後藤博の発言 (地方行政委員会)

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○政府委員(後藤博君) 地方財政再建促進特別措置法の内容につきまして、大臣からの御説明を補足いたしたいと存じます。あとで修正案の御説明がございますので、簡単に条文を中心に申し上げたいと思います。
 第一条は、この法律の趣旨を書いておりまして、再建を促進するためにこの法律を出すのでありますが、法律制定の理由は、従来の赤字があります団体が、このままの状態におきますとさらにその赤字がありますために一時借り入れをしなければならない、一時借り入れがさらに負債を生んで行くという因果の関係がありまするので、その因果関係を断ち切るという意味が第一点であります。第二点は、国、地方を通じて財政運営の改善をこの法律を出します機会にやっていただこうというのが第二の点であります。第三の点は、将来の健全財政運営の基盤を培養しようというねらいを持っておるわけであります。
 大体三つのねらいをもち、戻してこの法律案を作ったのであります。
 第二条は、財政再建計画の策定の内容を書いております。この趣旨は、赤字と称するものを一項に書いてあります。赤字はいわゆる実質赤字をいうのでありまして、繰り上げ流用だけではないという意味であります。従って支払い繰り延べ及び事業繰り越し等も含めた赤字を赤字と称するというのであります。その赤字は赤字の再建整備の場合に指定日という制度を作りまして、一応政令でもって指定日を作りまして、指定口現在を基礎にして赤字の再建に乗り出すという建前にしております。
 第二項は、その赤字はいわゆる一般会計の赤字でありまして、特別会計を大体含まない。ただし特別会計でも一般会計に繰り出し、繰り入れをしておるものがございます。特にまあ健康保険の赤字なんかは、これは一般会計と非常に関係がございまするので、特別会計のうちでもそういうものはやはり一般会計に関係がございまするので、赤字の要素の中に入れて考えるという考え方でございます。従って公営企業関係は一応除く、こういう考え方をしております。
 第三項は計画の内容でございますが、大体計画は指定日の属する年度、本年から始まりますと本年と、及びこれに続くおおむね七年の計画を立てるという建前にいたしております。大体八年計画というものを一応中心に考えておりますが、赤字の多い団体はさらに十年くらいになるものもございます。従って「おおむね」という言葉を使っております。それから財政再建計画の内容でありますが、まず再建の基本方針というのをきめます。基本方針と申しますのは、たとえば再建の期間をきめますとか、それから再建の実施の方針を歳出歳入にわたってきめますとか、それから再建の促進のために必要な、たとえば機構の簡素化でありますとか、予算の執行方針でありますとか、予算に伴う予算外義務負担の問題だとか、そういうことをやはり基本方針の中にうたっていきたいと思っております。それから再建計画に必要な具体的な処置はイロハニでハニと書いてあります。まず赤字を出さないような計画にしてもらいたい、つまり収支に合っている計画にしている、そのためには経費の節減計画を第一に立てていく、「目標とする経費の節減計画」と書いてありますが、これは「目標とする」という意味は、最初の年度は赤字が出ても仕方がない、赤字の出る場合もある、従ってやはり計画全体として均衡がとれておればよろしいと、こういう意味であります。それからまあ節減計画を第一にいたしまして、第二は税の増収の計画を立てる、増収の計画と申しますのは、現状の税率の下において増収、つまり平均以上の徴収をしてもらいたい。それから滞納につきましても、やはり同様に滞納整理を大体類似の団体の平均以上にしてもらいたいという意味でございます。町三点が滞納であります。
 第四点はそういうものを立てましても、さらに財源が足りない場合には標準税率の引き上げをするとか、また法定外の普通税を起すとか、そういうふうな措置を、いわゆる増税計画を立ててもらいたいという意味でございます。これは例外な場合でありまして、でき得れば、そういうことをやらないでまあやっていきたいと考えております。
 それから次に地方債の償還を完了するまでの間における毎年度ごとの歳出歳入に対する総合的な計画をやはりつけてもらいたい。それから地方債の償還計画、そのほか財政再建に必要ないろいろ予算に関連した問題がございますので、そういう必要な計画をつけていくというふうに考えてもらいたい。
