平和、その危険について話し合い、それによつて米ソの対立を幾らかでも緩和せしめる平和外交を推進する、私はこれがほんとうの平和外交であると考えるのでございます。拍手そういたしまして、むだな自衛隊の財政的負担を軽くすることが、同時に日本の安全の保障と生活と経済をよくする唯一の方途ではなかろうか。
以上、防衛の問題に関しまして、総理の所信をただしたいのであります。
第三点は、外交上の問題であります。鳩山総理と重光外相との間にしばしば外交方針上重要な意見の相違、食い違いのあつたことは、国民の目をおおい隠すことのできないところでございます。鳩山総理の率直な言葉をそのまま私がここで表現すれば、民主党は寄せ集めの政党であつて政権を担当することは潜越しごくだ、こうお考えのようでございます。従つて、外交上、台湾問題、中国問題、あるいは日ソ閲の戦争終結宣言、これらの諸問題について、総理と外相との間に意見の食い違いが起つたことは、当然の帰結として、私はそれを了承いたします。しかし、そこで総理にお尋ねいたしたいのは、総理も外相も、自主独立の外交とか、自主独立の精神の作興とか、これを強調されて、総理の施政方針においては、自主独立の達成のためにということを言われております。重光外相もまた、自主独立の完成こそ民族の悲願であるとさえ言われておるのであります。これはその通りでございます。まことに重要な発言でございまして、今日まで、政府は、軍隊を持つ便宜のために、独立国であるということを主張して国民を欺瞞して参りました。拍手しかるに、自主独立の達成であるとか、自主独立の完成とか言われておることは、その言葉によつても、総理も外務大臣も、わが日本は講和の成立後三カ年に及ぶ今日いまだ自主独立のないことをみずから認められた証拠として私は重要なる発言であると思います。拍手そういたしますと、わが国の自主と独立を妨げておるものは何かこれが重要であります。鳩山総理の言うように、単に占領下において制定された諸法令、諸制度はそもそも末の問題であつて、わが国の自主と独立を制約しておる問題の根本は、アメリカの日本占領を永久的に承認を与えた講和と、講和後に締結された日米の条約や協定、これが日本の自主と独立を緊縛し制約しておるものと断ぜざるを得ないのであります。拍手
私がそれに関連して総理にお尋ねいたしたいのは、アメリカの軍隊の占領を永続的なものとした平和条約に基いて締結された安保条約、行政協定、MSA協定等、一連のこれらの条約や協定は、軍事上、外交上日本を制約しておるだけではなくて、経済上においてもアメリカに従属することを余儀なくされておるのであります。拍手こうした条約や協定を改廃する意思は総理は持たれないのであるか。日本を制約しておる、かような条約や協定をそのままにしておいて、廃止も改正もしないで、どうして自主独立の外交を行い、自主独立の精神の作興ができるとお考えですか。拍手私は、日本のほんとうの独立と平和は、こうしたアメリカの永続的な占領と制約からます日本を解放することが先決であると思うが、総理はいかがお考えでありましようか。拍手、また、総理も外相も、アジアの平和とアジア諸国との修交の必要を言葉の上で是認されて、国交回復の障害を克服しなければならないことを主張されております。しかしながら、総理も外相も、他方においては吉田内閣時代のアメリカとの関係は変更しないと声明をされ、談話を発表されておるのであります。さらに、米国との緊密な提携、協力を外交の基本方針とすると言われておるのであります。私は、アジアの平和とアジア諸国との国交回復のための障害は、日本が、韓国や台湾やフィリピンと同じように、アメリカ一辺倒の外交や中ソを仮想敵とするアメリカの軍事同盟の一員たること、これがアジアの平和に障害を与えておる最大のものであると思います。拍手総理はいかようにお考えであるか。
第四点は、中小企業を圧殺し、勤労者、農民の生活を締め上げているデフレ政策であります。鳩山内閣は、引き続きこの財政政策を金科玉条とされておるようであります。しかるに、これは、一方においては保安隊に続く自衛隊のためにわが財政力としては不当に大きな軍事費を投入いたします結果、そこに必然的に起つてくるインフレーシヨンを、他方においてこれを押える。すなわち、中小企業や勤労者や農民の生活を犠牲といたしまして、全般に対して不当な引き締めを行わんとするものでございまして、この政策はアメリカの要請に基く吉田内閣時代からの方針であるところから、世間ではこれをドツジ・池田ラインと呼んでおるのであります。拍手鳩山総理は、そのことは承知されておらないかもわかりません。しかし、今日まで日本銀行総裁としてこのドツジ・ラインに忠実に協力をしてきた一萬田大蔵大臣は、特にこの事実を承知されておるはずであります。一兆円のワクの中で、自衛隊の軍事費をそのままにして、どうして経済の自立や産業の復興ができますか。拍手どうして低額所得者を中心に税金をまける減税ができますか。社会保障を強化すると言われるが、どうして社会保障の強化ができますか。拍手ここに並べられた鳩山内閣のこうした政策は、私は社会党の政策を盗み取つたとは申しません。(笑声、拍手)しかしながら、社会党の政策を写し取つたかような政策は、一方において軍事費を節約しない限り、実現することができない政策であることは明瞭であります。拍手従つて、世間ではこれを無責任な放言だと批判をしております。選挙の事前運動だと酷評をされております。鳩山総理は十分責任を自覚されなければならないのではないか。
最後にお尋ねいたしたいことは、鳩山総理は、口を開けば、もつともらしく、社会道徳の確立とか国民道義の高揚とかいうことを言われております。さらに、一政界の粛正とか公明選挙とかいうことも言われております。私は、選挙の公正は、保守派が選挙にむだな金を使わないことが選挙公正の先決であると確信をいたします。拍手選挙の粛正はそこから起らなければならないと考えるのであります。社会道徳の確立とか国民道徳の高揚ということは、造船疑獄によつて氷山の一角が明るみに出たと見られておる政界、官界、財界の一切のこうした腐敗を剔抉し、疑獄を摘発すること、私は、吉田内閣によつてくさいものにふたをしたようなふたを取り除くこと、これが政界粛正の先決であると思うが、総理はいかようにお考えであるか。
以上十数項にわたつて鳩山総理の御回答を得たいと存じます。拍手
〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
鳩
鳩山一郎#7
○国務大臣(鳩山一郎君) 鈴木君の御質疑に答弁をいたします。
鈴木君がまず第一にお問いになりましたことは憲法第九条についてと思います。(「違う違う」と呼ぶ者あり)違いますか。憲法改正について私の従来主張しておつたのは、鈴木君のおつしやる通りであります。そうして、その前に、憲法改正に付随してですか、にかく管理内閣のくせに大きな政策を発表しているのはけしからぬというお話でありました。社会党と三党首の会談をやりまして、解散を早期にするというような話し合いをいたしました。しかし、社会党は管理内閣という希望のもとに早期解散を言われたのかもしれませんが、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。(拍手、参発言する者多し)選挙をやりますれば、当然にわが党は第一党になりまして、再び政権をとるということは当然なことのように思つておりましたから、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。拍手管理内閣と考えておらないために、いろいろの政策の大綱をきめまして、そうしてこれを天下に問うたわけであります。とにかく、われわれの考え方は、できるだけすみやかに、できるだけ広い範囲内において政府の考え方を国民に示し、国民の納得と支持とを求めるやり方が民主政治のやり方なりと確信しておるがために、われわれの考え方の大綱を示して天下に信を問うたのであります。もしも選挙においてわれわれが発表した政策に共鳴を得ますれば、自信を持つてこれが実行に移る次第でございます。拍手
憲法改正につきまして、鈴木君は、徴兵制度をとるかどうか、いつごろこれを実行する計画があるのか、防衛力云々、協力関係これはアメリカとどこまで一緒にやつて行くつもりであるかというような御質問であつたと思います。徴兵制度につきましては、今は考えておりません。いつごろが適当な時期かは、もう少し自由党が本心に返つてわが党と協力をするというようになりますれば、これは憲法改正ができますけれども、ただいまのようにまだ保守党の間において意見が一致しない限りは、憲法改正をやろうと思つてもできないのであります。御了承を願いたいと思います。拍手
アメリカと相提携して中ソに当るというような考え方は、私は少くとも持つておりません。ただ、第三次世界大戦を避けんとする熱望は、これは全世界国民のひとしく熱望しておるところでありまして」この世界の平和をいかにして持つてくるかということについて、まず自由主義国家がお互いに緊密な提携をしていくことは必要である。と同時に、国交の開けていない中ソ等とも交通を自由にし一貿易を増進してこれを敵にしない、これとも協力関係に立つてお互いに有無相通じて平和の方が自分たちの生活が気楽になり繁栄するということを互いに体験する必要があるというふうに考えている次第であります。拍手
東南アジアとの防衛同盟ということは、ただいまは考えておりません。今日のところ、SEATO同盟に加盟することはまだ時期でないと思つております。鈴木君のおつしやることはSEATO同盟のことであろうと思つて答えたのでありますが、もしもSEATOでなければ是正していきたいと思います。
外交方針について重光外務大臣と私との間において何か食い違いがあるようなことを指摘されましたけれども、それは断じてありません。重光君も同様な考え方でありまして、アメリカとの関係は、親密の度をできるだけ密接にする必要があるけれども、同時に中ソとの国交を調整していきたい、そのためには、中ソとの交通を自由にし、貿易を増進していきたいという考え方でありまして、少しも食い違いはないのであります。拍手
デフレ政策のことはよくわかりませんから、一萬田君から答弁していただきます。
末段において、鈴木君は、国民道徳の高揚あるいは選挙の公明運動についてお話がありましたが、全くの同感でありまするから、こういう事柄については、どうか協力して一致の行動をとりたいと思います。拍手
以上をもちまして私の答弁を終ります。拍手
〔国務大臣重光葵君登壇〕
この発言だけを見る →鈴木君がまず第一にお問いになりましたことは憲法第九条についてと思います。(「違う違う」と呼ぶ者あり)違いますか。憲法改正について私の従来主張しておつたのは、鈴木君のおつしやる通りであります。そうして、その前に、憲法改正に付随してですか、にかく管理内閣のくせに大きな政策を発表しているのはけしからぬというお話でありました。社会党と三党首の会談をやりまして、解散を早期にするというような話し合いをいたしました。しかし、社会党は管理内閣という希望のもとに早期解散を言われたのかもしれませんが、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。(拍手、参発言する者多し)選挙をやりますれば、当然にわが党は第一党になりまして、再び政権をとるということは当然なことのように思つておりましたから、私どもは管理内閣とは思つていないのであります。拍手管理内閣と考えておらないために、いろいろの政策の大綱をきめまして、そうしてこれを天下に問うたわけであります。とにかく、われわれの考え方は、できるだけすみやかに、できるだけ広い範囲内において政府の考え方を国民に示し、国民の納得と支持とを求めるやり方が民主政治のやり方なりと確信しておるがために、われわれの考え方の大綱を示して天下に信を問うたのであります。もしも選挙においてわれわれが発表した政策に共鳴を得ますれば、自信を持つてこれが実行に移る次第でございます。拍手
憲法改正につきまして、鈴木君は、徴兵制度をとるかどうか、いつごろこれを実行する計画があるのか、防衛力云々、協力関係これはアメリカとどこまで一緒にやつて行くつもりであるかというような御質問であつたと思います。徴兵制度につきましては、今は考えておりません。いつごろが適当な時期かは、もう少し自由党が本心に返つてわが党と協力をするというようになりますれば、これは憲法改正ができますけれども、ただいまのようにまだ保守党の間において意見が一致しない限りは、憲法改正をやろうと思つてもできないのであります。御了承を願いたいと思います。拍手
アメリカと相提携して中ソに当るというような考え方は、私は少くとも持つておりません。ただ、第三次世界大戦を避けんとする熱望は、これは全世界国民のひとしく熱望しておるところでありまして」この世界の平和をいかにして持つてくるかということについて、まず自由主義国家がお互いに緊密な提携をしていくことは必要である。と同時に、国交の開けていない中ソ等とも交通を自由にし一貿易を増進してこれを敵にしない、これとも協力関係に立つてお互いに有無相通じて平和の方が自分たちの生活が気楽になり繁栄するということを互いに体験する必要があるというふうに考えている次第であります。拍手
東南アジアとの防衛同盟ということは、ただいまは考えておりません。今日のところ、SEATO同盟に加盟することはまだ時期でないと思つております。鈴木君のおつしやることはSEATO同盟のことであろうと思つて答えたのでありますが、もしもSEATOでなければ是正していきたいと思います。
外交方針について重光外務大臣と私との間において何か食い違いがあるようなことを指摘されましたけれども、それは断じてありません。重光君も同様な考え方でありまして、アメリカとの関係は、親密の度をできるだけ密接にする必要があるけれども、同時に中ソとの国交を調整していきたい、そのためには、中ソとの交通を自由にし、貿易を増進していきたいという考え方でありまして、少しも食い違いはないのであります。拍手
デフレ政策のことはよくわかりませんから、一萬田君から答弁していただきます。
末段において、鈴木君は、国民道徳の高揚あるいは選挙の公明運動についてお話がありましたが、全くの同感でありまするから、こういう事柄については、どうか協力して一致の行動をとりたいと思います。拍手
以上をもちまして私の答弁を終ります。拍手
〔国務大臣重光葵君登壇〕
重
重光葵#8
○国務大臣(重光葵君) お答えします。
私が自主独立の完成を外交上目ざしておる、こう昨日申しました。その通りであります。私は、今日の困難なる国際情勢のもとにおいて、日本が戦後いまだに国交の回復のできていないような地位にあるのは、国際上から見て十分に自主独立の完成ができていない、こう見ております。拍手私は、終戦後十年にして、一かような事態は外交上矯正していかなければならぬと考えております、拍手それからまた「そうであるから、アジアの外交、アジア諸国との国交を回復するということは、当然努めなければならぬことと思つております。
さらに、ソ連との関係は、今総理大臣の答弁に尽きておりますから、その通りに考えております。しかし、かような外交をする場合において、対米外交を非常に重要視しなければならぬということは当然のことでございまして、米国側と緊密な関係を推進していきたいというのが私の外交方針の根本でございます。拍手
〔国務大臣一萬田尚登君登壇〕
この発言だけを見る →私が自主独立の完成を外交上目ざしておる、こう昨日申しました。その通りであります。私は、今日の困難なる国際情勢のもとにおいて、日本が戦後いまだに国交の回復のできていないような地位にあるのは、国際上から見て十分に自主独立の完成ができていない、こう見ております。拍手私は、終戦後十年にして、一かような事態は外交上矯正していかなければならぬと考えております、拍手それからまた「そうであるから、アジアの外交、アジア諸国との国交を回復するということは、当然努めなければならぬことと思つております。
さらに、ソ連との関係は、今総理大臣の答弁に尽きておりますから、その通りに考えております。しかし、かような外交をする場合において、対米外交を非常に重要視しなければならぬということは当然のことでございまして、米国側と緊密な関係を推進していきたいというのが私の外交方針の根本でございます。拍手
〔国務大臣一萬田尚登君登壇〕
一
一萬田尚登#9
○国務大臣(一萬田尚登君) 鈴木委員長のお尋ねのうち、私の所管に属することを御返事いたします。
