金藤万佐則の発言 (地方行政委員会)

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○金藤参考人 御紹介にあずかりました広島県旅館料理業者でございますが、急なお呼び出しのために適当な資料を持ち合せませんで、お話が少しばらばらになるかもしれませんがお許しを願いたいと思います。
 ただいま本県の税務課長から非常に合理的な運用のようにお話があったわけでありますが、実際問題としましてこの税金の問題は、広島県に限らず全国的に大へん不平不満が出ておるのであります。このことにつきまして先般地元新聞社から私に何か不満があればしゃべってみないかということでしゃべったことが、ちょっと新聞にどろんこ行政として書かれたのであります。これは私のしゃべった内容とは少し違うのでございますが、それを一応読み上げまして、その内容について個々に説明させていただきます。文章が煩雑ですから、飛び抜いて申し上げます。「現在は遊興飲食税は地方税として地方自治体の重要財源であり、遊興と飲食が二つに分れたものでないので、料亭、キャバレー、芸者というものから喫茶、食堂に至るまで百円以上のあんみつにも税金がかかるわけである。現行税率は一応標準税率として芸者の花代十割、料理屋、貸席、キャバレーでは二割、旅館の宿泊料金には一制というのであるが、この十割、二割、一割といっても、その標準は場所と店とによってまちまちであるため、各府県ごとに財政状態により課税のアンバランスが生じ不公平を生んでいる。大衆旅館(免税店)で料理屋的な風俗営業が行われたり、料理屋が大衆食堂と称して裏座敷や二階で宴会を行なったり、はなはだしきは官庁、公共団体、大会社の寮と称して料亭的営業(風俗営業)が行われる始末である。こんな実態がつかめないものにかける税金だから、必然に不公平と不満のデコボコ課税となる。あらゆる税金のうち最も不明朗なものというべきである。県当局は苦しまぎれに実態課税とはいうものの、実際には予算課税となり、大きな店、著名な店にしわ寄せされ、とりやすいところから取り立てるのである。こういった徴税だから幾ら観光宣伝をやっても遊飲税の面で阻害され、隣県に立ちおくれているのが現実である。……遊興飲食税はそれ自体、一般に高い税金だということはよくわかっているし、お客さんから徴収が困難だというところに無理がある、お客さまも払いやすい税金ならみんな協力するのである。とれないような税率をかけるから、実際にとれない分だけ自己の出血による納税となる。これをのがれんがために看板にいつわりの店ができる。登録芸者が少くなって「やとな」となり名義をネコの目のように変えたりして不健全な店がウヨウヨできる。」大体こういうようなことを記者が書き取ったわけであります。
 この問題をここに説明いたしますと、最初の税率の問題でありますが、これはただいま申しましたように、お客から、実際徴収不可能である税率を規定しているために、こういう問題があるわけでありまして、これはよく御存じのはずであります。従って業者はこの税があるために、とれない分を徴税吏員におどかされて泣く泣く出血納税をするということになります。これをのがれるために芸者は登録をやめて「やとな」になっておる。そういったことが現われてくるわけであります。
 次に政令七五以後の不合理でありますが、今申しましたように大衆旅館とか大衆食堂とか、また場所的な免税店を行うために、これに入れない者に不満があるということであります。
 それから徴収方法の不公平の問題でありますが、二割業態である料理屋とキャバレー、バーがひとしく二割課税されるならよろしいのでありますが、これが業態によって違っておる。はなはだしいのは芸者には花代という十割課税があるのに、キャバレー、バーのダンサーには税金がありません。こういった不合理があります。
 次は領収証の問題であります。先ほどの税務課長のお話のように、広島県においては、三枚複写の領収証が行われております。これは三枚の複写であるために、即日現金でお払いになるお客の分に対しては払いやすいのでありますが、実際料理屋とか高級旅館とかは千五百円以上は大体集金が多いのでありまして、売掛になるために帳簿上取の扱いが困難であります。実際そういう店に限って会社の用とか、公用の関係で領収証が要るのでありますが、これが困難なために必然的に計算書は私製のものを使い、領収証も私製のものを使っております。これが大会社、官庁になりますと特定の形式がありますから、相手方の会社の特定の計算書、領収証、請求書を要求されてまた作らなければならぬ。こういうように大へん複雑なので、私たち業界の中でも大体青色申告業者は私製のものを使っております。私個人の立場から申しますと、計算書は私製であり領収証は官製を使っております。ただし今申しました会社関係においては会社のものを使わなければなりませんし、それを加えると三重に発行しておるわけであります。こういう矛盾がございます。
 では、今申しました現行税法のいろいろな不合理な面を合理化するには何かいい意見はないだろうかということで、私の個人的な考え方を述べさせていただきます。これは必然的に、先般自治庁から出されました自治庁案の批判になります。
 最初に領収証問題でありますが、自治庁一がお考えの領収証がいかなるものであるかはっきりわからないために、一応広島県が行なっているような領収証と仮定してお話いたします。今申しましたように、領収証というものは、現在の税法から申しますと、現金を受け取ったときに発行することになっておりますが、実際これを実態把握するためには、領収証においては不可能だと思うのです。広島県におきましては、これが計算書と同様な様式になっておりますために大体できると思いますが、実際問題として会社におきましても、これは済まぬが一万円ほどふやしてくれとか、これは芸者があっては困るから酒に直してくれとか、いろいろ理料屋の関係には注文があります。実際これをやっていたら国税庁の方から怒られてしまう、しかしこれをお断わりすることは他の店に行かれてしまうから、サービス業としての悩みがあります。これをいかなる方法にしたらいいか、自治庁案はあくまでも計算書ということで——いわゆる請求書でございます。これでもって実態を把握してもらいたいと思います。しかしながらこれはあくまでもさっき申しましたとりやすい税率でなければならぬという原則のもとに行わなくてはならないと思います。実際問題として官製の領収証というものはこの業界だけに残されて、私は非常に不愉快でありますけれども、万やむを得ぬとなれば、それでなければいけないとおっしゃるなら、業界はあえて反対はしないと思うのであります。ただこれは現行のような税率ならば反対するのでありますが、それでももしこれに対して反対するなら、そのような店は非常に不明朗な店じゃないかと思うのであります。なおこれにつけ加えまして、官製のものをぜひやらなければならぬというならば、国税庁と連絡をとって、この業界の青色申告者に限り法人個人を問わず、現在の青色申告者は国税庁が指示するところの帳簿の上につけ加えて自治庁が規定するものを用意しろ、このものに対しては特別な優遇措置を講じろという条件をつけたいと思います。たとえばそういった種類の店は非常に売掛が多うございます。貸し倒れが多うございます。従って発生主義をやめて現金主義にしてもらいたい。固定資産税の場合は特に事業税に関係がございますから、そういうような優遇措置を考えてもらえば、あえて反対はしないだろうと思います。
 次に各旅館業種あるいは大衆飲食業種等から、それぞれの陳情がございます。それぞれみな先生方のお手元にあると思いますが、これはおのおのその理由があると思います。これを実現するためにはわれわれ業者みずからの納税意識も向上しなければなりませんけれども、自治庁そのものが業者をかわいがって税の根源をつぶさない——やはりかわいがってやらなければタケノコも成長いたしません。そうしてそういう免税点その他にそれぞれ陳情があれば検討していただいて、ぜひ実行してもらいたいと思います。
 私は個人的に二割業態であるために他の業種についてのいさいがよくわかりません。それでただいま広島県の実情とわれわれ業態の要望というものを申し上げたのであります。

発言情報

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発言者: 金藤万佐則

speaker_id: 34383

日付: 1955-07-04

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会