萩原幸雄の発言 (地方行政委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○萩原参考人 本日遊興飲食税の問題につきまして、実際の徴税に当っております側といたしまして意見をお聞き下さる機会を与えられましたことを、厚くお礼を申し上げます。
ただいま委員長より、遊興飲食税の公給領収書の発行状況その他につきましての意見を求められましたので、この点につきまして大体の状況をお話し申し上げます。
御承知のように、遊興飲食税につきましての領収書の問題につきましては、現在地方税法におきまして、県の条例で規定いたします上では、領収書の交付義務を特別徴収義務者に課することができるような体制がとられております。これによりまして、広島県におきましては、現在一割の税率を適用せられます業態のうち旅館以外を除きまして、その他の業態につきましては公給領収書の義務を条例で課しておるわけでございます。結局芸妓の花代に対するもの、それから二割の税率の適用を受ける料理店、貸席、カフェー、バー、それから一割の税率の適用を受ける旅館、この部分につきまして、公給領収書の交付義務を課しておるのであります。実は昭和二十五年以来、遊興飲食税につきましての領収書交付の義務は、特別徴収義務者に条例で負わしておったのでございますが、実際に履行されまする状況は必ずしも完全でありませんで、業態によりまして、公給領収書を発行するのが不可能な業態と目せられるものにつきましてはこれをはずしまして、そして公給領収書を発行できる業態に限って、そのかわりに完全履行を求めたい、こういう関係で、ただいま申し上げましたいわゆる大衆飲食店、喫茶店等をその業態からはずしましたのは昭和二十九年度からでございます。昭和二十九年度からそういう新しい体制になりまして、関係業態にこれの協力を求めまして、大体一年を経過したわけでございます。
この状況を申し上げますと、該当になります業者の数は大体二千六百件でございます。このうち完全に発行されておるのは二百八十五件でございます。これが率にいたしまして一割八厘という数学になっております。それから発行はしておるが、必ずしも完全でないもの、これが九百十二件、率にいたしまして三割四分六厘でございます。残りの千四百三十七件、率にして五割四分六厘でございますが、これが全然発行しておる形跡の見られないもの、こういう状況になっております。
それから発行を全然していない、条例上の発行義務を履行されておらないものの理由でございますが、これは全部につきましてはなかなか調査が不十分でございますが、約三百件ばかりにつきましてのアンケート式の調査によりますと、大体その主たる理由は、そのうち約二割内外の業者につきましては遊興飲食税を客から徴収しがたい、従って県の公給領収書というのは発行しにくい、こういうものでございます。それから客がそういう公給領収書を好まない、結局遊興飲食税というものをはっきり領収書に記載をして、これだけ遊興飲食税を取るのだという形にするとお客がいやがる、こういう理由によりますものが約二割でございます。それからこういう領収書を発行する手間がない、それだけの人手がない、こういいますのが一割五分程度でございます。残りは記載がむずかしい、煩雑だとか、いろいろ理由をあげております。大体大きな理由をあげておりますのは、ただいま申し上げました三つのものでございます。
それからこの制度によりましてどういった利害得失が現実において考えられておるか、こういうことでございますが、私どもが見ておりまして最も長所だと考えております点が二点ございます。第一点は、特別徴収義務者はもとより、この税の運営に当りまして一番問題になっております行為者である遊興飲食、宿泊をする納税者が、遊興飲食税について必ずしも関心が高くないという問題がございますが、こういう領収書を発行することによりまして、特別徴収義務者自身、及び従来から必ずしも関心が高くないと言われておるそういうお客、行為者に対しまして、この税に対する認識を非常に高めるのに役立っておる、これが第一点でございます。
それから第二点は、申し上げるまでもありませんが、課税に当りまして非常に課税標準の把握が楽でございます。それから完全に履行していただけばいただくほど、特別徴収義務者との間にトラブルがないわけでございます。そういうように課税が容易であり、そういう煩雑な問題を起さないということ、並びにかえってこの完全履行の程度が高ければ高いほど特別徴収義務者間の均衡が保持できる、こういうことでございます。
他方この制度によりまして若干検討すべき問題がございます。第一の問題といたしましては、御承知と思いますが、遊興飲食税の特別徴収義務者は、遊興飲食税を実際に徴収するといなとを問わず、徴収すべき金額を県に納税することになっております。従いまして一例を申し上げますれば、売掛金を生じております場合に、やはり行為の時期によりまして売掛のままでも遊興飲食税を県に納入をしてもらうことになっております。こういう場合に、この領収書だけでは売掛の場合の期間のズレを生ずる。従ってこの領収書を発行いたします場合に、他方この領収書だけにたよりきれませんで、そういう行為が現実にあるという何か証拠がほしい、こういうことになるわけであります。従ってこの問題につきましては、広島県におきましては領収証は一組が三枚つづりになっております。そして第一葉が領収証の写しで、これは特別徴収義務者の手元に残ることになっております。第二葉は領収証ではございませんで、同じものを記載するのでございますが、領収証をまだ発行していないけれども、これに記載しておくので計算書と称しております。第三葉は、領収の場合に納税者に渡すという格好にしておりまして、そういう計算書兼用のような様式のものを採用いたしております。そういう広島県で採用しておるものが妥当かどうかの問題がございますが、何かの方法でそういうものが要る、領収証だけにはたよれないという一つの問題点が残っておるわけであります。それからもう一つの問題といたしましては、各業態によって出しいい領収証というものの形態を異にしておりますが、実は本県においてはただいまのところ一つだけの領収証を規定しておるのでございます。将来の問題として、たとえばカフェー、キャバレー、バーといったところで使いいい領収証というものは、現在の領収証とは違うのじゃないか、同じ領収証ですべての業態は完全に律し切れない、こういう考え方のもとに検討中でございます。いずれにいたしましてもこの領収証につきましては、非常に簡易でかつ業態に見合ったものを考えていかなければならないというふうに考えておるわけであります。なおこの領収証は県費で印刷をして、無料で特別徴収義務者に配付いたしてあります。
以上、大体本県でやっております状況並びに一、二の問題点を申し上げたわけであります。