後藤博の発言 (地方行政委員協議会)

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○自治庁財政部長後藤博君 お手元に配付してあります資料につきまして簡単に御説明を申し上げます。
 最初に二十九年度の決算の資料がございます。それから便宜御説明申し上げます。昭和二十九年度決算見込額調、これで申し上げます。一番先に府県、特別区、五大市、市、町村の区分をしてございます。一番下の方には合計赤字団体というのがございます。下から五行目でございます。赤字団体の数は二千二百八十一団体で、実質赤字額は、一番右の欄にあります六百四十八億八千万円が赤字の額であります。八十八年度の赤字の額は四百六十二億二千四百万円でございましたので、百八十六億だけ多くなっております。団体数は二千二百八十一でありますが、二十八年度は千四百八十七であります。団体数と申しますのは、二十八年と九年とで必ずしも基礎は同じではございません。二十八年の中途から町村合併が行われて参りましたので、基礎になる数字はだいぶん違っております。大まかに申しまして、二十八年度の際は八千四、五百の団体であったと考えております。それから二十九年度は約五千団体であります。このうちで一番目の府県の赤字団体は三十四でありまして、昨年は府県の赤字団体は三十九であります。府県の赤字は一番右の欄でありますが、二百六十四億の赤字の総額になっております。そのうち繰り上げ充用が二百四十七億、それから繰り上げ充用を行わなかった団体の赤字が十七億、黒字団体の黒字額が十七億、差引しますと二百四十九億でありますが、赤字団体だけをとりますと二百六十四億になる。これは昨年よりも三十九億ばかりふえております。団体数は逆に五つだけ減っております。
 それから特別区、これは東京の特別区でありますが、四千二百万円の赤字がございます。これは昨年よりも三千二百万円ばかりふえております。
 それから五大市は昨年と同じであります。四つで実質赤字額は昨年よりも十九億ばかりふえておりまして、六十六億になっております。
 次に市でありますが、市は昨年は二百三十一の市が赤字でありましたが、ことしは三百六十になっております。これは四百八十一の団体のうちの三百六十が赤字、こういう意味であります。これは新しい市がふえて参りましたので、市町村の赤字が市の方に上って参ったのでございます。赤字の総額が二百十五億、昨年よりも六十九億ばかりふえております。
 次の町村は、赤字団体数は千八百八十でありまして、昨年は千四百四十九、団体数で昨年よりは四百三十ばかりふえております。赤字額が五十八億ばかり昨年よりふえております。赤字の総額は百二億くらいになっております。われわれが予想しておりましたよりも町村の赤字がふえておりまして、その理由は、前に申し上げましたように、町村で隠れておった赤字が表に出て参りましたものが相当ございます。それから合併の持ち込みの赤字も多少ございます。そういう意味で町村の赤字がわれわれの予想いたしましたもの以上にふえておるのであります。
 全体として見まして、府県、五大市の従来の赤字団体の赤字の総額というものを見ますると、非常に各地方とも財政規模の圧縮をはかり、節約をいたして参りまして、そう赤字の額は二十七年から八年の関係のようには伸びていない。しかし全体的に赤字の現象が普遍化して来ているということが言え、るかと思います。
 府県ごとの決算は、別紙にございますが、この表で、二十八年度の一番右の単年度の収支額と、二十八年と九年との差額の収支額というものとが必ずしも一致しておりません。これは団体によって、単年度の収支額というものと、累計した収支額というものとが、差額が必ずしも合っていないのでありまして、これは各団体によって赤字になったり黒字額がふえたり、いろいろしておる関係でこういうことになっております。
