鈴木直人の発言 (地方行政委員会)
⚠️ コピーしたテキストを転載する際は、転載元URL(kokkai-data.com)および原典URL(kokkai.ndl.go.jp)を必ず残してください。発言内容の改変・出典削除は禁止です。
詳細は利用規約をご確認ください。
○鈴木(直)委員 数日来の質疑応答によって大部分の問題のありかが検討せられ、一応の了解は得ておるのでありますが、この際、私からも二、三疑問があります点について質問をいたしておきたいと思います。
今回の三十年度の地方財政に関する特別措置法というものは、御承知の通り三十年度の当初予算編成の際において、まず地方財政については二十九年度末までにおけるところの地方公共団体の赤字は再建整備措置法によって解消をしたい、こういうことであり、三十年度以降につきましては赤字の出ない財政計画を立てて、地方財政の建て直しをしていくという基本的な方針から計画が進められて参った次第であったのであります。ところが前国会の審議過程におきましていろいろ検討の結果、二十九年までに累積された赤字につきましては再建法によってこれを実施する、不足した部分については追って再建債を加えていく、こういうような方向をとりまして、衆議院といたしましては一応法案を通過しているわけであります。しこうして三十一年度以降の地方財政につきましては、三十一年度からは地方財行政の根本的な考え方をもって再出発をして、赤字の出ないような措置をしたいというのが、終始一貫現在までに至るところの政府当局の答弁であったのでありまして、この点につきましてはわれわれといたしましても三十一年度の施策について期待をいたしておるのであります。しかるところ、二十九年度まで、また三十一年度以降、この点につきましては一応の了承は得られるのでありますが、三十年度の地方財政計画に欠陥がある。ただいま説明もあったのでありますが、当初におきまして百四十億程度の赤字が実質的に見込まれるような財政計画が、地方側の消費節約という不可能なるものを期待して出されているということがはっきりいたした次第でありまして、従ってこの三十年度の赤字対策といたしましては、通常国会においては解決し得ないから臨時国会において解決をすべきであるという考え方から現在に至った次第なのであります。その間において地方制度調査会におきましてもいろいろ検討した結果、われわれが考えておったと同じように約二百億程度の歳入不足が見込まれるから、この二百億程度の財源を三十年度の補正として措置すべきであるというような答申が行われた次第でございますが、ただいま提案理由によりますと、この特別措置法もこの地方制度調査会における答申をしんしゃくしてというような意味と、また国の財政事情を勘案してその結果この通りのような措置法ができたのであるという説明なのであります。そこで私はこれを検討いたして参ります場合に、この措置法において、果して三十年度の赤字が実質的に解消できるのであるかどうかという点なのであります。この措置によって三十年度の赤字がある程度解決つくのであるならば、これは問題がないのでありますが、この措置によって解決ができない部分が残るとするならば、年度末の補正予算の際あるいは三十一年度の一般予算を作成する上において、さらにそれを補正しなければならぬという問題が出てくるわけであります。私たちは与党といたしまして、この次に来たるべき補正予算の編成あるいは三十一年度の予算の編成の際に、この地方行政委員会において検討されました結果によりまして、さらに対策を講ずべき分が三十年度地方財政にあるとするならば、この点をわれわれは推進したいと考えておるわけであります。そういう意味において与党ではありまするけれども、私たちはまた一方において地方行政の常任委員として、国会議員として、地方財政を根本的に解決する義務と権能を持っておるわけでありますから、いたずらにただ与党であるという観点からめくら判を押すわけにも参らぬので、この法案の審議過程において深く掘り下げまして、この措置によって三十年度の地方財政の赤字が解決つくかどうかということを、もう少し検討していってみたいというのが、現在の私たちの態度なのであります。
そこでお聞きいたしておきたいと思うのでありますが、ただいま三十年度における地方財政計画の修正について説明を聞いたのでありますが、この修正によって果して実質的な赤字が給与費を除いて出ないことになると考えておるのかどうかという点をお聞きしておきたいと思うのであります。約二百億程度の赤字が給与費を除いて出る見込みであるという点につきましては、大体において一致いたしておるのでありますが、その赤字を埋める方法として当初において考えられたことは、地方交付税の三%引き上げ、あるいは三十年度限りの対策として三%引き上げすることが妥当ではないかという考え方があったのであります。これがそのまま実施されるとするならば、地方交付税の特別会計に組み入れられるべき金額は、正確に計算した結果百八十八億ということでありまするから、その点につきましては了承するのでありますが、この百八十八億を交付税の特別会計に組み入れるということが当初考えられた対策であり、また地方制度調査会における答申の内容であるのであります。ただいまの説明によりますると、百八十八億の財政措置をした、こういうような説明になっております。前は百八十八億の財源措置をしたというような説明もありまして、それは広義の財源措置である、あるいは狭義の財源措置であるというようなこともありましたが、あるいは昨日の大臣の本会議における説明、またただいまの提案理由の説明によりますと、百八十八億の財政措置をした、こういうようになっておるようであります。従いまして財政措置と財源措置とはいろいろ違うのでありますが、おそらく経費を節約することによって生まれたのも、これは広義の財源措置であるかもしれないが、そういう言葉はあまり使われないので、はっきりこれは財政措置である、いわゆる既定経費を節約することが財源措置であるということには疑義があるけれども、少くとも財政措置である、赤字の出ないような財政措置をしたのである、こういうようなことにあるいは説明が変ったのではないかとも考えるわけであります。もちろん三十年度の当初地方財政計画におきましても、百四十四億の経費を節約するという財政措置をしたのでありましたが、しかしながらそのような計画の変更による財政措置であっても、実質的には百四十億以上の赤字が出るのでありますから、従いましてそのような説明をしただけではとうてい実際上の赤字を消すということはできないということになりまして、ここに新しい計画の変更ができたわけであります。従いまして今回の計画の変更は、単なる数字上の財政計画の措置ではなくして、実質的に赤字をなくするという本質を持った計画でなければならないのであります。そうでなければ、また実際的には三十年度末には赤字が出まして、それに対する対策が講ぜられなければならないことになるのでありますから、私たちの考えておるのは単なる計画ではなくして、実際においてその赤字がなくなるというような財源措置も必要でありましょうし、あるいは可能な財政措置も必要と思うのであります。そう考えますと、最初交付税特別会計に百八十八億を繰り入れるという考え方で進んでおったのと、今回提案されました百六十億を繰り入れてあと二十八億を地方の節約に待つということになったものとが、実際において赤字を消すという点において同じ効果をなすものであるかどうか、その点をまずお聞きしておきたいと思うのです。