予算委員会
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会
会議録情報#0
昭和三十年六月七日(火曜日)
午前十時十七分開議
出席委員
委員長 牧野 良三君
理事 上林山榮吉君 理事 重政 誠之君
理事 中曽根康弘君 理事 小坂善太郎君
理事 西村 直己君 理事 赤松 勇君
理事 今澄 勇者
赤城 宗徳君 井出一太郎君
稻葉 修君 宇都宮徳馬君
北村徳太郎君 小枝 一雄君
河本 敏夫君 纐纈 彌三君
高村 坂彦君 楢橋 渡君
福田 赳夫君 藤本 捨助君
古井 喜實君 松浦周太郎君
三浦 一雄君 三田村武夫君
村松 久義君 相川 勝六君
植木庚子郎君 太田 正孝君
北澤 直吉君 倉石 忠雄君
周東 英雄君 田中伊三次君
野田 卯一君 橋本 龍伍君
平野 三朗君 前尾繁三郎君
阿部 五郎君 伊藤 好道君
石村 英雄君 久保田鶴松君
志村 茂治君 田中織之進君
田中 稔男君 福田 昌子君
武藤運十郎君 柳田 秀一君
井堀 繁雄君 岡 良一君
小平 忠君 杉村沖治郎君
中井徳次郎君 西村 榮一君
川上 貫一君
出席国務大臣
内閣総理大臣 鳩山 一郎君
法 務 大 臣 花村 四郎君
外 務 大 臣 重光 葵君
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
文 部 大 臣 松村 謙三君
厚 生 大 臣 川崎 秀二君
農 林 大 臣 河野 一郎君
通商産業大臣 石橋 湛山君
運 輸 大 臣 三木 武夫君
郵 政 大 臣 松田竹千代君
労 働 大 臣 西田 隆男君
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
国 務 大 臣 大麻 唯男君
国 務 大 臣 大久保留次郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
国 務 大 臣 杉原 荒太君
国 務 大 臣 高碕達之助君
出席政府委員
内閣官房長官 根本龍太郎君
内閣官房副長官 松本 瀧蔵君
内閣官房副長官 田中 榮一君
法制局長官 林 修三君
大蔵事務官
(主計局長) 森永貞一郎君
委員外の出席者
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
農林漁業金融公
庫総裁 山添 利作君
中小企業金融公
庫総裁 坂口 芳久君
専 門 員 小林幾次郎君
専 門 員 園山 芳造君
専 門 員 小竹 豊治君
―――――――――――――
六月七日
委員高村坂彦君、山本勝市君、北澤直吉君、石
村英雄君及び志村茂治君辞任につき、その補欠
として、北村徳太郎君、井出一太郎君、田中伊
三次君、福田昌子君及び原茂君が議長の指名で
委員に選任された。
同 日
委員古井喜實君及び田中伊三次君辞任につき、
その補欠として高村坂彦君及び北澤直吉君が議
長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
昭和三十年度一般会計予算
昭和三十年度特別会計予算
昭和三十年度政府関係機関予算
―――――――――――――
この発言だけを見る →午前十時十七分開議
出席委員
委員長 牧野 良三君
理事 上林山榮吉君 理事 重政 誠之君
理事 中曽根康弘君 理事 小坂善太郎君
理事 西村 直己君 理事 赤松 勇君
理事 今澄 勇者
赤城 宗徳君 井出一太郎君
稻葉 修君 宇都宮徳馬君
北村徳太郎君 小枝 一雄君
河本 敏夫君 纐纈 彌三君
高村 坂彦君 楢橋 渡君
福田 赳夫君 藤本 捨助君
古井 喜實君 松浦周太郎君
三浦 一雄君 三田村武夫君
村松 久義君 相川 勝六君
植木庚子郎君 太田 正孝君
北澤 直吉君 倉石 忠雄君
周東 英雄君 田中伊三次君
野田 卯一君 橋本 龍伍君
平野 三朗君 前尾繁三郎君
阿部 五郎君 伊藤 好道君
石村 英雄君 久保田鶴松君
志村 茂治君 田中織之進君
田中 稔男君 福田 昌子君
武藤運十郎君 柳田 秀一君
井堀 繁雄君 岡 良一君
小平 忠君 杉村沖治郎君
中井徳次郎君 西村 榮一君
川上 貫一君
出席国務大臣
内閣総理大臣 鳩山 一郎君
法 務 大 臣 花村 四郎君
外 務 大 臣 重光 葵君
大 蔵 大 臣 一萬田尚登君
文 部 大 臣 松村 謙三君
厚 生 大 臣 川崎 秀二君
農 林 大 臣 河野 一郎君
通商産業大臣 石橋 湛山君
運 輸 大 臣 三木 武夫君
郵 政 大 臣 松田竹千代君
労 働 大 臣 西田 隆男君
建 設 大 臣 竹山祐太郎君
国 務 大 臣 大麻 唯男君
国 務 大 臣 大久保留次郎君
国 務 大 臣 川島正次郎君
国 務 大 臣 杉原 荒太君
国 務 大 臣 高碕達之助君
出席政府委員
内閣官房長官 根本龍太郎君
内閣官房副長官 松本 瀧蔵君
内閣官房副長官 田中 榮一君
法制局長官 林 修三君
大蔵事務官
(主計局長) 森永貞一郎君
委員外の出席者
国民金融公庫総
裁 櫛田 光男君
農林漁業金融公
庫総裁 山添 利作君
中小企業金融公
庫総裁 坂口 芳久君
専 門 員 小林幾次郎君
専 門 員 園山 芳造君
専 門 員 小竹 豊治君
―――――――――――――
六月七日
委員高村坂彦君、山本勝市君、北澤直吉君、石
村英雄君及び志村茂治君辞任につき、その補欠
として、北村徳太郎君、井出一太郎君、田中伊
三次君、福田昌子君及び原茂君が議長の指名で
委員に選任された。
同 日
委員古井喜實君及び田中伊三次君辞任につき、
その補欠として高村坂彦君及び北澤直吉君が議
長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
昭和三十年度一般会計予算
昭和三十年度特別会計予算
昭和三十年度政府関係機関予算
―――――――――――――
牧
牧野良三#1
○牧野委員長 これより会議を開きます。
昭和三十年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。
この際、赤松勇君より議事進行に関して発言を求めておられます。これをお許しします。赤松勇君。
この発言だけを見る →昭和三十年度一般会計予算外二案を一括して議題といたします。質疑を継続いたします。
この際、赤松勇君より議事進行に関して発言を求めておられます。これをお許しします。赤松勇君。
赤
赤松勇#2
