1956-03-05
衆議院
田口良明
商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会
田口良明の発言 (商工委員会総合燃料対策及び地下資源開発に関する小委員会)
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○田口参考人 買収につきましてはこの業務方法書の第八条から十一条まで規定してございます。まず買収物件といたしまして採掘権、それから主要坑道、土地、その他の鉱業施設、これがおもな買収の対象物件であります。そこで特にむずかしいのは採掘権の評価でございまして、この採掘権の評価といたしましては、方法書の第八条で規定してございます。この採掘権の鉱区における実収可能炭量を出しまして、これに基準価格を乗じて得た額の合計額にその採掘権の鉱区の炭層価値率を乗じていただく。ここでまず実収炭量とはどういうことかと申しますと、これは八条の二項に書いてございますが、炭量は一応確定炭量と推定炭量と予想炭量の三つに分けて考えてみる。その確定、推定、予想の三つの炭量にそれぞれ安全率と実収率を掛けて、それぞれの実収炭量、推定実収炭量、予想実収炭量、この三つを合計しますと、これが実収可能炭量になるわけでありますが、その炭量が出ますと、その炭量に基準価格をかけるわけであります。この基準価格は、その炭鉱の年間生産数量の二十年分までの炭量に三十八円をかける、それ以後につきましては十年分ごとに十二円、七円、四円、二円、一円、こういうふうに減らして参りますが、この三十八円をかけました理由につきましては、いわゆるホスコルド方式を採用したわけであります。この算式が、厄介な算式でございまして、Pというものを一応評価額といたしまして、これをホスコルドの算式に当てはめる場合に、その係数が、aは年収でsが報酬利率、rが積率、tが租税、nが可採面積、qが実収炭量というような係数をそれぞれはじき出しし、出しました数値が大体三十八円になります。これは大手の十八炭鉱を基準にとりまして、これらの炭鉱の昭和二十六年の下期から二十九年の上期までの過去四年間の産出量によりまして算出いたしました数字でございます。こういうようにして出しました数値を基準価格といたしまして、これが三十八円になったわけです。それから、十二円になりましたのは、この三十八円にかける一プラスrの二十乗分の一というようにいたしましてはじき出した数字が十二円になったわけでございます。同様にして、三十年から四十年は、今度は、今の三十八円かける一プラスrの三十乗分の一ということにいたしまして七円がはじき出された、こういうようにいたしましてこの基準価格を出したわけでありますが、この基準価格をかけまして、さらにその採掘権の鉱区の炭層価値率を乗じて得たわけです。炭層価値率につきましては、お手元に資料を配付いたしたと思いますが、その資料をごらん下さいますとおわかりになると思いますけれども、炭層にもいろいろございまして、その炭層の深さだとか厚さだとか、あるいはその炭層の中に入っておりますはさみの状況とか、あるいはその炭層の傾斜とか、そういういろいろなファクターを勘案しまして、そこに炭層の価値率というものが別表の第一に定められたわけであります。こういうようにいたしまして採掘権の評価額を出しておる、こういうわけであります。
その次に主要坑道の評価方法でございますが、これは第九条に書いてございます。主要坑道の評価額につきましては、その坑道の基準価格に傾斜価値係数を掛ける、さらにその坑道の残存価値率を掛けて出た数字でございます。この坑道の基準価格につきましては、その主要坑道の構造の種類によりまして別表第二に定めてございます。また傾斜価値係数につきましては、その坑道の傾斜に応じましてこれが価値係数を算出してございますのが別表第三でございます。かくのごとくにしてメートル当りの坑道の評価額が出るわけであります。
次に土地の評価額でございますが、土地の評価額につきましては、第十条に、土地の評価額は固定資産税の課税標準となる価格の一五〇%の額というふうに規定してございます。
その次に主要坑道及び土地以外の鉱業施設の評価、これは家屋とかあるいは機械設備、そういうものでございますが、この鉱業施設につきましては非常に種類が多種多様で、鉱業施設の評価額は、その鉱業施設の基準価格にその施設の残存価値率を掛けて出した数字でございます。そしてこの鉱業施設の基準価格は、第十一条の第二項に規定してございますが、その鉱業施設の種類、構造、型式、容量などの別に応じまして、これが再取得価格を出したわけであります。その再取得価格をここで適正なものに直しまして、そうしてこれを基準価格といたし、その基準価格につきましては通産大臣の承認を受けてこれが適正を期するということにいたしておるわけであります。それでこの鉱業施設の残存価値率の問題は十一条の三項に規定してありますが、残存価値率は、鉱業施設の使用可能年数及び経過年数に応じて別表第四に定めることになっております。
かくのごとくにして評価の大綱は、この方法書の第八条から十一条までに規定してありますところに基きまして、ケース・バイ・ケースで事業団においてこれが評価の適正を期しておるというわけでございます。
以上が評価の問題でございますが、このほかに鉱害の問題もまた重要でございまして、九州及び宇部地区はもちろん、常磐方面におきましても鉱害が発生しておるというような状況でございますので、その鉱業採掘権の買収につきまして、その鉱害の問題を慎重に審査する方針をとっておりますが、この問題につきましてはこの方法書の十二条から十四条に規定してございます。これをごく集約的に申し上げますと、鉱害は三つに分れると思います。それは既発生の鉱害と不安定の鉱害と未発生の鉱害、この三つに分れますが、既発生の問題につきましては、この鉱害の賠償処理につきまして、鉱業権者がこの処理を完了したものについてのみ買い上げるということになっておりますから問題ないと思いますが、不安定鉱害及び未発生鉱害につきましては、これが実情を十分調査いたしましてこれを算定いたしまして、そのうち臨鉱法にかけまして復旧する場合につきましては、その鉱業権者の支払うべき金をあらかじめ積み立てておくということにいたしております。また年々賠償で処理していく問題につきましては、これもまたその賠償金額を算定いたしましてこれを積み立てていく、こういうふうにいたしておるわけであります。
この業務方法書には一切の事業団の業務の大綱をきめてあるわけでありますが、ただいまの御質問に対しまして特に重要な評価の問題、それから鉱害の問題について御説明を申し上げたわけでございます。