お尋ねの点は、防衛費と民生安定に関する施策との関連であるように考えます。私どもは、防衛につきましては、国力に応じて自衛態勢を逐次整える、こういうことにあるのであります。拍手従いまして、国力に応じてということの中には、むろん民生の安定が考慮されなくてはなりません。しこうしてこの三十年度の予算につきましては、全体の防衛に関する費用を、防衛庁費と分担金、それを加え前年度のワク内に置こう、こういうふうにいたしておるのであります。今後、防衛分担金に関する折衝の推移に応じましで、防衛の増強その他について考慮を加えていきたい、こういうふうに考えております。
なお、民生安定につきましては、防衛に関連なくしてこれはやらなくてはならないのであります。従いまして、防衛費が出るから民生安定はできないだろうというようなお考え方は、私ははなはだ了解に苦しむところであります。拍手この民生の安定こそ、日本の国力並びに日本の経済を再興する原動力であるのであります。そうして、特に私の考えでは、こういう今日のごとき政策を遂行する途上におきましては、社会構成の上において弱い部面に比較的重圧が加わり過ぎるのであります。拍手われわれ国民といたしましては、すべてが同じようにこの苦しさを負担せなければなりません。しかしながら、社会の構成の力の上において不当にたくさんの圧力が加わる向きに対しましては、これに対して相当の施策をすることが私は当然なさるべきであると思うのであります。拍手それで、私はこういう点について考慮を払つています。従いまして防衛費と民生安定については矛盾はないのであります。
これをもつて私の答弁にいたします。拍手
この発言だけを見る →お尋ねの点は、防衛費と民生安定に関する施策との関連であるように考えます。私どもは、防衛につきましては、国力に応じて自衛態勢を逐次整える、こういうことにあるのであります。拍手従いまして、国力に応じてということの中には、むろん民生の安定が考慮されなくてはなりません。しこうしてこの三十年度の予算につきましては、全体の防衛に関する費用を、防衛庁費と分担金、それを加え前年度のワク内に置こう、こういうふうにいたしておるのであります。今後、防衛分担金に関する折衝の推移に応じましで、防衛の増強その他について考慮を加えていきたい、こういうふうに考えております。
なお、民生安定につきましては、防衛に関連なくしてこれはやらなくてはならないのであります。従いまして、防衛費が出るから民生安定はできないだろうというようなお考え方は、私ははなはだ了解に苦しむところであります。拍手この民生の安定こそ、日本の国力並びに日本の経済を再興する原動力であるのであります。そうして、特に私の考えでは、こういう今日のごとき政策を遂行する途上におきましては、社会構成の上において弱い部面に比較的重圧が加わり過ぎるのであります。拍手われわれ国民といたしましては、すべてが同じようにこの苦しさを負担せなければなりません。しかしながら、社会の構成の力の上において不当にたくさんの圧力が加わる向きに対しましては、これに対して相当の施策をすることが私は当然なさるべきであると思うのであります。拍手それで、私はこういう点について考慮を払つています。従いまして防衛費と民生安定については矛盾はないのであります。
これをもつて私の答弁にいたします。拍手
松
松永東#10
○議長(松永東君) なおこの際申し上げますが、先ほどの緒方君の外交質問に対し、外務大臣よりも答弁願いたいとの要求がありますから、外務大臣が答弁せられるならば、この際お願いいたしたいと思います。御答弁ありますか。
〔国務大臣重光葵君登壇〕
この発言だけを見る →〔国務大臣重光葵君登壇〕
重
重光葵#11
○国務大臣(重光葵君) 先ほど緒方君の私に対する御質問の要旨は中共の問題であるということであります。日本が中華民国として国民政府を法的に承認しておることは御承知の通りでありましてそうして、いわゆる吉田書簡もこれに伴つておる。従いまして、法的に二つの国を承認するわけには相なりません。しかしながら、中共が広大な地域において事実上権力を持つておるということは、これは否定することはできません。拍手そこで、隣国である日本がこの事実上の問題について重大なる利害を持つておるということもまた争われないことであります。その実際上の状況を基礎にして貿易を進めるなりしていつて、この関係を円滑にするということは当然だと考えております。これをもつてお答えにかえる次第であります。拍手
この発言だけを見る →松
河
河上丈太郎#13
○河上丈太郎君 私は、日本社会党を代表して、鳩山首相の施政方針演説、重光外相の外交演説、一萬田蔵相の財政演説に対し、私の了解しあたわざる諸点につきまして、政府の所信をただし、明確なる答弁を求めんとするものであります。拍手
私は、かつて数次にわたりこの壇上から吉田前首相に対し質問演説を試みたことがあるのでございます。しかし、吉田氏の非民主的な態度は、しばしば私をして憤激せしめたのであります。今鳩山首相の態度を見ると、吉田前首相に比して、きわめていんぎん丁寧なことくではありますけれども、質問の核心に触れていない点については同罪であると私は思うのであります。拍手私は、鳩山首相並びに閣僚が、民主主義の真髄に徹し、大胆率直にその所信を吐露せられんことを切に希望する次第であるのであります。
新聞紙の伝うるところによりますれば、政府はしきりに早期解散を望み、質疑応答についても委曲を尽すことを回避するやに見られるのでありまするが、われわれとしては、その真意を了解することができないのであります。今回の質問戦は、来たるべき総選挙の前哨戦であつて、国民に各党の有する政策の全貌を知らしむることが目的であると信じておるのであります。拍手鳩山内閣は、その成立以来、短時日の間に、いわゆる閣僚放言の形において傍若無人なる宣伝戦を展開して参つたのであります。拍手選挙管理内閣は完全に選挙事前運動内閣となつたのであります。拍手われわれとしては、かかる鳩山内閣の放言の中において、何ができ得るのか、何ができないのか、どこまでが真実であつてどこからが、から宣伝であるかを、国民大衆の前に明らかにいたさなければならないと存ずるのであります。自分の宣伝だけは百。パーセントにやつて、あまり質問を許すとボロが出るから一日も早く切り上げようというのでは、鳩山首相の民主主義も、御都合主義の民主主義であると言わなければならないのであります。拍手
私の見るところによると、来たるべき総選挙のおもなる闘争の題目は三つあると私は信ずるのであります。その第一は、憲法改正の問題であります。その第二は、中ソとの国交調整を含む外交政策転換の問題であります。第三は、いかにして経済自立と国民生活の安定を具現するかの経済政策の問題であると私は思うのであります。拍手私は、以下順次、これらの問題について、基本的な諸点をただしたいと存ずるのであります。
第一の憲法改正の問題は、すでに緒方君、鈴木君によつて論ぜられておりますけれども、鳩山首相は、憲法を改正して再軍備を行う、自衛隊をして憲法上の孤児たらしめまいといつたことをもつて、あらゆる鳩山君の政治行動の基準としておつたようであるのであります。鳩山首相は、緒方君の先ほど指摘したことくに、自由党より分れ、自由党に帰り、また自由党を出て民主党を作られるまでの目まぐるしいほどの政治遍歴も、わずかに憲法改正を理由として合理化していたのであります。しかるに、鳩山首相が今政権の座につかれて、みずからの政治的生命を国民の審判にゆだねようとするときに、何ゆえに憲法改正に対する信念を打ち出さないのでありましようか。拍手
昨日、総理は、憲法改正に対し、民主主義と平和主義を堅持すると言われたのである。しかしながら、民主主義と平和主義を堅持するならば、憲法改正は不可能と感ずるのであります。拍手憲法を改正しようとするならば、民主主義、平和主義に挑戦するほかはないと私は信ずるのであります。拍手私は、ドイツにおきますところのワイマール憲法が廃止されて、ヒトラーのファッショの政権が成立いたしましたところのこの過程を顧みまして日本における憲法改正が、日本におけるファッショの政治の抜け道を作るのではないかと、心から憂えて、いる一人であるのであります。拍手また、鳩山君の理論によりまするならば、憲法第九条の改正なくしては自衛隊、自衛軍を持ち得ないはすであつて少くともこの理論をもつて鳩山君は吉田前首相を攻撃する主たる武器としておつたはずであります。しかるに、一たん組閣をなすや、自衛軍の創設は憲法違反でないという、憲法無視ともいうべき理論をかり来たつて前日の自説を全くほおかむりしているのでございます。吉田自由党の態度が憲法を空文化するところの憲法上の————であつたとするならば、鳩山首相の態度は、白日堂々と憲法をじゆうりんする憲法上の————と言わなければならぬのであります。拍手私は、鳩山首相が、組閣以来の憲法理論において、伝来の政治的言動に照らし、顧みて何ら恥ずるところなきやを問わんとするものであります。
また、鳩山内閣は、昨年予算委員会において自衛隊の増強については吉田前内閣の方針をそのまま踏襲すると称して、年々四万人の増強計画を承認されました。しかるに、最近予算編成大綱なるものを発表し、昭和三十年度の防衛費は二十九年度以上に増強しないと発表されたのでありますが、それは明らかに矛盾ではないかと考えるのであります。私は、そこで鳩山首相に問わんとするのでありまするが、自衛隊の増強計画は既定方針に従うという言明が誤まりでありたのであるか、それとも予算編成大綱が選挙目当ての人気取りの政策であつたのであるか、私は、鳩山首相の政治的良心に照らし、明確なる御答弁を求める次第であるのであります。拍手
第二は、中ソとの国交調整を含む外交政策の転換の問題でありまするが、鳩山内閣は、その発足以来自主外交を標傍しておりまするが、果して完全独立、平和及び経済自立の達成についていかなる具体策を持つておられるのか。昨日の御演説を拝聴いたしましても、これに対する何らの回答が与えられていないのは、まことに遺憾とするところであります。拍手われわれは、まず国民的要望であるところの領土問題の全面的解決を望むものであります。小笠原、沖縄、歯舞、色丹、千島、南樺太の完全復帰について、その所信と施策を現内閣に伺いたいのでございます。
さらに、独立の完成には、先ほど鈴大君も言われましたことくに、日米安全保障条約、日米行政協定等の一切の不平等条約の改訂が必要であると信ずるのであります。拍手これはまた中ソ国交の回復の一つの前提の条件ではないかと私は考えるのであります。この点についての施策を承りたいのであります。
われわれは、すべての国との協力によつて世界平和を築く立党の精神にのりとつて、自由世界、民主陣営との協力を必ずしも否定するものではないが、もしアメリカが日本をもつぱら共産圏に対するところの軍事基地として利用し、わが憲法、国民経済及び国民感情を無視し、再軍備を強要し、SEATOやNEATOにわが国を引き入れんとするところの、いわゆる反共十字軍的な戦略方式をもつて臨むとするならば、われわれはアメリカの深刻なる反省を求めなければならないと信ずるのであります。拍手最近、アイゼンハワー大統領の言動が、さきにネール首相も指摘いたした通りに国内の一部の好戦分子を押えて、平和の持続と探求に向つて積極的な面を示しつつあることは喜ぶべき現象でありまするとともに、われわれは、ますますこの傾向を助長するがごとく、アメリカに友誼的苦言を呈することが必要であると認めるのであります。拍手首相は果してかくのごとく苦言をアメリカになすところの信念がおありであるかどうか、承わりたいと想うのであります。拍手われわれは、真の永続的な世界平和は、資本主義と共産主義との両極の対峙に求むべきではなくして、資本主義にもあらず、共産主義にもあらず、第三の道である民主社会主義によつてのみ達成されるのであると確信するものであります。拍手米ソ両陣営間にある国際緊張は、戦争によらす、話し合いによつて解決し、両陣営の間に平和時代が続くことをこいねがうとともに、少くともアジアの問題については、わが国の自主的な立場から、アメリカに対して堂々と所信を述ぶべきものと思うけれども、首相の御意見がどうであるか、承わりたいのである。拍手
次に、ビキニ水爆実験の被害の事件について、政府は過般アメリカとの間に総額二百万ドルの慰謝料受け取りをもつて最後的解決と認めるという措置をとつたことを、誇りげに昨日も申しておりましたけれども、われわれは、物質的な損害賠償の額の多少よりも、一事件の本質であるところの原水爆の実験の停止、さらに進んで有効なる国際管理制度の確立と原水爆の禁止、原子力の平和利用の確立等を全然等閑に付して、これがために原水爆問題に関するわが国の強力なる道義上の発言権を放棄したことは遺憾千万でありまして、拍手われわれは、平和を愛する国民の名においてへ政府の責任を断固追及するのであります。それに対するところの政府の所信を承わりたいのであります。次に、ソ連、中共との国交調整については、一鳩山内閣がしばしば言明をし、かつ宣伝するところであります。他方、ソ連、中共側においても、これに呼応して最近はサンフランシスコの条約または日米関係の破壊を日本との友好関係樹立の条件としない趣旨を示すようになりました。このことは、サンフランシスコ条約に調印し、わが国の独立の第一歩を踏み出すとともにソ連、中共その他の未調印国との国交回復に努力することが妥当な順序なりと主張したわれわれの立場が正しいことを証明したものと信ずるのであります。拍手しかしながら、政府の言明はしばしばその内外に対する説明問に矛盾を示し、かつ総理の積極論と外相の消極論との間に重大なる食い違いを露呈するために、国民をして帰趨に迷わしめ、対外的に国家の信用を失墜するの重大なる醜態を犯しているのであります。かくのごときは、特に厳粛なるべき国の外交方針を選挙目当ての政略の具に供するものであつて断じてわれわれの承服し得ないところであります。拍手私は、国民の名において、あらためて次の諸点に対する総理及び外相の明確なる態度を伺いたい。
一、中ソとの国交調整の方途は、基本的には日本とインドとの間の平和条約のごとく簡潔なる平和条約を締結することであり、具体的にはソ連との間にはとりあえず戦争状態の終結に関する両国共同自書が適当であると考えるが、政府はいかに考えられるか。拍手
第二は、中国の問題であります。中国問題は、二つの政府の争いであるとともに、台湾をめぐる重大なる国際紛争の種であるという二面的な性質を持つておるが、台湾の処理は、あくまで平和的方法によることを要求するとともに、まず停戦の実現、次いで台湾の非軍事化と台湾の帰属に関する台湾住民の自由意思に基く決定という方式を日本が提唱すべきではないかと考えるけれども、政府はいかに考えるか。拍手一方、中共に対しては、中国本土の主人たる地位を容認し、これとの周に、先ほど申したような単独平和条約を締結すべきではないか。対中共貿易の拡大についても、右のような日中両国国交調整の基本的政策を持ち合わせずしてまた対中共貿易の厳重な統制をはずして純然たる武器弾薬以外は自由貿易とするような多角的な積極外交の努力なくしては、鳩山内閣の中共貿易拡大の看板は、から宣伝に終るものと思うが、政府はどう思うか。
最後に、石本外交の重点をアジア、特に東南及び南アジアに指向してアジア各民族の独立の完成を援助し、アジア後進地域の経済開発を推進することが肝要であると信ずる。特に、四月のアジア・アフリカ会議に対しては、わが国は積極的に参加すべきものと信ずるけれども、政府はいかなる方針をもつてこれに臨まんとするか、承りたいと思うのであります。拍手
第三は、経済自立、国民生活安定のための経済政策の問題でありまするが、この点に関する鳩山内閣の態度はきわめて不徹底であると思います。内閣が正式に閣議決定をして発表した経済復興六カ年計画及びその初年度としての昭和三十年度の予算編成大網と、各閣僚のまちまちなその都度放言とでは、あまりにも大きな食い違いがあつて、国民をして判断に迷わしむるからであります。まず国民の知らんとするところは、鳩山内閣は吉田内閣の末期に強行されたデフレ政策に対していかなる態度をとるかということであります。これを継承強化するか、それとも経済政策の転換をはかるかということであります。この点は、昭和三十年度の予算編成大綱を見ても、何らの回答を見出すことができないのであります。何となれば、これには数字の裏づけがなく、ただ一兆円のワク内に押えると言つているだけだからであります。一兆円のワク内に押えると言えば、デフレ政策の継続のごとくでありまするが、減税といい、住宅政策の強化といい、社会保障の増強といい、輸出金融措置の強化といい、自立防衛態度の整備といい、インフレ的要因を多分に含んでいるからであります。拍手この矛盾あるがゆえに政府は数字の裏づけができず、数字の裏づけなきがゆえに国会に提出することができなかつたのではない、かと思うのであります。拍手国会に提出できないほどのものを何ゆえ政府の方針と銘打つて一般に発表したのであるか、明確なる答弁を私は特に大蔵大臣に求めたいと思うのであります。拍手
