一萬田尚登の発言 (本会議)

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○国務大臣(一萬田尚登君) 先ほど財政政策と金利政策の今後のあり方ということについての御質問があつたのでありますが、この点につきましては、昨日私の財政演説のうちに詳しく申し述べてあるつもりであります。財政と金融の一体化につきましては、むろん財政、金融それぞれの立場において健全にやらなくてはならぬことは申すまでもありませんが、しかし、どちらかと申しますれば、なかなかそううまく行かない場合、何といつても財政の健全化ということが、経済の安定、言いかえればインフレーションにしないことにおいて最も強力である。大体財政が健全であればインフレにはならない、こういうふうに考えてよろしいのであります。ですから、財政を健全にいたしておきまして、なお資本蓄積等において不十分な場合は、金融において弾力性をもつて運営していく、こういうことにして、双方が一体化されて、りつぱに運営されることが一番望ましかろう、かように考えているわけであります。
 それからもう一つ、私がたとえて話しましたミルク論というのが、この議場で出ようとは思わなかつたのでありますが、出ました。それはこういうことなんであります。ちようど、山に登る場合に、からだの丈夫な人は一気に頂上まで登るのであります。それが一番いいでせう。しかし、からだが弱いと、そうまで必ずしもいかないので、八合目くらいか七合目くらいまで行つて、ちよつと眺望のきくところに行きますと、ますお茶を一ぱいというふうにして、あとで登ろう。登ることに変りはないのであります。そのときに、私は、ここ一年以上デフレをやつてきたので、デフレの効果も相当出ているんだデフレ政策は、私はとてもよかつた政治だと思うのであります。これは、従来の政府がおやりになつたその功績を私は認めなくちやならぬと思う。ですから、相当なデフレの成果が上つておりますから、この辺で牛乳ぐらいは出すだけの余裕ができた、それで牛乳を飲んで登つて行く、こういう考え方から来ておるのであります。
 それから、公債の発行ということと減税、こういうことが先ほど話に出まして、一千億の減税をする、なお公債の発行ということが可能であるとすれば、それでやればいいのじやないか、こういうお話もあるのであります。これは、そういうことができれば、それもけつこうと私は思います。問題は、今日公債を発行して、それが市場で消化し得るだけの客観的な条件が成立しておるかどうかということが問題であるのであります。それで、私は、実は、昨年の初めのときに、水田さんが政調会長のときよく御相談して、どうぞ早く預貯金の利子を免税にして下さいそうしたら、水田さんも大いにやろうとおつしやつておつたが、やらなかつた。あれは、あのときやつておれば、当然今ごろできたものと思います。そこで、私は、これを今度やろう、こういう考えでいたしておるのでありまして、こういうことは、要するに時期の問題で、考え方の相違ではありません。
 これをもつて私の答弁といたします。(拍手)
    〔国務大臣石橋湛山君登壇〕

発言情報

speech_id: 102105254X00819550123_021

発言者: 一萬田尚登

speaker_id: 2003

日付: 1955-01-23

院: 衆議院

会議名: 本会議