八巻淳之輔の発言 (内閣委員会)
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○八巻政府委員 未帰還公務員の普通恩給について、その留守家族に普通恩給を支給するという場合におきましては、若年停止を排除したらどうか、こういうお尋ねだと思うのでございますが、未帰還公務員につきましての恩給法の適用といたしまして、御承知の通り恩給法の三十条で、未帰還公務員の在職年が、軍人でありますれば、将校であれば十三年、下士官、兵であれば十二年、文官でありますれば十七年というふうな年限がたちますと、普通恩給がつくわけです。ただしかし二の未帰還公務員の場合には、そういうふうな年限に達しても、その恩給を本人に至急することはできないので、そのかわりに留守家族に支給する、こういうことにしてあるわけです。そこで元来恩給というのは本人に専属しておるわけでありまして、本人の年令が五十五才未満であるということになれば、若年停止の規定の適用を受けて満額の普通恩給をもらえない、その留守家族もまたその代理の支給を受けるという意味におきまして満額の支給を受けない、こういうことは当然のことになってくるわけであります。従いまして、留守家族であるがゆえにその満額を支給してはどうか、こういう問題でございますけれども、これはあくまで恩給法本来の問題じゃなくて、留守家族援護対策一般の問題として考えていただけないだろうか、こういうことでございます。また現実の問題といたしまして、留守家族一般につきましては、兵の公務扶助料と同じ額の三万五千二百四十五円でしたか、これがいっておるわけでありまして、少くとも兵、下士官につきましては、その人が十二年に達してもらう普通恩給がまるまるいきますよりも多い額が、兵、下士官の留守家族にはいっておるわけでございます。従ってフルにもらえるということによって利益を受けるのは、大体階級の高い者であろうと思うのであります。また階級の高い人も、現在終戦後十年たっておりますから、大体は五十五才以上になっておる。こういうような事情からいたしまして、若年停止の排除ということによって恩典を受けるという方々は非常に限定されてくるのではないだろうか、こういうようなことを考えますと、恩給法本来の筋をなるたけくずしたくない、もし考えていただくならば留守家族援護対策全般の問題として考えていただきたい、こういうふうに考えているわけであります。