世間一般には、鳩山首相並びに閣僚の放言を聞いて本年の経済界の前途に明るい見通しを抱く者がふえて参りましたけれども、証券相場においても一斉に値上りを示してきたことは周知の通りであるけれども、鳩山内閣はこれをあたかも自己の手柄のごとくに錯覚し、しきりに楽観的放送をしております。しかるに、一般的には好転せるかに見える経済情勢の奥に、深刻なる行き詰まりが一そう拍車をかけられつつあるという事実を、政府は知つておるのでありましようか。拍手中小企業の倒産と困難なる事情は、鳩山内閣の成立した年末よりも、一月に入つて一そう加重して参つたのでございます。東京都労働局の調査によりますると、職業安定所に職を求めるところの失業者は、昨年末の十三万から十五万にふえておるのであります。拍手さらに、人を求める求人数は、二、三万あつたものが、今日は皆無の状態に減つてきておるのであります。この一事をもつてしても、鳩山内閣成立以来表面明るく見える経済界の実体が、いかに深刻な不況に進みつつあるかということが了解されると思うのであります。拍手政府は、この事実に直面しつつも、なお楽観的な気休め放送を続けようとなさるのでありましようか。この際真剣なる経済政策の樹立を必要とすると信ずるのでありますが、政府の所見いかんと私はお尋ねいたしたいのであります。拍手
昨日の一萬田蔵相の演説を聞くと、為替貿易の自由化、財政の健全化、金融の正常化を目途とし、これに社会保障の強化を加え、全くけつこうずくめの財政経済政策を開陳されました。しかも、社会保障を強化するためには、住宅四十二万戸の建設、平年度五百億の減税、中小企業対策、就労対策など、これまた手放しの迎合政策の羅列であります。予算のワクを一兆円に押え、防衛費は前年度と同一の金額を確保し、しかもこれらの諸政策に要する経費をどう見積ろうとしておるのでありましようか。できない相談を持ちかけるにも限度があると私たちは考えるのであります。私は、この点に対し、政府の明確なる答弁あらんことを期待いたすのであります。拍手
要するに、鳩山内閣の放言が、いかに実体のないものであるか、選挙目当ての人気取り政策にすぎないかを明らかにし得たと信ずるものであります。私は、鳩山内閣に一片の良心があるならば、もつとまじめに、もつと真剣に、政治の現実に対処せられんことを望むのであります。
最後に私は一言申したいと存じます。一九五五年は一大転換期である。国内的にも国際的にも重大なる変貌を遂げつつあるということであります。この重大なるときに際会して、果して軽焼浮薄な鳩山内閣によつてこれが乗り切れるかどうかということは大きな疑問だと存ずるのであります。拍手終戦以来十年、官本は不幸にして保守勢力の誤まれる指導のもとに歩んで参つたのであります。しかも、その支柱であつた吉田自由党内閣は、昨年の暮れ、国際情勢の新しい発展と全国民の反抗にあつて遂に倒れ去つたのであります。しかしてこれにかわるべき勢力は何でありまするか。これからの日本を背負うて立つ勢力は何であるか。まさにこれを問わんとするのが来たるべき総選挙であると信ずるのであります。この総選挙は保守、革新の決戦であつてわれわれは総選挙を通じて憲法改正を阻止し、再軍備を食いとめ、国民生活の安定をはかり、社会主義政権樹立に邁進せんことを誓うて私の質問を終る次第であります。拍手
この発言だけを見る →私は、かつて数次にわたりこの壇上から吉田前首相に対し質問演説を試みたことがあるのでございます。しかし、吉田氏の非民主的な態度は、しばしば私をして憤激せしめたのであります。今鳩山首相の態度を見ると、吉田前首相に比して、きわめていんぎん丁寧なことくではありますけれども、質問の核心に触れていない点については同罪であると私は思うのであります。拍手私は、鳩山首相並びに閣僚が、民主主義の真髄に徹し、大胆率直にその所信を吐露せられんことを切に希望する次第であるのであります。
新聞紙の伝うるところによりますれば、政府はしきりに早期解散を望み、質疑応答についても委曲を尽すことを回避するやに見られるのでありまするが、われわれとしては、その真意を了解することができないのであります。今回の質問戦は、来たるべき総選挙の前哨戦であつて、国民に各党の有する政策の全貌を知らしむることが目的であると信じておるのであります。拍手鳩山内閣は、その成立以来、短時日の間に、いわゆる閣僚放言の形において傍若無人なる宣伝戦を展開して参つたのであります。拍手選挙管理内閣は完全に選挙事前運動内閣となつたのであります。拍手われわれとしては、かかる鳩山内閣の放言の中において、何ができ得るのか、何ができないのか、どこまでが真実であつてどこからが、から宣伝であるかを、国民大衆の前に明らかにいたさなければならないと存ずるのであります。自分の宣伝だけは百。パーセントにやつて、あまり質問を許すとボロが出るから一日も早く切り上げようというのでは、鳩山首相の民主主義も、御都合主義の民主主義であると言わなければならないのであります。拍手
私の見るところによると、来たるべき総選挙のおもなる闘争の題目は三つあると私は信ずるのであります。その第一は、憲法改正の問題であります。その第二は、中ソとの国交調整を含む外交政策転換の問題であります。第三は、いかにして経済自立と国民生活の安定を具現するかの経済政策の問題であると私は思うのであります。拍手私は、以下順次、これらの問題について、基本的な諸点をただしたいと存ずるのであります。
第一の憲法改正の問題は、すでに緒方君、鈴木君によつて論ぜられておりますけれども、鳩山首相は、憲法を改正して再軍備を行う、自衛隊をして憲法上の孤児たらしめまいといつたことをもつて、あらゆる鳩山君の政治行動の基準としておつたようであるのであります。鳩山首相は、緒方君の先ほど指摘したことくに、自由党より分れ、自由党に帰り、また自由党を出て民主党を作られるまでの目まぐるしいほどの政治遍歴も、わずかに憲法改正を理由として合理化していたのであります。しかるに、鳩山首相が今政権の座につかれて、みずからの政治的生命を国民の審判にゆだねようとするときに、何ゆえに憲法改正に対する信念を打ち出さないのでありましようか。拍手
昨日、総理は、憲法改正に対し、民主主義と平和主義を堅持すると言われたのである。しかしながら、民主主義と平和主義を堅持するならば、憲法改正は不可能と感ずるのであります。拍手憲法を改正しようとするならば、民主主義、平和主義に挑戦するほかはないと私は信ずるのであります。拍手私は、ドイツにおきますところのワイマール憲法が廃止されて、ヒトラーのファッショの政権が成立いたしましたところのこの過程を顧みまして日本における憲法改正が、日本におけるファッショの政治の抜け道を作るのではないかと、心から憂えて、いる一人であるのであります。拍手また、鳩山君の理論によりまするならば、憲法第九条の改正なくしては自衛隊、自衛軍を持ち得ないはすであつて少くともこの理論をもつて鳩山君は吉田前首相を攻撃する主たる武器としておつたはずであります。しかるに、一たん組閣をなすや、自衛軍の創設は憲法違反でないという、憲法無視ともいうべき理論をかり来たつて前日の自説を全くほおかむりしているのでございます。吉田自由党の態度が憲法を空文化するところの憲法上の————であつたとするならば、鳩山首相の態度は、白日堂々と憲法をじゆうりんする憲法上の————と言わなければならぬのであります。拍手私は、鳩山首相が、組閣以来の憲法理論において、伝来の政治的言動に照らし、顧みて何ら恥ずるところなきやを問わんとするものであります。
また、鳩山内閣は、昨年予算委員会において自衛隊の増強については吉田前内閣の方針をそのまま踏襲すると称して、年々四万人の増強計画を承認されました。しかるに、最近予算編成大綱なるものを発表し、昭和三十年度の防衛費は二十九年度以上に増強しないと発表されたのでありますが、それは明らかに矛盾ではないかと考えるのであります。私は、そこで鳩山首相に問わんとするのでありまするが、自衛隊の増強計画は既定方針に従うという言明が誤まりでありたのであるか、それとも予算編成大綱が選挙目当ての人気取りの政策であつたのであるか、私は、鳩山首相の政治的良心に照らし、明確なる御答弁を求める次第であるのであります。拍手
第二は、中ソとの国交調整を含む外交政策の転換の問題でありまするが、鳩山内閣は、その発足以来自主外交を標傍しておりまするが、果して完全独立、平和及び経済自立の達成についていかなる具体策を持つておられるのか。昨日の御演説を拝聴いたしましても、これに対する何らの回答が与えられていないのは、まことに遺憾とするところであります。拍手われわれは、まず国民的要望であるところの領土問題の全面的解決を望むものであります。小笠原、沖縄、歯舞、色丹、千島、南樺太の完全復帰について、その所信と施策を現内閣に伺いたいのでございます。
さらに、独立の完成には、先ほど鈴大君も言われましたことくに、日米安全保障条約、日米行政協定等の一切の不平等条約の改訂が必要であると信ずるのであります。拍手これはまた中ソ国交の回復の一つの前提の条件ではないかと私は考えるのであります。この点についての施策を承りたいのであります。
われわれは、すべての国との協力によつて世界平和を築く立党の精神にのりとつて、自由世界、民主陣営との協力を必ずしも否定するものではないが、もしアメリカが日本をもつぱら共産圏に対するところの軍事基地として利用し、わが憲法、国民経済及び国民感情を無視し、再軍備を強要し、SEATOやNEATOにわが国を引き入れんとするところの、いわゆる反共十字軍的な戦略方式をもつて臨むとするならば、われわれはアメリカの深刻なる反省を求めなければならないと信ずるのであります。拍手最近、アイゼンハワー大統領の言動が、さきにネール首相も指摘いたした通りに国内の一部の好戦分子を押えて、平和の持続と探求に向つて積極的な面を示しつつあることは喜ぶべき現象でありまするとともに、われわれは、ますますこの傾向を助長するがごとく、アメリカに友誼的苦言を呈することが必要であると認めるのであります。拍手首相は果してかくのごとく苦言をアメリカになすところの信念がおありであるかどうか、承わりたいと想うのであります。拍手われわれは、真の永続的な世界平和は、資本主義と共産主義との両極の対峙に求むべきではなくして、資本主義にもあらず、共産主義にもあらず、第三の道である民主社会主義によつてのみ達成されるのであると確信するものであります。拍手米ソ両陣営間にある国際緊張は、戦争によらす、話し合いによつて解決し、両陣営の間に平和時代が続くことをこいねがうとともに、少くともアジアの問題については、わが国の自主的な立場から、アメリカに対して堂々と所信を述ぶべきものと思うけれども、首相の御意見がどうであるか、承わりたいのである。拍手
次に、ビキニ水爆実験の被害の事件について、政府は過般アメリカとの間に総額二百万ドルの慰謝料受け取りをもつて最後的解決と認めるという措置をとつたことを、誇りげに昨日も申しておりましたけれども、われわれは、物質的な損害賠償の額の多少よりも、一事件の本質であるところの原水爆の実験の停止、さらに進んで有効なる国際管理制度の確立と原水爆の禁止、原子力の平和利用の確立等を全然等閑に付して、これがために原水爆問題に関するわが国の強力なる道義上の発言権を放棄したことは遺憾千万でありまして、拍手われわれは、平和を愛する国民の名においてへ政府の責任を断固追及するのであります。それに対するところの政府の所信を承わりたいのであります。次に、ソ連、中共との国交調整については、一鳩山内閣がしばしば言明をし、かつ宣伝するところであります。他方、ソ連、中共側においても、これに呼応して最近はサンフランシスコの条約または日米関係の破壊を日本との友好関係樹立の条件としない趣旨を示すようになりました。このことは、サンフランシスコ条約に調印し、わが国の独立の第一歩を踏み出すとともにソ連、中共その他の未調印国との国交回復に努力することが妥当な順序なりと主張したわれわれの立場が正しいことを証明したものと信ずるのであります。拍手しかしながら、政府の言明はしばしばその内外に対する説明問に矛盾を示し、かつ総理の積極論と外相の消極論との間に重大なる食い違いを露呈するために、国民をして帰趨に迷わしめ、対外的に国家の信用を失墜するの重大なる醜態を犯しているのであります。かくのごときは、特に厳粛なるべき国の外交方針を選挙目当ての政略の具に供するものであつて断じてわれわれの承服し得ないところであります。拍手私は、国民の名において、あらためて次の諸点に対する総理及び外相の明確なる態度を伺いたい。
一、中ソとの国交調整の方途は、基本的には日本とインドとの間の平和条約のごとく簡潔なる平和条約を締結することであり、具体的にはソ連との間にはとりあえず戦争状態の終結に関する両国共同自書が適当であると考えるが、政府はいかに考えられるか。拍手
第二は、中国の問題であります。中国問題は、二つの政府の争いであるとともに、台湾をめぐる重大なる国際紛争の種であるという二面的な性質を持つておるが、台湾の処理は、あくまで平和的方法によることを要求するとともに、まず停戦の実現、次いで台湾の非軍事化と台湾の帰属に関する台湾住民の自由意思に基く決定という方式を日本が提唱すべきではないかと考えるけれども、政府はいかに考えるか。拍手一方、中共に対しては、中国本土の主人たる地位を容認し、これとの周に、先ほど申したような単独平和条約を締結すべきではないか。対中共貿易の拡大についても、右のような日中両国国交調整の基本的政策を持ち合わせずしてまた対中共貿易の厳重な統制をはずして純然たる武器弾薬以外は自由貿易とするような多角的な積極外交の努力なくしては、鳩山内閣の中共貿易拡大の看板は、から宣伝に終るものと思うが、政府はどう思うか。
最後に、石本外交の重点をアジア、特に東南及び南アジアに指向してアジア各民族の独立の完成を援助し、アジア後進地域の経済開発を推進することが肝要であると信ずる。特に、四月のアジア・アフリカ会議に対しては、わが国は積極的に参加すべきものと信ずるけれども、政府はいかなる方針をもつてこれに臨まんとするか、承りたいと思うのであります。拍手
第三は、経済自立、国民生活安定のための経済政策の問題でありまするが、この点に関する鳩山内閣の態度はきわめて不徹底であると思います。内閣が正式に閣議決定をして発表した経済復興六カ年計画及びその初年度としての昭和三十年度の予算編成大網と、各閣僚のまちまちなその都度放言とでは、あまりにも大きな食い違いがあつて、国民をして判断に迷わしむるからであります。まず国民の知らんとするところは、鳩山内閣は吉田内閣の末期に強行されたデフレ政策に対していかなる態度をとるかということであります。これを継承強化するか、それとも経済政策の転換をはかるかということであります。この点は、昭和三十年度の予算編成大綱を見ても、何らの回答を見出すことができないのであります。何となれば、これには数字の裏づけがなく、ただ一兆円のワク内に押えると言つているだけだからであります。一兆円のワク内に押えると言えば、デフレ政策の継続のごとくでありまするが、減税といい、住宅政策の強化といい、社会保障の増強といい、輸出金融措置の強化といい、自立防衛態度の整備といい、インフレ的要因を多分に含んでいるからであります。拍手この矛盾あるがゆえに政府は数字の裏づけができず、数字の裏づけなきがゆえに国会に提出することができなかつたのではない、かと思うのであります。拍手国会に提出できないほどのものを何ゆえ政府の方針と銘打つて一般に発表したのであるか、明確なる答弁を私は特に大蔵大臣に求めたいと思うのであります。拍手
世間一般には、鳩山首相並びに閣僚の放言を聞いて本年の経済界の前途に明るい見通しを抱く者がふえて参りましたけれども、証券相場においても一斉に値上りを示してきたことは周知の通りであるけれども、鳩山内閣はこれをあたかも自己の手柄のごとくに錯覚し、しきりに楽観的放送をしております。しかるに、一般的には好転せるかに見える経済情勢の奥に、深刻なる行き詰まりが一そう拍車をかけられつつあるという事実を、政府は知つておるのでありましようか。拍手中小企業の倒産と困難なる事情は、鳩山内閣の成立した年末よりも、一月に入つて一そう加重して参つたのでございます。東京都労働局の調査によりますると、職業安定所に職を求めるところの失業者は、昨年末の十三万から十五万にふえておるのであります。拍手さらに、人を求める求人数は、二、三万あつたものが、今日は皆無の状態に減つてきておるのであります。この一事をもつてしても、鳩山内閣成立以来表面明るく見える経済界の実体が、いかに深刻な不況に進みつつあるかということが了解されると思うのであります。拍手政府は、この事実に直面しつつも、なお楽観的な気休め放送を続けようとなさるのでありましようか。この際真剣なる経済政策の樹立を必要とすると信ずるのでありますが、政府の所見いかんと私はお尋ねいたしたいのであります。拍手