○赤松委員 昨日、本委員会の理事会におきましては、予算案の審議につきまして、それぞれ総括質問をば行い、その総括質問が終了した後、民自両党の共同修正案の動議の提出があり、これに対する質疑を行い、しこうして質疑終了後、社会党両派提出の共同組替案及び政府提出の予算原案に対する討論、採決をば本日行い、本日の本会議にこれを上程する、こういうように理事会におきましては申し合せをいたしまして、私ども鋭意予算の審議に当って参りました。しかるに、午後一時五十分本委員会をば再開する委員長の宣告によりまして、暫時休憩をいたしまして一時五十分の再開をば待っていたのでございます。しかしながら、委員会は二時五十分になりましても開会に至らない。そこで両派社会党理事は、与党の理事に対しまして遅延している理由をば問いただしたのでございます。しかるところ、開会遅延の理由は、参議院の本会議に総理以下各閣僚が呼ばれておるために委員会の再開は不可能である、そして本会議終了後、午後四時あるいは五時ごろ再開さしてもらえないかという申し入れがございました。このことは、不測の事態が起きますることは、議会運営におきましては間々あることでございます。ことに参議院が重要法案につきまして、当然総理以下各閣僚の出席を要求することは何人も予測できることなのです。それならば、何ゆえ午前の理事会におきまして、政府は与党理事を通じまして私どもにその了解を得なかったのであるか。なぜ参議院の本会議の出席をも予想しそれを織り込んで日程をば組まなかったのであるか。はなはだ遺憾に存じます。昨日理事会の申し合せ通り本委員会の審議が進み得なかったということは、あげてその責任は政府にある、また与党の諸君にある、こういうふうに言わざるを得ないのでございます。今後この重要な予算審議に際しまして、かかる事柄が再度起きるといたしますならば、私ども理事といたしましては理事会における申し合せに対しまして、これを厳守するわけには参りません。これは本委員会の運営上まことに重大な問題でございまして、この際私より政府の所信をお伺いしておきたい、こう思うのでございます。
この発言だけを見る →根
根本龍太郎#3
○根本政府委員 昨日参議院におきまして本会議に総理の出席を求められまして、総理が出席できない限りにおいては本会議は開かれない、こういうことでございました。たまたま予算委員会の休憩時間になりましたので、参議院の本会議に出席いたすことになったのでございます。しかるところ、参議院の本会議は約二時間近くかかりましたために、途中で退席することがどうしても向うの方で許されないので、やむを得ず総理の出席がおくれた次第でございます。まことにこの点は遺憾にたえない次第でございます。総理大臣を同時に一方は本会議に一方は重要なる予算委員会に出席を求められました。しかも参議院においては、出席をしない限りにおいては参議院を無視しておる、軽視しておるということで詰め寄られました関係上、また理屈のあることでもございましたので、いろいろとお願いしたけれども、ついにこのような状況になりました。まことに予算委員会の皆様に対しては申しわけなく存じていまするが、事態そのような状況でありますので、了承していただきたいと存ずる次第であります。
この発言だけを見る →赤
赤松勇#4
○赤松委員 官房長官ちょっと待って下さい。――ただいま遺憾の意を表されましたが、昨日はわが党の議員諸君もやはり質問に立っておるのでございます。参議院の運営につきましてもこれは重大な関係がございますから一言お尋ねしておきますが、はなはだ遺憾であるという意味は、参議院が、衆議院の予算委員会がいよいよ最終段階の審議過程にあるにもかかわらず、総理以下の出席を要求したことが遺憾であるというのか、あるいは昨日の午前の理事会にあらかじめそういうことを予想して、与党の理事を通じて私どもに了解工作をば行わなかったという政府の手落ちについて遺憾だ、こうおっしゃるのか、その点を明確にしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →根
根本龍太郎#5
○根本政府委員 もとよりこれは両院の日程が当初、午前中は参議院において、午後においてはこちらというふうに総理も心づもりしておられたようでありますが、その間私の方の連絡が手落ちがありました結果、参議院にも衆議院予算委員会にも大へん御迷惑をかけたことについて、遺憾の意を表する次第でございます。
この発言だけを見る →赤
根
牧
田
田中織之進#9
○田中(織)委員 昭和三十年度の本予算案の審議も非常に大詰めになって参りましたが、民主党と自由党のいわゆる予算折衝なるものが妥結したようでございまして、総理初め閣僚諸君はほっと一息したような、多少気のゆるんだような状況が見受けられるのであります。この予算の政府原案はもちろんのことでございますが、特に今回妥結したといわれる民自両党の予算折衝の結果でき上ったいわゆる修正案なるものは、金額はさほど大しはものとはわれわれ考えませんけれども、その内容においてきわめて重大な問題を含んでおると考えるのであります。しかもこれは当面の昭和三十年度の予算案及びその執行の過程における問題よりも、明年度以降にわたる日本経済にとってきわめて重大な問題を含んでおると思いますので、私は政府原案並びにこの予算修正案なるもの、両方を通じて見ました重要な問題について、総理以下の閣僚にお伺いをいたしたいと思うのであります。
まず今回の民自両党の共同修正案でございますが、この総括質問が終ったあとで修正案が提示せられ、それに対する細部にわたる質問は、同僚の石村委員よりあらためて伺うことにいたしますが、私はこの修正案に含まれておるきわめて重要な問題に限って特に総理の御所見を伺いたいのであります。
そこでまず共同修正案の中心を見て参りますと、二百十五億に上る修正の主たる財源は、政府資金引き受け予定の金融債百四十二億円を市中金融に肩がわりしたことにあると思います。つまり一般会計から政府資金、さらにそれが金融債の市中消化へとしわ寄せをされたことでございますが、果してこれだけの百四十二億の金融債の市中消化ができるかどうかということが、当面の課題として考えなければならぬ問題でございます。私がこれを申し上げるのは、当面の問題としてこれが消化できるかどうかという問題を越えた重大な問題を含んでいるからだと思うのであります。つまり自由党の最初の案は、一般会計からの財政投融資を公債発行に振り向けるということにあったようでありますが、それを名目上の金融債の市中消化ということに変更してきたのでありますけれども、金融債の市中消化ということでありますが、金融債の定義も明確でないばかりでなくて、これが実際の経済機構の上から申しますならば、私はいわゆる赤字公債の発行について端緒を開いたものだと見受けるのであります。これがきわめて重大だと申し上げておるのであります。従ってそれに対する政治的な影響はきわめて重大だと思うのであります。この内閣の公約でありました、公債は発行しないという最大の財政金融政策の基本的なものが、政府がこの修正をのんだことによってくずれてきた、かように断ずるものでございますが、まず今回のこの金融債の市中消化への肩がわりの問題を経済的に見ました場合に、公債から特殊金融債への発展が、特殊金融債ではこれは消化し切れない、結局一般金融債になるだろうと思うのであります。そうなりますと、まず第一に一般金融債でありますと、商業ベースで参りますから金利が高くなる。その面から果してこれだけの消化が可能かどうか、これは大蔵大臣から一つお答えを願いたい。
それから百四十二億円もの市中消化の関係からいたしまして、いわゆる勧銀なり、興銀債への圧迫が加わると思うのでありますが、その点については大蔵大臣はどう見るか。
それから次にいわゆる政府原案に国鉄に対して百五十五億の政府貸付を計上いたしておったのが、今回の妥協案によりまして四十五億を天引きされた。これはそのかわりに鉄道公債を発行することになったのでありますが、御承知のように、昨年度においても鉄道公債は消化されていないのであります。果して新たに追加されることになりました四十五億の国鉄公債が、市中銀行の協力によって消化し得るかどうかということに多大の疑問を持つのであります。洞爺丸事件あるいは紫雲丸事件などの多くの重大問題を起した国鉄が、さらに消化の困難な見通ししか持てないところの公債を増発するということは、私はきわめて無謀なやり方だと思うのであります。従いまして、まず第一に今回の修正の、純経済的に見ました以上三点について、大蔵大臣の御所見を伺いたいのであります。
