竹山祐太郎の発言 (決算委員会)

⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。 詳細は利用規約をご確認ください。

○国務大臣(竹山祐太郎君) ただいま御審議中の二十八年度決算のうちにおきまして、建設省所管の問題について御審議をいただくに当りまして、一言今日までの私の立場におきまして御説明をさしていただきます。
 二十八年度の決算検査報告におきまして、建設省所管行政中直轄工事六件、補助事業百六十五件、計百七十一件について工事の施行もしくは補助金の交付その当を得ずと指摘されておりますことは、まことに遺憾にたえない次第でありまして、深くおわびを申し上げる次第であります。
 直轄工事につきましては、監督検収等の不十分等の原因により、粗漏工事等をなしたため、若干の批難を受けておるのでありますが、直轄工事は建設省みずから施行をいたします工事で、年々改善に努力いたして参りましたつもりでありますが、まことに遺憾に存じておる次第で、さらに一段の努力を傾注をいたして参りたいと存じます。
 補助工事についての批難については、そのすべては災害復旧事業の負担金に関するものでありまして、架空工事、便乗工事あるいは出来高の不足、粗漏工事等でありまして、これらは査定上の欠陥または監督検収上の欠陥に原因するものであり、さらにまた事業主体である地方公共団体自体の財政力の貧困という点にも大きな原因があるかと存じます。建設省は一千億に上る予算をもって河川改修、道路建設等の事業をもって国民経済の基盤である国土の保全、開発に資するとともに、民生の安定に必要な住宅の建設の推進もいたしておるものでありまして、私は就任以来、建設行政の責任者といたしまして、これらの事業を推進するに必要な予算を確保することはもちろん、いかにこの予算を計上いたしましても、これを最も有効に、効率的に使用するのでなければ、国民に対しても申しわけと考えまして、その点からいたしまして、事業執行については特段の注意をいたして参ったつもりであります。
 直轄工事あるいは補助工事についてそれぞれ批難を受けておりますことにつきましても、その衝に当るものが、そのよって来たる原因を深く反省をし、ざらに一そうの注意と努力をいたしますならば、必ずこれは絶滅し得るものと信じておりますが、所要の機構の整備はもちろん、機会あるごとに部内の職員の注意を喚起をいたし、また査察の徹底を期して、責任の所在を明らかにするように努力をいたしておる次第であります。
 そのためには部内の監察制度の強化でありまして、今設置をいたしております監察官は漸次増加をいたしまして、現在十三人の職員をして直轄事業及び補助事業の執行について、地方建設局あるいは地方公共団体の監察に当らしておりますが、直轄事業につきましては、昭和二十六年度から昭和二十九年度までに百四十事務所を査察いたしました結果、約千五百件の指摘を行い、これを注意、指導をいたしますとともに、それぞれ所要の善後処置を講じて参りました次第であります。
 また補助事業につきましても、随時監察を実施いたしておりますが、特に二十八年度は災害復旧事業に重点をおきまして、五千四百八十一カ所について査察をいたしまして、その事業費等の実行に当りまして、必要な注意を与えて参っておる次第であります。
 なお、部内職員に対する信賞必罰の励行を行うことが必要であることは申すまでもありませんので、ただいま申し上げました監察の結果に基きまして、それぞれ懲戒処分あるいは訓戒等を行いますとともに、検査院から指摘を受けました批難事項につきましても、それぞれ処分を励行いたしております。
 批難事項に関するものに例をとりますと、国家公務員法による懲戒処分の件数は引責退職を含めまして昭和二十五年度五十八人、昭和二十六年度三人、昭和二十八年度四人と相なっております。
 次に、災害復旧制度につきましては、第一に実地査定を励行をすることといたしておりますが、災害復旧の適正を期する上に、第一に必要なことは的確な査定を行うことであることはもちろんでありまして、現地について十分に査定すべきは当然でありますが、従来は災害箇所数があまりに多く、これが査定に当り人員が少かったために、やむを得ずその相当部分を机上査定に譲っておったのであります。しかしながらその後若干人員の整備もいたしまして、昭和二十九年度災害からは全部について実査を強行することといたした次第であります。なお、昭和三十年度よりはさらに十名程度の査定官を増員をして、査定の適正を期する所存であります。
 第二に竣工検査の励行でありまして、すなわち中間検査あるいは竣工検査をでき得る限り実地について行うことが、工事の適正化を期するために必要なことは言うまでもないのでありまして、市町村工事につきましては、これらの権限を知事に委任しており、これに要する費用も県に補助しておりますので、検査の励行につきましては、知事を十分に指導監督して参りたいと考えております。
 また府県工事につきましては、昭和二十九年度以来、本省の陣容を整備し、成功認定の早期完了を目標として実地検査を進め、大いにその成果を上げておるつもりであります。さらに今後の対策につきましては、府県工事の場合において、支出負担行為掛当官が府県の土木部長となっております関係上、責任の所在について若干不明確な点もあると考えられますので、この点なども明確にいたす等、いろいろ改善の処置につきましては鋭意検討をいたしておる次第であります。
 なお、私は今日までの結果からかんがみまして、この窮迫した地方財政の現実を考えますと、今までの補助制度をただ維持するということはきわめて困難な実情にあると考えまして、これは決算には直接申し上げるべきことではないと思いますが、三十年度予算の編成に当りましては、道路事業のごときは補助率を従来三分の二を四分の三に、二分の一を三分の二にいたしまして、約、地方負担を六十億軽減をいたしますほか、住宅政策あるいは河川の政策等につきましても、さような同様の見地に立って地方財政の現状に合うように、しかもなお国是の要請にこたえるべく建設行政をできるだけ手広くやらなければならない。この現実に即したやり方をやっていくためには、いろいろなやり方について検討をいたすべき点があると考えますので、今日までその検討をいたしておりまして、でき次第また必要な処置は講じたいと考えておりますが、きょうはこの機会におきまして、今日までの建設省の行政におきまして、はなはだ遺憾の点のありましたことを重ねておわびを申し上げまして、御報告にかえる次第であります。

発言情報

speech_id: 102214103X01719550617_005

発言者: 竹山祐太郎

speaker_id: 3287

日付: 1955-06-17

院: 参議院

会議名: 決算委員会