石橋政嗣の発言 (内閣委員会公聴会)

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○石橋(政)委員 ますますもって私はわからないのです。第一に憲法の九十九条に、国民に憲法順守の義務が課せられてないのはおかしい、そんなものは世界のどこにもないと言われるけれども、結局国民主権で国民が作った憲法なんです。それを国民が守るのは当りまえだから書いてないのです。事実国民主権というものははっきりしておりましょう。
 それからまたアメリカに押しつけられたのだとあなたはおっしゃるけれども、草案はマッカーサーの方で書いたかもしれぬが、あなたが認めておる手続を経ておるじゃないですか。そうして日本の憲法として今生きてぴんぴんしておるではありませんか。そうしてその中には、民主主義の精神が流れておるじゃないですか。それを押しつけられたものだからいかぬ、押しつけられたものだからいかぬと言うが、押しつけられたかどうかしらんけれども、ちゃんとあなたのお認めになっておる手続を経ておる。ここに私は問題があるということをさっきから申し上げておるのです。
 それから、この点はわれわれだけが言っておるのではないのです。先ほど戒能先生もちょっとお触れになりましたけれども、天皇も前後四回にわたって勅語を出しておる。それを一々ここで読むひまもありませんけれども、第一番目、三月六日に憲法草案要綱の政府発表があったときに勅語が発せられた。その中で「朕曩にポツダム宣言を受諾せるに伴い、日本国政治の最終の形態は日本国民の自由に表明したる意思に依り決定せらるべきものたるに顧み……」云々として「乃ち国民の総意を基調とし……」と書いてある。またその後六月二十日にも出ておる。十一月三日にも出ておるのは御承知の通り。前後四回にわたって勅語をお示しになっておる。あなたはこれも天皇が地位の安泰をはからんがために、国民がどうなろうと、国かどうなろうと憲法がどうなろうとこういうふうに書かされたのだとおっしゃるのですが、戦争中には軍閥官僚にあやつられ、占領中には占領軍にあやつられ、今後はだれにもあやつられないという保障がどこにありますか。あなたは押しつけられたのだとおっしゃるけれども、日本の国民は明治憲法のもとにおいては、主権は与えられておらぬし、この憲法制定を契機として現にわれわれ国民は主権を確保しておるのじゃないですか。こればポツダム宣言に従ってわれわれが確保することができた。どんな理屈を述べられようとも、現に生きておる国民主権の憲法というものを認めるのは当然です。あなたも認めると言っておる。それば正規の手続を経ているからです。その点を私は矛盾しておると申し上げたおけです。
 それで質問に移りますが、草案が向うに書かれたのだからいけない。この点もほかの先生方から御説明があった。明治憲法だって伊藤博文が書いたことはちゃんと御承知の通りです。そうすると、この理論を裏返しますと、草案を作るということが非常に大切だということは私たちも大賛成です。しからばもし今度憲法を改正しようとする場合に、どこでだれが草案を作るかということが非常に大切になってくる。この点はお認めになりますか。

発言情報

speech_id: 102404914X00119560316_019

発言者: 石橋政嗣

speaker_id: 5436

日付: 1956-03-16

院: 衆議院

会議名: 内閣委員会公聴会