この発言だけを見る →まず今回の民自両党の共同修正案でございますが、この総括質問が終ったあとで修正案が提示せられ、それに対する細部にわたる質問は、同僚の石村委員よりあらためて伺うことにいたしますが、私はこの修正案に含まれておるきわめて重要な問題に限って特に総理の御所見を伺いたいのであります。
そこでまず共同修正案の中心を見て参りますと、二百十五億に上る修正の主たる財源は、政府資金引き受け予定の金融債百四十二億円を市中金融に肩がわりしたことにあると思います。つまり一般会計から政府資金、さらにそれが金融債の市中消化へとしわ寄せをされたことでございますが、果してこれだけの百四十二億の金融債の市中消化ができるかどうかということが、当面の課題として考えなければならぬ問題でございます。私がこれを申し上げるのは、当面の問題としてこれが消化できるかどうかという問題を越えた重大な問題を含んでいるからだと思うのであります。つまり自由党の最初の案は、一般会計からの財政投融資を公債発行に振り向けるということにあったようでありますが、それを名目上の金融債の市中消化ということに変更してきたのでありますけれども、金融債の市中消化ということでありますが、金融債の定義も明確でないばかりでなくて、これが実際の経済機構の上から申しますならば、私はいわゆる赤字公債の発行について端緒を開いたものだと見受けるのであります。これがきわめて重大だと申し上げておるのであります。従ってそれに対する政治的な影響はきわめて重大だと思うのであります。この内閣の公約でありました、公債は発行しないという最大の財政金融政策の基本的なものが、政府がこの修正をのんだことによってくずれてきた、かように断ずるものでございますが、まず今回のこの金融債の市中消化への肩がわりの問題を経済的に見ました場合に、公債から特殊金融債への発展が、特殊金融債ではこれは消化し切れない、結局一般金融債になるだろうと思うのであります。そうなりますと、まず第一に一般金融債でありますと、商業ベースで参りますから金利が高くなる。その面から果してこれだけの消化が可能かどうか、これは大蔵大臣から一つお答えを願いたい。
それから百四十二億円もの市中消化の関係からいたしまして、いわゆる勧銀なり、興銀債への圧迫が加わると思うのでありますが、その点については大蔵大臣はどう見るか。
それから次にいわゆる政府原案に国鉄に対して百五十五億の政府貸付を計上いたしておったのが、今回の妥協案によりまして四十五億を天引きされた。これはそのかわりに鉄道公債を発行することになったのでありますが、御承知のように、昨年度においても鉄道公債は消化されていないのであります。果して新たに追加されることになりました四十五億の国鉄公債が、市中銀行の協力によって消化し得るかどうかということに多大の疑問を持つのであります。洞爺丸事件あるいは紫雲丸事件などの多くの重大問題を起した国鉄が、さらに消化の困難な見通ししか持てないところの公債を増発するということは、私はきわめて無謀なやり方だと思うのであります。従いまして、まず第一に今回の修正の、純経済的に見ました以上三点について、大蔵大臣の御所見を伺いたいのであります。
牧
田
一
一萬田尚登#12
○一萬田国務大臣 お答え申し上げます。この問題は、三十年度以降において民間資金がいかに蓄積されるかということが基本になるのであります。今回民間資本の蓄積についてはあらゆる手を打っております。たとえば預貯金利子についても税を全免するというような形をもとっております。こういうことによりましても、通常とは違って相当大きな資金の蓄積ができることは、当然予想されることであります。なおまた資金の需給関係から見まして、デフレの一年半経過後の今日におきましては、財政の基盤がよほど固まってきておりまして、たとえて申しますれば、昨年度におきまして銀行の預金の増加が約四千億円ありましたのが、貸し出しは二千億程度にとどまっておる。こういうような点も、資金の需給関係がよほど堅実性を持っておるといいますか、そういうふうに打っておる。ただ私は従来こういう情勢は十分認識しておったのでありますが、なおこの勢いをもう少し強くしたい。その上でいろいろと民間資金の利用を考える。これは特に金融機関等の自主性を尊重してやる上から、さようにした方がよいと考えておったのであります。今回はこの資金についても、もちろん自主性を尊重いたしますが、同時に必要な場合においては、所要の措置をとる法案も提出されまして、資金の流れも十分に規制するようなことになっておる。考え方として、経済的な資金は民間の蓄積資金でまかなわれるということは、原則としてだれもが異論がないだろうと思います。ただ問題は、時期とやり方の方法論においていろいろと見解があるというのであります。時期については若干の見解がありますが、しかし他面において、必要があれば資金の流れについて規制し得るという準備が整っているという見地におきまして、今回の共同の一般会計からの出資をやめて金融債にする、あるいは預金部資金から抜いて一般の公募に充てることについては、確信を持ってやれるというように考えておるのであります。従いまして時に興業銀行あるいは長期信用銀行等における債権発行を圧迫するということはない。
それから鉄道公債については、主として鉄道の建設資金に使われる。もしもこの資金の調達ができないということになりますれば、建設事業に支障を来たすおそれがある。従いましてこれは起債の場合において優先的に取り扱っていきたいと考えておる。ただ御指摘の金利の点は、私も一般公募債については別に異論はありませんが、政府関係機関等の債券、あるいは預金部からの金とそうでないものとは、金利の点において不利な点があるということは率直に認められる。ただ特にこのために金利が上ることはない。今日の銀行等の準備金その他の情勢からも、今日金利を下げることを進めておるのであります。下げることに若干の支障があろうかと思いますが、あとのことはなくて済む、かように考えておる次第であります。
この発言だけを見る →それから鉄道公債については、主として鉄道の建設資金に使われる。もしもこの資金の調達ができないということになりますれば、建設事業に支障を来たすおそれがある。従いましてこれは起債の場合において優先的に取り扱っていきたいと考えておる。ただ御指摘の金利の点は、私も一般公募債については別に異論はありませんが、政府関係機関等の債券、あるいは預金部からの金とそうでないものとは、金利の点において不利な点があるということは率直に認められる。ただ特にこのために金利が上ることはない。今日の銀行等の準備金その他の情勢からも、今日金利を下げることを進めておるのであります。下げることに若干の支障があろうかと思いますが、あとのことはなくて済む、かように考えておる次第であります。
田
田中織之進#13
