記内角一の発言 (商工委員会)

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○政府委員(記内角一君) 先日の当委員会におきまして、今回の法律が認証制度、一種の届出制から認可制度に変ったについて、一定の期限を付して、その期限内に処置ができなかったならば認可制度にするというような昔例があったようだが、どうかという委員長の御質問でございましたが、いろいろ取り調べました結果、わかりました結果を御報告申し上げますと、この例は、戦争中の国家総動員法その他によりまして許可、認可事項が非常に多かった時代に、これを戦争末期におきまして整理する意味で許可、認可等の簡素化に関する法律ができまして、そういう手続が行われたのでございますが、総動員法の廃止に伴いまして、これも取りやめに相なりました。ただ終戦後になりましてまだ連合軍が進駐当時に、すなわち昭和二十二年に農業協同組合法が制定せられまして、その際に農業協同組合の設立は認可制度にいたしましたが、二カ月以内に何らかの措置をとらなければ設立されたものと、認可を受けたものとみなされるという規定が置かれております。これが現在まで続いておるわけであります。これに関連いたしまして、これと同じような趣旨をとりました水産業協同組合、漁業協同組合等が昭和二十三年に作られております。また森林法によりまして、森林組合の設立が昭和二十六年に行われております。それから同じく昭和二十三年に消費生活協同組合の設立につきましてほぼ同じような規定がございます。これはいきさつを調べましたところ、中小企業等協同組合法におきましては認証制度になっておりまして、当時進駐軍の意向によりまして、この種のものはすべて認証制度でいくべきだと、会社の設立と同じように公証人の認証によって設立されるというふうにとり行わるべきだというふうに大原則はきまっておりましたが、当時の社会情勢上、農業協同組合とか、あるいは消費生活協同組合、水産業協同組合等はどうしても許可制度にせざるを得なかったということで、種種折衝いたしました結果、認可制度はとるけれども、ある期間内に何らの措置がなければ当然に認可ざれたものとみなすという規定を挿入いたしまして、まあ事実上認証制度と同じような効果を持たせるというふうないきさつでこれができたと承知いたしております。その後におきましては、各種の法人の設立認可、免許等ございますけれども、これ以外には、たとえば酒造組合、塩業組合——塩業組合は認証制度でございますが、酒類業組合の設立あるいは輸出水産業組合の設立等につきましてはいずれも認可制度になっておりますが、そういう期限の問題はございません。信用金庫法等についても同様でございます。それ以外に、たとえば武器製造事業法あるいは火薬類取締法その他各種の認可制度、許可制度のとられておる法律も他にございますが、法制局にも照会いたしましたところ、戦後におきましてはこれらのもの以外にはそういう許可、認可事項について期限を設けておるという例はないということでございまして、われわれも大体そういうふうに見ておる次第でございます。
 しからば本組合についてなぜとらなかったかという点でございますが、御案内の通り、中小企業等協同組合の対象になりまする業者は、農業などと違いまして非常に複雑多岐でございます。従いまして、これらの一つ一つの組合につきましてもなかなか調査もむずかしい面もあるわけでございますが、もちろんわれわれ力を尽しまして、早期にこれの認可、不認可のことをとり行うべく努力はいたすつもりでありますけれども、たとえば一カ月とか二カ月という期限を切るのもどうか、かえって期限を切るとその間にいろいろ安易に流れてそれまでほったらかすというふうなこともないだろうかというふうな心配もございますので、またいつから期限の開始が始まるか、受付の日がいつになるかというふうな点がはっきりいたさない。またたとえば中央で認可いたしますような場合に、地方庁を経由してやる場合でございますが、地方庁を経由した場合は、地方庁に受け付けた日から計算するか、あるいは地方庁を経由して本省に届いた日から計算するかというふうなこともやっかいになって参りますし、また受付自身も過去の例によりますと、受付を拒否しましてそのまま書類不備ということで受付をしないで返してしまうというふうな事例などもあるようでございまして、必ずしもこれが妥当ともいい得ないのではないかというふうにも考えられるわけであります。
 なお、御案内の通り、組合につきましては登記手続が必要になって参りますが、登記は認可を経た後に登記することになっておりますが、認可になりますれば、認可証がありまするので、そのままでよろしいのでございますけれども、一定の期限経過後で自然に成立するというふうな場合におきましては、登記の際に期限経過しておるという行政官庁の証明書を添付しないと、登記を受け付けないというふうな慣習にもなっておるようでございます。これは便利のようで、かえってそういうふうなことになりますと不便にもなってくるかというふうに考えるわけでございます。あれやこれや考えまして、私どもといたしましては、最近例もあまりございませんので、こういう認可について期限の規定を設けなかった次第でございます。

発言情報

speech_id: 102214461X02319550628_002

発言者: 記内角一

speaker_id: 6200

日付: 1955-06-28

院: 参議院

会議名: 商工委員会