北澤直吉の発言 (予算委員会)
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○北澤委員 ソ連の日本に対する態度についての問題はこの程度にしまして、次の問題に移ります。
ソ連は過般西ドイツに対しましても国交の正常化と、それから西独のアデナウアー首相がソ連を訪問するようにという招請を出したわけです。これに対する西ドイツ政府のとったやり方と、鳩山内閣が日ソ交渉開始に当ってとったやり方を比べますと、そこに雲泥の差があるのであります。鳩山総理はソ連のドムニッキ一氏から非公式に文書を受け取って、それで日ソの交渉を始めた。ところが西ドイツの場合におきましては、パリにありますソ連の大使館から四ドイツの大使館に正式に覚書をもって、国交の正常化と、西独首相のソ連訪問を招請する、こういうような態度、正式のルートをとっておる。日本のように裏口外交をやっておらない。のみならず、西独政府はこのソ連の申し出につきましては、まずもってアメリカその他の自由諸国と十分に協議をした上でないと回答できないと申しまして、さっそくアデナウアー首相はアメリカに渡りまして、アメリカの大統領、英米仏の外務大臣と十分な協議をした上で、自由諸国との連携を密接にとった上でソ連に対して回答を出しておる。しかもその回答におきましては、捕虜の釈放、東ドイツの非承認、ドイツの東部国境を認めない、こういうようなはっきりした条件を出した。しかもドイツはどこまでも中立政策に反対である、こういう線をはっきり出してソ連に回答して、ソ連の申し出に応じておる。ところが日本の場合におきましては、ドムニッキー書簡を受けて、そしてそれに対して十分の準備もなく、また自由諸国とも十分の連絡もなく、不用意に無準備にそれに回答しておる。この西ドイツのやり方と日本の鳩山内閣のやった仕方を見ますと、そこに雲泥の差がある。その準備あるいはその慎重さにおきまして、西独政府のやったことははるかに水ぎわ立って堂々たるものでありますが、私どもはこういう点から考えましても、今回の日ソ交渉に入る日本政府のやり方が軽率であった、準備が十分でなかったということを痛感せざるを得ないのであります。今後この日ソ交渉を成功に導くためには、日ソ交渉だけを切り離してもこの成功はおぼつかない、結局どうしても自由、共産両陣営全体としての関係の調整が必要である、これと切り離して日ソの交渉だけをやってもなかなか成功はおぼつかない。そこで結局この十七日からゼネバで開催されます四国巨頭会談とにらみ合せをしてやらなければ、ソ連としても日本としましても踏み切った交渉はできないのじゃないかと私は思うのでありますが、そういう点から考えますと、私どもは、やはり西独のアデナウアー首相がとったように、自由主義陣営と十分な協議をして、その強力な支持のもとにソ連との交渉を始めた方が、日本の主張を貫徹する上において有利でなかったか、こういうふうに考えるわけでありますが、その点についての鳩山総理と外務大臣のお考えを伺いたいと思います。