○田中(織)委員 今度の民自両党の予算修正の額は、最初に私が申し上げましたように、われわれはこれは大した額ではないと見ております。それからまた、これだけの百四十二億の金融債の市中消化の問題については、ただいま大蔵大臣が述べられたように、最近の貯蓄増強の傾向、さらに今回の政府の預金利子に対する免税措置等の関係から見て、市中銀行に相当の資金が集まるであろうから、勢いそれによって十分こなし得るだろう、こういう見方については私もあえてこれを否定するものではないのであります。その意味から見て、今回の修正について、さもこれ自体が相当なインフレ要因であるかのごとく一部の財界方面で騒いでおることについては、純経済的なまた財政的な関係から見ますならば、私はこれはちょっと当らないと見ておる。しかし問題はここにひそんでおるところの金融債のいわゆる市中金融引き受けという形で実質的に公債発行への窓口を開いたということが、私は非常に重要な問題だと思うのであります。果してそれでは、大蔵大臣は今回のこの民自両党の予算修正で、当初の自由党の公債発行が、もちろん大蔵大臣、特に鳩山総理の相当頑強な反対によって、表面は金融債の一部市中銀行引き受けという形に変化しておりますけれども、われわれの見るところでは、これは将来への、しかもこれはそう遠い将来ではなくて、私がこれから申し上げますように、明年に控えておるところの公債発行のためにすでに外堀が埋められたのだ、私はこういうように見ておるのでありますが、この点に対する大蔵大臣の御所見を伺いたいのであります。
この発言だけを見る →一
一萬田尚登#14
○一萬田国務大臣 お答え申しますが、予算の上に歳入の欠陥を補てんする意味において公債を発行することは考えておりません。そういうことは私はあり得ないと思っております。ただ御心配下さっておる点は、金融債といううちに開発銀行債または輸出入銀行債等の政府機関の債券を発行いたしまして、そうしてこの面からそういうことをやれば、結局公債を発行するのと同じじゃないか、こういうふうなお考えかと思うのでありますが、今日開銀債あるいは輸銀債を今発行することは考えておりません。金融債と申しますのは一般金融債で興業銀行債券並びに長期信用銀行債その他農中、こういうふうなごく民間の機関、こういうことに御了承を願いたい。なお公債の問題――財政における公債との関係、いわゆる財源としての公債、これは私はいろいろ考えております。公債財源によることが常に不当であるとも私は考えておりません。それは今日の税というものが国民負担の関係において重いか軽いかということも十分考えてみなくてはならぬと私は思う。そういう場合において民間に十分な資本の蓄積ができて、十分に公募が可能であるというような場合において、なおそれを放置しておいてそして税金々々ということが果していいかどうか、私はこれはやはり検討の余地があると思うのでありまして、そういう意味において私は必ずしも公債発行を否定するものではありません。がしかし今三十年度等において公債発行ということはないということだけは申し上げておきます。
この発言だけを見る →田
田中織之進#15
○田中(織)委員 大蔵大臣はやはり語るに落ちておる。それはなぜかというと、私はもちろん今回の民自両党の共同修正案における市中銀行引き受けの金融債というものの定義が明確でないということを先ほど申し述べましたが、その中に今はっきりと、これは興銀債あるいは長期信用銀行債で、いわゆる民間のそれであって、開銀債であるとかあるいは輸出入銀行債であるというような、公債に準ずるような政府機関の関係の債券というものは今のところ発行する考えはない、こういうことでありますが、別途そうした計画が進められておることは、これは私いなめない事実だと思うのであります。そういう意味で、ただいまの大蔵大臣の答弁によって、これが単なるそういう興銀債であるとか、あるいは長期信用債というような一般金融債ではなしに、準公債的な開発債あるいは輸出入銀行債というものについてすでに発展していくということを、大蔵大臣のただいまの答弁自体においてこれは物語っておると私は思う。さらに公債発行、ことに財政上の必要のため歳入を補うための公債発行についても、もちろんあなたは前提条件を今述べられましたけれども、少くともわれわれは、日本経済がもっと安定した場合における公債発行というものを今私らは論じておるのではないのです。当面の、少くとも今年なり明年なり、あるいは明後年なり、この両三年を見通した立場における公債発行というものが適当であるかないかという立場に立って問題を取り上げておるのでありまして、その意味から申しまして、少くとも三十年度は、財政上の必要からくる公債発行はやらないけれども、あなたが今述べられたような条件が整うならば、公債を発行するということにあながち反対でないような答弁をされておること自体は、やはり今度の修正の問題について、これは後ほど政治的責任の問題としてあなたにもお伺いしたいと考えておるのでありますが、あなたが公債は発行しない。少くともこれは今年なり明年における見通しの上に立ってのあなたの従来の言明であるとわれわれは見ておったのでありますが、ただいまの答弁であなたが述べられたような条件になれば、公募が可能であるというようなベースができるならば、財政上の必要から見た公債発行をも、あなたはやるということを述べられたように私は感じたのでありますが、これはそういうように、あなたの従来の公債発行しないという考え方を、一定の、あなたはあなたなりの条件が整えば公債を発行するという考え方に変更したことを意味するのですか、いかがですか。
この発言だけを見る →一
一萬田尚登#16
○一萬田国務大臣 お答えを申します。私が申し上げましたことは、三十年度においては公債を発行しない。先ほど公債の発行について申し上げましたことは、公債を発行する場合における条件、経済的並びに財政上の条件について、こういう条件がある場合に、それは見解の相違はありましょうが、それを一がいに排除はできないということを申し上げたのでありまして、私はそういうことをやるという意思を主張したわけではないのでありまして、そういうことも十分考えられるということを申し上げたわけであります。
この発言だけを見る →田
田中織之進#17
○田中(織)委員 どうもその点は、今度の修正を契機として一萬田さんが従来の自説を変更されておるという疑いを多分に持つのであります。
それでは続いて私は今度の修正案の政治的な意義について、私が心配するゆえんを財政上の問題から具体的に申し上げてみましょう。率直に書って、本年度もそうでありますけれども、特に明年度以降においては、日本経済というものは非常に苦しい段階に入ると思うのであります。本年度の予算編成に当りましても、すでに歳入、いわゆる租税収入というものは一応限界にきているという点から、あなたがやはり一兆円の線を堅持しなければならぬという予算編成の根本的方針をとった点は、私はやはりこうした国民経済、従ってそこからしぼりとるところの租税収入の限界というようなものについても、かなりの配慮をされておるというふうに見ておったのでありますが、特に今度の予算を通じて、われわれが今後、少くとも明年度において見通される事態、今年及び明年度へかけて見通される事態として重要な問題は、やはり軍事費に関する問題であります。特にこれは後ほどあらためて私は取り上げたいと考えておりますが、ことしの防衛分担金の削減交渉の妥結に伴って発表いたしました共同声明によりまして、防衛庁の関係において予算外契約百五十四億円はいやがおうでも来年度の予算に計上しなければならない。さらに防衛分担金については、少くともわれわれがこの共同声明を真正面に受け取る限りにおいては、明年度以降における防衛分担金の削減というものはアメリカ側は応じないということを、この共同声明がうたっておるようにわれわれは受け取るのであります。下手をすると、明年度においてアメリカ駐留軍の兵力は減っても、最近のような、特に鳩山内閣のような腰の弱い防衛分掛金の対米交渉では、明年度は防衛分担金をさらにアメリカの軍事的要求に従って増額せしめられるかもしれない。この面からくるところの防衛費の増大というものがまず第一に考えられます。