 それから次にその再建計画をやらない団体——赤字は非常に多いが再建計画をやらない団体につきましては自治庁長官が勧告することができる、財政再建をやるように勧告することができるという規定があります。この規定は衆議院でいろいろ御意見がございまして、あとから削除の御説明があると思います。
 それから次の条の第三条は、財政再建計画の承認及び予算の調整、第一項は自治庁長官がやはり財政再建計画を赤字団体それぞれの申し出によりまして承認をしなければならないということにしております。大体まあ審査の重点は実施の確実性を中心にして考えていきたいと考えております。この場合に自治庁長官が承認いたしまする場合に、歳入歳出にわたって必要な条件をつけ、または変更を加えた上で承認するということにいたしておりますが、これは私どもの考え方といたしましては、歳入の関係で交付税だとか、地方債を財源にする場合が相当ございますので、その場合にわれわれが考えております以上の過大の歳入を見積りするような場合がございます。そういう場合には一々差し戻さないで、もう一ぺん議決を経て持ってくるようなことをしないで、われわれとしては条件をつけたり、さらに計画を変更していろいろ時間的な問題を片づけていきたいというふうに考えたのであります。しかしこれはなかなか誤解を生む規定でありまして、衆議院ではいろいろ議論がございました。
 それから第二項は計画の中に公共事業の関係のものがあります場合、つまり国との関連の事業がございます場合に、明らかにその事業が国の関連する事業をぶった切った場合には、やはりその部分につきましては関係の各省に協議をしなければならないという規定を設けております。これは国の行政と地方の再建計画との調和をはかりたいと考えてこの規定を設けたわけであります。その次は財政再建計画につきまして変更を加える場合にも、やはり同じように関係各省に協議するという建前にしております。
 それからその次の四項は緊急やむを得ない理由、これは大規模の騒擾事件等、また災害等がございました場合に計画の変更をすることがあり得るという規定であります。
 それから第五項は再建計画と予算との関係を明らかにしたものであります。「財政再建団体の長は、財政再建計画に基いて予算を調整しなければならない。」これは年々の予算との関係をここに規定いたしたのであります。
 それから次の第四条は財政再建計画の公表の規定であります。これは私どもの方で模範例を作りまして住民にわかりやすく公表するようにいたしたいと考えております。
 第五条は財政再建計画の承認の通知であります。これは第一項は承認した場合に各省に自治庁は通知する、こういうことであります。
 それから第二項は自治庁に関する計画につきましては府県知事に通知すらいうことであります。
 それから第六条は、国その他の地方公共団体及び公共的団体の協力の規定でございます。
 それから第七条は国の直轄事業の実施に関する自治庁長官への通知。直轄事業がありまする団体におきましては、この経費の総額及び負担額を各省から自治庁の方に通知をしてもらわなければならないという規定でございます。これは直轄事業が財政再建団体におきましては必ずしも再建計画を立てました場合にうまくいくかどうかわかりませんので、あらかじめわれわれの方で知っておく必要がございますので、通知をしてもらうということであります。
 第八条は長と委員会等との関係であります。財政再建団体に執行機関として置かれます委員会、委員、委員会の管理に属する機関は所掌事務につきまして財政再建計画の達成のためによろしく必要な政令で規定し、執行につきましては、あらかじめ団体の長に協議をしなければならないということにいたしております。これは長とそれから各委員会との間の調整の規定でございます。従って各委員会その他の執行機関は、あらかじめ原則的な問題につきましては協議をして実行に移ってもらいたいという趣旨でございます。
 第九条は都道府県教育委員会と市町村教育委員会との関係。これは御存じの通り任命権と財政権との調整の規定であります。財政権は府県の委員会にあり、任命権が市町村の委員会にございます。その間の調整をする規定をこの第一項で設けています。市町村の教育委員会の委員を聞いて府県の教育委員会は市町村ごとの職員の定数その他を定めるということにいたしております。
 それから第二項は府県の教育委員会は市町村の教育委員会に一般的な指示権、給与その他の給与につきまして一般的な指示権を持つことができるという規定でございます。