昨日の一萬田蔵相の演説を聞くと、為替貿易の自由化、財政の健全化、金融の正常化を目途とし、これに社会保障の強化を加え、全くけつこうずくめの財政経済政策を開陳されました。しかも、社会保障を強化するためには、住宅四十二万戸の建設、平年度五百億の減税、中小企業対策、就労対策など、これまた手放しの迎合政策の羅列であります。予算のワクを一兆円に押え、防衛費は前年度と同一の金額を確保し、しかもこれらの諸政策に要する経費をどう見積ろうとしておるのでありましようか。できない相談を持ちかけるにも限度があると私たちは考えるのであります。私は、この点に対し、政府の明確なる答弁あらんことを期待いたすのであります。拍手
要するに、鳩山内閣の放言が、いかに実体のないものであるか、選挙目当ての人気取り政策にすぎないかを明らかにし得たと信ずるものであります。私は、鳩山内閣に一片の良心があるならば、もつとまじめに、もつと真剣に、政治の現実に対処せられんことを望むのであります。
最後に私は一言申したいと存じます。一九五五年は一大転換期である。国内的にも国際的にも重大なる変貌を遂げつつあるということであります。この重大なるときに際会して、果して軽焼浮薄な鳩山内閣によつてこれが乗り切れるかどうかということは大きな疑問だと存ずるのであります。拍手終戦以来十年、官本は不幸にして保守勢力の誤まれる指導のもとに歩んで参つたのであります。しかも、その支柱であつた吉田自由党内閣は、昨年の暮れ、国際情勢の新しい発展と全国民の反抗にあつて遂に倒れ去つたのであります。しかしてこれにかわるべき勢力は何でありまするか。これからの日本を背負うて立つ勢力は何であるか。まさにこれを問わんとするのが来たるべき総選挙であると信ずるのであります。この総選挙は保守、革新の決戦であつてわれわれは総選挙を通じて憲法改正を阻止し、再軍備を食いとめ、国民生活の安定をはかり、社会主義政権樹立に邁進せんことを誓うて私の質問を終る次第であります。拍手
松
松永東#14
○議長(松永東君) ただいまの河上君の発言中、もし不穏当の言辞があれば、速記録を取調べの上、適当の処置をとることといたします。
これより答弁を願います。内閣総理大臣鳩山一郎君。
〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
この発言だけを見る →これより答弁を願います。内閣総理大臣鳩山一郎君。
〔国務大臣鳩山一郎君登壇〕
鳩
鳩山一郎#15
○国務大臣(鳩山一郎君) 河上君の御質疑に答弁をいたします。
憲法改正と自衛軍備創設について、何がゆえに来たるべき総選挙にこれを明示しないのかという御質問でありました。私は、河上君の言う通りに、憲法の改正、自衛軍の創設を二年半以前から唱えて参りました。自衛隊の、第九条の変更は民主主義と平和主義の原則を破るようなお話でありましたが、第九条をごらん下されば、これを変更するのは当然だと私は思うのでありましてこれを変更して民主主義も平和主義も破れるおそれはないと思います。ただ、これを明示しなかつたというのは、自衛軍隊ということの観念が、ここ数年の間にずいぶん日本人の間に変遷して参りました。昔は、この議会におきましても、軍隊を持つということは第九条に正反対のものという認識であつたのであります。ゆえに、自衛隊と言いませんで、保安隊というものを作つてきたのであります。しかしながら、これが自衛隊となつて、自衛のために軍備を持つということは当然だという常識がだんだんに普遍化して参つたのであります。当然自衛のためならば軍隊を持つてもよろしいという観念になつた今日におきまして、軍備を持つことができない当時の情勢とは歴史上変遷があつたというのは当りまえであります。拍手そういうような国民の観念に変遷があつたときには、私がこれを主張するにも緩急が自然にできるというのは当然であります。
中ソとの国交の関係、これについては、たびたびここで申しましたから、再びこれをいたしません。外務大臣から詳細にお話しをしていただくことにいたします。また、経済政策につきましても一萬田君から御答弁を願います。私が直接答弁しなくてはならない事柄は、私の自分の行動が数年前と違つたという質問が最も肝要だと思いますから、それだけについての答弁をいたしまして、私の答弁を終ることにいたします。拍手
〔国務大臣重光葵君登壇〕
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中ソとの国交の関係、これについては、たびたびここで申しましたから、再びこれをいたしません。外務大臣から詳細にお話しをしていただくことにいたします。また、経済政策につきましても一萬田君から御答弁を願います。私が直接答弁しなくてはならない事柄は、私の自分の行動が数年前と違つたという質問が最も肝要だと思いますから、それだけについての答弁をいたしまして、私の答弁を終ることにいたします。拍手
〔国務大臣重光葵君登壇〕
重
重光葵#16
○国務大臣(重光葵君) お答えします。
日米安全保障条約はすみやかに廃棄したらばどうかというお話でございました。今日の国際情勢において、日米安全保障条約を破棄することは、わが国の地位を危険ならしむるものと考えます。従いまして、これに賛成することはできません。拍手なお、安全保障の問題について、東南アジアの軍事機構等のお話がありました。いまだこの問題は国際問題と相なつておらないのであります。これはまだ考慮する時期に達しておりません。
それから次に、ビキニの問題であります。ビキニの問題を解決いたしました。その解決の補償額については、私といえども満足をいたしておるわけではございません。しかしながら、これが解決をしたということは、これは重要な意義を持つているものだ、こう思います。しかし、このビキニ問題を解決したから原爆の平和利用に対するわが日本の立場、主張を撤回したものであるということには相ならぬのであります。拍手日本は原爆の経験を持つておる唯一の国としてあくまで原爆を世界破滅の具にしないように、平和利用のみにこれを使うように仕向けることに努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。拍手
平和関係を各国との間に解決するということの必要なことは申すまでもありません。従いまして、ソ連との関係において平和条約を結局結び、かつまた戦争を終結に導くということについては、お話の通りに、私どもも努力をいたしたいと考えております。拍手
中国問題について、台湾と中共との妥協について何か日本でやることはないか、こういうお話でありますが、中共と台湾との間において戦争状態があることは最も不幸なことと考えております。従いましてこの関係が解決をいたしましたならば大へん都合がいいのでありまして、このことについてできるだけの全力を尽したいと存じております。(笑声、拍手)
アジアの後進国の再建、独立、経済進出ということについて努力を惜しまないことは、昨日も説明した通りであります。アジア問題がますます重要になつて来るということは申すまでもございません。従いまして、アジア・アフリカ会議の提唱のある今日、この会議がどういうふうに開かれるかということについては重大なる関心を持つて、その準備を進めております。しかし、いまだこれは招請状を受けておりませんから、招請状を受けた上で十分な検討をして態度を決するつもりでございます。拍手
[国務大臣一萬田尚登君登壇〕
この発言だけを見る →日米安全保障条約はすみやかに廃棄したらばどうかというお話でございました。今日の国際情勢において、日米安全保障条約を破棄することは、わが国の地位を危険ならしむるものと考えます。従いまして、これに賛成することはできません。拍手なお、安全保障の問題について、東南アジアの軍事機構等のお話がありました。いまだこの問題は国際問題と相なつておらないのであります。これはまだ考慮する時期に達しておりません。
それから次に、ビキニの問題であります。ビキニの問題を解決いたしました。その解決の補償額については、私といえども満足をいたしておるわけではございません。しかしながら、これが解決をしたということは、これは重要な意義を持つているものだ、こう思います。しかし、このビキニ問題を解決したから原爆の平和利用に対するわが日本の立場、主張を撤回したものであるということには相ならぬのであります。拍手日本は原爆の経験を持つておる唯一の国としてあくまで原爆を世界破滅の具にしないように、平和利用のみにこれを使うように仕向けることに努力をいたしたい、こう考えておる次第でございます。拍手
平和関係を各国との間に解決するということの必要なことは申すまでもありません。従いまして、ソ連との関係において平和条約を結局結び、かつまた戦争を終結に導くということについては、お話の通りに、私どもも努力をいたしたいと考えております。拍手
中国問題について、台湾と中共との妥協について何か日本でやることはないか、こういうお話でありますが、中共と台湾との間において戦争状態があることは最も不幸なことと考えております。従いましてこの関係が解決をいたしましたならば大へん都合がいいのでありまして、このことについてできるだけの全力を尽したいと存じております。(笑声、拍手)
アジアの後進国の再建、独立、経済進出ということについて努力を惜しまないことは、昨日も説明した通りであります。アジア問題がますます重要になつて来るということは申すまでもございません。従いまして、アジア・アフリカ会議の提唱のある今日、この会議がどういうふうに開かれるかということについては重大なる関心を持つて、その準備を進めております。しかし、いまだこれは招請状を受けておりませんから、招請状を受けた上で十分な検討をして態度を決するつもりでございます。拍手
[国務大臣一萬田尚登君登壇〕
一
一萬田尚登#17
○国務大臣(一萬田尚登君) 私に対しまする御質問は、デフレ政策並びに民生の安定ができるかという御趣旨であつたように思うのでありますが、デフレ政策は結局において民生安定を目的にしておるのであります。従来、デフレ政策の遂行に関連しまして、民生安定に関する諸施策が相伴わなかつたところに、いろいろと不都合があつたのであります。従いまして今日このデフレ政策の基調を変えないことは、一兆円の予算でもきわめて明白であります。従つて今後においては、これをやる場合に、その他の経済、社会に関する諸施策を総合してやろう、こういうことに御承知を願いたいのであります。そしてこれにつきましては、何だかできないことを言つているかのようなお話でありますが、そういうことは絶対にありません。拍手これは、私が必ず数字をつけましてこの機会に皆さんに御審議を願うことができないことは、はなはだ残念に思つておりますが、必ず数字をつけまして、決してこれが架空でないことを証明いたします。拍手
この発言だけを見る →松
水
水田三喜男#19
○水田三喜男君 私は、自由党を代表して、政府に対し、財政金融の方針並びに綱紀粛正の問題に関して質問をなさんとするものであります。拍手
質問の第一点は、本日わが党の緒方総裁並びに河上委員長からも指摘された問題でありますが、国法の規定するところによつて、政府は通常国会に予算案を提出する義務を負うておるのにかかわらず、何ゆえにこれを怠つたのであるかについて、大蔵大臣からあらためて明快な答弁を承わりたいことであります。
鳩山総理は、組閣の劈頭において少数与党の組閣を僭越であるとして、非常に謙遜されましたことにつきましては敬意を表するものでありますが、しかしながら、たとい国民の審判を経ていない少数者の政府であるとしても、国法に規定するところに従つて合法的に成立した、りつぱな日本国政府であつて、その任務に関しては何らの謙遜をも要しないものであります。たとい社会党両派との話し合いによつて選挙を公明に執行するだけの任務を請け負つて成立したものであるといたしても、それはあくまで私的な協定であり、国法の命ずる義務を怠つていいという理由にはなりません。総選挙によつて国民の審判を経なければならぬ事態に直面しておればおるだけ、むしろ政府及び与党は、国民の前に堂々と予算案の全貌を示して、その信を問うべきであると存するのであります。現に、鳩山総理は、組閣直後の予算委員会において、予算案提出の義務は果すと言明されたのにかかわらず、ただいまの御答弁によりますというと、国会に審議期間がなかつたから提出しなかつたのだという御答弁でありますが、国会が審議するかしないかは国会の問題でありまして、政府が提出する義務を免れる理由にはいささかもならぬだろうと存じます。拍手従つて、大蔵大臣は、予算を提出しないという閣議の決定に対して、当時いかに対処せられたかについて承わりたいと存じます。
鳩山内閣は選挙管理内閣であり、従つて暫定内閣であるということは、国民周知の事実であります。従つて、内閣の性格にかんがみて、この際予算案の提出を遠慮されたというのでもしあるとしたならば、政府が施政方針を国会で演説したことは明らかに誤まりであります。拍手現に、今回の施政方針に関しまして、野党の各党は、まじめな質問を試みようとしても、質問の仕方がなくて困り抜いていることは事実であります。たとえば、四十二万戸の住宅を一年間で作り上げると大蔵大臣は言明されました。これはすでに自由党の政策でもあり、私どもは大賛成であります。しかしながら、四十二万戸の住宅を建設するためには一千数百億円の資金を必要とするものであつて、財政投融資に依存するものだけでも、
おそらくは六百億円をこえることと思われるのでありますが、その資金を捻出するためには、他のいかなる部分を削減しようとするのであるか、その全貌はほとんど示されておりません。拍手数字を一切示さずにおいて、ただ減税は行う、予算のワクは変えない、財政投融資のワクもふやさない、しかしながらこういう政策は必ず実施するといつて資金の拡張、拡大強化という字を使つた二十数項目の項目を盛りだくさんに発表するというごときは、明らかに無責任なる放言と言わなければならぬとわれわれは考えます。拍手それでは、選挙を公明に執行する管理内閣ではなくて明らかに選挙運動内閣であり、しかも国法の命ずる義務を怠つて省みない知能犯内閣であるとすら私どもは思うのでありますが、拍手大蔵大臣の所信を承わりたいと存じます。
質問の第二点は、財政と金融政策のあり方についてであります。御承知のように、戦後の日本経済を今日の程度まで立て直しましたことは、国の内外における真剣な努力によることは言うまでもありませんが、生産の拡大による国民生活の繁栄を求めるためには、何としても日本経済の基盤を固めることが先決の問題でありまして、そのために、インフレを押えようとするデフレ政策が政府施策の基調とならざるを得なかつたのでありますが、正常でない、異常な日本経済の立て直し策であつただけに、副作用も当然に現われて、国民の各層に政策のしわ寄せが見られましたことは現実の事実であります。ここにおいて、私どもは、いよいよ第二段階としての施策を国民経済の正常化と産業規模の拡大に集中すべき時期に当面したと信ずるのでありますが、この点に関する政府の方針は、昨日はきわめて不明確でありました。大蔵大臣が演説されました財政金融に関する基本方針は、果して政府部内において十分に検討され、統一されている方針であるかどうか、疑わしいものを各所に包蔵しておりますので、以下数項目にわたつて、大蔵大臣、通産大、経済審議庁長官の御答弁をわずらわしたいと存じます。
まず第一に、財政金融の正常化施策に一歩の前進をしようとするならば、従来の傾向であつた財政インフレ・金融デフレというあり方をここで変更して、財政デフレ・金融インフレヘの傾向的転換をはかるべきであろうと私どもは考えております。大蔵大臣は、日銀総裁の時代において、財政のしわを金融に持ち込まれることは迷惑であるとたびたび申しておられたのでありますが、今回の予算編成の方針におきましては、大蔵大臣の従来のこの持論がほとんど消え去つており、むしろ総花式なインフレ財政が依然として約束されているような感じを与えるのみでありまして具体的の抱負がどこにも現われておりません。財政金融一体としてのデフレ政策を今後まだ継続するのかしないのか、あるいはここらで一時ゆるめようとするのか、奥歯に物のはさまつた言い方でございまして、あの表現では国民のだれにも了解はできません。