その点に関連して第一には、従来まで多いときには千二百億からありましたところの繰越明許費が、すでに本年度は三百二十七億円に減っております。おそらくこれはことしじゅうに使い果してしまうと私は思うのであります。そういう関係からして、明年度におけるいわゆる防衛庁費というものは、勢い、さきに述べました予算外契約を予算に計上するだけの問題ではなくて、従来へ防衛予算の重大な特徴でありましたところの繰越明許費というものがなくなる関係から見て、新規増額というものが私は必至になると見るのであります。
さらに第三には、一台一億円もかかるといわれるジェット機の国内生産の方針を、アメリカとの間で日本政府が承諾しそのためのいろいろな準備を着々進めておるようでありますが、一台一億円もかかるようなきわめて非生産的な設備を、国の責任において日本側が持つということによって、いわゆる非生産的経費の支出の増大ということを考えなければならない。
こういうように大体三つの観点から見て、軍事費が増大する半面に、昨年の特徴でありました西欧諸国における景気の頭打ちの問題、特にポンド圏の輸入抑制が最近強化されてきております。そういうことに伴う貿易の国際競争の激化、さらにこれはあらためて通産大臣にも伺いたいと思っておりますが、中共貿易の問題についても、貿易協定の促進どころか、逆行するような政策をこの政府みずからがとりつつある。たびたびこの委員会で指摘されますように、特需の著しい減少というものが考えられる。こういう観点から見ますならば、昨年度は思う以上の外貨事情にございましたけれども、本年度から昨年度へかけての外貨事情というものは、いよいよ窮屈になって参りまして、現在手持ち九億ドルあるということでございますが、そのうち三億ドルは焦げつきでございます。そうなりますと、これを漸次食いつぶして明年度においては外貨事情というものがきわめて悪くなるということは、これはいなめない事実だと思うのであります。
さらに輸入の抑制の強化、また輸出の下振が続いて参りますれば、デフレ下においてようやく底をついたかの感がありました鉱工業生産が、さらに私は打撃を受けてくると思うのであります。この点から考えますならば、先ほど大臣がきわめて楽観的に述べられました今後における国民所得の増加の問題、まして拡大均衡への発展というようなことは、全く悲観的な見通しに立たざるを得ないと私は思うのであります。そこで、こういう内外の両面から見たところの経済的な困難さに加えまして、現内閣が、やはり自由党の吉田内閣時代と同じような形で、アメリカに要請されるがままに、自衛力漸増と申しますか、防衛力をますます増大する傾向にあり、そうした傾向を受けて、財界や旧右翼勢力、あるいは保守党の中には、最近――総理もその中の一人に入るわけでありますが、昔のような軍備の復活というものに対する考え方が非常に強く出てきておる。これが将来の憲法改正というような問題を契機といたしまして、今後における重大な国民的課題になることは申すまでもないのであります。こういうように見通して参りますならば、結論的に申しますれば、明年度においては軍事費の増大関係から見て、勢い財政上の歳入の不足を補うためには、是が非でも公債というものをその意味で発行せざるを得ないような事態に立ち至ると私は考えるのであります。この点について大蔵大臣の一萬田さんのただいまの答弁では、少くとも今年は財政上のそういう関係から公債を発行しないということを言明されたのでありますが、私が以上申し述べたような本年の予算執行の過程、また明年度に展望される経済の動きという関係から見て、明年度の予算編成に当って公債を発行せざるを得ない立場に追い込まれることをあなたは予見しておらないかどうか。私は少くともそういう伏線が今度の修正案に含まれておると見ておるのでありますが、この点に対する大蔵大臣の見通しを伺いたいのであります。
この発言だけを見る →それでは続いて私は今度の修正案の政治的な意義について、私が心配するゆえんを財政上の問題から具体的に申し上げてみましょう。率直に書って、本年度もそうでありますけれども、特に明年度以降においては、日本経済というものは非常に苦しい段階に入ると思うのであります。本年度の予算編成に当りましても、すでに歳入、いわゆる租税収入というものは一応限界にきているという点から、あなたがやはり一兆円の線を堅持しなければならぬという予算編成の根本的方針をとった点は、私はやはりこうした国民経済、従ってそこからしぼりとるところの租税収入の限界というようなものについても、かなりの配慮をされておるというふうに見ておったのでありますが、特に今度の予算を通じて、われわれが今後、少くとも明年度において見通される事態、今年及び明年度へかけて見通される事態として重要な問題は、やはり軍事費に関する問題であります。特にこれは後ほどあらためて私は取り上げたいと考えておりますが、ことしの防衛分担金の削減交渉の妥結に伴って発表いたしました共同声明によりまして、防衛庁の関係において予算外契約百五十四億円はいやがおうでも来年度の予算に計上しなければならない。さらに防衛分担金については、少くともわれわれがこの共同声明を真正面に受け取る限りにおいては、明年度以降における防衛分担金の削減というものはアメリカ側は応じないということを、この共同声明がうたっておるようにわれわれは受け取るのであります。下手をすると、明年度においてアメリカ駐留軍の兵力は減っても、最近のような、特に鳩山内閣のような腰の弱い防衛分掛金の対米交渉では、明年度は防衛分担金をさらにアメリカの軍事的要求に従って増額せしめられるかもしれない。この面からくるところの防衛費の増大というものがまず第一に考えられます。
その点に関連して第一には、従来まで多いときには千二百億からありましたところの繰越明許費が、すでに本年度は三百二十七億円に減っております。おそらくこれはことしじゅうに使い果してしまうと私は思うのであります。そういう関係からして、明年度におけるいわゆる防衛庁費というものは、勢い、さきに述べました予算外契約を予算に計上するだけの問題ではなくて、従来へ防衛予算の重大な特徴でありましたところの繰越明許費というものがなくなる関係から見て、新規増額というものが私は必至になると見るのであります。
さらに第三には、一台一億円もかかるといわれるジェット機の国内生産の方針を、アメリカとの間で日本政府が承諾しそのためのいろいろな準備を着々進めておるようでありますが、一台一億円もかかるようなきわめて非生産的な設備を、国の責任において日本側が持つということによって、いわゆる非生産的経費の支出の増大ということを考えなければならない。
