川島正次郎の発言 (本会議)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○国務大臣(川島正次郎君) ただいま提案せられました地方財政再建促進特別措置法案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
地方財政は漸次窮状を加え、昭和二十八年度決算におきましては、道府県の約八割、市の約七割、町村の約二割に達する千七百二十四団体が実質上の赤字決算を行なっている状況であり、昭和二十九年度におきましても、なお実質赤字額は増加せざるを得ない状況であります。これらの累増した赤字は地方団体の財政を圧迫し、ますます地方財政の苦境を招くようになるのでありまして、政府は、この事態を打開するため、とりあえず、すでに生じた赤字の解消整理に重点を置くこととし、地方制度調査会の答申及び前年国会において継続審議になりました地方財政再建整備法案の構想にのっとり、赤字の整理を行うことといたしたのであります。これが本法案を提案する理由であります。
次に、本法案の内容につきまして御説明申し上げます。
赤字地方団体の赤字の整理は、昭和二十九年度において赤字を生じた地方団体が、その議会の議決に基き、財政再建計画を定め、自治庁長官の承認を得た場合において、財政再建計画の誠実な実行を条件として、特に歳入欠陥補てん債の発行を認めるという方法により行うことといたしましたが、このような方式による財政の再建を行うといなとは赤字地方団体が自主的に決定することといたしております。
まず財政再建計画でありますが、財政再建計画は、歳入欠陥補てん債の発行により過去に生じた赤字を一応たな上げし、自後における財政の計画的運営によってその元利金を償還し、おおむね七年度以内に収支のバランスを回復することを目的として作成することといたしたのでありますが、その樹立に当っては、既定経費の節減、既存収入の確保に重点を置き、これによってもなお財政再建計画が立たないときは、現行制度のワク内において租税の増収をはかることといたしました。
この場合、歳入欠陥補てん債は、財政再建を行う団体、すなわち財政再建団体の実質赤字のうち必要額について認めるものとし、別に財政再建計画に基いて支払う退職金の支出に充てるため地方債の発行を許すこととするとともに、これらの地方債、いわゆる財政再建債のうち公募分については、年六分五厘をこえ年八分五厘に達するまでの部分について国が利子補給を行うこととするほか、財政再建債消化促進審議会を設け、公募分の消化について遺憾なきを期するとともに、右による公募債はなるべくすみやかに政府資金に借りかえることといたしました。
次に、財政再建計画の円滑な実施を担保する等の見地から、財政再建団体における長と各種行政委員会、長と議会との関係等につきまして、若干の特例措置を設けることといたしました。すなわち、財政再建団体においては、他の法令の規定にかかわらず、部局等の数を減じ、あるいは長の部局の職員と委員会等の職員とを兼ねさせて、行政の簡素化をはかることができるものとし、また府県教育委員会と管下市町村教育委員会との間の調整措置を講じ、長は予算の調整については財政再建計画に従わなければならないものとするとともに、財政再建計画の策定及び実施に関して長の提案が根本的に議会の同意を得られない場合に、両者の間の意見の調整をはかるために必要な規定を設けることといたしたのであります。さらに、財政再建団体中、財政の再建に長期を要する団体等については、その住民福祉の確保を考慮し、このような団体の行う国庫補助負担事業のうち一定のものについては地方負担軽減の道を開き、所要事業の施行に遺憾のないよう措置することといたしております。
第四に、財政再建団体については、その財政再建に関し特に政府が赤字債の引き受け、利子補給等各種の便宜を供与していることにかんがみ、財政再建団体が財政再建計画に反する財政運営を行なった場合に限り、これを是正するために、政府において必要な措置をとることができるものといたしたのであります。
なお、赤字地方団体の中でも、その赤字額の小額のもの等におきましては、その意思により自主的に財政再建の措置をとる団体もあるのでありますが、これらの団体につきましても、せっかくの財政再建計画の達成を可能ならしめるよう各種の面において配慮する必要がありますので、昭和二十九年度において赤字を生じた団体をも含め、赤字地方団体が自主的に財政の再建を行う場合においては、歳入欠陥補てん債の発行、監督及び国庫補助負担事業についての特例規定を除き、財政再建団体に関する諸規定を準用することといたしました。
以上のほか、特に最近の地方財政状況にかんがみ、その窮状の打開に資するため、一般に地方団体は当分の間地方債をもって退職金の支払い財源に充てることができるものとするとともに、地方団体が国またはその機関に対する寄付金等を支出することは、特殊の場合を除き、当分の間禁止することとする等の特例措置を講ずることといたしたのであります。
以上が本法案の内容の概略であります。
何とぞ、慎重御審議の上、本法案制定の趣旨に賛同せられ、すみやかに可決せられんことを希望いたすものでございます。(拍手)
————◇—————
地方財政再建促進特別措置法案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