神川彦松の発言 (内閣委員会公聴会)
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○神川公述人 それで石橋先生の第三の質問にお答えいたしますが、もしそういう占領時代にできたものならばそれは無効じゃないか、これはもう一刀両断にやってもいいのだというなら筋が立っていいというお話でありますが、これは私はもう数年来主張いたしておることでありまして、これは国際法の点から申しますと、すでにもう効力を失しておると言ってよろしい。国際法の最も確立した原則の一つはいわゆるポストリミニアムの法理であります。いわゆる戦後原状回復と日本では訳されております。このポストリミニアムの法理によりますと、およそ軍事占領中にやったところのすべての法令とか処分とかというものは、占領が終了しますと当然失効するというのが原則であります。でありますから実際軍事占領中にできましたものは事実失効したのであります。日本におきまして軍事占領中に作りましたところの法令とか政令とかというようなものはもうほとんど全部失効いたしました。十八カ月だけは猶予を置きましたけれども、占領中、占領幹部の指令によりまして作ったところの法令とか処分とかいうものは全部——例外はやはり戦争法規、国際法規に従って当然軍司令官がやられることだけは効力を持続することもございますが、しかしながら原則といたしましては、占領中すべての法令とかあるいは処分とかというようなことは失効いたしておるのであります。これはもう日本の裁判所でも認めております。ただひとり憲法のみが残っておるのであります。しかしながらこの憲法といえども国際法のボストリミニアムの法理から見て当然失効しておると申してよろしいのであります。これが近代国際法における最も確立した原則であります。また世界のいかなる学者も認めておるのであります。およそ国際法におきまして、これほど確立した原則はないといってよろしいのであります。でありますから私はずっと以前から国際的には日本のマッカーサー憲法も失効したものといわなければなりません。なぜならばそのほかのものもほとんど失効したのだから、なぜ憲法だけを残しておるのか。しかしながら国際法上の失効するということと、国内法上の失効するということは全然別のことでありまして、国内法におきましては、やはり国内法として失効させるだけの手続をとらなくちゃならない。その失効させるところの手続につきましては、私はいろいろ方法があると思います。しかしながら二つなり三つなりの方法がありますが、とにかく国内法において失効の手続をとらぬ限りは有効でありますが、国際的にはすでにこれは失効したものである、こう考えております。