 それから第十条は事務同等の組織の簡素化の規定であります。再建団体につきましては他の自治庁法、教育委員会法、警察法その他いろいろの規定にかかわらず条例、規則、もしくは規程でもって事務局の簡素化のために部課の数を減ずるととができるというふうにしております。
 それから第二項は各種の委員会、行政委員会におきましては行政委員会側から現在の規定では申し出をすればこの長の、部課との間の何といいますか、併任をしたり、事務に従事したりすることができるのでありますが、長の方から、それができないような今規定になっております。で、長の方からもやはりそれができる、従って相互の事務に従事さしたり、兼務をさせることができる、こういう規定であります。
 それから次の十一条は、長と議会との調整の関係であります。長と議会との一体性を確保するという建前から、この再建計画をめぐってのいろいろの問題につきましての規定をここに掲げたわけであります。
 第一項は、長が作りました再建計画、それから再建団体の申し出、それから再建計画の内容の決議、またそれから変更の決議を否決した場合、それから再建計画の達成ができなくなるような規定をしたようなときは再議に付す、長の方から再議に付することができるという規定一でございます。
 それから第二項は再議に付しましてもなおかつ否決した場合には、当該議決を不信任の議決と考える、これもいろいろ問題がございまして、衆議院の方から御意見があると思います。
 それから第三項は不作為の場合にやはり同じように再議に付するということでございます。これは一項に見合うものであります。三項は一項に見合うものであります。それから四項は二項に見合う規定でございます。不作為の場合であります。
 それから次の十二条は、財政再建債の規定であります。第一項は、財政再建計画に基いて職員もしくは職制、むしくは定数の改廃または予算の減少によって職員を退職させる場合には、退職金に関して現在できませんでおります起債を認めるというのが第一項であります。
 第二項は、再建債そのものの再建債の内容に取るべき赤字額の規定でございます。これは先ほど申しましたように、繰り上げ流用した額と、それから事業繰り越ししたもの、支振い繰り延べをしたもの、事業繰り越しをしたものは全部赤字とは申せませんので、これは政令でもつて事業繰り越しをしたものの中から赤字になる部分を政令でもつて書きたいと考えております。それから第三号は退職金の起債であります。
 第三項は、現在の再建債二百億ございますが、二百億のうち百五十億が公募債でございます。その公募債を三十年度以降におきまして政府資金に振りかえるという規定であります。従って来年度になりますると、今の二百億は全部政府資金になるわけであります。
 それから十三条は、財政再建債の償還でありますが、これは再建計画と合せまして指定日の属する年度の翌年度以降、おおむね七年以内に、財政再建債の償還をするような計画にするということであります。
 それから十四条は財政再建債の許可であります。これは現在地方自治法の規定がございまするので、これらの規定にかかわらず自治庁長官の許可を受けなければならないということにいたしております。その場合にあらかじめ大蔵大臣に協議する。現在と大体同じような方式でやりたいと考えております。
 それから十五条は財政再建債の利子補給の規定でありまして、利子補給は政府資金をこすものについて、つまり公募債のものにつきまして大体八分五厘と六分五厘の差額二分を補給するという規定でございます。
 それから十六条の規定は、財政再建債の消化促進審議会、これは今年度は百五十億の公募債がございますので、その消化の促進をはかるために自治庁に促進審議会を設置する、その審議会に関する規定がこの十六条でございます。
 十七条は、国の負担金等を伴う事業に対する特例、これはいわゆる国庫補助事業でありますがこのうちで再建団体になりますると非常に一般財源が圧縮されて参ります。従ってその圧縮された中である程度の公共事業をやらなければならぬ場合もあろうかと思います。そういう場合に特別な国は補助率の引き上げをやることができるという規定であります。その再建団体、そういう再建団体は一号、二号で大体しぼった再建団体、特殊な、簡単に申しますと非常に財源が不足しておって、それから再建計画が非常に長くかかるような団体につきまして、補助率の引き上げをその団体に限ってやるという規定でございます。
 十八条の規定は助言、勧告その他の必要な援助の要請に関する規定でございます。
 十九条は報告及び公表に関する規定でございます。