そこで、私は、むずかしい理論の応答はやめることにいたしまして率直にお聞きしたいと存じますことは、過日関西の経済人に対して大蔵大臣が申されたそうでありますが、経済の地固めはようやく八合目あたりに来た、ここらでミルクを飲ませたい、飲ませてもいいということを申されたそうですが、そのお話のうちの、一体ミルクとは果して何でありますか。昔から日銀蔵相に景気なしという言葉が伝えられておりますが、日本銀行の総裁が大蔵大臣になつて好景気になつた例はないというのが歴史的事実だそうでございます。拍手これを少し大蔵大臣が気にされて地固め政策を中心としてのなだめ薬を与えるといつた意味でありますか、それとも、西ヨーロッパの好景気に日本が追随できる受け入れ態勢をここらで作るという意味でございますか、この点が明確でありません。かつて法王とまで言われた大蔵大臣でございますから、まさかこのミルクが学童給食用の粉ミルクという程度のものでごまかされようとは思いませんので、ます、ミルクとは何ぞやということの御説明を願えれば、大蔵大臣の全政策の全貌がわれわれに了解できるのではないかと思つております。拍手
質問の第三点は、減税・貯蓄を中心とする財政と金融のあり方についての問題でございます。御承知の通り、ドツジ政策以来、私どもは、その年の国家の経費はその年の税金でまかなうという方針を一貫して参りました。しかし、この方針は正常でない方針であつてそのために今日まで日本の税金は不当に高くなつているのであります。もし国民の資本蓄積が推進されるとしたら、治山治水とか、あるいはその他の経済効果が長い将来に持続されるような事業は、その年の税収入のみで行うべきものではなくて公債の発行によつてまかなうことがむしろ本筋であろうと存じます。従つてそれだけ減税を行なつても国家が予算の編成に困難することはございません。自由党は今回一兆円の貯蓄と一千億円の減税を主張しているのでありますが、何のために一兆円の貯蓄を目途にするかと申しますと、日銀の信用造出によらないで、公債とか金融債の発行を、すなわち財政投融資的な資金を、税金によらなくて国民蓄積の中から求めようとする構想を私どもは持つているからであります。拍手私どもは、国民の税金によつて国家が金貸しをやつているような仕事だけは、この辺でやめたいと考えております。拍手金融債を発行してもインフレにならないといち経済基盤を早く作り上げて、財政の正常化を実現したい。そのためにこそ今日まで努力してきたと申しても差しつかえございません。御承知のように、本年度の国民貯蓄は六千億円になんなんとしておりますので、一兆円貯蓄の増加は、あと一息というところまで参つております。従つて、私どもは、ここでまず資本の蓄積を阻害する税金を思い切つて減免したいと考えます。定期性の貯蓄をしてくれた者には基礎控除を行なつて減税したいと考えております。もし三百億円の国税を犠牲にすれば一千億円の貯蓄の確保はできるだろうという計算を私どもはいたしております。もしこういろ減税政策によつて国民貯蓄が増加するならば、そのうちの一定部分を金融債の消化等に充てさせるようなことは、そういう行政措置をとるようなことは決して誤りではなかろうと私どもは考えております。自由党は、以上のような構想によつて、税金にたよらない財政投融資資金の調達を考えておりますからこそ、勤労所得者あるいは中小企業者の減税を中心として、一千億からむしろ一千二百億円くらいの減税を可能とすることができるのであります。拍手ここで通産大臣にお伺いしたいのでありますが、石橋通産大臣は、就任早早、輸出入銀行債の発行その他の抱負をかなり勇ましく述べられたはずでありますが、政府の施政方針の中からはいつの間にか姿を消してしまつたのはどういういきさつでありますか、伺いたいと存じます。石橋政策というものは従来日本の経済界から敬遠されておつたことは事実でありますが、それは、公債発行の主体的条件が成熟していないときに公債発行論を述べたために、インフレ論者であるとして恐れられたのであろうと考えております。もし資本の蓄積が一定の水準に達して、その中から公債を消化できるとするならば、インフレーションは絶対に起らないはずであります。むしろそうすることが財政金融正常化への一歩であるはずであると、われわれは考えております。しかるに、大蔵大臣の施政方針には、この点に関する何らの新しい積極的構想が見られないことは、非常に遺憾であります。何のために貯蓄を奨励するかの目的も、予算の方針の中には全く不明瞭になつております。政府は五百億円の減税を申しておりますが、最も不景気と思われておる二十九年度においてさえ、すでに自然増収は三百億をこすと言われております。従つて、昭和三十年度において五百億円程度の減税などは、これは問題になりません。むしろ減税ではなくして増税であるとすら考えられる数字であります。従つて、私は、現内閣において、この際、いい意味の石橋構想、これを取り上げるくらいの勇気がなかつたら、事実上予算の編成は不可能であると考えます。五百億の減税も結局はうそになつてしまつて、反対にそれだけの消費税を増徴して、日本の物価を上げてしまうということが、せいぜい落ちではないかと懸念するものであります。拍手一体、なぜ通産大臣は、日本の主体的条件の成熟を見て、ここらで当初の意向をもう少しがんばらなかつたのでありますか。閣議で全面屈服をしてしまつて、少し私どもはふがいなさ過ぎると思うのでありますが、この点について、一つ石橋通産大臣の明確な御所見を伺いたいと思います。質問の第三点は、六カ年計画についてであります。日本経済の自立を達成するためには、総合的、計画的施策を必要とすることは当然でありまして、私どもにおいても、経済審議庁において、十年後の見通し策定という方策を今日まで行なつて参りました。ところが、今経済審議庁でわれわれが準備した十年後の見通しは、計画の前提となるべき基礎要因がきわめて不明確で、ことごとくが仮定に基いた立案であつたことは事実であります。しかも、拡大均衡のための特別施策を前提とした計画では絶対にございませんでした。従つて、私どもは、この計画を正しいものとして国民の前に発表する決意を持ちませんでした。そうして長い間審議しておりましたところが、今度政府が組閣するやいなや、二、三日のうちに、三、四日のうちに、この十年計画の数字を算術的に十分の六にみんな直して、そうしてこれを六カ年計画の自立と銘打つて一枚看板にされた態度は、何としても無責任きわまるものと私どもは考えております。拍手一体、経済審議庁長官は、この計画の達成に何時間の討議の時間を費したのでありますか。果して、これを国民の前に、国家の設計図として、希望を与える設計図として提出する自信がございますかどうかについての所見は、ぜひとも伺いたいと存じます。しかも、前半の三年間は地固めの年であつて、後半の三年間は拡大均衡の年であると割り切つた説明をされておるのでありますが、何をもつてそういう説明ができるかの根拠を十分にお伺いしたいと思います。理論的に、観念的に、経済の地固めと経済の拡大ということを区別することは、あるいはできるかもしれませんが、現実の産業政策においてこれを区別することは全く不可能であると私どもは考えます。拍手デフレ政策を現に行いながらも、その反面において、電源を開発したり、新興産業の育成を行うなど、拡大への積極政策を同時に行わなければならないとい、うところに日本経済の苦しみがあることは、長官といえども十分御承知のはずであります。拍手従つて、私ども自由党は、最も可能と思われる前提の上に立つて経済拡大に関する三年計画を準備したわけでありますが、これでも私どもはまだ長過ぎるとさえ思つております。きわめて短かい期間、せいぜい二、三年の間に総合政策を実施してしまうのでなければ、日本経済は国際競争に破れてしまうではないかということを、私どもは真剣におそれております。従つて、ごく短期間の非常立法まで行なつて、総合政策の実施を急ごうとするのが私どもの態度でありましたが、経済審議庁長官は、かくのごとき悠長な、ずさんきわまりない、成り行きまかせの六カ年計画というようなものを、ここでいさぎよく撤回して、もつと短期の計画に立て直し、そうして施策を具体化して、短期の臨時措置法というようなものによつてこれ一を断行するというごとき考えを持つておられるかどうか、この点についても、あわせて所信を承わりたいと存じます。拍手
最後に、私は、非常に不本意ではございますが、綱紀粛正の問題につきまして御質問をいたしたいと思います。拍手昨日も、総理大臣の施政方針の演説におきまして、鳩山総理は特に声を大にして政界、官界の綱紀粛正を強調されました。しかるに、鳩山内閣の今年度北洋漁業に関する許可問題をめぐりまして河野農林大臣が業者の手によつて告発せられ、鳩山内閣の一枚看板ともいうべき綱紀、官紀の粛正に反するごとき問題が新聞紙によつて報道されておりますことは非常に遺憾であります。拍手
そもそも北洋のサケ、タラ漁業は国際的重要漁業でありまして、またその価値は往年においてさえ莫大な権益として取扱われていたことは世上周知の事実であります。敗戦後のわが水産業界におきましては、さらに往年に倍する収益でありまして、昨年の七船団の水揚げ総額は六十三億円に上つて、この船団の許可の権利は莫大であるといわれております。従つて、かくのごとき重大な国家の権益に属する許可については、まず第一に重要なことは、行政の公平性が確保されなければならないということであります。しかるに、今年度の船団許可に当りましては、農林大臣は、水産事務当局が公平性を基礎とした方針を堅持したにもかかわらず、かつて農相が社長であつた日魯漁業会社に対して強引に四船団を許可するために、選挙管理内閣の性格を逸脱して、事情に精通した水産庁長官を交迭せしめ、さらに最後まで公正な事務当局案をひつさげて農相に反省を促したといわれる生産部長をも異動する強硬手段を行なつて、この許可をあえてした、こういうことを言われて、全水産庁をあぜんたらしめておることは事実であります。このことは、漁業法第六十五条による省令第三十号の第四条の不当集中の排除に関する規定に明らかに違反するばかりではなくて、行政の公平性を無視した取扱いであります。しかも、この四船団中の一船団は、出願のなかつたのを、聞くところによれば、年末急速出願をなさしめて、これに許可を与えた。さらに驚くべきことは、船名さえまだきまつておらず、未定のままのものに一船団を許可しておるといわれておりますが、これらのいずれもが日魯漁業傘下のものであると指摘されております。
ここにおいて、世上いろいろな疑惑の目が鳩山内閣に向けられておることは、まことに看過できない重大なる綱紀問題であると私どもは考えておるのであります。拍手明朗政治を叫び、官紀粛正を一枚看板とせられておる鳩山首相みずから率直にこの理非曲直を明らかにされんことを要求いたしまして、私の質問を終ることにいたします。拍手
この発言だけを見る →質問の第一点は、本日わが党の緒方総裁並びに河上委員長からも指摘された問題でありますが、国法の規定するところによつて、政府は通常国会に予算案を提出する義務を負うておるのにかかわらず、何ゆえにこれを怠つたのであるかについて、大蔵大臣からあらためて明快な答弁を承わりたいことであります。
鳩山総理は、組閣の劈頭において少数与党の組閣を僭越であるとして、非常に謙遜されましたことにつきましては敬意を表するものでありますが、しかしながら、たとい国民の審判を経ていない少数者の政府であるとしても、国法に規定するところに従つて合法的に成立した、りつぱな日本国政府であつて、その任務に関しては何らの謙遜をも要しないものであります。たとい社会党両派との話し合いによつて選挙を公明に執行するだけの任務を請け負つて成立したものであるといたしても、それはあくまで私的な協定であり、国法の命ずる義務を怠つていいという理由にはなりません。総選挙によつて国民の審判を経なければならぬ事態に直面しておればおるだけ、むしろ政府及び与党は、国民の前に堂々と予算案の全貌を示して、その信を問うべきであると存するのであります。現に、鳩山総理は、組閣直後の予算委員会において、予算案提出の義務は果すと言明されたのにかかわらず、ただいまの御答弁によりますというと、国会に審議期間がなかつたから提出しなかつたのだという御答弁でありますが、国会が審議するかしないかは国会の問題でありまして、政府が提出する義務を免れる理由にはいささかもならぬだろうと存じます。拍手従つて、大蔵大臣は、予算を提出しないという閣議の決定に対して、当時いかに対処せられたかについて承わりたいと存じます。
鳩山内閣は選挙管理内閣であり、従つて暫定内閣であるということは、国民周知の事実であります。従つて、内閣の性格にかんがみて、この際予算案の提出を遠慮されたというのでもしあるとしたならば、政府が施政方針を国会で演説したことは明らかに誤まりであります。拍手現に、今回の施政方針に関しまして、野党の各党は、まじめな質問を試みようとしても、質問の仕方がなくて困り抜いていることは事実であります。たとえば、四十二万戸の住宅を一年間で作り上げると大蔵大臣は言明されました。これはすでに自由党の政策でもあり、私どもは大賛成であります。しかしながら、四十二万戸の住宅を建設するためには一千数百億円の資金を必要とするものであつて、財政投融資に依存するものだけでも、
おそらくは六百億円をこえることと思われるのでありますが、その資金を捻出するためには、他のいかなる部分を削減しようとするのであるか、その全貌はほとんど示されておりません。拍手数字を一切示さずにおいて、ただ減税は行う、予算のワクは変えない、財政投融資のワクもふやさない、しかしながらこういう政策は必ず実施するといつて資金の拡張、拡大強化という字を使つた二十数項目の項目を盛りだくさんに発表するというごときは、明らかに無責任なる放言と言わなければならぬとわれわれは考えます。拍手それでは、選挙を公明に執行する管理内閣ではなくて明らかに選挙運動内閣であり、しかも国法の命ずる義務を怠つて省みない知能犯内閣であるとすら私どもは思うのでありますが、拍手大蔵大臣の所信を承わりたいと存じます。
質問の第二点は、財政と金融政策のあり方についてであります。御承知のように、戦後の日本経済を今日の程度まで立て直しましたことは、国の内外における真剣な努力によることは言うまでもありませんが、生産の拡大による国民生活の繁栄を求めるためには、何としても日本経済の基盤を固めることが先決の問題でありまして、そのために、インフレを押えようとするデフレ政策が政府施策の基調とならざるを得なかつたのでありますが、正常でない、異常な日本経済の立て直し策であつただけに、副作用も当然に現われて、国民の各層に政策のしわ寄せが見られましたことは現実の事実であります。ここにおいて、私どもは、いよいよ第二段階としての施策を国民経済の正常化と産業規模の拡大に集中すべき時期に当面したと信ずるのでありますが、この点に関する政府の方針は、昨日はきわめて不明確でありました。大蔵大臣が演説されました財政金融に関する基本方針は、果して政府部内において十分に検討され、統一されている方針であるかどうか、疑わしいものを各所に包蔵しておりますので、以下数項目にわたつて、大蔵大臣、通産大、経済審議庁長官の御答弁をわずらわしたいと存じます。
まず第一に、財政金融の正常化施策に一歩の前進をしようとするならば、従来の傾向であつた財政インフレ・金融デフレというあり方をここで変更して、財政デフレ・金融インフレヘの傾向的転換をはかるべきであろうと私どもは考えております。大蔵大臣は、日銀総裁の時代において、財政のしわを金融に持ち込まれることは迷惑であるとたびたび申しておられたのでありますが、今回の予算編成の方針におきましては、大蔵大臣の従来のこの持論がほとんど消え去つており、むしろ総花式なインフレ財政が依然として約束されているような感じを与えるのみでありまして具体的の抱負がどこにも現われておりません。財政金融一体としてのデフレ政策を今後まだ継続するのかしないのか、あるいはここらで一時ゆるめようとするのか、奥歯に物のはさまつた言い方でございまして、あの表現では国民のだれにも了解はできません。
そこで、私は、むずかしい理論の応答はやめることにいたしまして率直にお聞きしたいと存じますことは、過日関西の経済人に対して大蔵大臣が申されたそうでありますが、経済の地固めはようやく八合目あたりに来た、ここらでミルクを飲ませたい、飲ませてもいいということを申されたそうですが、そのお話のうちの、一体ミルクとは果して何でありますか。昔から日銀蔵相に景気なしという言葉が伝えられておりますが、日本銀行の総裁が大蔵大臣になつて好景気になつた例はないというのが歴史的事実だそうでございます。拍手これを少し大蔵大臣が気にされて地固め政策を中心としてのなだめ薬を与えるといつた意味でありますか、それとも、西ヨーロッパの好景気に日本が追随できる受け入れ態勢をここらで作るという意味でございますか、この点が明確でありません。かつて法王とまで言われた大蔵大臣でございますから、まさかこのミルクが学童給食用の粉ミルクという程度のものでごまかされようとは思いませんので、ます、ミルクとは何ぞやということの御説明を願えれば、大蔵大臣の全政策の全貌がわれわれに了解できるのではないかと思つております。拍手
