一萬田尚登の発言 (予算委員会)

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○一萬田国務大臣 お答えいたします。その前に、二、三私に向けられた質問についてお答えをいたします。
 一つ申し上げておきたいことは、おそらく何人が財政当局になろうと、また政府におつきになろうと、赤字公債を発行することは、私はあり得ないと思います。ただいまの御意見では、防衛費がふえるじゃないか、防衛費がふえれば、当然赤字公債になるじゃないか、こういうふうな点から、特に赤字公債について御心配下さっているようでありますが、あくまでこの防衛費については日本の経済力に応じなくちゃならない、国民生活の安定、それから社会秩序を維持していく、こういうふうな制約をどうしても考えなくちゃならぬのでありますから、赤字公債を発行して軍備をやる、これは私は本末を転倒しておる、かように考えておる次第であります。従いまして、そういう意味から赤字公債が出るということは、私考えられないことであると思います。
 それから、問題は、今回の措置によりまして、インフレ的になるという、これは一番御心配下さっておる点で、それはごくやり方をまずくすれば、あるいはそういうこともあり得ると思いますけれども、これは資本の蓄積が十分できる。そして金融の操作によりまして、インフレ的にはならない。そして今度の修正において考えてみますと、私は従来の予算編成上の基本がそうこわれておると思いません。たとえば投融資にいたしましても、今回の修正は地方債以外で四十億の増加でありますが、これは特に日本の経済を急激に拡大する方向には使われておらないようであります。そして、そういう意味の投融資からくる関係は、前と大した変りはない。特に中小企業関係、金融上において特に困っておる方向、言いかえれば、地ならしの方向に向っておると私は考えておる。
 それから、減税の点に六十七億ございますが、これも私はよく聞いておりますが、減税についても平年度において五百億で三百億、この精神を――実は程度が若干違うということがあるのであります。これは財源の関係から見て、できれば私はそう拒むこともないと思います。大局から見まして、むろん私といたしましては、原案を御通過下さることを大蔵大臣として願うのでありますが、今総理大臣からも申されましたように、大局からすみやかにこの予算の成立を希望する。それからなお、私が、保守結集ですか、そういうことで予算を何とかしたということはありません。私は、今申しましたような考え方から、やはり大局的にやむを得ない、こう考えただけであります。そういうふうなことを条件とかなんとかしたことはありません。個人的な感懐としては、ああいう場合にほんとうに強い政治力かあればいいなくらいは思います。

発言情報

speech_id: 102205261X02519550607_025

発言者: 一萬田尚登

speaker_id: 2003

日付: 1955-06-07

院: 衆議院

会議名: 予算委員会