 二十条は監査を必ずやるという規定でございます。
 それから二十一条は監督の規定であります。再建団体が再建計画に適合し安いような予算を作ったりする場合に予算の執行の停止を命ずる。またその他財政運営に必要な措置を講ずることを命ずる規定が第一項であります。これもいろいろ議論のある規定でございます。
 それから第二項は、制度改正がございました場合に、計画の変更を命ずることができる規定でございます。
 第三項はその命令、第一項、第二項の命令に従わなかった場合に対する一種の制裁の規定でございます。その場合には利子補給を停止する、またはその団体が起す地方債の許可をしない。それから市町村の場合には府県が市町村の許可をしておりますので、許可をしないように命ずることができる規定でございます。
 第二十二条は、財政再建債を起さないで行う財政の再建に関する規定でございます。再建債は必要としないが再建計画を立てたいという場合の規定は、再建債に関する規定を除いた規定を適用するというふうなことでございます。その規定が第一項であります。
 第二項は、三十年度以降、本年度以降において赤字を出した場合には、これは一応再建債をつけないで、自主的な再建計画を立てて再建をするということにいたしております。その場合に準用する規定であります。それは再建債及び監督、監査に関する規定以外の規定を大体そういう場合には準用するということにいたしております。
 それから次の二十三条は、昭和三十年度以降の赤字団体の地方債の制限であります。昭和三十二年度以降においては、昭和三十年度以降の赤字団体で政令で定めるものは自主的な再建計画を立てる場合でなければ、原則として地方債の許可とか……公共事業等の地方債以外は地方債をもって経費の財源とすることができない、つまり地方債を起すことができないという規定でございます。しかし政令でもって定める事業に関する経費の財源とする場合にはこの限りでない。特殊な場合はこれはやむを得ないけれども、原則的に地方債を許可しないということであります。
 それから二項は、二十九年度の赤字団体または三十年以降の赤字団体は、当分の間、他の地方公共団体または公共的団体その他政令で定めるものについて、寄付金や負担金その他これに類するものを支出しようとする場合には、政令で定めました限度以内だったらいいんでありますが、以上にわたる場合は自治庁長官の承認を得なければならないという規定でございます。寄付、負損金の制限の規定でございます。
 二十四条は退職手当の財源に充てるための地方債、この規定は、前には再建団体の規定がごさいましたが、地方団体全体で当分の間行政整理をやりまする場合には退職債を認めるという規定でございます。
 第二項は、これは再建団体以外の地方団体全体につきまして、当分の間、国及び国の機関に対する寄付、負担金は支出してはならないというら規定でございます。ただし、地方公共団体がその施設を国に移管しようとする場合、たとえば県立の大学を国立の大学に移管するような場合、その間にいろいろ協議が行われて従来ありますので、そういう場合には、やはり承認を得たものについてはこれは差しつかえない、こういうふうにいたしております。
 それから二十五条は自治庁長官の権限の委任であります。権限の市町村に関するものはこれは府県知事に委任することができるという規定でございます。
 それから二十六条の規定は政令への委任の規定でございます。それから附則は、第一項は施行に関する規定でございます。
 それから第二項は、先ほど申しました国に対する寄付、負担金の規定に関する経過的な規定でございます。
 第三項は、個人に対する道府県民税の所得割についての読みかえの規定でございます。
 第四項は、自治片設置法の中の自治庁の権限、それから所掌事務、それから財政審議会の付議事項等に関する規定の改正でございます。それから次は財政債建再消化促進審議会をやはり自治庁に置くという規定の改正でございます。
 それから第五項は、財政法の一部を改正する規定でございます。これも税の関係の規定の読みかえの規定でございます。
 六項もやはり地方財政法の一部を改正する法律の一部改正の規定でございます。
 以上簡単に再建促進特別措置法の補足説明をいたした次第であります。

発言情報

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発言者: 後藤博

speaker_id: 33526

日付: 1955-12-10

院: 参議院

会議名: 地方行政委員会