質問の第三点は、減税・貯蓄を中心とする財政と金融のあり方についての問題でございます。御承知の通り、ドツジ政策以来、私どもは、その年の国家の経費はその年の税金でまかなうという方針を一貫して参りました。しかし、この方針は正常でない方針であつてそのために今日まで日本の税金は不当に高くなつているのであります。もし国民の資本蓄積が推進されるとしたら、治山治水とか、あるいはその他の経済効果が長い将来に持続されるような事業は、その年の税収入のみで行うべきものではなくて公債の発行によつてまかなうことがむしろ本筋であろうと存じます。従つてそれだけ減税を行なつても国家が予算の編成に困難することはございません。自由党は今回一兆円の貯蓄と一千億円の減税を主張しているのでありますが、何のために一兆円の貯蓄を目途にするかと申しますと、日銀の信用造出によらないで、公債とか金融債の発行を、すなわち財政投融資的な資金を、税金によらなくて国民蓄積の中から求めようとする構想を私どもは持つているからであります。拍手私どもは、国民の税金によつて国家が金貸しをやつているような仕事だけは、この辺でやめたいと考えております。拍手金融債を発行してもインフレにならないといち経済基盤を早く作り上げて、財政の正常化を実現したい。そのためにこそ今日まで努力してきたと申しても差しつかえございません。御承知のように、本年度の国民貯蓄は六千億円になんなんとしておりますので、一兆円貯蓄の増加は、あと一息というところまで参つております。従つて、私どもは、ここでまず資本の蓄積を阻害する税金を思い切つて減免したいと考えます。定期性の貯蓄をしてくれた者には基礎控除を行なつて減税したいと考えております。もし三百億円の国税を犠牲にすれば一千億円の貯蓄の確保はできるだろうという計算を私どもはいたしております。もしこういろ減税政策によつて国民貯蓄が増加するならば、そのうちの一定部分を金融債の消化等に充てさせるようなことは、そういう行政措置をとるようなことは決して誤りではなかろうと私どもは考えております。自由党は、以上のような構想によつて、税金にたよらない財政投融資資金の調達を考えておりますからこそ、勤労所得者あるいは中小企業者の減税を中心として、一千億からむしろ一千二百億円くらいの減税を可能とすることができるのであります。拍手ここで通産大臣にお伺いしたいのでありますが、石橋通産大臣は、就任早早、輸出入銀行債の発行その他の抱負をかなり勇ましく述べられたはずでありますが、政府の施政方針の中からはいつの間にか姿を消してしまつたのはどういういきさつでありますか、伺いたいと存じます。石橋政策というものは従来日本の経済界から敬遠されておつたことは事実でありますが、それは、公債発行の主体的条件が成熟していないときに公債発行論を述べたために、インフレ論者であるとして恐れられたのであろうと考えております。もし資本の蓄積が一定の水準に達して、その中から公債を消化できるとするならば、インフレーションは絶対に起らないはずであります。むしろそうすることが財政金融正常化への一歩であるはずであると、われわれは考えております。しかるに、大蔵大臣の施政方針には、この点に関する何らの新しい積極的構想が見られないことは、非常に遺憾であります。何のために貯蓄を奨励するかの目的も、予算の方針の中には全く不明瞭になつております。政府は五百億円の減税を申しておりますが、最も不景気と思われておる二十九年度においてさえ、すでに自然増収は三百億をこすと言われております。従つて、昭和三十年度において五百億円程度の減税などは、これは問題になりません。むしろ減税ではなくして増税であるとすら考えられる数字であります。従つて、私は、現内閣において、この際、いい意味の石橋構想、これを取り上げるくらいの勇気がなかつたら、事実上予算の編成は不可能であると考えます。五百億の減税も結局はうそになつてしまつて、反対にそれだけの消費税を増徴して、日本の物価を上げてしまうということが、せいぜい落ちではないかと懸念するものであります。拍手一体、なぜ通産大臣は、日本の主体的条件の成熟を見て、ここらで当初の意向をもう少しがんばらなかつたのでありますか。閣議で全面屈服をしてしまつて、少し私どもはふがいなさ過ぎると思うのでありますが、この点について、一つ石橋通産大臣の明確な御所見を伺いたいと思います。質問の第三点は、六カ年計画についてであります。日本経済の自立を達成するためには、総合的、計画的施策を必要とすることは当然でありまして、私どもにおいても、経済審議庁において、十年後の見通し策定という方策を今日まで行なつて参りました。ところが、今経済審議庁でわれわれが準備した十年後の見通しは、計画の前提となるべき基礎要因がきわめて不明確で、ことごとくが仮定に基いた立案であつたことは事実であります。しかも、拡大均衡のための特別施策を前提とした計画では絶対にございませんでした。従つて、私どもは、この計画を正しいものとして国民の前に発表する決意を持ちませんでした。そうして長い間審議しておりましたところが、今度政府が組閣するやいなや、二、三日のうちに、三、四日のうちに、この十年計画の数字を算術的に十分の六にみんな直して、そうしてこれを六カ年計画の自立と銘打つて一枚看板にされた態度は、何としても無責任きわまるものと私どもは考えております。拍手一体、経済審議庁長官は、この計画の達成に何時間の討議の時間を費したのでありますか。果して、これを国民の前に、国家の設計図として、希望を与える設計図として提出する自信がございますかどうかについての所見は、ぜひとも伺いたいと存じます。しかも、前半の三年間は地固めの年であつて、後半の三年間は拡大均衡の年であると割り切つた説明をされておるのでありますが、何をもつてそういう説明ができるかの根拠を十分にお伺いしたいと思います。理論的に、観念的に、経済の地固めと経済の拡大ということを区別することは、あるいはできるかもしれませんが、現実の産業政策においてこれを区別することは全く不可能であると私どもは考えます。拍手デフレ政策を現に行いながらも、その反面において、電源を開発したり、新興産業の育成を行うなど、拡大への積極政策を同時に行わなければならないとい、うところに日本経済の苦しみがあることは、長官といえども十分御承知のはずであります。拍手従つて、私ども自由党は、最も可能と思われる前提の上に立つて経済拡大に関する三年計画を準備したわけでありますが、これでも私どもはまだ長過ぎるとさえ思つております。きわめて短かい期間、せいぜい二、三年の間に総合政策を実施してしまうのでなければ、日本経済は国際競争に破れてしまうではないかということを、私どもは真剣におそれております。従つて、ごく短期間の非常立法まで行なつて、総合政策の実施を急ごうとするのが私どもの態度でありましたが、経済審議庁長官は、かくのごとき悠長な、ずさんきわまりない、成り行きまかせの六カ年計画というようなものを、ここでいさぎよく撤回して、もつと短期の計画に立て直し、そうして施策を具体化して、短期の臨時措置法というようなものによつてこれ一を断行するというごとき考えを持つておられるかどうか、この点についても、あわせて所信を承わりたいと存じます。拍手
最後に、私は、非常に不本意ではございますが、綱紀粛正の問題につきまして御質問をいたしたいと思います。拍手昨日も、総理大臣の施政方針の演説におきまして、鳩山総理は特に声を大にして政界、官界の綱紀粛正を強調されました。しかるに、鳩山内閣の今年度北洋漁業に関する許可問題をめぐりまして河野農林大臣が業者の手によつて告発せられ、鳩山内閣の一枚看板ともいうべき綱紀、官紀の粛正に反するごとき問題が新聞紙によつて報道されておりますことは非常に遺憾であります。拍手
そもそも北洋のサケ、タラ漁業は国際的重要漁業でありまして、またその価値は往年においてさえ莫大な権益として取扱われていたことは世上周知の事実であります。敗戦後のわが水産業界におきましては、さらに往年に倍する収益でありまして、昨年の七船団の水揚げ総額は六十三億円に上つて、この船団の許可の権利は莫大であるといわれております。従つて、かくのごとき重大な国家の権益に属する許可については、まず第一に重要なことは、行政の公平性が確保されなければならないということであります。しかるに、今年度の船団許可に当りましては、農林大臣は、水産事務当局が公平性を基礎とした方針を堅持したにもかかわらず、かつて農相が社長であつた日魯漁業会社に対して強引に四船団を許可するために、選挙管理内閣の性格を逸脱して、事情に精通した水産庁長官を交迭せしめ、さらに最後まで公正な事務当局案をひつさげて農相に反省を促したといわれる生産部長をも異動する強硬手段を行なつて、この許可をあえてした、こういうことを言われて、全水産庁をあぜんたらしめておることは事実であります。このことは、漁業法第六十五条による省令第三十号の第四条の不当集中の排除に関する規定に明らかに違反するばかりではなくて、行政の公平性を無視した取扱いであります。しかも、この四船団中の一船団は、出願のなかつたのを、聞くところによれば、年末急速出願をなさしめて、これに許可を与えた。さらに驚くべきことは、船名さえまだきまつておらず、未定のままのものに一船団を許可しておるといわれておりますが、これらのいずれもが日魯漁業傘下のものであると指摘されております。
ここにおいて、世上いろいろな疑惑の目が鳩山内閣に向けられておることは、まことに看過できない重大なる綱紀問題であると私どもは考えておるのであります。拍手明朗政治を叫び、官紀粛正を一枚看板とせられておる鳩山首相みずから率直にこの理非曲直を明らかにされんことを要求いたしまして、私の質問を終ることにいたします。拍手
松
一
一萬田尚登#21
○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほど財政政策と金利政策の今後のあり方ということについての御質問があつたのでありますが、この点につきましては、昨日私の財政演説のうちに詳しく申し述べてあるつもりであります。財政と金融の一体化につきましては、むろん財政、金融それぞれの立場において健全にやらなくてはならぬことは申すまでもありませんが、しかし、どちらかと申しますれば、なかなかそううまく行かない場合、何といつても財政の健全化ということが、経済の安定、言いかえればインフレーションにしないことにおいて最も強力である。大体財政が健全であればインフレにはならない、こういうふうに考えてよろしいのであります。ですから、財政を健全にいたしておきまして、なお資本蓄積等において不十分な場合は、金融において弾力性をもつて運営していく、こういうことにして、双方が一体化されて、りつぱに運営されることが一番望ましかろう、かように考えているわけであります。
それからもう一つ、私がたとえて話しましたミルク論というのが、この議場で出ようとは思わなかつたのでありますが、出ました。それはこういうことなんであります。ちようど、山に登る場合に、からだの丈夫な人は一気に頂上まで登るのであります。それが一番いいでせう。しかし、からだが弱いと、そうまで必ずしもいかないので、八合目くらいか七合目くらいまで行つて、ちよつと眺望のきくところに行きますと、ますお茶を一ぱいというふうにして、あとで登ろう。登ることに変りはないのであります。そのときに、私は、ここ一年以上デフレをやつてきたので、デフレの効果も相当出ているんだデフレ政策は、私はとてもよかつた政治だと思うのであります。これは、従来の政府がおやりになつたその功績を私は認めなくちやならぬと思う。ですから、相当なデフレの成果が上つておりますから、この辺で牛乳ぐらいは出すだけの余裕ができた、それで牛乳を飲んで登つて行く、こういう考え方から来ておるのであります。
それから、公債の発行ということと減税、こういうことが先ほど話に出まして、一千億の減税をする、なお公債の発行ということが可能であるとすれば、それでやればいいのじやないか、こういうお話もあるのであります。これは、そういうことができれば、それもけつこうと私は思います。問題は、今日公債を発行して、それが市場で消化し得るだけの客観的な条件が成立しておるかどうかということが問題であるのであります。それで、私は、実は、昨年の初めのときに、水田さんが政調会長のときよく御相談して、どうぞ早く預貯金の利子を免税にして下さいそうしたら、水田さんも大いにやろうとおつしやつておつたが、やらなかつた。あれは、あのときやつておれば、当然今ごろできたものと思います。そこで、私は、これを今度やろう、こういう考えでいたしておるのでありまして、こういうことは、要するに時期の問題で、考え方の相違ではありません。
これをもつて私の答弁といたします。拍手
〔国務大臣石橋湛山君登壇〕
この発言だけを見る →それからもう一つ、私がたとえて話しましたミルク論というのが、この議場で出ようとは思わなかつたのでありますが、出ました。それはこういうことなんであります。ちようど、山に登る場合に、からだの丈夫な人は一気に頂上まで登るのであります。それが一番いいでせう。しかし、からだが弱いと、そうまで必ずしもいかないので、八合目くらいか七合目くらいまで行つて、ちよつと眺望のきくところに行きますと、ますお茶を一ぱいというふうにして、あとで登ろう。登ることに変りはないのであります。そのときに、私は、ここ一年以上デフレをやつてきたので、デフレの効果も相当出ているんだデフレ政策は、私はとてもよかつた政治だと思うのであります。これは、従来の政府がおやりになつたその功績を私は認めなくちやならぬと思う。ですから、相当なデフレの成果が上つておりますから、この辺で牛乳ぐらいは出すだけの余裕ができた、それで牛乳を飲んで登つて行く、こういう考え方から来ておるのであります。
それから、公債の発行ということと減税、こういうことが先ほど話に出まして、一千億の減税をする、なお公債の発行ということが可能であるとすれば、それでやればいいのじやないか、こういうお話もあるのであります。これは、そういうことができれば、それもけつこうと私は思います。問題は、今日公債を発行して、それが市場で消化し得るだけの客観的な条件が成立しておるかどうかということが問題であるのであります。それで、私は、実は、昨年の初めのときに、水田さんが政調会長のときよく御相談して、どうぞ早く預貯金の利子を免税にして下さいそうしたら、水田さんも大いにやろうとおつしやつておつたが、やらなかつた。あれは、あのときやつておれば、当然今ごろできたものと思います。そこで、私は、これを今度やろう、こういう考えでいたしておるのでありまして、こういうことは、要するに時期の問題で、考え方の相違ではありません。
これをもつて私の答弁といたします。拍手
〔国務大臣石橋湛山君登壇〕
石
石橋湛山#22
○国務大臣(石橋湛山君) 水田君からの御質問については、今の大蔵大臣の答弁で大体尽しておると思います。私の主張に対して非常に御賛成を得ましたことは、ありがたいことでありまするが、少々おくれまして、どうも六日のアヤメというような感じがいたします。しかし、今度のこの予算大綱に示しましたものも、そう窮屈のものとは私は理解しておりません。今大蔵大臣が言われた通りであります。私は、財政の一般会計の緊縮ということは、もうかねがね主張しておるのであります。決して一般会計をむやみにふやしていくということには賛成したことはない。その他の方法において適当な処置ができると思いますから、どうぞ御了承を願います。拍手
〔国務大臣高碕達之助君登壇〕
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高
高碕達之助#23
○国務大臣(高碕達之助君) 総合経済の六カ年計画の構想につきましてきわめて短期間に作られたこの計画に長官自身はどの程度参画しておるか、また六カ年は長いから三カ年に、もつと短かくすればいいではないか、これは責任が持てるか、こういうふうな水田さんの御質問に対しまして、私はお答え申し上げます。
本構想は、新内閣が成立いたしまして以来、経済審議庁が中心となりまして関係各省との間に打ち合せ作成したものでありまして、その間におきまして、私自身は終始一貫この作成に参画しております。従いましてもしも国民諸君がかすに六カ年間私にこの仕事をやらせてくれるなれば、私は責任を持つてこれをやるつもりであります。以上。拍手
〔発言する者多し〕
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〔発言する者多し〕
