伏見康治の発言 (予算委員会公聴会)

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○伏見公述人 おっしゃる通りに、濃縮ウラニウムを受け入れるか受け入れないかということは、日本の原子炉を築き上げていく上におきましてはその一こまにすぎないわけでございまして、あまり本質的に重要な問題ではないわけでございます。そういうことを先ほどから実は御説明申し上げたつもりなのであります。ところが日本には現在日本で自主的に原子力をやっていくという方針がまだ確立されておりません。そのために、いわば日本は原子力に関して完全な真空状態になっておるわけでございますので、その中で出て参りました濃縮ウラニウム問題というものは、きわめて重要性を持つことになるわけでございます。つまりほかに日本の原子力体制というものがありまして、その中の一こまとして濃縮ウラニウムの問題が出てくるのでありますならば二の次の問題でありますけれども、現実問題としては、まだ日本に原子力のゲの字も実はないような状態なのであります。従ってそこヘアメリカというバックを控えている濃縮ウラニウムというものが出てくるということは、その濃縮ウラニウムというものがいかにも力を持ってくるわけでございます。そういう意味で重要視してかからなければならなかったのだろうと思います。
 そこで次に濃縮ウラニウムを受け入れる場合のいろいろな条件というものは問題にならないのじゃないかとおっしゃいましたが、実際私もそうであることを希望しております。実際そうなるかもしれないと思っております。しかしそれはあくまでも外交交渉の中で日本側がどれだけ強く出るかどうかというところにかかわってくるのではないかと考えております。現にフィリピンとアメリカとの間の何か濃縮ウラニウムの受け入れに関する協定がございまして、その協定の中にやはり条項があるのでございますが、その条項がフィリピン側で発表いたしましたものとアメリカ側で言いましたものとで多少食い違いがあるようでございます。その食い違っているところが大へん大事だと思うのでございますが、そのフィリピン側のあげました条項の一つには、フィリピンにおけるウラニウム資源を保全しなければならないということが書いてございます。つまり濃縮ウラニウムを受け入れて、濃縮ウラニウムそれ自身に関するいろいろな秘密条項を守らなければならないということは、これは常識的に考えても当然だと思うのでありますが、その濃縮ウラニウムとは直接関係のないほかの場面にまで、そういうものを受け入れるためにいろいろな制約が加えられてくるということは、近いところに何か先例があるような気がいたします。そういう思いがけないところにいろいろな制約が入ってくるというところが問題なのでありまして、そういう点を一つこれからの外交交渉の中で十分慎重にやっていただきたいと希望するわけなのでございます。

発言情報

speech_id: 102205262X00219550520_026

発言者: 伏見康治

speaker_id: 32672

日付: 1955-05-20

院: 衆議院

会議名: 予算委員会公聴会