野澤清人の発言 (社会労働委員会)

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○野澤委員 大石さんの説明を聞くと、もっともらしく聞えるのですが、医薬分業に対して、医師が診察をし薬剤師が調剤をするということは、明治六年の太政官布告以来、一貫した日本の医薬制度を確立する上においての考え方であります。そうした考え方によって、一方は医学の教育をし、薬学の教育を発展させていく、しかも五万有余の薬剤師が今日完成しております社会情勢から見ると、当然一方は医学の真髄をきわめ、一方は薬学をおさめた者が社会的に両立している。こういう現況から見れば、当然調剤の分離ということが考えられなければならない。調剤の分離ということを考える前提としては、本質的なもの以外に付帯する大きな条件としては、処方せんがどれだけ出るかということだろうと思うのであります。従ってあなたの言われるように、今度の改正案の二十二条というものは一応は原則的には処方せんを出すということを示しております。しかし「ただし、次に掲げる場合においては、この限りでない。」というただし書きでありますが、「一 患者又は現にその看護に当っている者が特にその医師から薬剤の交付を受けることを希望する旨を申し出た場合」「二処方せんを交付するととが患者の治療上特に支障があると認める場合」、この二つの場合を取り上げてあるのであります。第三者が考えますと、きわめて妥当な項目のように考えられますが、これは基本法でありますところの第一項の精神を九割九分まで破壊する文案でありまして、これをしますというと、患者を診察したお医者さんというものは、処方せんは原則的に出さなくていいのだ、こういう結論に到達するわけであります。そこで第十国会では、こうした法律はむしろ薬事法の方にというので、一応処方せんをもらってから、どちらから薬品をもらうかという自由選択権を、処方せんを握った上で与える。これでも一般には、完全分業ではなくて任意分業であるといわれるまでの議論が起きておるのであります。こういう経過から見て、今度のこの改正案を出された精神というものは、全く医薬分業の考え方、精神を、そのまま踏みにじるような行き方であるというように考えられるわけであります。
 そこで、医務局長が見えられましたから、第十国会において論議された当時から、さらにまた昨年の医薬関係審議会等において述べられました処方せんの義務発行に対する除外例について、どういう話し合いがあったか、これを一つお述べを願いたいと思うのであります。

発言情報

speech_id: 102204410X04419550718_010

発言者: 野澤清人

speaker_id: 14646

日付: 1955-07-18

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会