早川崇の発言 (地方行政委員会)
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○早川政府委員 ただいま議題に供されました国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概略を御説明申し上げます。
この法律案は、国または地方公共団体が、その所有する固定資産のうち貸付け資産、国有林野及び発電施設について国有資産等所在市町村交付金を、また日本専売公社、日本国有鉄道及び日本電信電話公社のいわゆる三公社がその所有する固定資産のうち固定資産税を課せられないものについて公社有資産所在市町村納付金を、それぞれ当該固定資産所在の市町村に対して交付し、または納付することとする制度を創設しようとするものであります。御承知のように、現行の地方税制のもとにおきましては、国及び地方公共団体の所有する固定資産に対しては全面的に固定資産税が課せられず、また三公社の所有する固定資産のうちほとんどその大部分を占める直接その本来の事業の用に供するものについては、固定資産税が課せられておらないのであります。しかしながら、これらの固定資産といえども当該資産所在の市町村の消防、道路、その他の施設から受益していることは、現に固定資産税の課せられている他の固定資産と同様でもありますので、一面には自主財源の増強を必要としている地方財政の現況にかんがみ、他面には、他の同種の固定資産との間に負担の均衡を保持していく必要があることにかんがみ、これらの資産についても当該資産所在の市町村に対し、相当の負担を求めることといたしますことはやむを得ないところと考えるのであります。
しかしながら、国や他の地方公共団体と市町村との関係を考慮いたしますならば、直ちに固定資産課税の形式をとることもいかがかと思われますので、固定資産税に準じて計算した額を国等から資産所在の市町村に対し交付金として交付することにするのが適当であると考えたのであります。三公社につきましても、その沿革及び現在の性格等から国の場合に準ずることといたしたのでありますが、多少公租公課のにおいを強くするため、交付金の用語によらないで、納付金と称することといたしたのであります。
これらの問題につきましては、すでに旧臘地方制度調査会及び臨時税制調査会から国または地方公共団体が所有する固定資産について納付金制度を創設しあるいは三公社の所有する固定資産に対し、全面的に固定資産税を課すべき旨答申されておりますので、その答申の趣旨を尊重し、以上申し述べました考え方に立脚して、この制度を創設することとしたのであります。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
次にこの法律案の内容について概略御説明いたします。
この法律案の内容は、前にも申しましたように、国または地方公共団体の所有する固定資産にかかわる国有資産等所在市町村交付金及び都道府県交付金と、公社が所有する同定資産にかかわる公社有資産所在市町村納付金及び都道府県納付金に大別されます。
まず第一に、国有資産等所在市町村交付金は、国または、地方公共団体が、その所有する固定資産のうち公用または公共用等に供していない資産で、一、当該国または地方公共団体以外のものに使用させている固定資産、二、国有林野に係る土地、三、発電所、変電所または送電施設の用に供する固定資産につきまして、当該固定資産の交付金算定標準額に百分の一・四を乗じて得た額を交付金額として当該固定資産所在の市町村に交付するものでありまして、その収入見込額は昭和三十一年度におきましては、十一像二千八百万円であります。交付金算定標準額は固定資産の価格によることとし、その固定資産の価格は、原則として、国有財産台帳または地方公共団体の財産台帳に記載された価格によるものといたしております。しかしこの台帳価格が当該固定資産に類似する固定資産で固定資産税を課されるものにかかわる固定資産税の課税標準の基礎となるべき価格と著しく異なると認める場合におきましては、当該固定資産を管理する各省各庁の長または地方公共団体の長にあっては、台帳価格と異なる価格を資産所在地の市町村長に交付金算定標準額の基礎とすべき価格として通知することができ、また、資産所在地の市町村長にあっては、各省各庁の長または地方公共団体の長に対し台帳価格と異なる価格を交付金算定標準額の基礎とすべき価格として通知すべき旨を申し出ることができることとしております。
なお、住宅用の土地及び家屋につきましては住宅建設に対する国の補助政策をも考慮して右の価格の十分の四(政令で定める住宅については十分の二)の額とし、発電所、変電所または送電施設の用に供する固定資産につきましては、固定資産税を課される同種の固定資産との均衡及び公営発電事業における多目的ダムの特殊性等にかんがみまして、固定資産税において設けられている課税標準の特例措置と同様の方法によって算定した額の二分の一の額とすることといたしているのであります。乗率の百分の一・四は固定資産税の標準税率として定められている率によっております。
なお、国が所有する固定資産のうち他に使用させているものにかかわる昭和三十一年度分及び昭和三十二年度分の交付金額の計算につきましては、これらの国有資産についての再評価が、いまだ実施されていない事実等にかんがみ若干の特例措置を定めております。
次に、公社有資産所在市町村納付金は、三公社がその所有する固定資産のうち固定資産税を課せられないものにつきまして納付金算定標準額に百分の一・四を乗じて得た額を納付金額として当該固定資産所在の市町村に対して納付するものでありまして、この収入見込額は、昭和三十一年度においては、四十六億四千四百万円、平年度においては、九十二億八千八百万円であります。
納付金額の算定の基礎となる価格は、固定資産の価格によることといたしておりますが、その固定資産の価格は、自治庁長官が、固定資産評価基準に準じて評価を行なって決定した価格を総理府令で定めるところによって関係市町村に配分したものによることといたしております。
納付金算定標準額は、公社がその公共的性格からあえて非採算路線を建設維持している等の事情もありますし、かつ、負担の急激な増高は緩和する必要もありますので、当該価格の初年度四分の一、平年度二分の一の額をとることとしております。
乗率の百分の一・四は交付金の場合と同様に固定資産税の標準税率として定められている率によっているのであります。
なお各省各庁の長が管理し、または一つの地方公共団体若しくは一つの公社が所有する償却資産で地方税法における大規模の償却資産に相当するものにつきましては、固定資産税における大規模の償却資産の特例に準じ、一定限度を越える額につきましては、当該市町村を包括する都道府県に国有資産等所在都道府県交付金を交付し、または都道府県納付金を納付することといたしているのであります。
さらに、交付金の交付方法または納付金の納付方法につきましては、市町村が交付金額または納付金額を算定し、これを記載した交付金交付請求書または納付金納額告知書を各省各庁の長もしくは地方公共団体の長に、または、公社に送付して交付金の交付または納付金の納付を求めることといたしております。
以上が国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律案の提案の理由及び内容の概略であります。何とぞ慎重御審議の上すみやかに本法律案の成立をみますようお願いいたす次第であります。