松
鳩
松
松
松永東#27
○議長(松永東君) それでは申し上げます。内閣総理大臣の御答弁を求めておられますが、内閣総理大臣は答弁がありませんで、内閣総理大臣は農林大臣をして答弁せしむるということでございます。従つて、農林大臣河野一郎川を指名いたしたのでございます。
[発言する者多く、議場騒然〕
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松
松永東#28
○議長(松永東君) それではあらためて申し上げます。農林大臣河野一郎君の答弁はお求めにならぬそうであります。内閣総理大臣から、お聞きの通り、答弁がございません。さよう御承知を願います。農林大臣から、ただいま特に発言を求められました。よつて、これを許可いたします。拍手
〔国務大臣河野一郎君登壇〕
国務大臣(河野一郎君)先ほどど水田さんの御質問の中に私に関する問題がありましたので、特にこの機会に発言をお許しをいただきまして、その間の経緯を御説明申し上げたいと思うのであります。これは少しお調べを願えばすぐわかることでございまして、第一は、今水田さんのお示しになりました、昨日新聞に出ておりました東京地検云々とろておられまする方は、かつて、ある会社の総会に出られて、皇居遥拝をしたとかしないとかいうことで告発するとかしないとかいう人物でございまして、だれもその人を相手にする人のない人であります。従いまして、その間の……(「告発した人物を聞いているのではない」と呼び、その他発言する者のり)全部事情を申し上げます。第一」、ただいま水田さんのお話の中で間違つた点だけを最初に申し上げます。第一に、生産部長を更迭云々ということがございますが、これは、一切の手続きが済みまして今年になりまして更迭したのでございまして、この発令とは何ら関係がないのでございます。これは昨年の暮れに今の手続はとつたのでございまして、人事の異動とは全然関係のないことを第一に御了承いただきたいのでございます。 第二について申し上げます。第二といたしましては、元来、わが国の水産につきましては、第一に鯨の漁業につきましては日本水産と目魯漁業というように、カニ漁業につきましては日本水産サケ、マスにつきましては日魯漁業というように、従来からの慣行が考のでございます。その従来からの慣行によつて、その通りただやつただ一でございまして、特別に、私が農林大応なりましたから、日魯漁業が多くちたとが少くなつたとかいうことはのでございます。そのほか、これ、はよくお調べになればわかるのであります。別に事務的に私がやりましたことと違つた意見は全然ないのでございます。この間の事情につきましては、土語べになればよくわかります。たとえば、わが国の水産界の各会社について、一社でも不満であるとか、私のとりました、今度水産庁もしくは農林省でとりました処置に対して、不満とか不平とかいうものは全然ございません。すべて各社がいずれも満足しておるところでございまして、その点については御了解を願いたい。これを取り立てて、選挙の前にこういうことで疑獄とか汚職とかおつしやることは、あまりに逸脱したことであり、まして、これは十分なる証拠によつてよくお調べになればわかることでありますから、この点については自由党の諸君も冷静にお考えになつた方がよろしい。拍手あなた方の時代にはどういう水産行政が行われておつたかということも御反省になりまして、よくお考えになつた方がよろしいと私は考えます。拍手議長(松永東君)松原喜之次君。
〔松原喜之次君登壇〕
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国務大臣(河野一郎君)先ほどど水田さんの御質問の中に私に関する問題がありましたので、特にこの機会に発言をお許しをいただきまして、その間の経緯を御説明申し上げたいと思うのであります。これは少しお調べを願えばすぐわかることでございまして、第一は、今水田さんのお示しになりました、昨日新聞に出ておりました東京地検云々とろておられまする方は、かつて、ある会社の総会に出られて、皇居遥拝をしたとかしないとかいうことで告発するとかしないとかいう人物でございまして、だれもその人を相手にする人のない人であります。従いまして、その間の……(「告発した人物を聞いているのではない」と呼び、その他発言する者のり)全部事情を申し上げます。第一」、ただいま水田さんのお話の中で間違つた点だけを最初に申し上げます。第一に、生産部長を更迭云々ということがございますが、これは、一切の手続きが済みまして今年になりまして更迭したのでございまして、この発令とは何ら関係がないのでございます。これは昨年の暮れに今の手続はとつたのでございまして、人事の異動とは全然関係のないことを第一に御了承いただきたいのでございます。 第二について申し上げます。第二といたしましては、元来、わが国の水産につきましては、第一に鯨の漁業につきましては日本水産と目魯漁業というように、カニ漁業につきましては日本水産サケ、マスにつきましては日魯漁業というように、従来からの慣行が考のでございます。その従来からの慣行によつて、その通りただやつただ一でございまして、特別に、私が農林大応なりましたから、日魯漁業が多くちたとが少くなつたとかいうことはのでございます。そのほか、これ、はよくお調べになればわかるのであります。別に事務的に私がやりましたことと違つた意見は全然ないのでございます。この間の事情につきましては、土語べになればよくわかります。たとえば、わが国の水産界の各会社について、一社でも不満であるとか、私のとりました、今度水産庁もしくは農林省でとりました処置に対して、不満とか不平とかいうものは全然ございません。すべて各社がいずれも満足しておるところでございまして、その点については御了解を願いたい。これを取り立てて、選挙の前にこういうことで疑獄とか汚職とかおつしやることは、あまりに逸脱したことであり、まして、これは十分なる証拠によつてよくお調べになればわかることでありますから、この点については自由党の諸君も冷静にお考えになつた方がよろしい。拍手あなた方の時代にはどういう水産行政が行われておつたかということも御反省になりまして、よくお考えになつた方がよろしいと私は考えます。拍手議長(松永東君)松原喜之次君。
〔松原喜之次君登壇〕
松
松原喜之次#29
○松原喜之次君 私は、日本社会党を代表いたしまして、政府の一般経済並びに財政金融政策に関する質問を試みんとするものであります。拍手
今回、政府は、総合経済六カ年計画を策定して、みずから長期の見通しをもつて総合的な計画を明らかにし、経済の拡大発展と完全雇用の達成をはかる旨を発表いたしましたが、この構想を見まするのに、わが党が一昨年秋発発表たしました平和経済建設五カ年計画と、その多くの部分においてきわめて近似いたしておるのであります。それのみではありません。昨日の首相並びに一萬田蔵相の施政方針や財政に関する演説を承わつても、社会保障の充実強化といい、あるいは政官界の綱紀粛正といい、その他住宅対策の飛躍的拡充、中小企業対策の充実、勤労者、中小企業者、農民等の低額所得者に対する減税等々、あたかもわが党内閣の施政演説を聞くがごとき錯覚をさえ起すのであります。従つてもしこの言うところが言葉通りに実現可能なりとするならば、わが党もこれに賛成するに決してやぶさかではございません。〔拍手)
ただ、しかし、選挙宣伝のために羊頭を掲げて狗肉を売り、あるいはトラと称してネコを描くというような実体を、われわれは国民とともに見のがし得ないものであります。たとえば、低額所得者の負担軽減を唱えつつ、間接税の増額を行なつてその負担を増大し、あるいは四十二万戸の住宅建築を誇示しながら、その実、財政支出の増額はわずかに数十億円にとどまるというがごとき、その一例でありま了。結論から先に申しますると、政府り示すところ、ほとんどことごとくが全く画餅に近く、その実を伴つていないと断じても過言ではないと私は考えるのであります。拍手従つて、わが兄の政策に近似しているからといつて、にわかに声援を送り得ないものであります。
経済六カ年計画によりますれば、三十五年に至り輸出は二十三億ドルに達し、特需援助等による対米依存を除くも国際収支はほぼ均衡し、経済自立体制は完成いたすということになつているが、私は、国際収支に対する政府の見方は相当甘いし、またその外交方針を大きく転換するにあらざれば、これらの計画は実現不可能であると考えるものであります。拍手
〔議長退席、副議長着席〕
たとえば、計画の第一年度たる三十年度国際収支については、この計画はことさら表示を避けておりますが、これに関して別に発表されました政府の見解と見るべきものによりますと、相当楽観的に見ている傾向があるのであります。すなわち、特需は二十九年度に比しさらに減少するが、輸出は好調であつた二十九年度より大した減退を見ない、また輸入は二十九年度程度にとどまるというのであります。
第一番に、輸入面よりこれを見ますると、ドル及びポンド・ユーザンスによる支払い繰り延べの有利な条件も、また前年度の輸入ブームによる豊富なる在庫の食いつぶしの条件も、三十年度にはもはや存在しない。さらにまた、輸出面より見れば、焦げつき債権の累積された韓国やインドネシアあての輸出は減少せしめざるを得ないし、二十九年輸出の伸びた大きな原因であるところの下半期の西欧を中心といたしまする世界貿易の拡大や、ポンド地域に
おける対日貿易制限の緩和、あるいはまた出血補償リンク制、その地のいわゆる特殊貿易や国内のデフレ政策の圧力による出血輸出等は、決して正常なる輸出拡大の原因と見ることはできない。従つて三十年以後の国際収支に関しては、もつともつと厳密に考えて、政府の楽観的数字をこの際是正し、国民
に対し真実を訴えて輸出拡大のためには確固たるコスト引き下げ策を実施しなければなりません。この点に関して通産大臣はいかに考えられるか、御答弁を願いたいのであります。拍手
貿易に関して輸出商品のコスト問題が最も重大なることは申すまでもありませんが、市場問題もまたこれに劣らざる重要度を有するものであります。わが国は、特に対共産圏貿易において、一々数字をあげるまでもなく、著しく立ちおくれを喫しておることは周知の事実であります。戦前のわが貿易額のうち平均一八%を占めていた中国貿易が、今や輸出の〇・六%、輸入においては一・六%という微々たるものであるという事実は、吉田内閣の最も重大な失政の一つでございます。今回鳩山内閣がいち早くこの問題を積極的に取り上げられたことは喜ぶべきことでありまするけれども、しかし、実はいまだ本物と考えるわけにはいかないのであります。拍手すなわち、去る十二月十四日発表された民主党政調会の具体案なるものによりますると、依然として現在のココム協定の線まで緩和をするよう努力するとなつておりまするし、石橋通産相は、組閣当時の大々的な宣伝をあたかも忘れたかのように、最近では、中国貿易はそれほど期待できないと、吉田内閣当時と同じ口吻に豹変しておられるのであります。拍手ココム・リストまでの緩和ならば、日本経済の切実なる要請にはこたえられないし、また中国貿易は断じて本格的なものとはなり得ないのであります。しかし、それですら、通産省の計算によると、年額七千万ドルは可能であり、もしココム・リストを撤廃すれば、一億七千万ドル可能の線が出ているのであります。適切なる方策をもつていたしますれば、さらにはるかに多額の取引もまた必ずしも不可能ではありません。この事実を無視して、石橋通産相があまり期待できないと言われるのは何ゆえであるか。おそらく対米関係を考慮し、アメリカに気がねをして国民に真実を語らないのでありましよう。拍手私は、この事実を見て、選挙前ですらこの通りであるから、選挙後にもし鳩山内閣が続くようなことがありとすれば、政府の態度がどのように後退するか危惧にたえないのであります。拍手鳩山内閣は、吉田内閣の対米一辺倒外交を変更せずに、アメリカとの関係をさらに緊密に保ちつつ、他方において中国貿易を増大させ、対ソ国交の調整を行うというのであるが、国民は、この鳩山・重光外交に対して、今やひとしくその矛盾を知り、その不安を感じつつあるのであります。拍手政府の計画によりますると、六年後には輸出は二十三億ドルに上り、第一年度に比し約七、八億ドルの増加を見込んでおるのであるが、この七、八億ドルの増加市場を一体どこに求めようとするのでありまするか。現に過剰生産の欧米地域にそれを求め得ざることは明らかであり、結局主たる増加先を中国及び東南アジア諸国に求むるにあらざれば、この計画は成り立つべくもないのであります。もしそうであるとするならば、中国貿易軽視の石橋発言と全く食い違うのでありますし、民主党の方針や政府の外交方針をもつてしては、この総合経済計画は実現不可能であると言わなければなりません。拍手石橋通産相及び経済審議庁長官は、この点に関していかにお考えになりますか、承わりたい。
次に、同じ六カ年計画の前提条件によりますると、東南アジア貿易については、米国の東南アジア援助計画は進み、それだから日本の東南アジア貿易も拡大すると言つておるのであります。これは明らかにアメリカのMSA政策のコロンボ計画食い込みに便乗したものの考え方であります。ところが、東南アジアの情勢は、御承知のごとく、そのようなものではありません。すなわち、さきにインド、ビルマ、インドネシア等の主要国は、いずれもアメリカのMSA政策を警戒して、これを拒否しているのであります。そして中国と平和共存の五原則協定を宣言しているのであります。また他方、英米はこの地域において相当深刻なる経済対立を持つておるのでございます。かかる情勢の中に、MSA政策の尖兵のごとき日本が友好的な進出を実現できるということは思いも寄らざるところであります。拍手従いましてもし韓国とか台湾、フィリピン、タイ等、アメリカの純衛星国だけを相手とするにあらずして、自主中立のインド、インドネシア、ビルマ、その他の主たるコロンボ諸国と提携して本格的な東南アジア貿易を行わんとするならば、軍事的なMSA政策とはきっぱり訣別いたしまして、たとえば、国連のエカフェ機構を通じて資金の調達をはかるなり、あるいは親英的なる立場においてコロンボ計画に協力するなり、必然的に中立的方策をとらねばならないということになるのであります。拍手かくて、アメリカの立場からアジアの立場へ転じてこそ、ここにアジア開発計画の平和的、長期的な一環に参画して、これらの諸国と緊密なる連携が可能となり、東南アジアは初めて日本貿易拡大の相手地域となり得るのであります。拍手すなわち、ここに日本外交の一大転換が必然的に要請されるのでありまするが、鳩山首相にこの事実の認識と外交転換の決意があるかどうかを伺いたいのであります。拍手また、この点、六カ年計画の責任者である高碕経審長官のお考えをも承わりたいのであります。次に、政府は、施政方針の重点を、住宅建設、失業対策等の社会保障対策、中小企業及び貿易の振興と、さらには減税等に置くと宣伝しておられるが、今までに経済審議庁や大蔵省等よじ発表された三十年度の経済の見通しや資金計画要綱等から判断いたしまして、現に政府より誇示せられているそれらの諸方針というものはほとんど実現性がなく、単なる選挙目当てのから宣伝になり終る可能性がすこぶる多いのであります。拍手このことも、今や天下周知の事実とならんとしておるのであります。すなわち、第一番に、三十年度の経済見通しにおいて、経済審議庁の見るところでは、国民所得は二十九年度の六兆一千億とほぼ同様であり、入口は約百万の増加となつているのであります。従いまして、一人当り所得は昨年度よりも下回るのではないかと見られておるのであります。この点より判断いたしまして、予算規模は、自然増収どころか、自然減収の傾向にあるのであります。その上五百億円の減税を行うというのでありまするから、歳入はいよいよもつて減少し、しかも歳出は、政府が誇称するところの諸政策を織り込まないでも、なおかつ増加を免れない傾向にあるのであります。その第一は防衛庁費で、政府は、防衛分担金の減額をアメリカ側に求めて、防衛費全体として増加せしめないことく処理しようとしておるようでありまするが、昨年の実績から見まして、これはほとんど不可能であり、従つて、この経費の増額は免れないところで参ります。第二に、平和回復善後処理費は、本年より、御承知のごとく、対ビル賠償引き当て、ガリオア利払いの引き当てその他の計上によりまして、これまた増額を見るのであります。失業対策費も、政府のデフレ政策継続により必然的に増額を要することは明らかで、おそらく四百億円近くに達するでありましよう。
