一萬田尚登の発言 (予算委員会)

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○一萬田国務大臣 お答え申し上げます。この問題は、三十年度以降において民間資金がいかに蓄積されるかということが基本になるのであります。今回民間資本の蓄積についてはあらゆる手を打っております。たとえば預貯金利子についても税を全免するというような形をもとっております。こういうことによりましても、通常とは違って相当大きな資金の蓄積ができることは、当然予想されることであります。なおまた資金の需給関係から見まして、デフレの一年半経過後の今日におきましては、財政の基盤がよほど固まってきておりまして、たとえて申しますれば、昨年度におきまして銀行の預金の増加が約四千億円ありましたのが、貸し出しは二千億程度にとどまっておる。こういうような点も、資金の需給関係がよほど堅実性を持っておるといいますか、そういうふうに打っておる。ただ私は従来こういう情勢は十分認識しておったのでありますが、なおこの勢いをもう少し強くしたい。その上でいろいろと民間資金の利用を考える。これは特に金融機関等の自主性を尊重してやる上から、さようにした方がよいと考えておったのであります。今回はこの資金についても、もちろん自主性を尊重いたしますが、同時に必要な場合においては、所要の措置をとる法案も提出されまして、資金の流れも十分に規制するようなことになっておる。考え方として、経済的な資金は民間の蓄積資金でまかなわれるということは、原則としてだれもが異論がないだろうと思います。ただ問題は、時期とやり方の方法論においていろいろと見解があるというのであります。時期については若干の見解がありますが、しかし他面において、必要があれば資金の流れについて規制し得るという準備が整っているという見地におきまして、今回の共同の一般会計からの出資をやめて金融債にする、あるいは預金部資金から抜いて一般の公募に充てることについては、確信を持ってやれるというように考えておるのであります。従いまして時に興業銀行あるいは長期信用銀行等における債権発行を圧迫するということはない。
 それから鉄道公債については、主として鉄道の建設資金に使われる。もしもこの資金の調達ができないということになりますれば、建設事業に支障を来たすおそれがある。従いましてこれは起債の場合において優先的に取り扱っていきたいと考えておる。ただ御指摘の金利の点は、私も一般公募債については別に異論はありませんが、政府関係機関等の債券、あるいは預金部からの金とそうでないものとは、金利の点において不利な点があるということは率直に認められる。ただ特にこのために金利が上ることはない。今日の銀行等の準備金その他の情勢からも、今日金利を下げることを進めておるのであります。下げることに若干の支障があろうかと思いますが、あとのことはなくて済む、かように考えておる次第であります。

発言情報

speech_id: 102205261X02519550607_012

発言者: 一萬田尚登

speaker_id: 2003

日付: 1955-06-07

院: 衆議院

会議名: 予算委員会