鈴木直人の発言 (地方行政委員会)

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○鈴木(直)委員 私はこの際地方財政の健全化確立に関する決議をいたしたいと考え、これに関する動議を提出いたします。
 次に決議文を朗読いたします。
   地方財政の健全化確立に関する決議(案)
  地方財政は、漸く再建の方向を辿りつつあるが、なお公債費等重要な懸案が未解決のまま残されている。よつて政府は、明年度予算において左の施策を強力に推進し、以つてこれらの懸案を解決すべきである。
 一、公債費については、国の責任にかかわるものと思われるものにつき、元利を補給すると共に、今後の地方債については、利子を引下げ、償還期限の延伸、公募地方債の消化を円滑ならしめるための格段の措置を講ずること。
 二、国税について減税が行われる場合においては、そのしわよせが地方財政に及ばないようにするため、現行制度による地方財政収入の額に減少をきたさないよう所要の措置を講ずること。
  右決議する。
 簡単に提出の理由を御説明申し上げます。
 地方財政は、三十、三十一両年度にわたる地方行政、財政、税制制度の改正を通じまして、ようやく再建の方向をたどって参っておるのでありますが、なお公債費という重要な案件が未解決のままに残されております。よって政府においては、明年度予算の編成に当りましては、左の二点について特に強力に推進をいたされて、これらの懸案を解決すべきであると考えるものであります。
 その一点は、いわゆる公債費についてでありますが、地方団体が地方債を起す場合は原則として公営企業のみに限るべき筋合いのものでありまして、一般財政費をまかなうために起債をもって充てるべきではないと思います。国においては厳格な非募債主義をとっているにもかかわらず、地方財政のみに一般財源の補てん策として地方債政策をとって参ったような次第でありますが、その結果、現在まで地方団体が一般経費をまかなうために起した地方債の額は、約五千億になんなんとしておる現状であります。三十三年度におきましては、これらのすでに発行した公債の元利償還額全額と、新しく地方債を起す金額とが、とんとんになるような状態になっております。すなわち新しく地方債を起したものをもって、かつての公債の元利償還に充てるというような地方財政の状態に相なるわけであります。従いましてこれを解決しなければ地方財政の抜本的な解決は期し得ないと考えております。それでこれに対する対策といたしまして、国の責任にかかわると思われるもの——もちろん国の責任にかかわるというものについては、いろいろな段階があると思います。たとえば年末手当のために財源措置をすべきであったが、それを地方債を割当てるからやっておけというような例もかつてございました。また国が財源措置を現金ですべきものであるにかかわらず、その財源措置をしないで地方債をもってつじつまを合せさせるような財政措置をしてきているというようなもの、その他当然国の責任であると思われるようなものについては、その当時すでに財源措置をすべきであったのを、地方債でいわばごまかしてきたようなものであって、それが積り積って現在の赤字財政の根源をなしているのであるから、これの元利補給をするというような措置を、明年度予算においては手始めとしてなすべきであるというふうに考えているわけであります。また今後起すべき地方債については、低金利の傾向にある現在においては、六分五厘という利子も自然引き下げらるべき性質のものでもありますし、そういう意味においてこれらに対する利子の引き下げ、あるいは償還期限の延伸というような措置をはかるべきである。また公営企業公庫というような問題が今三省の間に未解決の状態にあるようでございますが、これらの問題は、政府内部において意見の一致を見て、それを一本化いたしまして、そして公募地方債の消化の円滑を期するような措置を、明年度予算においてとってもらいたいというのが第一点であります。
 第二点は、地方債の問題ではございませんが、三十二年度の予算編成方針において、もし国税、たとえば所得税等において減税の措置をとるというようなことがあった場合においては、伝えられるように所得税の一千億減税をするというようなことが行われることがあった場合には、そのしわ寄せが地方財政に及ばないようにしてもらいたい。すなわち国税一千億減税であるならば、その地方交付税は二五%であるから二百五十億になる。また住民税の負担は所得割の二一%でありますから二百十億になる。計四百六十億というものが当然一千億減税によって地方の歳入欠陥となるわけでありまして、これらの現行制度によって当然財政収入があると見込まれるものについては、自然増があるからというようなことでごまかすことなく、自然増を含めて、地方財政収入に減少を来たさないような措置を同時にとって、国税の減税措置をするような明年度予算編成をしてもらいたいというのが、この決議案の趣旨の要点でございます。どうぞ本委員会においてこの決議を御決定願いたいと思うのであります。

発言情報

speech_id: 102504720X00519561213_045

発言者: 鈴木直人

speaker_id: 16283

日付: 1956-12-13

院: 衆議院

会議名: 地方行政委員会