綱島正興の発言 (農林水産委員会)
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○綱島委員 ただいま議題となりました綱島正興外四十名提出、急傾斜地帯農業振興臨時措置法の一部を改正する法律案に関しまして提案の理由を御説明申し上げます。
この法律で急傾斜地帯とは、土地の傾斜度が十五度を越え、土壌の侵食度が二五%を越えるもので、それぞれその旨を政令で定めた基準以上のものであり、かつ過重なる労力を必要とする農地が郡面積の三分の二以上集団的に存在する地帯を指しているのでございますが、この地帯は西日本、中部日本にわたる約三十四万六千町歩の耕地と・約六万一千町歩の樹園地を包含し、約九十二万四千戸の農家が、これら急傾斜農地によってきわめて劣悪な条件のもとに、今日まで平坦地農業に伍して食糧その他の農産物の生産に貢献して参っているのでございます。従いましてこの地帯における農業生産の基礎条件をすみやかに、かつ総合的に整備いたし、その生産力を高め、食糧増産をはかりますことは、ただにこの地帯の農業経済の安定と農民生活の改善となるばかりでなく、国民経済の発展に寄与するところきわめて大でありまして、昭和二十七年四月本法の制定を見たのは以上の次第でございます。
さて本法による農業振興計画は、各種の事項を内容としておるのでありますが、これが実施に当りましては、特に急傾斜地帯農業の特異性にかんがみ、過重労働の軽減ないしは平均化と、農地保全等土地改良事業にその重点を指向し、極力関係事業の促進をいたし、この地帯の農家の要望にこたえて参ったのであります。しかしながら過去四ヵ年の実績を見まするに、土地改良は、団体営灌漑排水事業におきまして予定せられました一万五千五百町歩のうちわずかに三千六百町歩、耕地整備事業のうち、農道につきましては予定せられましたる三千三百キロのうちわずかに約七百キロ、索道におきましては八百四十キロのうち四百三十キロ、農地保全事業におきまして九万六千町歩のうちわずかに五千六百町歩の改良をしたにとどまっております。
なかんずく、農道と索道において相当の成績をあげて参りましたものの、全体の進捗度は計画に対し約二割弱にすぎないのでありまして、耕種改善、養畜、養蚕、その他農畜産物の共同加工並びに処理施設等経営改善諸事業を初め、今後なすべき多くの事業が残されておるのであります。
申すまでもなく、経済自立の達成上、食糧自給度の向上は現下絶対の要務であり、急傾斜地帯の農業経営の改善と農業生産力の増強は、わが国農業の特質から見ましてもますます緊要度を加えておりまするとともに、この地帯に立地する農家の経済生活の向上をはかりまする上におきましても、無視するを得ないところであると確信いたします。
このような理由によりまして、本法の有効期限をさらに五ヵ年延長いたしまして、各般の関係事業を鋭意促進し、本法制定の目的を達成するようにいたしたいと存じ、本案を提出した次第でございます。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げる次第であります。