 次に、お手元に「地方財政に関する中間報告」という財政懇談会の資料がございます。大蔵省に設けられております財政懇談会におきましては、国、地方を通ずる国全体の財政にりきましてのいろいろ話し合いがされておるのでありまして、そのうちで、地方財政に関する問題につきましては、一応地方財政全体の国家財政との関連におきまして中間報告がされたのであります。それを基礎にしてさらに小委員会を作られまして、そこで四、五人の方々が中心になって、さらにこまかい地方財政に関する中間報告案ができ上って、懇談会の総会の承認を得られたのであります。これが大体承認を得られたものであります。この会に私どもも出ておりまして、いろいろ地方財政の話を申し上げたのであります。考え方といたしましては、地方財政の財政規模を圧縮するという場合に、地方財政だけで問題は片づかない。従って中央、地方を通じて財政規模を圧縮できるような環境を作らなければならないという議論が漸次強くなって参りまして、その中間報告の書き方もやはりそういうふうな書き方になっております。内容につきましては、いろいろわれわれとしても意見のあるところがあります。しかし考え方としては、まず国において先に措置すべきことをきめて、その上に立って地方財政の財政規模の圧縮をはかるべきであるという議論が強くされたのであります。そういう書き方になっておりまして、中間報告案の前文もやはりそういう意味であります。「第一国において措置すべき事項」と書いてありますが、国において地方財政の規模の圧縮をはかるためには、次のようなことをしたらいいだろう、こういう結論であります。この中でわれわれの方から申しまして問題の点が二、三ございますが、大体考え方としては私どもは別に異論はないのであります。ただ一の「地方行政制度の改革」、これはいいのでありますが、次の「地方税財政制度の改革」につきまして、私どもちょっと変った考え方を持っておるのであります。
 第二に「地方団体において措置すべき事項」というのが出ております。まず国でやることを先にきめて、それから地方団体の措置すべき事項として、まず地方歳出の圧縮、その方法につきましていろいろ述べておられますが、この中で給与費の関係につきまして注目すべきところの報告があります。給与は今実態調査をやっておりますが、実態調査の結果、割高な給与の団体については、当分の間、現水準において給与を停止させる。その間に給与の引き下げをさせるか、あるいは給与を引き下げ、その引き下げた部分について、標準超過課税等によって得た財源によって調整手当を支給するか、いずれかの措置を講ずべきである、こういうことになっております。この点が非常に強く財政調査の結果の意見も出ておりますので、御参考までに申し上げたのであります。
 その次に四ぺ−ジの第二の財政運営の改善のところに一、二とありまして、国においても地方税制度に一そう弾力性を持たせるため、現行の標準税率及び制限税率に再検討を加えること。この意味がよくわからぬのでありますが、標準税率制度及び制限税率制度というものを税制の上で考え直す必要があるという意味のようであります。その下に財源偏在の是正措置とあわせて独立税の充実をはかる、さらに交付税の税率を検討する必要がある、こういうふうに言っております。この辺にもやはりわれわれとは多少異なった見解が出ております。
 それから第三の本年度の地方財政の処理につきましては、交付税率の引き上げは絶対にいけないという説がほとんど支配的でありました。しかし一部には、交付税率の引き上げはいけないかもしれないが、応急的な措置は何らかの方法で考慮する必要があるのではないかという意見が途中から強く出て参りまして、応急的な措置は講ずる必要があるというふうに最後の総会のときに改まっております。つまり交付税率の引き上げは恒久的な制度に連なるからいけないが、しかし応急的な措置は何らかの方法で講ずる必要があるという結論になっております。ただその場合に、さらに経費の節減、収入の確保等健全な財政運営に努力することを条件として国が措置する、こういう条件がついておるのでありまして、この条件と応急的な措置というものを、どういうふうにうまくマッチさせるのか、どういうふうにこのところは考えたらいいかという点につきまして、われわれもいろいろ聞いておるのでありますけれども、はっきりしたお答えがないのであります。一時融資でごまかすことを考えておるのか、それともほんとうの財源措置を恒久的に考えておるのか、この辺が不明確であります。初めは非常に強い地方財政の圧縮、経費の節減一本やりでありましたが、中間報告案を見ますと、全体としてはやはり地方財政の財政規模の圧縮、経費の節減のために国もともどもにやらなければならないというのが強く出ておる点は、私どもは注目すべき見解であろう、かように考えておるのであります。個々の点につきましてはいろいろ私どもの意見がございます。
