海野三朗の発言 (商工委員会)

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○海野三朗君 ただいまのお話をお伺いいたしましたので、私はとにかく研究ができるように、そういうふうにこいねがっておるのでありますから、私はただむちゃくちゃに反対をするものではございません。本来は私大賛成なのでありますが、このあり方及び運営について一言御所見を伺っておかなければ、将来取り返しがつかないことが起ってくるということが想像されるのであります。この財団法人理化学研究所に関する措置に関する法律案の付帯決議、衆議院の方から出されましたうちの第二番目に、「会社役員は濫りに干渉すべきでない。」とこうありまするが、この「濫りに」というのはどの程度でありましょう。これを一つお伺いいたしたいのであります。それから理化学研究所としての運営の方針なんぞにつきまして、各部門の担当責任者が少しもこれに容啄することができないような格好になっておると思うのでありますが、ここなんです、大事なのは。科学者の説を十分取り入れなければならない、これを取り入れずして単に科学というものを利用しようというような考えであってはならないので、学問というものは大義名分を明らかにするものであることは申すまでもない、大義名分を明らかにする。一例をとって申しますれば、たとえば濃縮ウランの問題にいたしましても、外務省が勝手に解釈をして仮調印をやった。何というふざけたざまであろうかと私は考える。なぜかと申しますれば、濃縮ウランについては専門の学者がおるのである。専門語の解釈については外務省あたりの役人にはわからない。そのわからない頭でもってあのアメリカの英文で書いてあるものに向って仮調印している。とんでもない話なのであります。それでありますから、今日の朝日新聞にも書かれてありますように、誤訳が非常に多い、誤まって訳しておることが非常に多いのであります。これも過日の新聞に出ましたが、外務当局は何を言ったかというと、それはあとから直しさえすればいい、かようなふざけたことを言っておる。英文で訳をしたものを日本文であとで幾ら解釈をしたって始まらない。向うの原文自体を改めなければならない。その原文の解釈を誤まって日本がやっておる。こういうことは何でそういうことが起ってくるかと申しますると、学者の意見を尊重し、これを十分活用するという念慮が乏しいからであると思うのであります。理化学研究所の場合におきましても、ただ研究費を与えて学者に研究をさしておけばいい。まるで豚か牛を買うようにしておる。そういう考えではならないのであって、学者自身の考えをも十分運営という方面に反映させなければならない。私はなぜ学者を重要視しなければならないかと申し上げますると、これに学者の説というものは大義名分を誤まらないようにするのが科学の本来の使命でありますから、これが最も私は大切なところであると思う。でありますから、「濫りに干渉すべきでない。」という、「濫りに」というのはどの程度でありましょうか、またその運営については、会社自体の運営についても学者の説を取り入れるだけのそこに含みをお持ちになっておるのかどうか、その点をお伺いいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 海野三朗

speaker_id: 13534

日付: 1955-07-23

院: 参議院

会議名: 商工委員会