以上のごとく、歳入の減少傾向と逆に歳出は増加傾向を有するのであるが、政府は、この対策として、わずかに調弁価額の五%引き下げ、物件費の節約、補助金の整理等をあけているにすぎません。物件費の節約のごときは、前内閣においてもしばしばこれを行なつて、今やほとんど限界に来ているのであります。すなわち、たとえば文部省の施設のごときは、冬季暖房用の石炭もない、実験研究用の資材を購入する財源もないというありさまで、もはや、つとに限界に参つておることは明らかであります。かくて当然増額を要する諸支出に対してさえすでに財源難を免れない現実を無視して政府は、住宅対策の飛躍的拡充を唱えたり、社会保障の強化、中小企業対策の充実を約束するのみならず、さらに五百億の減税をも行おうというのであります。わが党は、これらの政策の必要性を認め、かつ、ぜひともこれを実現したいと思うものでありまするが、その財源といたしまして、わが党といたしましては軍事費を削減してこれに充てんとするもので、その他に一兆円のワク内でその財源を求むることは不可能であります。拍手政府の財源としてあげている調弁価額の引き下げその他の方法をもつて捻出し得るものは、政府側の見るところにおいてもわずかに三百億程度であるから、結局において、いろいろ理想的な政策を掲げて大げさに宣伝しているけれども、その裏づけたる財源はかくのごとく貧弱なるものでありまして、政府の誇称する諸政策の限度と限界は、真に微々たる、また局限せられたものにすぎないことは明らかなるところであります。すなわち、政府はその言うところはあまりにも大きく、その行い得るところはあまりにも微々たるものにすぎないというのが鳩山内閣の諸政策の実体でございます。拍手
大蔵大臣は来年度四十二万戸の住宅建設を約束されたが、聞くところによれば、これがために予定されている増加支出は、昨年度の住宅対策費に比して僅々四十億円にすぎないというのであります。一萬田大蔵大臣がかねてから防衛費六百億円を削減してこれを住宅建設に充てるという説を唱えられたのは有名なるところでありまするが、今はわずかに四十億の金額であります。そのような金額をもつてして、飛躍的な住宅政策の拡充と言えるでありましようか。拍手住宅対策の詳細とその財源をこの際明示してもらいたいと思うのであります。
一体、政府は予算大綱を発表いたしましたが、数字のない予算大綱などというものは全くナンセンスであります。拍手
〔副議長退席、議長着席〕
これは、おそらく、数字を示せば、そのなし得る限度のあまりにも微々たるものである事実が暴露するから、これを避けたのではないか。大蔵大臣の明確なお答えを望むものであります。
以上私の所論によりまして明らかになつたことは、政府は何ほどの財源をも持たずして、あたかも何事をもなし得ざるなしというがごとき欺瞞的な宣伝を事としておられるのであります。これに対して鳩山首相の責任はきわめて重大なりと私は考えるのであります。拍手
繰り返して申しまするが、その掲げる政策はきわめて誇張されているが、そのなし得るところはきわめて微々たるものであつて、必然的にその結果は国民の政府に対する不信となつて現わるることはよいとして、政治そのものに対する信用を失墜する結果となるのでありましよう。拍手民主政治の確立を唱えておられる鳩山首相は、かかる政治的欺瞞行為に対して深くその責任を感じらるべきであります。私はこの点に関して首相の良心的な御答弁を求めて私の質問を終るものであります。拍手
この発言だけを見る →今回、政府は、総合経済六カ年計画を策定して、みずから長期の見通しをもつて総合的な計画を明らかにし、経済の拡大発展と完全雇用の達成をはかる旨を発表いたしましたが、この構想を見まするのに、わが党が一昨年秋発発表たしました平和経済建設五カ年計画と、その多くの部分においてきわめて近似いたしておるのであります。それのみではありません。昨日の首相並びに一萬田蔵相の施政方針や財政に関する演説を承わつても、社会保障の充実強化といい、あるいは政官界の綱紀粛正といい、その他住宅対策の飛躍的拡充、中小企業対策の充実、勤労者、中小企業者、農民等の低額所得者に対する減税等々、あたかもわが党内閣の施政演説を聞くがごとき錯覚をさえ起すのであります。従つてもしこの言うところが言葉通りに実現可能なりとするならば、わが党もこれに賛成するに決してやぶさかではございません。〔拍手)
ただ、しかし、選挙宣伝のために羊頭を掲げて狗肉を売り、あるいはトラと称してネコを描くというような実体を、われわれは国民とともに見のがし得ないものであります。たとえば、低額所得者の負担軽減を唱えつつ、間接税の増額を行なつてその負担を増大し、あるいは四十二万戸の住宅建築を誇示しながら、その実、財政支出の増額はわずかに数十億円にとどまるというがごとき、その一例でありま了。結論から先に申しますると、政府り示すところ、ほとんどことごとくが全く画餅に近く、その実を伴つていないと断じても過言ではないと私は考えるのであります。拍手従つて、わが兄の政策に近似しているからといつて、にわかに声援を送り得ないものであります。
経済六カ年計画によりますれば、三十五年に至り輸出は二十三億ドルに達し、特需援助等による対米依存を除くも国際収支はほぼ均衡し、経済自立体制は完成いたすということになつているが、私は、国際収支に対する政府の見方は相当甘いし、またその外交方針を大きく転換するにあらざれば、これらの計画は実現不可能であると考えるものであります。拍手
〔議長退席、副議長着席〕
たとえば、計画の第一年度たる三十年度国際収支については、この計画はことさら表示を避けておりますが、これに関して別に発表されました政府の見解と見るべきものによりますと、相当楽観的に見ている傾向があるのであります。すなわち、特需は二十九年度に比しさらに減少するが、輸出は好調であつた二十九年度より大した減退を見ない、また輸入は二十九年度程度にとどまるというのであります。
第一番に、輸入面よりこれを見ますると、ドル及びポンド・ユーザンスによる支払い繰り延べの有利な条件も、また前年度の輸入ブームによる豊富なる在庫の食いつぶしの条件も、三十年度にはもはや存在しない。さらにまた、輸出面より見れば、焦げつき債権の累積された韓国やインドネシアあての輸出は減少せしめざるを得ないし、二十九年輸出の伸びた大きな原因であるところの下半期の西欧を中心といたしまする世界貿易の拡大や、ポンド地域に
おける対日貿易制限の緩和、あるいはまた出血補償リンク制、その地のいわゆる特殊貿易や国内のデフレ政策の圧力による出血輸出等は、決して正常なる輸出拡大の原因と見ることはできない。従つて三十年以後の国際収支に関しては、もつともつと厳密に考えて、政府の楽観的数字をこの際是正し、国民
に対し真実を訴えて輸出拡大のためには確固たるコスト引き下げ策を実施しなければなりません。この点に関して通産大臣はいかに考えられるか、御答弁を願いたいのであります。拍手
貿易に関して輸出商品のコスト問題が最も重大なることは申すまでもありませんが、市場問題もまたこれに劣らざる重要度を有するものであります。わが国は、特に対共産圏貿易において、一々数字をあげるまでもなく、著しく立ちおくれを喫しておることは周知の事実であります。戦前のわが貿易額のうち平均一八%を占めていた中国貿易が、今や輸出の〇・六%、輸入においては一・六%という微々たるものであるという事実は、吉田内閣の最も重大な失政の一つでございます。今回鳩山内閣がいち早くこの問題を積極的に取り上げられたことは喜ぶべきことでありまするけれども、しかし、実はいまだ本物と考えるわけにはいかないのであります。拍手すなわち、去る十二月十四日発表された民主党政調会の具体案なるものによりますると、依然として現在のココム協定の線まで緩和をするよう努力するとなつておりまするし、石橋通産相は、組閣当時の大々的な宣伝をあたかも忘れたかのように、最近では、中国貿易はそれほど期待できないと、吉田内閣当時と同じ口吻に豹変しておられるのであります。拍手ココム・リストまでの緩和ならば、日本経済の切実なる要請にはこたえられないし、また中国貿易は断じて本格的なものとはなり得ないのであります。しかし、それですら、通産省の計算によると、年額七千万ドルは可能であり、もしココム・リストを撤廃すれば、一億七千万ドル可能の線が出ているのであります。適切なる方策をもつていたしますれば、さらにはるかに多額の取引もまた必ずしも不可能ではありません。この事実を無視して、石橋通産相があまり期待できないと言われるのは何ゆえであるか。おそらく対米関係を考慮し、アメリカに気がねをして国民に真実を語らないのでありましよう。拍手私は、この事実を見て、選挙前ですらこの通りであるから、選挙後にもし鳩山内閣が続くようなことがありとすれば、政府の態度がどのように後退するか危惧にたえないのであります。拍手鳩山内閣は、吉田内閣の対米一辺倒外交を変更せずに、アメリカとの関係をさらに緊密に保ちつつ、他方において中国貿易を増大させ、対ソ国交の調整を行うというのであるが、国民は、この鳩山・重光外交に対して、今やひとしくその矛盾を知り、その不安を感じつつあるのであります。拍手政府の計画によりますると、六年後には輸出は二十三億ドルに上り、第一年度に比し約七、八億ドルの増加を見込んでおるのであるが、この七、八億ドルの増加市場を一体どこに求めようとするのでありまするか。現に過剰生産の欧米地域にそれを求め得ざることは明らかであり、結局主たる増加先を中国及び東南アジア諸国に求むるにあらざれば、この計画は成り立つべくもないのであります。もしそうであるとするならば、中国貿易軽視の石橋発言と全く食い違うのでありますし、民主党の方針や政府の外交方針をもつてしては、この総合経済計画は実現不可能であると言わなければなりません。拍手石橋通産相及び経済審議庁長官は、この点に関していかにお考えになりますか、承わりたい。
次に、同じ六カ年計画の前提条件によりますると、東南アジア貿易については、米国の東南アジア援助計画は進み、それだから日本の東南アジア貿易も拡大すると言つておるのであります。これは明らかにアメリカのMSA政策のコロンボ計画食い込みに便乗したものの考え方であります。ところが、東南アジアの情勢は、御承知のごとく、そのようなものではありません。すなわち、さきにインド、ビルマ、インドネシア等の主要国は、いずれもアメリカのMSA政策を警戒して、これを拒否しているのであります。そして中国と平和共存の五原則協定を宣言しているのであります。また他方、英米はこの地域において相当深刻なる経済対立を持つておるのでございます。かかる情勢の中に、MSA政策の尖兵のごとき日本が友好的な進出を実現できるということは思いも寄らざるところであります。拍手従いましてもし韓国とか台湾、フィリピン、タイ等、アメリカの純衛星国だけを相手とするにあらずして、自主中立のインド、インドネシア、ビルマ、その他の主たるコロンボ諸国と提携して本格的な東南アジア貿易を行わんとするならば、軍事的なMSA政策とはきっぱり訣別いたしまして、たとえば、国連のエカフェ機構を通じて資金の調達をはかるなり、あるいは親英的なる立場においてコロンボ計画に協力するなり、必然的に中立的方策をとらねばならないということになるのであります。拍手かくて、アメリカの立場からアジアの立場へ転じてこそ、ここにアジア開発計画の平和的、長期的な一環に参画して、これらの諸国と緊密なる連携が可能となり、東南アジアは初めて日本貿易拡大の相手地域となり得るのであります。拍手すなわち、ここに日本外交の一大転換が必然的に要請されるのでありまするが、鳩山首相にこの事実の認識と外交転換の決意があるかどうかを伺いたいのであります。拍手また、この点、六カ年計画の責任者である高碕経審長官のお考えをも承わりたいのであります。次に、政府は、施政方針の重点を、住宅建設、失業対策等の社会保障対策、中小企業及び貿易の振興と、さらには減税等に置くと宣伝しておられるが、今までに経済審議庁や大蔵省等よじ発表された三十年度の経済の見通しや資金計画要綱等から判断いたしまして、現に政府より誇示せられているそれらの諸方針というものはほとんど実現性がなく、単なる選挙目当てのから宣伝になり終る可能性がすこぶる多いのであります。拍手このことも、今や天下周知の事実とならんとしておるのであります。すなわち、第一番に、三十年度の経済見通しにおいて、経済審議庁の見るところでは、国民所得は二十九年度の六兆一千億とほぼ同様であり、入口は約百万の増加となつているのであります。従いまして、一人当り所得は昨年度よりも下回るのではないかと見られておるのであります。この点より判断いたしまして、予算規模は、自然増収どころか、自然減収の傾向にあるのであります。その上五百億円の減税を行うというのでありまするから、歳入はいよいよもつて減少し、しかも歳出は、政府が誇称するところの諸政策を織り込まないでも、なおかつ増加を免れない傾向にあるのであります。その第一は防衛庁費で、政府は、防衛分担金の減額をアメリカ側に求めて、防衛費全体として増加せしめないことく処理しようとしておるようでありまするが、昨年の実績から見まして、これはほとんど不可能であり、従つて、この経費の増額は免れないところで参ります。第二に、平和回復善後処理費は、本年より、御承知のごとく、対ビル賠償引き当て、ガリオア利払いの引き当てその他の計上によりまして、これまた増額を見るのであります。失業対策費も、政府のデフレ政策継続により必然的に増額を要することは明らかで、おそらく四百億円近くに達するでありましよう。
以上のごとく、歳入の減少傾向と逆に歳出は増加傾向を有するのであるが、政府は、この対策として、わずかに調弁価額の五%引き下げ、物件費の節約、補助金の整理等をあけているにすぎません。物件費の節約のごときは、前内閣においてもしばしばこれを行なつて、今やほとんど限界に来ているのであります。すなわち、たとえば文部省の施設のごときは、冬季暖房用の石炭もない、実験研究用の資材を購入する財源もないというありさまで、もはや、つとに限界に参つておることは明らかであります。かくて当然増額を要する諸支出に対してさえすでに財源難を免れない現実を無視して政府は、住宅対策の飛躍的拡充を唱えたり、社会保障の強化、中小企業対策の充実を約束するのみならず、さらに五百億の減税をも行おうというのであります。わが党は、これらの政策の必要性を認め、かつ、ぜひともこれを実現したいと思うものでありまするが、その財源といたしまして、わが党といたしましては軍事費を削減してこれに充てんとするもので、その他に一兆円のワク内でその財源を求むることは不可能であります。拍手政府の財源としてあげている調弁価額の引き下げその他の方法をもつて捻出し得るものは、政府側の見るところにおいてもわずかに三百億程度であるから、結局において、いろいろ理想的な政策を掲げて大げさに宣伝しているけれども、その裏づけたる財源はかくのごとく貧弱なるものでありまして、政府の誇称する諸政策の限度と限界は、真に微々たる、また局限せられたものにすぎないことは明らかなるところであります。すなわち、政府はその言うところはあまりにも大きく、その行い得るところはあまりにも微々たるものにすぎないというのが鳩山内閣の諸政策の実体でございます。拍手
大蔵大臣は来年度四十二万戸の住宅建設を約束されたが、聞くところによれば、これがために予定されている増加支出は、昨年度の住宅対策費に比して僅々四十億円にすぎないというのであります。一萬田大蔵大臣がかねてから防衛費六百億円を削減してこれを住宅建設に充てるという説を唱えられたのは有名なるところでありまするが、今はわずかに四十億の金額であります。そのような金額をもつてして、飛躍的な住宅政策の拡充と言えるでありましようか。拍手住宅対策の詳細とその財源をこの際明示してもらいたいと思うのであります。
一体、政府は予算大綱を発表いたしましたが、数字のない予算大綱などというものは全くナンセンスであります。拍手
〔副議長退席、議長着席〕
これは、おそらく、数字を示せば、そのなし得る限度のあまりにも微々たるものである事実が暴露するから、これを避けたのではないか。大蔵大臣の明確なお答えを望むものであります。
以上私の所論によりまして明らかになつたことは、政府は何ほどの財源をも持たずして、あたかも何事をもなし得ざるなしというがごとき欺瞞的な宣伝を事としておられるのであります。これに対して鳩山首相の責任はきわめて重大なりと私は考えるのであります。拍手
繰り返して申しまするが、その掲げる政策はきわめて誇張されているが、そのなし得るところはきわめて微々たるものであつて、必然的にその結果は国民の政府に対する不信となつて現わるることはよいとして、政治そのものに対する信用を失墜する結果となるのでありましよう。拍手民主政治の確立を唱えておられる鳩山首相は、かかる政治的欺瞞行為に対して深くその責任を感じらるべきであります。私はこの点に関して首相の良心的な御答弁を求めて私の質問を終るものであります。拍手