こういうように大体三つの観点から見て、軍事費が増大する半面に、昨年の特徴でありました西欧諸国における景気の頭打ちの問題、特にポンド圏の輸入抑制が最近強化されてきております。そういうことに伴う貿易の国際競争の激化、さらにこれはあらためて通産大臣にも伺いたいと思っておりますが、中共貿易の問題についても、貿易協定の促進どころか、逆行するような政策をこの政府みずからがとりつつある。たびたびこの委員会で指摘されますように、特需の著しい減少というものが考えられる。こういう観点から見ますならば、昨年度は思う以上の外貨事情にございましたけれども、本年度から昨年度へかけての外貨事情というものは、いよいよ窮屈になって参りまして、現在手持ち九億ドルあるということでございますが、そのうち三億ドルは焦げつきでございます。そうなりますと、これを漸次食いつぶして明年度においては外貨事情というものがきわめて悪くなるということは、これはいなめない事実だと思うのであります。
さらに輸入の抑制の強化、また輸出の下振が続いて参りますれば、デフレ下においてようやく底をついたかの感がありました鉱工業生産が、さらに私は打撃を受けてくると思うのであります。この点から考えますならば、先ほど大臣がきわめて楽観的に述べられました今後における国民所得の増加の問題、まして拡大均衡への発展というようなことは、全く悲観的な見通しに立たざるを得ないと私は思うのであります。そこで、こういう内外の両面から見たところの経済的な困難さに加えまして、現内閣が、やはり自由党の吉田内閣時代と同じような形で、アメリカに要請されるがままに、自衛力漸増と申しますか、防衛力をますます増大する傾向にあり、そうした傾向を受けて、財界や旧右翼勢力、あるいは保守党の中には、最近――総理もその中の一人に入るわけでありますが、昔のような軍備の復活というものに対する考え方が非常に強く出てきておる。これが将来の憲法改正というような問題を契機といたしまして、今後における重大な国民的課題になることは申すまでもないのであります。こういうように見通して参りますならば、結論的に申しますれば、明年度においては軍事費の増大関係から見て、勢い財政上の歳入の不足を補うためには、是が非でも公債というものをその意味で発行せざるを得ないような事態に立ち至ると私は考えるのであります。この点について大蔵大臣の一萬田さんのただいまの答弁では、少くとも今年は財政上のそういう関係から公債を発行しないということを言明されたのでありますが、私が以上申し述べたような本年の予算執行の過程、また明年度に展望される経済の動きという関係から見て、明年度の予算編成に当って公債を発行せざるを得ない立場に追い込まれることをあなたは予見しておらないかどうか。私は少くともそういう伏線が今度の修正案に含まれておると見ておるのでありますが、この点に対する大蔵大臣の見通しを伺いたいのであります。
一
一萬田尚登#18
○一萬田国務大臣 お答えします。ただいま御意見を拝聴いたしたのでありますが、今お話の点は、来年度におきまして歳出がふえるであろうとお考えになる点を強調されたようであります。それがまた果して具体的にどういう程度に増額になるか、これは今後に待たねばわかりませんが、しかし他面において、こういう事態においては、私は歳出を減らす方面も考えてみなければならぬと思います。これはやはり今日の行財政の大きな整理をせずしていろいろと論議するのは間違っておる。今までそういうこともほんとうに考えたいと思ったのですが、しかしこれは強い政治力を必要とすると私は考えておるのであります。この強い政治力がありさえすればそういう基本的なことがやれます。私は今日において、公債発行というようなことの予見はいたしておりません。
この発言だけを見る →田
田中織之進#19
○田中(織)委員 大蔵大臣も、私が申し述べましたように、明年度に軍事費を中心といたしまして財政需要が増大する傾向を認められておる。しかし増大する反面に、国及び地方財政の両面にわたるところの財政整理と申すか、そういう面で歳出を抑制する面をもあわせて講じたい、そのためには強力なる政治力が要るだろうということを今大蔵大臣が述べられたのでありますが、私が以下これから具体的に本年度予算の締めくくりとして伺いたい点は、どう考えてみても、結局われわれの見るところでは、増大をする軍事費関係というものは、これはこの内閣の力では決してこれを抑制することができないのです。問題のねらいは、結局再軍備計画を少くとも当面日本経済がもっとしっかりとしたものになるまで中止をするか、あるいは現在の駐留軍の防衛費の分担金を思い切って実際に即したように、また行政協定なり安保条約に準拠したように、もっと強くこの経理の内容を突っ込んでいって削減を求めるか以外に、私は歳出を抑制する方法はないと考えるのであります。そこで少くともただいまの大蔵大臣の答弁では、明年度において増大するであろう、こうした財政需要の拡大というものに対処するために、積極的に歳入財源を確保するということを、どうも大蔵大臣も持ち合しておらない。そういう関係から見てちょうど戦時中にとったと同じように、軍事費の増大に伴って歳入が予定通りに達しなければ、それはもう国債の増発によってまかなってきたという、戦時的なやり方への復元の線がもう今度の予算修正ではっきりしたのだ、こういうように見ておるのであります。その意味で今度の修正は大局的な見地から見て二百十五億というものは先ほどから申し上げておるように大きな額ではございませんけれども、根本的に今申し上げたような公債政策への窓口を開いた、鳩山内閣にとっては財政政策における大きな後退である。さらに二百十五億でありますが、まさに夜店のバナナのたたき売りみたいな形で、自由党が当初要求して参りました四百三十億の歳出増加を腰だめで――新聞のすべての論調がそういうように書いているように、腰だめでその半分の二百十五億に増額をちょん切って、それを両党から出た折衝委員で何に幾ら何に幾らというような形で分け合うたような、こういう予算修正である。これはもちろん政府は最後まで頑強に反対した事情というものを私は認めますけれども、きのうの閣僚懇談会でこの修正をのむということにきめたということは、これは鳩山内閣にとって重大な私は責任問題だと思う。本年度の予算編成に当って、過ぐる選挙の結果百八十五名の少数与党で第二次鳩山内閣を鳩山さんがお作りになった。その内閣の責任において、予算の事前折衝もやらずに国会に出した以上、政府が最良と考えたところの予算原案が国会を通過することができなければ、この折衝の過程にちらほら新聞にも出たように、あなたはじゃあ内閣をやめるか、信を国民に問う意味で国会を解散するか、堂々と私は所信に向って邁進すべきであったと思う。ところが何かそういうことについてはまるっきり国民の前に事情が明らかにならないままに、どたんばになってこの三百十五億の修正、しかも将来軍事費の増大のためには公債政策をとるという窓口を開くような、重大な修正の前に鳩山内閣が後退したことに対して、総理大臣としていかなる政治的責任をとられるか、この際明確に総理の御所信を伺いたいのであります。
この発言だけを見る →鳩
鳩山一郎#20
○鳩山国務大臣 このたびの修正は私は原案の精神がくつがえされたとは思いません。政局の大局から見てやむを得ざる修正だと考えております。責任をとる程度のものではないと思っております。
この発言だけを見る →田
田中織之進#21
