北澤直吉の発言 (予算委員会第三分科会)

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○北澤分科員 昨年は大へんな造船ブームで、日本の船がだいぶ外国へ出まして、その結果国内の鉄鋼の需要がだいぶふえまして、一時はスクラップなんかもだいぶ上ったようでありますが、その後政府の方におかれましても、鉄鉱石ですか、そういうものを輸入いたされました結果、大体直っておるようであります。日本の輸出品のコストを下げるという面から申しましても、そういうものの輸入をもっと弾力性を持たせて、そうして輸出品の原料の輸入というものにつきましては、これは思い切った考慮を加えなければならぬと思いますが、ただいまの大臣のお話で大体わかりました。
 そこでもう一点伺いたいのは、この輸出の増進について大きな問題は、決済の問題だと思うのであります。たとえばインドネシアなんかに対しましては、日本の輸出が非常にふえて、その代金が焦げつきになって一億ドル見当ある。それから最近アルゼンチンとの焦げつき債権の問題で、通商局長が向うへ行ったようでありますが、これも大体九千万から一億ドルの焦げつきになっておる。そういうことで、せっかく物を売っても金が取れないというところから、こういう国に対しましては輸出を抑制しようという意見が出ておるようでありますが、何と申しましても、こういうものにつきましては、もっと決済の面を考えて、こういう面からくる輸出の抑制というものはないようにしたらどうかと思うのであります。それにつきましては、いろいろ政府の方でも考えておると思うのでありますが、二国間だけで決済をしないで、多角的に決済をすることを政府の方でお考えのようであります。現に西独なんかでは、ブラジルとの決済につきましては、西独とブラジルとでなく、よその国を三カ国、四カ国加えてやっておるということでありますが、日本におきましても、やはりこういうインドネシアなり、あるいはアルゼンチンというような、どうしても日本の方が輸出超過になりそうな国については、そういう多角決済の方法をお考えになったらどうか、あるいはまたさらに進んで、今ヨーロッパでやっておりますような決済同盟——私は特に昨年中南米をずっと回ってきたのでありますが、南米なんかはたくさんの小さな国に分れておる。それを一国々々と日本とやっても決済ができないのでありまして、中南米はこの多角決済ですね。日本とアルゼンチン、そのほかブラジル、いろいろなものを加えて決済すればできるかもしれませんが、ああいう小さな国に一々日本が多角決済をやっていたのでは決済ができないと思います。そういう面で、多角決済の方式というものについて政府がどういうふうにお考えになっておりますか、これを伺いたいと思います。

発言情報

speech_id: 102405268X00119560220_021

発言者: 北澤直吉

speaker_id: 29171

日付: 1956-02-20

院: 衆議院

会議名: 予算委員会第三分科会