河野密の発言 (予算委員会)
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○河野(密)委員 本年の三月に第二次鳩山内閣が成立いたしましてから約四ヵ月でございます。その間の鳩山内閣の施政を検討してみますと、公約の不履行の点ばかりでございます。公約の履行されたものと申しますならば、ただ憲法改正、再軍備の方向に一歩を進めたという点ではないかと思うのであります。さような意味合いにおきまして、鳩山内閣に対して、打倒しなければならない、こういう態度をきめたのは、おそらく私たちが最初であると存じます。しかし打倒をきめたからといって、直ちに不信任案を提出するというわけでもございませんが、しかし私たちは鳩山内閣に対してさような根本的な考え方をきめたわけであります。
内政の面においてきわめて不満足である私たちも、ただ一つ鳩山内閣に対して期待と申しますか、望みの綱を持っておりますのは、外交の面でございます。ただいま進行中であります日ソ交渉に対する妥結いかん、こういうことについて、鳩山内閣に対して一縷の期待をかけておるような次第でございます。そこで私は、本日はその外交の問題に対しまして、果して鳩山内閣が私たちの期待する方向に進みつつありやいなや。鳩山内閣に期待をかけることができるかどうか。こういう最後のテストを実はいたしたい、かように考えるのであります。
具体的な質問に入ります前に、私はまずごく一般的なことについて鳩山総理にお尋ねをいたしたいと思います。まず第一は、現在の国際情勢が緊張緩和の方向に向いつつあることは御同慶にたえないのでありますが、さて翻って考えてみますに、その国際的な緊張というものは、どういうところから来ておるのであるか、その緊張の原因がどこにあるかということを、お互いに考えてみなければならないわけであります。その緊張の原因を探求し、その緊張の原因に関する認識というものが、それぞれの外交政策なり具体的外交方針なりの基礎となるのであります。そこで私はこの点についてまず鳩山総理大臣にお尋ねをいたしたいのでありますが、鳩山総理大臣は現在の国際緊張の原因は一体どこにあるとお考えになっておるのであるか。今私の見るところによると、世界の緊張の原因として考えられておるものは、三つのものに要約することができると思うであります。一つのグループは、今日の世界の緊張は、ソ連の世界政策に立脚するものである、コミンフォルムを中心とする国産共産主義の政策、運動というものが、世界の緊張の根本的な原因である、従ってこれに対する何らかの施策を講ずるのでなければ、国際緊張は緩和することができないのだ、こういう考え方が第一のグループであります。もう一つは、これとまっこうから反対するものであって、現在の国際緊張は、いわゆる資本主義的な帝国主義と申しましょうか、そういうむしろ自由主義世界の膨張政策というものに原因があるのである。他国に軍事基地を設けたり、あるいは力による対決を迫ったりという資本主義的な帝国主義というもの、これが世界緊張の原因である、こう考えておる。これが第二のグループであります。第三のグループは、原因はともかくとして、世界が二つの陣営に分れておるということ、これが世界の今日の緊張の理由である、二つの陣営に分れることによって、イデオロギーの衝突と戦略上の衝突ということが避け得られなくなっておる、これが国際緊張の一番大きな原因である。世界最強の米ソ二大国を頂点として、東西両陣営に世界が二分されておるという不幸な事態が国際的危機の根本である。こういうふうに人によって多少表現の方法は違いますし、ニュアンスも違うと思うのでありますが、私の見るところによりますと、この三つの考え方が現在国際緊張の原因についての見方として区別されると思うのでありますが、鳩山総理大臣はこの国際緊張の原因に対してどういう見方に立っておられるのであるか、この点をはっきりお答え願いたいと思うのであります。