○田中(織)委員 原案の趣旨をそこねたものではない。その意味において政局の情勢から見てやむを得ないものである、こういうように総理はお考えになっている旨を答弁されたのでありますが、今度の修正によって、いわゆる財政投融資が拡大されたことによって、一部の産業資本家はなるほど喜んでいます。しかしそれ以外の財界、特に金融界の多くの人たち、これはインフレへ転化していくのではないかという将来への懸念を持っております。それから中小企業あるいは農村、一般勤労者というものは、これまたやはり今度の修正によるところのしわ寄せを自分たち大衆が受けるのだ、こういう考え方から見て、ほんとうに財政投融資の拡大によって潤う一部産業資本家を除いた一般国民はあげて今度の修正に――民自両党の妥協というものは、今総理は政局上やむを得ないということでありますが、政局の安定上やむを得ないということは一体どういう意味ですか。これは後ほど大蔵大臣にも伺いたいと思ったのでありますが、最後にこの修正案をのむのに当って、一萬田さんはこれが保守合同の前提条件になるならばこの修正をのまざるを得ないと言われたという。あなたたちは国民全体をひっくるめた日本の国の運営という観点から最良の案として出した予算案を、端的に言えば保守合同をやりたい、そういう党利党略のために、このきわめて筋の通らない妥協をのんでいい、こういう結論になったということになれば私それこそ総理の政治的な責任というものはきわめて重大だと思う。簡単に政局上やむを得ないという言葉だけでは片ずけられないと思うのですが、重ねて総理の御所信を伺いたい。
この発言だけを見る →鳩
鳩山一郎#22
○鳩山国務大臣 政局の安定の必要なることば私が言わないでもいいと思いますが、修正案をのむことによって原案の精神がくつがえされるならば、それはそのときには他の考え方を選ぶことも考えられるでしょうけれども、私どもは原案の精神はくつがえされてはいないと思っておるので、この程度の修正ならば政局の大局から見てやむを得ざることと思うのであります。
この発言だけを見る →田
田中織之進#23
○田中(織)委員 政府が提出した原案の根本趣旨がくつがえされていないと総理は断定されておるようでありますが、しかしながら少くとも総額において三百十五億これは厳密にいえばその面から見て市中銀行に肩がわりしたからという形式的な点で、一兆円のワク内に納まっておるように見受けられますけれども、実質的な関係から見て、この二百十五億の歳出増加というものは、その意味で一兆円のワクを超えたことになると思うのです。その意味から見てこれは原案の趣旨を取り違えておる。大きな変更を加えたというものではない、局部的な修正のように総理がお考えになっておることは、私も理解できないし、国民も理解できないと思う。少くとも腰だめで全く民自両党というか、この内閣の延命策というか、その意味できわめて妥協したような、そういう印象を持っておるのは、単に私ら社会党だけでなく、国民全体だと思うのです。その点は原案が変更されていない、基本線がくずれていないということを、総理はどの点からそういうように理解されておるのか、その点を明らかにしていただきたいと思います。
この発言だけを見る →鳩
鳩山一郎#24
○鳩山国務大臣 私が申すよりは、大蔵大臣からの方が適当だと思いますけれども、私としては、一兆円予算の趣旨はくつがえされておりませんし、インフレにもならないと思いますし、地ならしの目的は達成できると思うような関係から、この程度の予算はのんでも原案の精神はくずれないと思うのであります。もしも私の言葉に不足があるならば、大蔵大臣から補足をしてもらいます。
この発言だけを見る →一
一萬田尚登#25
○一萬田国務大臣 お答えいたします。その前に、二、三私に向けられた質問についてお答えをいたします。
一つ申し上げておきたいことは、おそらく何人が財政当局になろうと、また政府におつきになろうと、赤字公債を発行することは、私はあり得ないと思います。ただいまの御意見では、防衛費がふえるじゃないか、防衛費がふえれば、当然赤字公債になるじゃないか、こういうふうな点から、特に赤字公債について御心配下さっているようでありますが、あくまでこの防衛費については日本の経済力に応じなくちゃならない、国民生活の安定、それから社会秩序を維持していく、こういうふうな制約をどうしても考えなくちゃならぬのでありますから、赤字公債を発行して軍備をやる、これは私は本末を転倒しておる、かように考えておる次第であります。従いまして、そういう意味から赤字公債が出るということは、私考えられないことであると思います。
それから、問題は、今回の措置によりまして、インフレ的になるという、これは一番御心配下さっておる点で、それはごくやり方をまずくすれば、あるいはそういうこともあり得ると思いますけれども、これは資本の蓄積が十分できる。そして金融の操作によりまして、インフレ的にはならない。そして今度の修正において考えてみますと、私は従来の予算編成上の基本がそうこわれておると思いません。たとえば投融資にいたしましても、今回の修正は地方債以外で四十億の増加でありますが、これは特に日本の経済を急激に拡大する方向には使われておらないようであります。そして、そういう意味の投融資からくる関係は、前と大した変りはない。特に中小企業関係、金融上において特に困っておる方向、言いかえれば、地ならしの方向に向っておると私は考えておる。
それから、減税の点に六十七億ございますが、これも私はよく聞いておりますが、減税についても平年度において五百億で三百億、この精神を――実は程度が若干違うということがあるのであります。これは財源の関係から見て、できれば私はそう拒むこともないと思います。大局から見まして、むろん私といたしましては、原案を御通過下さることを大蔵大臣として願うのでありますが、今総理大臣からも申されましたように、大局からすみやかにこの予算の成立を希望する。それからなお、私が、保守結集ですか、そういうことで予算を何とかしたということはありません。私は、今申しましたような考え方から、やはり大局的にやむを得ない、こう考えただけであります。そういうふうなことを条件とかなんとかしたことはありません。個人的な感懐としては、ああいう場合にほんとうに強い政治力かあればいいなくらいは思います。
この発言だけを見る →一つ申し上げておきたいことは、おそらく何人が財政当局になろうと、また政府におつきになろうと、赤字公債を発行することは、私はあり得ないと思います。ただいまの御意見では、防衛費がふえるじゃないか、防衛費がふえれば、当然赤字公債になるじゃないか、こういうふうな点から、特に赤字公債について御心配下さっているようでありますが、あくまでこの防衛費については日本の経済力に応じなくちゃならない、国民生活の安定、それから社会秩序を維持していく、こういうふうな制約をどうしても考えなくちゃならぬのでありますから、赤字公債を発行して軍備をやる、これは私は本末を転倒しておる、かように考えておる次第であります。従いまして、そういう意味から赤字公債が出るということは、私考えられないことであると思います。
それから、問題は、今回の措置によりまして、インフレ的になるという、これは一番御心配下さっておる点で、それはごくやり方をまずくすれば、あるいはそういうこともあり得ると思いますけれども、これは資本の蓄積が十分できる。そして金融の操作によりまして、インフレ的にはならない。そして今度の修正において考えてみますと、私は従来の予算編成上の基本がそうこわれておると思いません。たとえば投融資にいたしましても、今回の修正は地方債以外で四十億の増加でありますが、これは特に日本の経済を急激に拡大する方向には使われておらないようであります。そして、そういう意味の投融資からくる関係は、前と大した変りはない。特に中小企業関係、金融上において特に困っておる方向、言いかえれば、地ならしの方向に向っておると私は考えておる。
