葛西嘉資の発言 (社会労働委員会)

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○葛西参考人 お答え申し上げます。この一と二を便宜一緒に申し上げた方がいいかと思います。
 御承知のように、赤十字は、社団的な性格であるものですから、社員制度を基礎にして、そして財政の基礎を固めるという御趣旨だと思います。まことにごもっともでありますので、ぜひそういうふうにせねばならぬということで、社法制定以来努力いたしてきております。今、社会局長からもお述べになりましたように、二十七年、二十八年、二十九年、三十年と——三十年はまだ集計ができておりませんが、一般の募金と申しますか、寄付金と申しますか、それに財源を仰いでおるものと、社員制度による社費でまかなっておるものとを比べてみますと、これは逐年増加をいたしてきております。三十年度のごときは、社費によるもの約七割、募金によるもの約三割という目標で努力をいたしております。従来の実績によりますと、やはり社員の方が、県によりますと十分いっているものもございますが、県によると目標を達しないものもありまして、目標よりは若干下回っておるのが実情でありますが、そんなふうにして努力をいたしてきております。しかし、社員制度の根本につきましては、御承知のように終戦の直後、まだごたごたしておるときにきめたものでありますので、若干現在の実情に合わないものがあるのじゃないか、新しい社員制度というものを一つ考えなければならないのじゃないかということになりまして、先般部内の役員会の議を経て振興室という新しいものを作りまして、吉川委員御承知の水野君をその室長にいたしまして、今新しい社員制度を作るべく努力をいたしております。そして、これはただいまのとこでは、大体来年の五月の赤十字運動までには、新しい社員制度によりまして——これは政府の方のお許しも得ねばなりませんし、内閣の賞勲部等の御協力も得ねばならぬのでありますが、そんなふうな諸般の手続を終えまして、来年の五月の赤十字運動期間までには、新社員制度によって発足し、そしてこの参議院の決議にありまするように、社費による財源を確保し、社員制度の基礎を固めていくというふうにやって参りたいというわけで、目下鋭意その準備を進めているわけでございます。
 それから第三の項目でありますが、機構の改善ということがいわれておるのであります。これはいろいろな面から検討したのでありますが、まず本部。——東京の本部であります。ここでは、やはり組織というものが、人間も非常に多いというようなことから、これを簡素強力にする必要があるというわけで、機構を縮小し統合いたしまして、ただいまのところでは三部四室というふうなものにいたしております。そして、これは人事の方の刷新にも関係がありますが、ほとんど全部——全部じゃありませんが、三分の二くらいの部長、室長というものを新しく任命をいたしたわけでございます。副社長であります私も、実はそのときにかわって、二十八年の二月から就任をいたしておるようなわけでございます。
 それから、支部の機構につきましても基準を作りまして、ただいま本部でやっておりますように、それをまとめまして、そうして大きいところ、東京とか大阪というようなところには部を作り、小さいところは二課くらいでやっておるというようなことで、逐次人員等を整理いたしまして、簡素強力なることにして参りたいというふうにいたしておるわけでございます。
 第四の医療機関の運営につきましては、あとの五のところに経営についての国会の意思もはっきりいたしておりますので、このようなふうにいたしまして、実は昨年の初めであったと記憶いたしておりますが、医療施設規則——赤十字の中の病院診療所等の規則があるのでございますが、これを改正いたしまして、医療施設規則というものを作りまして、これで今ここにあります。ような公的医療機関としての性格を明らかにし、災害の場合における赤十字の医療施設の特色を発揮させるというようなことをうたいまして、これを全国的にやっておるわけでございます。ここに直営というようなことがあるのでございますが、この国会の御趣旨は、本社がみな経営をするということではないように伺っておるのでありますが、ただ、各府県ばらばらにいろいろなことをやっておっては困るのではないか、一つの赤十字の仕事としては、一貫した方針のもとにやっていく、こういう御趣旨のように伺っております。たとえば、東京の渋谷にあります中央病院のように、本社が直営いたしておる病院もあるのでございますが、こんなふうにいたすこととは、実は多少無理があるというふうに考えております。と申しますのは、今赤十字の医療施設は、大体百六十余あると思いますが、これらの施設、北は北海道から南は鹿児島に至る間のこれらの施設を、東京におる一つのものが指揮、支配をするということは、病院管理の面から、あるいは病院監督の面から行き届かない面があるというので、現在ではそれらの一部の地域的な仕事を支部という機構を置いてやっておりますので、これに管理、監督をやってもらう方が適当だということから、先ほど申し上げました医療施設規則にもその点を明らかにいたしまして、根本の方針は本社においてきめますけれども、その細部の監督、指導、管理という点については、これを支部長の手元でやるということでやっております。繰り返しますが、申すまでもなく公約医療機関としての性格を明らかにすると同時に、災害救助ということが赤十字の医療施設の非常な特色であり、やらなければならぬことだというわけで、医療施設規則の第一条の一番最初に災害救助ということを書いて、機会あるごとにこれらの医療施設を督励いたしております。先般来、いろいろな災害等の場合には、規模は小そうでございまして、能力があまりありませんので、十分なことはできなかったとは思いますけれども、能力の範囲内では、この点については相当の成績を上げておるのじゃないかと、大へん手前みそを並べるのでありますが、自負しておるような次第でございます。
 それから、第五の支部長の民主的選出につきましては、先ほど社会局長からもお話がございましたが、これは知事としての人を選ぶのじゃないという御趣旨であるのでありますが、今のところ、この知事選挙の前までには、知事さん以外の人が支部長である県は四つございます。北海道、京都、徳島、千葉、この四つが知事以外の支部長になっております。それ以外は、みな知事さんが便宜上なっておる。これは事情を聞いてみますと、やはり支部長というのは、先ほども局長から申し上げましたように、民主的に選ぶといいますか、地方の評議員会というのがありまして、その評議員会で選ぶことになるのでありますが、もちろんやはり知事さんである何のたれがしさんにお願いするほかはないではないかというようなことになって選挙されておるのが、実情のようでございます。ただしかし、四つの支部だけは、今のように別の方がなっておられます。この間の知事の選挙後については、まだそれがはっきりいたしませんので、私も今はっきり覚えておりませんが、もう四つ五つの県が、今の知事さんがならずに、前の知事である人がそのまま支部長の職にあるということになっております。それらはすべて民主的選出と申しますか、民主的に下から盛り上ってきた評議員会の自主的な判断によってやっておるというようなことになっております。
 それから、人事の刷新は、先ほど申し上げた通りであります。

発言情報

speech_id: 102204410X05019550726_045

発言者: 葛西嘉資

speaker_id: 25628

日付: 1955-07-26

院: 衆議院

会議名: 社会労働委員会