 それから財政懇談会はさらに引き続いて他の問題の懇談を現在されておりますが、地方財政の問題は一応これで中間報告は終りではないか、かように考えております。
 それから地方制度調査会の方は、御案内の通り、これは本年度の三十年及び三十一年度の措置すべき事項につきまして、諮問を基礎にいたしましていろいろ討議がなされておりますが、三十年度につきましては、御手元にございますような地方財政措置に関する答申がなされたのであります。三十年度の問題につきましては、なぜかような赤字が累積していることになったかという原因につきまして、第一項につきましては、二十八年の十月十六日の答申案の財源付与が十分に行われていない、三百億の財源付与すら行われていない、そこに問題があるのだということを第一項で述べておられます。従って地方財政再建促進特別措置法の実効を確保するためにも、今年度においてやはり応急約な措置を講ずる必要があるというのが第一項の趣旨であります。
 第二項は、しからば財源不足額はいくばくであるかという点につきましては、いろいろ異論があったようでありますが、少くとも不足額のありますところの項目としては、国税三税の減税に伴う地方交付税の減収、奄美群島特別交付税制度の廃止による地方交付税の減収、警察費是正額の平年度化に伴う増加額、公債費の増加領並びに恩給費及び国庫補助職員の旅費物件費の是正による額、警察職員の資格基準表の改訂等に伴う増加経費、その他給与費のうち過少算定分等、こういう経費につきまして財源措置を弊する点がある。しかし今申しました経費の中につきましては、国の側とわれわれの方の地方財政側とに数字の点でいろいろ問題がありますので、給与費を除いて一応二百億程度の財源措置をする必要があるということになっております。この経費の内訳につきましては、お手元にあります財源不足額及び増減に関する参考資料に私どもの提出いたしました数字は載っております。それからその不足財源をいかなる方法によって措置するかという方法の問題につきましてはいろいろの方法が考えられまするが、三十一年度に行わるべき根本的な制度の改正を前にしていること及び現在すでに年度の半ばを経過していること、それから地方団体の健全財政堅持の意欲をそこなわないように財源を付与しなければならないという点等から考えまして、三十年度に限って地方交付税の交付税率を修正して右の財源不足に相当する額だけ引き上げることが至当である、こういうふうに答申されております。ただし相当額の一部はたばこ消費税の税率の引き上げにより措置することができるというふうになっております。これは三団体側、特に市町村側から、交付税だけでは困る、こういう主張が強くされましたので、ここにこういう妥協的なただし善きがついたわけであります。
 それから第四の項目は再建債の問題でありますが、先ほど申しましたように、二十九年度の決算が出て参りまして六百四十八億の赤字額になりましたので、それに伴いまして現在予定しております二百億の再建債では足りない、従って所要額を再検討しこれを相当大幅に増額する必要があるという答申になっております。
 それから第五は、これは特に最後に小委員会で入ったのでありますが、地方団体の中には、赤字の責任を国の措置に帰して、その財政運営の態度を改めないものがあるので、それに対して積極的に赤字解消の努力をすべきであるという地方団体に対する勧告をこの中に入れておられるようであります。この答申を基礎にいたしまして、自治庁におきましては交付税の税率引き上げに関する予算要求を現在いたしております。われわれの方で計算いたしまして、二百三十八億の財源を要する、率にいたしますと三・八一%だけ引き上げを要するという計算をいたしております。
 それから再建債につきましては、百億くらい本年度さらに追加を要する、かように思いますので、その要求を現在いたしております。まだ事務的な書類を出しておりまして、今週に入って事務的な折衝をいたしたいと考えております。
 以上お手元の資料を中心にして簡単に申し上げた次第であります。

発言情報

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発言者: 後藤博

speaker_id: 33526

日付: 1955-11-07

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員協議会