それから、減税の点に六十七億ございますが、これも私はよく聞いておりますが、減税についても平年度において五百億で三百億、この精神を――実は程度が若干違うということがあるのであります。これは財源の関係から見て、できれば私はそう拒むこともないと思います。大局から見まして、むろん私といたしましては、原案を御通過下さることを大蔵大臣として願うのでありますが、今総理大臣からも申されましたように、大局からすみやかにこの予算の成立を希望する。それからなお、私が、保守結集ですか、そういうことで予算を何とかしたということはありません。私は、今申しましたような考え方から、やはり大局的にやむを得ない、こう考えただけであります。そういうふうなことを条件とかなんとかしたことはありません。個人的な感懐としては、ああいう場合にほんとうに強い政治力かあればいいなくらいは思います。
田
田中織之進#26
○田中(織)委員 どうもきょうになると、大蔵大臣は今度の民自両党の修正案を積極的に支持されておるような口吻でありますけれども、あなたはこの修正案が妥結に至るほんの寸前までは、総理とともにこれは公債の発行に一歩窓口をあけるものだということで、もし原案が通らなければ、解散もとにかく辞さない。もし総理が国会解散を賭してまで原案を固執してくれなければ、大蔵大臣としての責任が持てないから、あなたは辞表を提出する、自分の職を賭してまでこの修正案がのめないということで、最後のどたんばまであなたはがんばったのであります。それと理屈が合わぬじゃないか。それが豹変したことは、どうも国民が納得できない。その点はいかがですか。
この発言だけを見る →一
一萬田尚登#27
○一萬田国務大臣 お答えします。私は公けに通らぬ場合に解散するとか辞職する、そういうことをかつて言うたことはありません。しかしそういう決意を持ってやっておったことは――大蔵大臣として自分の原案を通すために最後までそういう決意を持つことは、私はだれでもそうだろうと思います。
この発言だけを見る →田
田中織之進#28
○田中(織)委員 あなたは先ほどの答弁でも、現在の段階においてもなお自分が作った原案がそのまま通ることを希望している。しかし総理が述べられているような、大局的な政局安定上やむを得ないからのむと言われる。これは大局的見地じゃない。ただあなたたちには内閣が延命していきたい、できるなら保守結集をして自由党と一緒に解散党をやらずにいつまでも保守政権を維持していきたいという、きわめて党利党略的な立場から今度の修正に応じたものだということは、以上の答弁で明確になったと思います。
そこで重ねて総理に申し上げたい。あなたの言われるほんとうの政局の安定という見地からいえば、本来この予算委員会の最初に当っても、友党の右派社会党の諸君からはすでに本会議においてこの内閣の成立の当初に当って質問された通りでありますが、あなたたちがここで国民が納得できないような妥協をするなら、選挙の結果百八十五名の少数与党で内閣を作った以上、やはり君らに近い保守党の協力を求めなければならぬことはわかっているんです。従って予算の事前折衝についても、一応自由党から断わられても、執拗に自由党に事前折衝に応じてもらうような態勢をとることは、当然やるべきだと私は思う。(「あまり人のことに干渉するな」と呼ぶ者あり)人に干渉することではない。あなたたちはそういう筋を通したやり方をしないから、政局が安定しない。その意味から見て、今回の修正は、内容的にはいずれあらためて石村委員から追及いたしますから、私はその他の問題でどうしても総括質問で明らかにしていただかなければならぬ問題に移りますけれども、きわめてこの点問題を残している。将来少くとも財政上歳入が伴わない限りは、防衛計画を強行しないということを先ほど大蔵大臣が言明しましたので、この点は来年度の予算における重大なる国民への約束として、今年はこの問題をあとの石村委員に移すことにいたします。
次に防衛分担金の削減の交渉の問題でございますが、先ほど私が申し述べましたように、今回の日米共同声明の一番最後には、「しかしながら、日本政府の直面する財政的困難、なかでも本日本会計年度は、日本の経済安定の成否を決する年であるということにかんがみ、米国政府が本年度における特別の協力措置として、本会計年度以降には適用されない」、今回の減額交渉に応じたことは本年度限りの問題であるということは、この共同声明でも政府側も了承しておるのです。その点は、先般の大蔵大臣の答弁では、百七十八億ですか、本年度減額された、この減額の額が明年度踏襲されるかされないかということは、ここでは約束できないが、少くとも明年度減額され得るものだということを期待しておるような解釈をここで述べられておるのでありますが、少くとも、この共同声明の最後の、私が今読み上げた点を正直に見る限りにおいては、米国政府が本年度における特別の協力措置である、しかも本会計年度以降には適用されないのだ、こういうことは、明年度以降においては、一切防衛分担金の削減にはアメリカ側は応じないのだというふうにもとれるのでありますが、この点の政府側の統一した解釈を伺いたいのです。
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次に防衛分担金の削減の交渉の問題でございますが、先ほど私が申し述べましたように、今回の日米共同声明の一番最後には、「しかしながら、日本政府の直面する財政的困難、なかでも本日本会計年度は、日本の経済安定の成否を決する年であるということにかんがみ、米国政府が本年度における特別の協力措置として、本会計年度以降には適用されない」、今回の減額交渉に応じたことは本年度限りの問題であるということは、この共同声明でも政府側も了承しておるのです。その点は、先般の大蔵大臣の答弁では、百七十八億ですか、本年度減額された、この減額の額が明年度踏襲されるかされないかということは、ここでは約束できないが、少くとも明年度減額され得るものだということを期待しておるような解釈をここで述べられておるのでありますが、少くとも、この共同声明の最後の、私が今読み上げた点を正直に見る限りにおいては、米国政府が本年度における特別の協力措置である、しかも本会計年度以降には適用されないのだ、こういうことは、明年度以降においては、一切防衛分担金の削減にはアメリカ側は応じないのだというふうにもとれるのでありますが、この点の政府側の統一した解釈を伺いたいのです。
一
一萬田尚登#29
○一萬田国務大臣 お答え申し上げます。御承知のように、昨年度に比べて本年度の防衛費の増額は、すべてで百五十二億であります。この百五十二億、ことし増額を必要としたすべてを防衛分担金の削減でまかなっておる。言いかえれば、昨年度に比べて、本年度は、日本は防衛の百五十二億をふやしておるが、それは全部防衛分担金の削減でまかなっておる、そういうことは本年限りだ、一応本年だけだ、来年はまた来年の交渉、こういうふうな取り組みであるのであります。
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