田中織之進の発言 (予算委員会)

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○田中(織)委員 大蔵大臣も、私が申し述べましたように、明年度に軍事費を中心といたしまして財政需要が増大する傾向を認められておる。しかし増大する反面に、国及び地方財政の両面にわたるところの財政整理と申すか、そういう面で歳出を抑制する面をもあわせて講じたい、そのためには強力なる政治力が要るだろうということを今大蔵大臣が述べられたのでありますが、私が以下これから具体的に本年度予算の締めくくりとして伺いたい点は、どう考えてみても、結局われわれの見るところでは、増大をする軍事費関係というものは、これはこの内閣の力では決してこれを抑制することができないのです。問題のねらいは、結局再軍備計画を少くとも当面日本経済がもっとしっかりとしたものになるまで中止をするか、あるいは現在の駐留軍の防衛費の分担金を思い切って実際に即したように、また行政協定なり安保条約に準拠したように、もっと強くこの経理の内容を突っ込んでいって削減を求めるか以外に、私は歳出を抑制する方法はないと考えるのであります。そこで少くともただいまの大蔵大臣の答弁では、明年度において増大するであろう、こうした財政需要の拡大というものに対処するために、積極的に歳入財源を確保するということを、どうも大蔵大臣も持ち合しておらない。そういう関係から見てちょうど戦時中にとったと同じように、軍事費の増大に伴って歳入が予定通りに達しなければ、それはもう国債の増発によってまかなってきたという、戦時的なやり方への復元の線がもう今度の予算修正ではっきりしたのだ、こういうように見ておるのであります。その意味で今度の修正は大局的な見地から見て二百十五億というものは先ほどから申し上げておるように大きな額ではございませんけれども、根本的に今申し上げたような公債政策への窓口を開いた、鳩山内閣にとっては財政政策における大きな後退である。さらに二百十五億でありますが、まさに夜店のバナナのたたき売りみたいな形で、自由党が当初要求して参りました四百三十億の歳出増加を腰だめで――新聞のすべての論調がそういうように書いているように、腰だめでその半分の二百十五億に増額をちょん切って、それを両党から出た折衝委員で何に幾ら何に幾らというような形で分け合うたような、こういう予算修正である。これはもちろん政府は最後まで頑強に反対した事情というものを私は認めますけれども、きのうの閣僚懇談会でこの修正をのむということにきめたということは、これは鳩山内閣にとって重大な私は責任問題だと思う。本年度の予算編成に当って、過ぐる選挙の結果百八十五名の少数与党で第二次鳩山内閣を鳩山さんがお作りになった。その内閣の責任において、予算の事前折衝もやらずに国会に出した以上、政府が最良と考えたところの予算原案が国会を通過することができなければ、この折衝の過程にちらほら新聞にも出たように、あなたはじゃあ内閣をやめるか、信を国民に問う意味で国会を解散するか、堂々と私は所信に向って邁進すべきであったと思う。ところが何かそういうことについてはまるっきり国民の前に事情が明らかにならないままに、どたんばになってこの三百十五億の修正、しかも将来軍事費の増大のためには公債政策をとるという窓口を開くような、重大な修正の前に鳩山内閣が後退したことに対して、総理大臣としていかなる政治的責任をとられるか、この際明確に総理の御所信を伺いたいのであります。

発言情報

speech_id: 102205261X02519550607_019

発言者: 田中織之進

speaker_id: 14587

日付: 1955-06-07

院: 衆議院

会議名: 予算委員会