鈴木直人の発言 (地方行政委員会)
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○衆議院議員(鈴木直人君) 衆議院において修正をいたしました内容の説明、修正理由につきましてはこれから申し上げますが、便宜お手元にガリ版として刷ったものがございますので、それを御参考のために朗読いたしたいと思います。
ただいま議題となっております地方財政再建促遜特別措置法案に対する衆議院における修正部分につきまして、その理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
現下の地方財政の窮状を打開するため、地方公共団体における昭和二十九年度までの累積赤字を解決せんとする立法措置として政府が第二十二国会に提案いたしました地方財政再建促進特別措置法案の内容を見るに、地方財政再建の目的達成に急なるの余り、地方公共団体に対する国の意思が強きに過ぎ、かえって地方公共団体の自主的かつ自発的再建の意欲をそこね、地方自治の円満なる育成と発展に危惧の念を抱かしめるおそれがあり、また地方財政の赤字処理に対する国の財政措置についても十分ならざるものがありますので、地方自治の基盤をつちかいつつ財政再建の目的を達成するため、政府原案に対し相当の補強措置を講ずる必要ありと認め、所要の修正を行なった次第であります。次に修正の内容について、その大要を御説明いたします。
第一は、財政再建計画の樹立に関する事項であります。
政府原案におきましては、赤字団体の財政再建計画を自治庁長官が承認する場合に、自治庁長官が一方的に変更を加えることができるものとし、また赤字団体で財政再建の申し出を行わないものに対しては、自治庁長官が再建を行うべき旨の勧告をなし得るものとしておりますが、かくては、本来地方団体の自由意思に基いて策定せらるべき財政再建計画が、不当に強く国の意思によって左右せられることとなりまして、適当ではありませんので、これらの条項は削除することにいたしました。また、赤字団体の長が財政再建計画を樹立する場合においては、あらかじめ行政委員会等の意見を聞くことといたし、行政委員会等が知らぬうちに長のみの意思によって再建計画がきめられることのないようにいたしました。
第二は、財政再建計画の実施に関する事項であります。
政府原案におきましては、財政再建計画の実行を保証するため、長と行政委員会との関係について、各種の特例規定を設けておりますが、その間の調整措置につきあまりに長の権限が強きに過ぎるきらいがありますので、所要の緩和措置を講じた次第であります。
第三は、長と議会との関係であります。政府原案におきましては、財政再建に関する特定の重要案件、第十一条の第一項各号に規定してあるのでありますが、この特定の重要案件について、長と議会との意思が対立する場合は、長が、これを再議に付し、なお議会側が反対の議決をいたしました場合には、長は当該議決を不信任の議決とみなすことができることにいたしております。
この規定は議会に財政再建の熱意薄きがごとき感を抱かしむるとともに議会に対する長の権限をあまりにも強くし過ぎた規定であり、かえって長と議会との間の不和対立を激化せしむる結果となり、財政再建の円滑なる達成を期するゆえんでありませんので、不信任とみなす旨の規定は削除することといたしました。
第四は、財政再建債に対する利子補給に関する事項であります。政府原案においては、財政再建債のうち利率が年六分五厘をこえるものについて、二分を限度として国が利子補給を行うことといたしておりますが、今日の地方財政の赤字原因の中には、国の責めに帰すべきものが相当あるのにもかかわらず、この程度の援助のみしか行わないことは、あまりにも与えるところが僅少でありますので、年三分五厘をこえる部分については、年五分を限度として政令に定める基準により利子補給を行うことができることといたしました。かくのごとき修正は、過去において、財政運営を堅実に、事施してきた地方公共団体と放漫に実施してきたそのものの間に均衡を欠く結果になるおそれもないとはいえませんが、累積せる赤字処理の目的を達成することが、緊急の急務であり、またその間の不均衡是正は政令の定める基準によって、解決をはからんといたした次第であります。
第五は、財政再建団体に対する自治庁長官の監督に関する事項であります。政府原案によれば、財政再建団体について国がある程度の監督権を持つことになっておるのでありますが、政府原案の規定は、現行の地方自治制度に照らし厳に過ぎると考えますので、「監督」という字句及び「命ずる」という字句の修正を行うとともに、財政再建団体が国の求めに応じない場合に地方債を許可しないという強い規定を削除いたしました。
第六は、赤字団体に対する地方債の制限に関する事項であります。地方財政に対する現在のような国の財源措置のもとにおいて、三十年度以降の赤字団体に対し、昭和三十二年から地方債を許可しないという政府原案の規定は、地方公共団体に対し片手落ちの措置であり、あまりにも酷であります。従ってこの規定の実施は、地方財政の基礎が確立した年度から適用することといたしたのであります。
第七は、二十七年度以前の国の直轄工事の地方分担金の未納分に関する事項であります。政府が本法実施の要づけとして準備しております資金は二百億円でありますが、この程度の資金では地方財政再建計画の発送がきわめて困難であると考えられますので、これを補うために昭和二十七年度分以前の分担金で未納分については交付公債による納付を認めることといたしました。
なお、再建資金の二百億は、不十分であると思いますが、この法律の実施は、年度末に近くなることでもあり、実際にこの法律を実施した上において不足が生じたる場合に、追加措置をとることといたし二百億にとどめておいた次第一で、あります。
以上が本修正の内容の大要であります。何とぞ各位の御賛同を得ますようお願い申し上げます。